歴ログ -世界史専門ブログ-

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中国

『琉球王国は誰がつくったのか』沖縄は海賊の島だった?

琉球王国形成の典型イメージを変える一冊 『琉球王国は誰がつくったのか 倭寇と交易の時代』(七月社 吉成直樹 著)を読みました。 文字通り沖縄の琉球王国の成立に関する著作です。 従来は、琉球王国は沖縄本土の農業社会の発展によって力をつけた支配者が…

毒殺された世界史の人物と動物28名と2匹

殺し方として非常に一般的な「毒殺」 食べ物や飲み物に毒を混ぜて人を殺害する方法は、刃物で切ったり首を絞めたりする方法に比べて力もいらず、比較的容易と考えられます。ただし毒殺といっても単にメシに毒を混ぜるだけではないようです。 歴史上、毒殺さ…

「良妻賢母」とされる皇族・王族の女性たち

夫や子を陰から支えた「徳のある」妻たち かつては女性のあるべき姿として「良妻賢母」が理想とされました。 夫の出世や大成のため、息子の健全な成長のため。自らを律し、贅沢は慎み、家の発展のために献身的に働くことが女性として最も理想的な生き方であ…

不幸な死に方をした独裁者の妻・愛人

権力の渦中で死んだ独裁者の女たち 権力に憧れるのは男だけではありません。 豪華な宮殿や調度品に囲まれ、最高級の料理や衣服を楽しむ生活。下々の者をコマのように使える快感。常に讃えられ崇められる自己肯定感。独裁者のファーストレディであることは、…

世界史を揺るがした10の大飢饉

大量の死者を出し社会を混乱させた大飢饉 歴史上、何度も飢饉が起きてきました。 食えない人が大量に出現して治安が悪化したり、戦争や内乱が起きたり、場合によっては王国や王朝が転覆する場合もありました。 その原因は天変地異や気候変動だけでなく、政治…

大量の死者を出した世界史の爆発事件TOP10

千人万人単位の死者を出した記録的な爆発事件・事故 工場や船舶・航空機が大爆発を起こして炎上、犠牲者十数名といったニュースは、国内・海外問わず目にするニュースです。 火薬を入手して以降の人類の歴史は爆発事故の歴史でもあります。当然、戦争中の大…

トイレの中で死んだ歴史上の偉人たち

安心できる場所であり危険な場所でもあるトイレ 越後の龍こと上杉謙信が春日山城の厠で倒れ、そのまま息を引き取ったことは有名な話です。トイレは部屋よりも温度が低く気温差によって発作を起こしやすいし、1人になるので発見も遅れるためか、現代でもトイ…

【世界史】史上最も在位の短い国王TOP10

在位期間が歴代もっとも短い国王を発表します 2019年に明仁天皇が譲位なさりました。在位期間は31年です。先代の裕仁天皇は62年の在位期間でした。2022年9月に崩御されたイギリスのエリザベス2世の在位期間は68年でした。 何となく国王の在位期間は最低でも…

世界の民族の「創世神話」(アジア・太平洋・アメリカ篇)

はじめ世界は混沌のみがあった… 日本の「国生み」の神話は古事記に記述があります。 高天原(たかまのはら)に住む神々は下界に国を作ることにして、イザナギノミコトとイザナミノミコトを派遣した。当時は大地はまだ水に浮いた油のように海水に漂っていた。…

現代の国家の始祖と見なされる古代王朝

現代の国家の始祖と位置づけられる古代国家 現代の日本国の始祖がどういう体制だったかはやかましい議論がありますが、一般的には大和国のヤマト王権を中心に各地の政治勢力が糾合して出来たとされています。 騎馬民族征服王朝説とかワクワクする説は色々あ…

Google Mapで見る世界の「未確定国境線」

よく分からない国境線は地図閲覧の醍醐味 世界地図を見ていると、国境線が点線で描かれていて、明確にどっちに属するか曖昧にされている箇所が結構あります。 領土紛争や条約未締結で明確に国境線が引けられない場合にそのような書き方がなされるのですが、…

【現代史】敵国の英雄となった人たち

母国以外で活躍して有名になった人物 人は英雄に憧れるものですが、「憧れてほしい」対象というのもの人それぞれなのかもしれません。 全世界中の人の場合もあるし、自分の国の人の場合もあるし、ちびっ子限定の場合もあるでしょう。女性だけ、という人もい…

生で見てみたい「水中に沈んだ都市遺跡」

ロマン溢れる水中都市遺跡 「天空の城ラピュタ」に印象的なシーンがあります。 ラピュタに着いたばかりのパズーとシータが水の底を覗くと、そこにはかつての都市がまるごと水中に沈んでいた、という描写です。 あのシーンはいつ見ても本当にワクワクするんで…

ガセネタだった「歴史的大発見」

歴史を揺るがす大発見!かと思いきや… アカデミックの世界で「ガセ」はつきものです。 「つきもの」って言っちゃあ本当はアカンのですが、小保方さんとかゴッド・ハンドとか黄禹錫とか、パッと思いつくだけでもいろいろやらかした人います。 なんでみんな騙…

遊牧民族を統一した匈奴の王・冒頓単于

*1 北方遊牧民族を一大勢力にまとめあげた男 匈奴は紀元前4世紀頃、中国の春秋戦国時代に突如として北方の草原地帯に出現した遊牧民族集団。 強力なリーダー・冒頓単于の元で遊牧諸部族を統合して強大化し、南の漢王朝の軍勢を打ち破って一大勢力になりまし…

