歴ログ -世界史専門ブログ-

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インド

世界史を揺るがした10の大飢饉

大量の死者を出し社会を混乱させた大飢饉 歴史上、何度も飢饉が起きてきました。 食えない人が大量に出現して治安が悪化したり、戦争や内乱が起きたり、場合によっては王国や王朝が転覆する場合もありました。 その原因は天変地異や気候変動だけでなく、政治…

「幸せの国」ブータン王国の歴史

ヒマラヤの山岳小国の歴史 ブータンという国名の由来は二つあります。 一つ目はサンスクリット語の「ボータンガ(チベットの手足)」から来ているという説。もう一つが同じくサンスクリット語で「ボーターンタ(チベットの辺境)」から来ているというもの。…

アジア・アフリカの10の「民族統一主義運動」

欧州の考えを輸入したアジア・アフリカ的民族統一主義の形 以前、ヨーロッパの民族統一主義運動についてまとめました。 過去に自民族が保有していた・または勝ち取っていた領土の回復、自民族のルーツであるが今は他国にある土地の回復、他国に住む自民族の…

世界史の驚くべき奇襲戦術(後編)

近現代の戦争の奇襲戦 近現代の奇襲戦と言えば、真珠湾攻撃が思い浮かびます。 あれが「だまし討ち」だったというイメージがあり、アメリカも日本が開戦準備してるの知らねえはずなかっただろ、とも思いますが、宣戦布告が遅れてしまいただでさえ悪い日本の…

伝説的インド人クリケット選手と「英国スゴイ神話」

イギリス人に愛されたインド人選手、クマール・シュリ・ランジットシン インドはクリケットの強豪国で、2019年現在、イングランドに次いで世界ランキング2位です。 インドではクリケット・ワールドカップは大変な盛り上がりで、みんなテレビにかじりつき、イ…

歴史の舞台裏で暗躍したキングメーカー13人(後編)

古代から現代まで政局を左右してきた影の実力者たち 歴史を影で動かした 「キングメーカー」の後編です。 前回ご紹介した人物は以下のとおりです。 カウティリヤ (グプタ朝) アトッサ(ペルシャ帝国) プラエトリアニ(ローマ帝国) フラビウス・リキメル…

歴史の舞台裏で暗躍したキングメーカー13人(前編)

歴史を支えた影の実力者「キングメーカー」 「キングメーカー」という言葉を辞書で引くと (総理大臣などの)要職の人選を左右する実力者。 とありました。政権のトップではないものの、トップに比する力を持ち、政局を変える力を持つ影の実力者を指します。…

「城の堀にワニを放って防御力を上げる」ことは本当にあったのか

侵入者が腹ぺこワニに食われるというのはあったのか 以前こんなツイートを見ました。 インドの人と一緒に名古屋城行った時、堀を指差して「これはなんだ?」って聞かれたので「防御のための施設だ。昔は水が張ってあった」って答えたら「あーわかるわかる、…

国の擬人化キャラクターの女の子13名

最も美しい国の擬人化キャラはどれだ 自分の国に特徴的なキャラクターを設定してカリカチュアに描くことがあります。 日本だとサムライの姿で描かれたりしますが、名前やビジュアルに固有のものがあるわけではありません。 特にアメリカとヨーロッパの国に多…

巨大インド市場に紅茶を売った「大英帝国流マーケティング」

インド人に紅茶を売り込め! インド料理を食べた後には、ラッシーか甘い紅茶を飲みたくなります。 砂糖とミルクがたっぷり入って、少しカルダモンの香りが効いたあれです。 口に残る強烈なスパイスの味をさっぱりさせてくれて、さすが長い伝統の中で育まれた…

YouTubeで聞く世界の古代音楽

現代によみがえる古代の音楽 たしか論語だったと思うのですが、漢文の授業でこんな話があったのを覚えています。 孔子が斉の国に滞在していた時、韶の音楽の演奏を聞く機会があった。孔子は「音楽が人の心をここまで揺さぶるとは」と大変感動した。あまりに…

Google Mapで見る世界の「未確定国境線」

よく分からない国境線は地図閲覧の醍醐味 世界地図を見ていると、国境線が点線で描かれていて、明確にどっちに属するか曖昧にされている箇所が結構あります。 領土紛争や条約未締結で明確に国境線が引けられない場合にそのような書き方がなされるのですが、…

【現代史】敵国の英雄となった人たち

母国以外で活躍して有名になった人物 人は英雄に憧れるものですが、「憧れてほしい」対象というのもの人それぞれなのかもしれません。 全世界中の人の場合もあるし、自分の国の人の場合もあるし、ちびっ子限定の場合もあるでしょう。女性だけ、という人もい…

【インドカレー屋のBGM】インドの伝説的歌手ラタ・マンゲシュカル

多大なる影響を与えたインドの「美空ひばり」 インドカレー屋にメシを食いにいくと、よく独特のBGMが流れてますよね。 どんな曲だったかいちいち覚えている人は少ないと思いますが、甲高くて抑揚のある女性の歌だったような印象はありませんか? たぶん、そ…

生で見てみたい「水中に沈んだ都市遺跡」

ロマン溢れる水中都市遺跡 「天空の城ラピュタ」に印象的なシーンがあります。 ラピュタに着いたばかりのパズーとシータが水の底を覗くと、そこにはかつての都市がまるごと水中に沈んでいた、という描写です。 あのシーンはいつ見ても本当にワクワクするんで…

