歴ログ -世界史専門ブログ-

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2017-01-01から1年間の記事一覧

なぜロシア人はキリスト教を受け入れたのか

Work by Moataz1997 ロシアがイスラム教を受け入れなかったのは酒が原因…? キエフ公国のウラジミール大公がルーシにイスラム教を取り入れることを良しとせず、キリスト教(正教)を受け入れたきっかけとなる有名なお話があります。 ウラジミール大公の元に…

アンクル・サムのモデルになった人物とは?

アメリカを象徴するキャラクター、アンクル・サム 「I WANT YOU FOR U.S. ARMY」のポスターは高校の美術の教科書で見たことあると思います。 これは1917年にイラストレーターのジェームス・モンゴメリー・フラッグによって描かれたもので、第一次世界大戦の…

世界の「短命国家」の国歌かっこいいランキングTOP10

カッコイイ短命国歌の国歌を聞いてみよう 国歌が好きです。 「国の歌」ですから、その国の国民がおおよそ納得できるものに仕上がっているはずで、(基本的には)その国の歴史や文化が集約されているものであるからです。 そして、歴史も何も、成立してすぐに…

大日本帝国の朝鮮人移民と移民政策

100年前に既に起きていた日本の移民問題 日本では移民問題はかなりセンシティブな話題です。特定のイデオロギーとつながりやすく、冷静で建設的な議論にならず、皆意図的にこの話題を避けている節もあります。 今後仮に日本が移民を受け入れるにしても、 「…

羽地朝秀・琉球王国を大改革した男

琉球王国の政治改革を成し遂げた傑出した政治家 羽地朝秀(はねじ ちょうしゅう 1617-1675)は琉球王国の政治家・歴史家。 1666年から7年間、国王を補佐する最高位である摂政に就き、琉球王国の行き詰った構造を打破し変革を成し遂げた人物です。 羽地が摂政…

独裁者を父に持った子どもたちの生涯

多くの人から好かれ・憎まれた父を持った子どもたち 独裁者は、常に多くの人の注目を浴びる存在です。 自分が中心にいることが好きな人だからこそできるんでしょうが、賛辞・称賛だけでなく、憎悪・呪詛・怨恨など負のエネルギーも大量に浴びることになりま…

コンゴの近現代史(4)- 「アフリカ大戦」地獄のコンゴ戦争

アフリカ中を巻き込んだ第一次・第二次コンゴ戦争 コンゴの近現代史のまとめの最後になります。 国内の安定を最優先に掲げた軍人モブツは、反対勢力や政敵を徹底的に弾圧。行政・立法・司法組織を党の一部門にし、また国民全員を党のメンバーとして自らをト…

コンゴの近現代史(3)- コンゴ流文化大革命・モブツのザイール化政策

モブツが進めるザイール化政策の末路 コンゴの近代史のまとめの第3回です。 ベルギーから独立したコンゴは、中央政府の主導権争いと部族間抗争が内戦に発展。 東部が分裂しカタンガ共和国を名乗るなど、国家分裂の危機を迎えました。 国連を始めとした国際社…

コンゴの近現代史(2)- なぜコンゴ動乱が起こったのか

準備不足の独立によってもたらされたコンゴ動乱 コンゴの近代史の第2回です。 前回はコンゴ王国が奴隷貿易によって国力を落とした後にベルギー王レオポルド2世の私領「コンゴ自由国」となり、非道な収奪で多くの犠牲者が出たことをまとめました。 まだご覧に…

コンゴの近現代史(1)- コンゴ自由国の悲劇

近代以降悲劇の歴史が続く大国コンゴ コンゴと聞いて何を思い浮かべますか? ザイールという名称のほうがまだ馴染みがあるかもしれません。それでも内戦が続く危ない国、という程度の印象があるくらいでしょう。 コンゴという名称の付く国は二つあり、旧フラ…

「福祉国家スウェーデン」はどのように成立したか

「理想的福祉国家」スウェーデン ちょっと前まではスウェーデンやデンマークなど北欧の国々の手厚い福祉政策が「理想的」と喧伝されていました。 今でも教育や人権、福祉、労働条件の問題を語る時に、北欧の国々の取り組みは引き合いに出されることは多いで…

【古代文明】未だに謎が多い世界の巨石遺跡

世界にたくさんある謎の巨石遺跡 巨石遺跡と言えば、イギリスのストーンヘンジやイースター島のモアイを思い出しますが、世界中に同じような巨石遺跡があります。 記録があまり残っておらず、よく分かってない謎だらけの遺跡も多く、その分からなさから多く…

「ポーランド分割」- 共和国ポーランドが消滅するまで

拡張する近隣諸国の中に溶解していくポーランド国家 高校の世界史で必ず学ぶポーランド分割。 しかし、どういう背景があって、どのような経緯で分割されるに至ったかあまり詳しく知らないのではないでしょうか?なんかケーキのようにいつのまにか切り取られ…

絶滅寸前の西ヨーロッパの少数民族(後編)

ひっそりと消えゆこうとしているヨーロッパの少数民族 西ヨーロッパの少数民族のまとめの続きです。前回は、 フリース人(ドイツ・オランダ) ソルブ人(ドイツ) コーンウォール人(イギリス) アイリッシュ・トラヴェラー(アイルランド) ガリシア人(ス…

絶滅寸前の西ヨーロッパの少数民族(前編)

その存在が埋没する寸前の西ヨーロッパ少数民族 現在の西ヨーロッパの民族問題は「中東や近東、北アフリカからの移民」問題に尽きます。 国の枠組みを破壊するレベルのヤバイ勢いで人が増え続けており、世界の歴史的に見ても後の大転換点となるひとつの大き…