中国の伝統思想と共産党政権の関係

社会主義を容易に受容できた中国の伝統思想 いわずもがなですが、共産主義やその手前の社会主義思想が作られたのはヨーロッパです。 マルクスはその著作の中で「高度に発達した資本主義はいつか必ず共産主義に到達する」と書きましたが、彼はそれを当時のイ…

釣り糸の歴史 - 昔の人は何を使って魚釣りしていたのか

「釣り糸」がない時代の釣り糸とは? 歴史の教科書の一番最初のページには、アウストラロピテクスとか、洞窟絵画とか、打製石器とか、骨で作った釣り針とかが載っています。 文明が起こる前から釣り針は動物の骨が使われていたというのは、そうだろうねと思…

【世はまさに世紀末】中国民衆が悪党支配に立ち向かう時

悪政に立ち向かう自警団組織はいかにして生まれるか 黒澤明監督の「七人の侍」では、野武士の襲撃に苦しむ村人たちは町に出かけ、7人の浪人を雇って村の防衛を委託しました。 何で浪人を雇わなくてはいけなかったかというと、あの時代は行政機能が麻痺して…

世界の国々で信じられている「不吉な数字」

この数字は不吉の予兆… 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の5部に出てくるキャラクター、グイード・ミスタは異常に「4」という数字を恐れます。 実際に4発の弾丸をリボルバーに込めたらピンチに陥ったり、 4発の弾丸を落とした瞬間に味方が殺されたりしまし…

史上最も影響を与えた紀行本10選

バッグパックに本とカメラを突っ込んでふらりと気の向くまま 他人が海外旅行に行って楽しい思いをしているのを見たり聞いたりするのは、基本的にはあまり気持ちいもんじゃないです。 「なんだよ、自慢かよっ!」 って思っちゃう。 でも次に「オレも行きたい…

奥深き中国拳法の流派(後篇)

かなりマイナーな中国拳法の流派 今回もディープな知られざる中国拳法を見ていきましょう。 正直、ぼくもほとんど知らないものばかりでした。 もしお時間ある方は、貼付けた動画も見てみてください。 ホームビデオばかりですが、 興味深いものばかりです。 …

奥深き中国拳法の流派(前篇)

馴染みのない中国武術の奥深き世界 我々が知っている中国武術と言えば、 少林寺拳法、酔拳、太極拳くらいでしょうか。香港映画の影響がとても大きいですね。 前回の記事「中国武術の発展とその思想について」では、中国武術の概要についてざっと解説しました…

中国武術の発展とその思想について

奥深い中国武術の世界 中国の武術と言うと、すぐにブルース・リーかジャッキー・チェンを思い出してしまいます。 なんかこう、激しく動く派手な格闘技、みたいなイメージがありませんか? 一方で、太極拳のようなゆったりと動くものを想像する人もいると思い…

昔の人はどのように避妊していたのか

これで安心?昔のマル秘避妊術 時代や地域によって異なりますが、基本的に昔の人は子だくさんでした。 幼児死亡率が高かったというのもあるし、頭数が多ければ多いほど農作業の人員を増やせるし、子どもが多いということは社会的にも尊ばれ、望ましいとされ…

【お金】ホントに使われていた、世にも奇妙な"通貨"

信頼のある幻想 "通貨" 1万円札の原価って知ってますか?約20円だそうです。 ちなみに1円玉の原価は約2円にもなるそうです。 本来は1円玉を11枚持った方が1万円札よりも価値があるのですが、 市場では11円ではうまい棒が1本しか変えません。 一方で、1万円札…

中国の女海賊・鄭夫人の「海賊経営術」とは

海の荒くれ男たちをマネジメントした女経営者 海賊と言えば、自由な海の男たちの集団というイメージがあります。 奔放に商船を襲ってはカネを奪い、 陸に上がっては酒に女にバクチに明け暮れ、 文無しになったらまた獲物を求めて海をさまよう、みたいな。あ…

いかに唐はシルクロード交易を支配したか

唐帝国による西方世界の取り込み 世界史の資料集を読んでいて、 中国の唐王朝の領土が西にかけて非常に横長く伸びていることに気づいて不思議に思ったことはないでしょうか。 今回は、その西に伸びた場所にあったオアシス諸都市が、 いかにして中国と経済的…

【経済】清王朝の物流について

清末にピークを迎える中国の流通業 中国は明と清の時代の物流の歴史。後編です。 前編では、徽州商人の勃興と、活発な江南デルタ地帯の経済を中心に書きました。 こちらからご覧ください。 後編では、満州民族の支配下の清王朝でますます発展する中国経済と…

【経済】明王朝の物流について

世界一の物流大国・中国 中国は今や日本を抜き世界第二位の経済大国であり、 輸出競争力も高いだけでなく、13億人の内需が強力に経済サイクルを牽引しています。 いま中国脅威論や逆に中国崩壊論が華やかで書店を賑わせておりますが、 歴史を鑑みるに中国が…

【珍事】武器がないなら食べ物を使えばいいじゃない

引用:s1081.photobucket.com やべ、武器ねえじゃん!これでも喰らえ! 戦争はヒト、モノ、カネあらゆるものを動員しますが、 いくら準備しても充分ということはないし、さらに不測の事態に備えた柔軟な対応が求められるのが戦場というものです。 大量に武器…