歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

初期イスラム教団の拡大理由=「圧倒的武力」説について

なぜイスラム教団は短期間で領土を拡大できたのか? 預言者ムハンマドから正統カリフ時代を経てウマイヤ朝が成立する過程で、 イスラム帝国は爆発的に拡大し、西はリビア砂漠から東はペルシア高原まで征服してしまった。その後ウマイヤ朝の元でさらに拡大し…

実はふさわしくない?神話をモチーフにした企業名・ロゴ

企業のロゴや名前に似つかわしくない「本当の意味」とは 企業のロゴやブランドの名称というのは、 実は相当時間をかけて作られています。 企業の向かう方向性をとりまとめてステークホルダーに了承を得、整合性が取れる形状やトンマナ、モチーフを選んでデザ…

政治犯・凶悪犯が送られた有名な「流刑島」

政治犯・凶悪犯が送られた「辺境の離島」 流刑島ってなんかロマンがあると思いませんか? 「夢敗れた男たちのたどり着いた先」みたいな感じでグッとくるものがあります。島ってところがまたいいですね、閉じ込められた感あって。 中央の抗争に破れて流されて…

アパルトヘイトはなぜ始まったのか

南ア経済システムに組み込まれた黒人差別 「アパルトヘイト」と聞くと、バスや公衆便所、水飲み場など公共の施設で白人と黒人が分けられているシンボリックな写真を思い浮かべます。 今の常識だとそんな差別が制度化されていたのが不思議なほどですが、なぜ1…

「世界のカレー」の歴史

Image from stu_spivack 皆で「パクス・カレー(カレーによる平和)」を実現しようではないか カレーって素晴らしいと思いませんか? 安いし腹いっぱいになるし、奮発すれば贅沢もできる。パン好き・ご飯好き、肉好き・魚好き、野菜嫌い、辛党甘党、誰でもひ…

歴ログのシリア旅行記

10年前は平和で活気があったシリアの街並み 約10年前の2006年9月上旬、当時大学生だったぼくはシリアを旅行しました。 現在は様々な政治勢力により国土を分断され、祖国を捨てる人が相次ぎ、悲劇と憎悪の連鎖が続く呪われた地になってしまいましたが、 10年…

ハワイの神になった探検家・クック船長の最期

クック船長を歓迎し、後に殺したハワイ原住民 ジェームズ・クック(1728-1779)はイギリスの探検家で、3回の太平洋の航海でタヒチやオーストラリア、ニュージーランドの周辺を航行。さらに、ヨーロッパ人で初めてハワイ諸島を発見したことでも名高い人物です…

【エイプリルフール】20世紀の伝説的なニセ記事

多くの人が騙された!?微妙に本当っぽいニセ記事 4月1日には企業やメディア媒体がエイプリルフールのウソ記事を出していて、 その面白さを競うのが恒例行事になりつつあります。 ここ10年くらいですかね、そういう流れが出来たのは。日本にもエイプリルフ…

なぜハンガリーには義賊がたくさんいたのか

"義賊大国"ハンガリー、その社会的背景 弱きを助け、強きを挫く。農民の味方・正義の義賊。 世界各地に義賊はいるのですが、特に義賊の数が多く社会や文化に根ざしていたのが中央ヨーロッパとバルカン諸国。 このブログでは初期の頃に、18世紀〜20世紀の義賊…

イギリスの愛国心とビールの深い関係

イングランド人の心を揺さぶる伝統のエールの味 以前「イギリス料理がまずくなった5つの理由」という記事を書いて、大きな反響をいただきました。 「いやいや嘘つけ結構美味しかったぞ!」とか「そうそう本当にマズかった!」とか色々なコメントがあって非…

近代的世界宗教バハイ教とはどんな宗教か

近年拡大を続ける世界宗教の教えと歴史 世界236の国と地域で信奉されている宗教。 そう聞くとキリスト教やイスラム教を想像してしまいますが、これはバハイ教のことを言っています。 その数はキリスト教に次いで2番目で、2100以上の民族・人種・部族に信者…