【心霊】世界の10の「呪われた町」

怖さも桁外れ?海の向こうの心霊スポットへようこそ このブログは基本的には世界史とその周辺のテーマを取り扱っていますが、たまーにオカルトめいたことも書いています。 何でかっていうと、個人的に好きだからです。 ぼくの実家の近くの山は県内有数の心霊…

仏教の基本的な教えを再学習する

釈迦の教えをイチから学び直す 最近ほんとうにいいニュースがないです。 進む円高、増える国の借金、格差の拡大、地方の衰退、年金の崩壊、ブラック企業問題、AIに奪われる仕事、少子高齢化。 老いたヤクザ国・アメリカの混乱と、ブチ切れまくった若いヤクザ…

地動説は信じない?奇妙で不思議な「地球のカタチ」

地球は本当はどういうカタチをしているのか!? 我々の住む地球は球体をしていて、太陽を中心とする銀河系の一惑星であり、回転しながら太陽の周りを周回している。 これは常識中の常識です。小学生でも知っています。 でも、実際自分の目で地球が球体である…

歴史上実在した「野生児」とその逸話

人間社会から捨て置かれ野で成長した子どもたち 伝説によると、ローマ帝国の祖ロムルスは弟レムスと共に雌狼の母乳で育ったとされています。 兄弟は自分たちが捨てられた丘に街を建設しようとしたが、兄弟同士でいさかいが生じロムルスがレムスを殺害。弟を…

インド大反乱と民衆コミュニケーション

Photo by Executioner 「チャパティを5枚焼いて、先の村々に配れ」 1857年2月の早朝、デリー県インドラプートの村番が1枚のチャパティ(未精製の小麦粉で焼いたパン)を持ってパハルガンジの警察署長を訪ねてきました。 そうしてこう言って去っていった。 …

「世界のカレー」の歴史

Image from stu_spivack 皆で「パクス・カレー(カレーによる平和)」を実現しようではないか カレーって素晴らしいと思いませんか? 安いし腹いっぱいになるし、奮発すれば贅沢もできる。パン好き・ご飯好き、肉好き・魚好き、野菜嫌い、辛党甘党、誰でもひ…

世界の国々で信じられている「不吉な数字」

この数字は不吉の予兆… 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の5部に出てくるキャラクター、グイード・ミスタは異常に「4」という数字を恐れます。 実際に4発の弾丸をリボルバーに込めたらピンチに陥ったり、 4発の弾丸を落とした瞬間に味方が殺されたりしまし…

【美術】仏像の姿形はどう変わっていったか

仏様の姿形はどのように変わっていったか 仏像に興味あるという人は多いと思います。 ただ、教養がないと理解できなさそうで何か難しそう、と思ってる人も多いと思います。 確かに、何何神とか神様がいっぱいいたり、全ての物に由来や意味があったり、よく覚…

【女兵士】世界のジャンヌ・ダルクたち(一般兵士篇)

男に混じって武器を振るった女たち 三国無双とかプレイしてると、さも当然のように女性キャラクターが出てきます。 剣で戦うのはまだわかりますが、楽器とか扇で敵を吹き飛ばすのは、ありゃ何なんでしょう。 波動拳とか気功拳よりはまだ現実味あるけどさ。い…

【インド】盗みが稼業の“盗賊部族”とは

一族郎党全員が盗賊の「盗賊部族」 いつの時代、どんな国にも規模の大小は問わず盗賊のたぐいはいました。 耕地で養える以上の人口を抱えたり、政治的な統合が成し遂げられず権力空白地帯が多く発生したり、疫病や災害が多く発生したり、そういった「不安定…

【デザイン】ユーザービリティ最悪の武器

なにこれ使いづらそう 武器は使いやすさが一番です。 命を懸けて敵と戦うわけですから、武器がヘボかったせいで死ぬなんて報われません。 しかし歴史の中でいくつもの「使えない武器」が発明されては消えていきました。 今回はそんな「すごく使いづらそうな…

【抵抗者】サムライ魂をもった南インドの名君 ティプー・スルターン

死ぬまでイギリスに抵抗した"マイソールの虎" ティプー・スルターン(1750? - 1799)は現在のインド南部にあったマイソール王国の支配者。 統治者・軍司令官として非常に有能な人物で、インドへの侵略を進めるイギリスに抵抗すべく、王国の整備や各国との連…

「売国奴」と呼ばれる人たち:ミール・ジャアファル

第11回:ミール・ジャアファル(1691-1765) ミール・ジャアファルは第6代ベンガル太守。 プラッシーの戦いでイギリスに内通。第5代ベンガル太守シラージュ・ウッダラを裏切りインドに敗北をもたらしました。 ジャアファルは自身の権力を保持するためにイ…

【インド】未亡人の後追い自殺はなぜ起こるか

先立った夫を追って自ら火の中に飛び込む妻 「サティー」をご存知でしょうか。 日本語に訳すと「寡婦焚死」となるのですが、一言で言うと「未亡人の後追い自殺」です。 古代インドから現在まで続くインドの土着文化で、夫が死んだ後その遺体を焼く火の中に飛…

ガセネタだったユートピア伝説 7選

噂や伝承が作った伝説の土地 現在でも都市伝説の類いは人々を引きつけてやみません。 ぼく自身も就職活動中に「某証券会社の内定を辞退すると、コーヒーやラーメンをぶっかけられる」という噂を信じてしまったクチです。 いま聞いたらバカバカしいですけど、…