歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

エスカレーターの歴史

垂直移動に革命をもたらしたエスカレーター

エスカレーターはエレベーターと並んで、都市の人々の「垂直移動」に革命をもたらした製品です。

エスカレーターの登場によってより短時間に大人数の人々を建物の上・下の階層に移動させることができるようになり、建物の構造に大きな変化がもたらされ、都市の景観も大きく変わることになりました。

過去記事「エレベーターの歴史」も併せてどうぞ

reki.hatenablog.com

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「良妻賢母」とされる皇族・王族の女性たち

夫や子を陰から支えた「徳のある」妻たち

かつては女性のあるべき姿として「良妻賢母」が理想とされました。

夫の出世や大成のため、息子の健全な成長のため。自らを律し、贅沢は慎み、家の発展のために献身的に働くことが女性として最も理想的な生き方であるとされました。特に儒教の教えが強い東アジアは根強く語られてきました。ただこのような家や国への献身が評価されてきたのは、東アジアだけではありません。

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1858年ブラッドフォードお菓子中毒事件

ヒ素の入ったお菓子が売られ21人が死亡

1858年の「ブラッドフォードお菓子中毒事件」は、イギリスのブラッドフォードでヒ素が使われたお菓子が屋台で売られ、それを食べた20人以上が死亡、200人以上がヒ素中毒になったという、身も毛もよだつような事件です。

この事件がイギリス社会に与えた影響は大きく、後に食品の不純物混入を規制する法律が制定されるきっかけとなりました。

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「ホロコーストの生き残り」を主張した詐欺師

自らホロコーストの生き残りと称して売り込みをした人々

第二次世界大戦の重大な戦争犯罪としてホロコーストが挙げられます。

対象となったユダヤ人が非常に身近にいるためか、欧米では現代でも非常に関心が高いテーマであり、書籍、小説、映画などになってその凄惨な経験が語り継がれ続けています。

ところがあまりに関心が高いためか、「自分は強制収容所の生き残りだ」と主張する詐欺師もたびたび現れます。

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不幸な死に方をした独裁者の妻・愛人

権力の渦中で死んだ独裁者の女たち

権力に憧れるのは男だけではありません。

豪華な宮殿や調度品に囲まれ、最高級の料理や衣服を楽しむ生活。下々の者をコマのように使える快感。常に讃えられ崇められる自己肯定感。独裁者のファーストレディであることは、何ものにも代えがたい魅力があったに違いありません。

しかし多くの国民の自由を犠牲にして得た幸せは人々の恨みも買います。幸せから一転、不幸な最期を迎えた独裁者の女は多くいます。

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ノルウェーの歴史(後編)-どうやってノルウェーは先進国になったのか

中立国から西側、環境・人権先進国へ

ノルウェーの歴史の後半です。

前半では豪族が割拠する地域がキリスト教をコアにして中央集権化した後に、デンマークやスウェーデンとの協調の後に統合されていく様子をまとめました。

まだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。

後半ではナポレオン戦争を機にスウェーデンの一部になり、独立後に激動の20世紀を迎えるノルウェーの様子をまとめます。

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ノルウェーの歴史(前編)-ヴァイキングの民、国家を作る

近隣諸国と複雑な合従連衡をした「北欧の田舎国」の歴史

2021年のノルウェーの国民一人当たりのGDPは世界第4位。福祉国家や環境先進国、人権国としても知られ、日本人が羨む「北欧先進国」です。

しかし長らくノルウェーは近隣のデンマークやスウェーデン、イングランドなどと政治的な合従連衡を繰り広げた挙句、政治の中心からは外されてきました。

そのような「北欧の田舎国」がどのように世界有数の先進国になっていったかを全2回でまとめたいと思います。今回は前編です。

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