歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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ドーナツの歴史

世界中の人を虜にする甘いドーナツの誘惑

ドーナツの消費量は世界で増加傾向にあります。

世界のドーナツ市場は2021年で157億8000万ドル(2兆3354億円)に達し、2028年にかけて年間3.4%で成長すると見込まれています。

日本では、かつてはミスタードーナツがどこでもありましたが店舗数が減り、その代わりにコンビニやスーパーで気軽に買えるようになりました。

今回はドーナツの歴史を紐解いていきます。

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『WEIRD「現代人」の奇妙な心理』書評―中世キリスト教会が「現代」を作った

「文化」を軸に"WEIRD"社会の発展を描くビッグ・ヒストリー

『WEIRD「現代人」の奇妙な心理』ジョセフ・ヘンリック著(白揚社)を読みました。

ご恵投いただいてから読了するのに1ヶ月以上かかってしまったのですが、かなり面白かったです。

上下巻あり、そこそこ値段はするのですが、本書の内容は通常の本の10冊ぶん以上の貴重な知識や内容がガッツリ詰め込まれているので、むしろ得なのではと思います。

こちらの記事では、本書がメインで描く「なぜ西洋が世界を支配するに至ったのか」を簡単いまとめていきます。

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ラオスの歴史(後編)―フランス領からの独立、社会主義ラオスの成立

インドシナ山岳国家の現代史

ラオスの歴史の後編です。

前半では、ラーンサーン王国の成立から分裂、後継国家のビエンチャン王国がシャム王国との戦争の末に破壊される経緯をまとめました。

前編はこちらからご覧ください。

後編はシャム王国の支配下からフランスの保護領となり、太平洋戦争を経て独立を果たすもベトナム戦争と連動した革命戦争が起こり、社会主義ラオスが成立する過程を解説します。

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ラオスの歴史(前編)―戦国インドシナの強国ラーンサーン王国

東南アジア山岳国家の戦乱の歴史

ラオスは東南アジア、タイ、ベトナム、カンボジア、中国、ミャンマーに国境を接した内陸国で、国土の約70%が山岳地帯です。

面積は23万6800平方キロメートル。人口は2021年時点で約733.8万人。本州よりやや小さい面積に、埼玉県の人口が住んでいる計算になります。非常に日本と比べて人口密度が低いことがわかると思います。

首都のビエンチャンと旧王都ルアンパバーンを除くと、豊かな自然の恵みから人々は食料を得てのんびりとした暮らしをしています。田舎に行くと電気、ガスが通っていないことも普通です。

民族は低地に住むラオ族、タイ族で約62.3%を占めます。少数民族として山岳地帯に住むモン系、クメール系語族が24.8%、モン・イウミエン系語族が9.8%、シナ・チベット系語族が2.9%という内訳で、2008年段階でラオス政府は民族数を49と定めていますが、この枠に入ってない民族もいるので厳密にはもっと多いとされます。

経済発展は遅れており、2022年のIMFの名目GDPランキングでは第133位。2018年3月に国連が出した後発発展途上リスト48カ国にも名を連ねています。最貧国の一つと言っても過言ではありません。

今回は前後編で、ラオスの歴史をまとめていきます。

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2023年読んで良かった「ベストブック」10冊

今年読んだ本のトップ10を選びます

2023年度ももうすぐ終わりですということで、毎年やっていますが、今年度に私が読んだ本の中で面白かった10冊というのを選んでみます。

今年読んだ本なので、2023年以前に発売された本も含まれています。あらかじめご了承くださいませ。

また面白かった私のYouTubeチャンネルで紹介している書籍も多く、よろしければそちらも合わせてご覧いただけるとうれしいです。

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1942年アメリカ兵vsオーストラリア人「ブリスベンの戦い」

アメリカ兵とオーストラリア人が一触即発状態になった事件

ブリスベンの戦い(1942年11月26日~27日)は、第二次世界大戦中にオーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンで、オーストラリア人と駐留アメリカ軍との間で起きた騒乱です。

騒乱は2日続き、幸い本格的な戦いになることはなかったものの、もし両軍が戦闘状態になっていたら日本軍への対応で少なからず影響が出たに違いない事件でした。

なぜ同盟国同士が一触即発状態になってしまったのでしょうか。

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『宗教の起源』書評 - 宗教はすごく「気持ちいい」

なぜ宗教ははじまり、なぜ人間に必要とされたのか

宗教の起源――私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』ロビン・ダンバー著(白揚社)を読みました。

タイトル通り、なぜ宗教は発生し、なぜ人間は宗教を必要とし、宗教の本質とは何なのかを明らかにしていく本です。

かなり面白かったので、今回ブログでも紹介したいと思います。

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