歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(後編)

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19世紀に入って変わるクルチザンの形

ヨーロッパの高級娼婦の後編です。

前半ではルイ15世の愛妾を中心に、フランス革命前の「古き良き」宮廷に侍ったクルチザン(高級娼婦)たちをリストアップしました。前編はこちらよりどうぞ。

フランス革命が勃発後、急速に現代的な価値観が世の中に浸透していく中で、どのようにクルチザンの形が変わっていったのかを見ていきたいと思います。 

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18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(前編)

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贅沢な暮らしと絶対的な権力を得た女たち

フランス語では「クルチザン(Courtesan)」と言うのですが、昔の宮廷や貴族の社会には上流階級の男性の「お遊び」の相手をする女性がいました。お酒や食事の相手をしたり、会話やデートをしたり、夜の相手をしたりします。日本語では「高級娼婦」などと呼びます。

必ずしも出自が高い人物とは限らず貧しい生まれの女性もいて、豪華で贅沢な生活や権力の座を夢見て美貌と才覚でのし上がり、王族や貴族の愛人の座を射止めるケースもありました。

また当時の高級娼婦は一流の文化人・芸能人でもありました。今でいうところの、歌手・ダンサー・モデル・女優・アイドル・文筆家・インフルエンサーのような存在であったわけです。現在でも単に美人なだけでは芸能界で生き残れませんが、当時はもっと熾烈な女同士の戦いがありました。

18世紀~19世紀の代表的な高級娼婦の逸話を紹介していきます。今回は18世紀編です。 

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ケチャップの歴史 - 英国流オリエンタルソースからアメリカの味へ

Heinz ハインツ ケチャップ 1.25kg 3本セット

洋食にはかかせないテーブルの必需品ケチャップ

皆さまのお宅では、ケチャップとマヨネーズはペアになって冷蔵庫に入っていないでしょうか。もしかしたら、お好み焼きソースやウスターソースもセットになっているかもしれません。

料理はしなくて冷蔵庫がほぼ空っぽな人でも、 ケチャップはあるという人も多いのではないでしょうか。

日本人は世界的に見てもかなりのケチャップ好きと言えると思うのですが、今回はそんな日本人の食生活に欠かせないケチャップの歴史を見ていきたいと思います。 

 
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「金髪女はバカ」という偏見はなぜ生まれたか

8?x 10のすべての木製額入りフォトMamie _ van _ Doren _ Portrait

金髪女はIQが低く、ルックスしか興味がないという偏見 

欧米では「Dumb Blonde Jokes」というのがあります。

直訳すれば「バカな金髪ジョーク」というものです。例えばこんなものです。

赤毛女が金髪女に言った

「この間ブラジル人と寝ちゃってさ」

「まあ、あなたったらなんてふしだらなの。ところでそのブラジルジンって人は何人なの?

金髪がジグソーパズルを完成させるのに半年かかったが自慢げだ

箱を見ると「2 to 4 years」と書いてあった

Q.頭の良い金髪の名前を挙げよ

A.ゴールデン・レトリバー

 これはあくまで一例で「金髪女はIQが低い」とか「ルックスしか興味がない」などといったステレオタイプを信じる人も大勢いて、そういった偏見がネットの世界でも大量に流れています。

そのようなステレオタイプはとんでもないデマとすぐ分かるものですが、なぜこのような偏見が根強く残っているのでしょうか。

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チェコスロバキア軍団 - 祖国へ帰るための孤独で長い戦い

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 祖国への帰還を目指してロシアで戦い続けた国なき軍団

チェコスロバキア軍団は第一次世界大戦中の1914年から1917年にかけて、連合軍の一翼として戦ったチェコスロバキア人の軍団です。

オーストリア=ハンガリー帝国軍の兵として参加したものの捕虜になりチェコスロバキア軍団に所属になった者、志願して参加した者などきっかけは様々でしたが、皆祖国の独立を願い結束力と士気が非常に高い部隊でした。

しかし1917年にロシア革命が勃発してロシア・ロマノフ王朝が崩壊。ロシアは赤化しチェコスロバキア軍団はロシア内に取り残されてしまいます。一刻も早いロシア脱出を望む兵たちでしたが、そこから長い赤軍との戦いが始まることになるのです。

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この世のどこかにあると考えられたユートピア伝説

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冒険者たちが夢見たどこかにある理想郷

かつて、この世のどこかには「金銀宝石がザクザクあるお宝の町」や「辺境にあるキリスト者や仏教徒の理想郷」があると信じられていました。

冒険野郎たちはそのような夢のようなお話を信じて船に乗って世界中に繰り出し、大航海時代へ繋がっていきました。

こういった冒険野郎たちのおかげで世界は繋がって今や意志さえあればどこでも行けるようになったのですが、こういう夢のような土地がないことを彼ら自身が証明してしまったのは皮肉なことです。 今回はかつて存在が信じられていた伝説の都市をピックアップします。

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ビアフラ戦争史(後編)- 国際社会の介入と内戦の泥沼化

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ナイジェリア軍 vs ビアフラ軍の一進一退の攻防

前編では、北部ハウサ・フラニ人と東部イボ人の民族的対立やナイジェリア軍人たちの対立が加速した結果、とうとう東部州が1967年5月にビアフラ共和国として独立するまでをまとめました。

 前編をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

 後編では、ナイジェリア軍のビアフラ侵攻から共和国の崩壊に至る約3年の戦争をまとめていきます。

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ビアフラ戦争史(前編)- 戦争前夜、ナイジェリア民族対立の激化

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 200万人の犠牲者を出した「兄弟たちの戦争」

ビアフラ戦争は1967年7月〜1971年1月にナイジェリア共和国で起こった戦争です。

イボ人が主体の東部州が中央政府からの独立とビアフラ共和国の独立を宣言し、それを阻止しようとするナイジェリア政府軍との間でとなりました。

3年半続いた戦争は結局、ビアフラ共和国の崩壊とナイジェリアの再統一で終わったのですが、この戦争の犠牲者は凄まじく、戦災や飢餓により約200万人の民間人が犠牲になったと言われています。

 なぜこの戦争が起こったのか。一言で言うと民族問題なのですが、事ここに至る過程はかなり複雑なものとなっています。今回はなぜビアフラ戦争が起こったのかをまとめていきます。

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