黒猫はなぜ不吉とされるのか

黒猫は悪魔の化身?幸運のシンボル? 「黒猫が目の前を横切ると不吉」という迷信は一度は聞いたことがあると思います。 キリスト教圏の国々では、黒猫は長い間魔女伝説の迷信とセットになって考えられたため、不幸と厄災をもたらすとされました。 一方で、イ…

独裁者に「毅然とした態度」をとって有名になった人

「毅然とした態度」とはなんだろう ニュースとか見てると「毅然とした態度が求められる」とかって言いますけど、実際どんな態度が毅然とした態度ってみんな思ってんでしょうか。 確かに「強気な態度」はカッコいいし、見ていて気持ちがスッキリするものです…

ヒトラーが戦争勝利後に計画していた「世界新秩序」

Photo credit: Bild 183-1987-0703-507 ヒトラーとナチスが計画していた世界秩序とは 現代の世界は、第2次世界大戦の戦勝国主要5カ国・米ソ(露)英仏中を中心とした国際秩序で成り立っています。勝てば官軍の非常に分かりやすい国際秩序ではあります。 これ…

【ミリタリーJK】WW2で活躍した10代少女

実在した本物の「ミリタリーJK」 萌えオタク系のアニメに出てきそうですが、あらゆるものが総動員された第二次世界大戦では、10代の少女も銃を取って戦ったり、地下抵抗運動に参加したりしました。 それこそ女子高生くらいの年齢の少女たちです。今回は戦場…

自らの発明や主義・主張によって死亡した人たち

自らの信念を貫いた挙句、死んでしまった人たち 長い人生、できるなら自分の信念を持ちそれを貫いて生きていきたいものです。 他人の考えたルールや事柄に服従して生きるよりは、自分の信念のままに生きることこそ真の自由ではないでしょうか。 といいつつ、…

ブラジルの近現代史(4)- 経済発展「ブラジルの奇跡」

Photo by Artyominc 安定と不安定の狭間で着実に前に進むブラジル ブラジル近現代史、今回が最後です。 前回では、世界恐慌から始まった危機を脱するため、ヴァルガス政権が独裁的な手法でブラジルに構造改革をもたらし、それによって政治・経済は安定するも…

ブラジルの近現代史(3) - ヴァルガス独裁体制の構造改革

ブラジルの構造改革を模索する穏健ファシスト体制 全四回でブラジルの近現代史をまとめています。 前回では、パラグアイ戦争と奴隷解放によって帝政が崩壊し、共和制の体制の元で経済成長と政治の安定が比較的順調にいき、第一次世界大戦の参戦で国際的なブ…

ブラジルの近現代史(2) - 帝国の崩壊と共和国の発展

共和制ブラジルの発展とナショナリズムの成立 21世紀の大国・ブラジルの近代史をまとめています。 前回はブラジルがポルトガルから独立し帝政の下で政治的・経済的な安定を図りつつ、対外拡張戦略によってナショナリズムを高揚させ、一方で奴隷制廃止という…

ブラジルの近現代史(1) - 帝国ブラジルの野望

21世紀の大国・ブラジルの近代史 ブラジルという国はGDPは世界9位(2016年度)であり、天然資源や工業部門で世界経済に占める割合は大きなものがあります。 日本人の移民の歴史も長く、3世や4世の日系人が日本で就職するケースも多く、人的な結びつきも強い…

史上最凶の大気汚染・1952年のロンドンスモッグ

4,000人が死亡、10万人以上が健康被害を受けた最悪の公害事件 ロンドンは温暖化対策やリサイクル政策などで世界の先端を行く「エコ・シティ」です。 2012年のロンドン・オリンピックでは「環境に配慮したオリンピック」がテーマだったし、行政のエコロジー政…

なぜトイレのことを「John」と言うのか

「ちょっとJohn行ってくるわ」 英語圏では「トイレ」のことを「John」と言う場合があります。 なのでJohnに行く、は「用を足す」という意味になります。 なぜトイレはJohnと言うのか。 覚えて、さっそく明日から使っていきましょう。

なぜカナダ国旗は「カエデの葉」が描かれているのか?

カエデの葉のデザインに至るカナダ国旗の歴史 世界には様々な国旗がありますが、植物があしらわれているデザインがいくつかあります。 例えば、レバノン杉が中央に描かれたレバノン国旗や、サボテンが描かれたメキシコ国旗。オリーブや月桂樹の葉が描かれた…

本当に計画された漫画やアニメのような軍事作戦

お笑いのような真面目な軍事作戦 これまでこのブログでも、冗談みたいな理由で起こった戦争や、間抜けすぎる軍事作戦、映画みたいな軍事作戦などなど、本当にあったとんでもない戦争の逸話をたくさん紹介してきました。 ちょっと話が盛られてるところはあり…

論争や謎が残る7つの「悲劇の沈没船」

未だに論争を呼び人々を引きつける沈没船 技術の発達によって昔ほど船は沈まなくなっているはずなのですが、韓国のセウォル号やイタリアのコスタ・コンコルディアのように、客船が沈没したり座礁したりする事故が未だに起きてしまいます。 いくら技術が発達…

ハッピーバースデーの歌の歴史と著作権問題

長年著作権問題があったハッピーバースデーの歌 誰かの誕生日には必ず「♪ハッピーバースデー トゥーユー」で始まる歌を歌うと思います。 これはアメリカや日本だけでなく、歌詞やメロディーが変わっても結構どこの国でも同じで、世界中に普及した非常に有名…