歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

クスクスの歴史 - 謎が多い極小パスタの起源とは

Photo by Khonsali まるで炊き込みご飯みたいな出汁の効いた極小パスタ クスクスとは、北アフリカで生まれた極小パスタ、またはそれを使った料理を指して言います。 写真の見た目はご飯に見えますが、ご飯粒よりもっと小さいパスタ。しかし食べた感覚はご飯…

西ゴート王国の歴史

名前は知ってるけど比較的マイナーな西ゴート王国の歴史 世界史の序盤で必ず学ぶ、ゲルマン民族大移動。 アングロ族、サクソン族、ロンゴバルド族、ヴァンダル族、フランク族、西ゴート族、東ゴート族あたりは、その名前とどこに移動したかくらいは覚えると…

中世イングランドの有名な騎士たちのエピソード

騎士道が息づいていた時代の古き良きイングランド 百年戦争時代のイングランドは、騎士道精神が息づいていた時代で「古き良きイングランド」で人気がある時代です。 騎士道精神と一口で言っても、サムライのように主君に忠誠を誓うような人ばかりではなく、…

16世紀ラテンアメリカの反乱と武装蜂起

Photo by Adamt 新たな秩序を求めて抗争が続いた16世紀のラテンアメリカ 16世紀前半にラテンアメリカに侵入したスペイン人征服者(コンキスタドール)は、火砲や馬といった優勢な武器、原住民同士の反目を利用して征服を実行し、1522年にはコルテスがアステ…

古代チェコ神話 - チェコ人の成立、プラハの建設、乙女戦争

チェコ統一を精神的に支えた民族の年代記 ボヘミアのチェコ人は9世紀ごろに独自のプシェミスル朝を開き14世紀まで続きますが、王権は弱く神聖ローマの影響下に組み込まれ、またチュートン騎士団を始めドイツ人の東方植民の流れもあり「ドイツ化」の危険を常…

18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(後編)

19世紀に入って変わるクルチザンの形 ヨーロッパの高級娼婦の後編です。 前半ではルイ15世の愛妾を中心に、フランス革命前の「古き良き」宮廷に侍ったクルチザン(高級娼婦)たちをリストアップしました。前編はこちらよりどうぞ。 フランス革命が勃発後、急…

18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(前編)

贅沢な暮らしと絶対的な権力を得た女たち フランス語では「クルチザン(Courtesan)」と言うのですが、昔の宮廷や貴族の社会には上流階級の男性の「お遊び」の相手をする女性がいました。お酒や食事の相手をしたり、会話やデートをしたり、夜の相手をしたり…

ケチャップの歴史 - 英国流オリエンタルソースからアメリカの味へ

洋食にはかかせないテーブルの必需品ケチャップ 皆さまのお宅では、ケチャップとマヨネーズはペアになって冷蔵庫に入っていないでしょうか。もしかしたら、お好み焼きソースやウスターソースもセットになっているかもしれません。 料理はしなくて冷蔵庫がほ…

「金髪女はバカ」という偏見はなぜ生まれたか

金髪女はIQが低く、ルックスしか興味がないという偏見 欧米では「Dumb Blonde Jokes」というのがあります。 直訳すれば「バカな金髪ジョーク」というものです。例えばこんなものです。 赤毛女が金髪女に言った 「この間ブラジル人と寝ちゃってさ」 「まあ、…

チェコスロバキア軍団 - 祖国へ帰るための孤独で長い戦い

祖国への帰還を目指してロシアで戦い続けた国なき軍団 チェコスロバキア軍団は第一次世界大戦中の1914年から1917年にかけて、連合軍の一翼として戦ったチェコスロバキア人の軍団です。 オーストリア=ハンガリー帝国軍の兵として参加したものの捕虜になりチ…

この世のどこかにあると考えられたユートピア伝説

冒険者たちが夢見たどこかにある理想郷 かつて、この世のどこかには「金銀宝石がザクザクあるお宝の町」や「辺境にあるキリスト者や仏教徒の理想郷」があると信じられていました。 冒険野郎たちはそのような夢のようなお話を信じて船に乗って世界中に繰り出…

ビアフラ戦争史(後編)- 国際社会の介入と内戦の泥沼化

ナイジェリア軍 vs ビアフラ軍の一進一退の攻防 前編では、北部ハウサ・フラニ人と東部イボ人の民族的対立やナイジェリア軍人たちの対立が加速した結果、とうとう東部州が1967年5月にビアフラ共和国として独立するまでをまとめました。 前編をご覧になりたい…

ビアフラ戦争史(前編)- 戦争前夜、ナイジェリア民族対立の激化

200万人の犠牲者を出した「兄弟たちの戦争」 ビアフラ戦争は1967年7月〜1971年1月にナイジェリア共和国で起こった戦争です。 イボ人が主体の東部州が中央政府からの独立とビアフラ共和国の独立を宣言し、それを阻止しようとするナイジェリア政府軍との間でと…

タコスの歴史 - なぜタコスは日本で流行らないのか?

