歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

【2020年6月版】世界史関連の新刊30冊

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2020年3月〜2020年6月の世界史関連の新刊の紹介

新型コロナの影響で、地方によっては本屋が閉まって本に触れる機会が減った方もいたかもしれません。逆に、図書館が閉まったせいで電子書籍やネット通販でガンガン本を買った人もいるかもしれません。後者は私のことです。

直近で出た世界史関連の新刊を紹介してまいります。やはり疫病に関する本が多く出ているのと、あと大学出版会から分厚めの専門書が多く出ています。

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冷戦期ラテンアメリカの政治とポピュリズムの台頭

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中南米諸国が経験したポピュリズムという政治

ラテンアメリカは十九世紀末から二十世紀初頭にかけて、繁栄を謳歌していました。

欧米向けの資源輸出が好調で、特にアルゼンチンは当時の十大国に数えられるほど経済力が高い国でした。しかし、世界恐慌の到来で資源輸出が不調になり、産業構造の変化が求められると、南米諸国は経済的な危機や都市部でのマルクス主義・労働運動の拡がりに対応するために、ポピュリズム体制が採られるようになります。

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白旗の歴史

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戦場で掲げられる「白旗」の意味とは

戦場で「白旗」を掲げた歴史は、古くは古代ローマ時代の書物に記述があります。また、漢の時代の中国でも白旗が使われたという記述もあります。

 近代からは国際ルールとして「白旗」の使用が定められました。

今回はもっともシンプルな意匠である白旗のシンボル的な意味を中心にまとめていきます。

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ハイダラバード藩王国のインド統合の過程

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デカン高原の大国・ハイダラバード藩王国の帰属問題

イギリス統治時代のインド亜大陸には、数多くの藩王国が存在しました。イギリス時代には藩王国は550~600程度存在したと言われます。

これらの藩王国はイギリス進出以前からあった独立王国で、イギリスの「至上権」を認める代わりに内政権を保証されました。

イギリス直轄領のインドではガンディーやネルーなどのインド国民会議派は独立運動を進めましたが、これらの藩王国はその枠外にあり、インドが独立した後に政治的な帰属が問題となりました。

デカン高原にあった最大の藩王国であるハイダラバード藩王国は、統治層はムスリムでしたが住民の大部分はヒンドゥー教徒、かつ国内に3つの言語があるという地域。

最終的にはインド軍による侵攻でインドに統合されるのですが、パキスタンのように独立を目指す動きも存在していました。

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「反穀物の人類史」書評 - やっぱ国家ってロクなもんじゃねえな

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世界史を見る視点が大きく変わる壮大な文明論

「反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー」ジェームズ・C・スコット著(みすず書房)を読みました。

紀元前4000年から紀元前2000年の時期に、我々の祖先が作り上げた「国家」という仕組みがどのように成立したか、その中で穀物がどのような役割を果たしたかを、考古学・人類学のファクトを元にし壮大で大胆な仮説が提示されています。

 その中で国家が民を支配していく中で、税が課され、兵役や労役が課され、疫病が流行り、ロクなもんは食えず、人間が自分たちをどんどん不幸な方向に追い込んでいく様が描かれます。

賛否はあると思いますが、「何だ、やっぱ国家ってロクなもんじゃねえな」という感想を持つ人もいるかもしれません。

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古代の人々が夢中になった7つのボードゲーム

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古代から人々の暇を潰してきたボードゲーム 

ボードゲームの人気がずっと続いてますね。

ちょっと前までは、ボードゲームといえば、伝統的な将棋や碁、麻雀、チェス以外には、オセロ、ドンジャラ、人生ゲーム、モノポリーくらしかありませんでした。

今や、海外製のユニークなボードゲームがたくさん入ってきて、子ども向けの分かりやすいものから、大人が眉間にしわ寄せて考える戦略的なものまで様々あります。

 ボードゲームは古代から様々な種類があり、碁やチェス、バッグギャモンのように古代に生まれて現代まで遊ばれ続けているものもあります。

今回はあまり日本では知られていない古代のボードゲームを紹介しようと思います。

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19世紀イギリスの観光公害「ビデンデンの復活祭」

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「ビデンデンのおとめ」伝説にまつわる復活祭

「ビデンデンの復活祭」は、ヨーク州のビデンデンという小さな町に中世から伝わるお祭り。

この町には「ビデンデンのおとめ」という、一説によると記録上最も古いと言われる、十一世紀のイングランドの結合双生児にまつわる伝説があります。

この伝説にまつわる復活祭が16世紀から人気になるのですが、それが観光公害を引き起こし、祭りの形が時代ごとに変わっていったという興味深い歴史があります。

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ドッグフードの歴史

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進化著しいドッグフードの歴史

 犬を飼っていない人は気にしたことすらないかもしれませんが、ドッグフードのバリエーションは凄いものがあります。

子犬用や老犬用などの年齢別、柴犬用やチワワ用など犬種別、肌のケア用や関節ケア用など機能別。味の種類も牛・豚・鶏・魚介・野菜、有機食品使用や国産品使用、有名シェフがプロデュースしたものなど、思いつくものは何でもあります。

犬は味があまり分からないと言いますが、実際飼ってみるとそんなことなく、好き嫌いがかなりあります。ニオイをかいで嫌いなヤツだったらトレイごとひっくり返そうとします。

今回は変わったところで、ドッグフードの歴史です。

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