メキシコの民族食から世界のファストフードへ タコス食べたことありますか? 「はい!」とまっすぐ手を挙げられる人ってそんなにいないんじゃないかと思います。ナチョスとか、トルティーヤとか、ブリトーとか、それっぽいものは食べたことあるけど何を食べ…

なぜチェコとスロバキアは分離したのか

同じ西スラブ族の「兄弟」はなぜ決別したのか かつて中欧には「チェコスロバキア」という国がありました。 1990年以前に教育を受けた30代後半以上の人には馴染みがあると思います。 ところがこの国は1993年1月に分離をして、チェコ共和国とスロバキア共和国…

聖母マリアはイエスの死後どこで何をしていたのか

聖母マリアの「老後の人生」とは 聖母マリアはキリスト教の宗教絵画に頻繁に描かれます。 天使から神の子を授かったとお告げを受ける「受胎告知」、イエスが馬小屋で生まれた「キリストの降誕」、幼いイエスを抱いた「聖母子像」、磔刑で死んだイエスを抱い…

第二次世界大戦中のリトアニア史 - ソ連とナチスの占領と抵抗

ソ連とナチス・ドイツに翻弄された小国の悲劇 リトアニアはかつてポーランドとの連合国家ポーランド・リトアニア共和国として東欧の大国に君臨した栄光ある国です。 しかし史上名高い「ポーランド分割」で、1795年にロシア帝国に併合され、再度独立したのは…

嘘で戦争に勝利にした嘘みたいな話

戦いに勝つためにはたまには方便も必要 狼少年の話を待つまでなく、嘘はいつもついていたら全く効果がありませんが、たまにつくことで有効な場合があります。 つかないに越したことはありませんが、仕事でも私生活でも、たまには嘘を使ったほうが色々なこと…

売国奴と呼ばれる人たち:ロレンソ・デ・サバラ

テキサスの独立を手助けしたメキシコの「売国奴」 ロレンソ・デ・サバラ(1788-1836)はメキシコ・ユカタン出身の政治家・ジャーナリスト・医師。 熱烈な共和主義者であったサバラは、連邦国家メキシコの憲法草案の執筆にも携わるほどのインテリで、当時のメ…

マフディーの反乱 - 英国を動揺させたスーダンの大反乱

現在のスーダン国家の礎となった一大蜂起事件 マフディーの反乱は現在のスーダンで1881年から1889年の間にかけて起こった反乱。 マフディー(救世主)が指導する農民主体の反乱軍は何度もイギリス・エジプト軍を退け、約18年間の間独自の統治を行いました。 …

ネクタイの歴史

なぜここまでネクタイは広がったのか クールビズが結構浸透してきて、特にかしこまった場ではない普通のビジネスの場ではノーネクタイでもあまり失礼でないという風潮になってきました。やっぱ皆あまりネクタイが好きじゃなかったんだなあと思います。 息苦…

無能な指揮官列伝 - 無能さが起こした悲劇的な戦い(後編)

後の歴史に後遺症をもたらした「無能」とは 前編に引き続き、「無能な指揮官列伝」の後編です。前編では以下を紹介しました。1. 大カエピオ(共和制ローマ)2. ヨーク公フレデリック(イングランド)3. ピエール・ヴィルヌーヴ (フランス) 4. ウィリア…

無能な指揮官列伝 - 無能さが起こした悲劇的な戦い(前編)

無能な指揮官が率いる絶望的な戦い 日本史の「無能な指揮官」 と言えば真っ先に名前が上がるのは牟田口廉也ではないでしょうか。インド攻略を目指した無謀なインパール作戦を主導し多くの将兵を死なせた人物として悪名高いです。 各国史にはそれぞれ「無能な…

ユダヤ教の救世主「メシア」を自称した人たち

救世主メシアの下に神の国の実現を目指したユダヤ人 聖書の「詩篇」には、神がダビデ王とその子孫が常にイスラエルを支配することを約束する、とあります。しかしイスラエルの王は紀元前586年にバビロニアによって廃位させられてしまいます。この矛盾に対し…

【WW2】枢軸国に入る可能性のあった中立国・準枢軸国

もしかしたら枢軸国の一翼になっていたかもしれない国 第二次世界大戦における枢軸国の主要参加国は、ドイツ、イタリア、日本の三国です。 この他に枢軸国側で参戦した国は、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、クロアチア、フィンランド、タ…

アメリカの悪名高い「外国人・有色人種排除法」

法律で特定の民族を差別したアメリカの黒歴史 LGBTの権利拡大や、2018年度に世界中でブームとなった#me too運動をはじめ、アメリカは世界の人権問題への取り組みの先端的な国であります。 一方そのような理想とは裏腹に、様々な階層の様々な考えの持ち主がい…

ふざけてるとしか思えない世界のミクロネーション

Photo from "History of the Monarchy" Kingdom of Talossa 「ボクの王国」を実現させてしまった愛すべきバカ野郎の話 子どものころ、近所に作った秘密基地に名前をつけて旗なんか作ったことなかったでしょうか。ぼくはあります。 この少年時代に卒業するで…

アメリカの州旗にまつわるおもしろい話

様々な歴史や逸話があるアメリカの州旗 アメリカは「合衆国」なので、日本の都道府県に比べて州が持っている権限ははるかに大きいです。例えば州独自の軍を持っていたりします。 日本の都道府県旗なんて、県庁の庁舎くらいでしか見ないと思いますが、これだ…

「イスラエルの失われた十支族」の移住伝説

Image from "Are the British Descended from the Ten Lost Tribes?" the Libraians 世界中に様々なディアスポラ伝説がある「十支族」 「イスラエルの失われた十支族のうちのひとつが日本にやってきて支配層となった」というお話は耳にしたことがあるかもし…

フォーの歴史

Photo by Codename5281 現代ベトナム史と共に歩んだフォー フォー(phở)は今やあちこちにあるベトナム料理店では必ず提供される麺料理です。コンビニでも売ってたりしますし、インスタント麺になっていたりもします。 あっさりだけどコクのあるスープに、ピ…