中東アラブ圏
危機にあった国を建て直した国王 偉大なる創業者が立ち上げた国家や組織は、創業時の熱狂が醒めてしばらくすると、内部にはらむ矛盾やシステム的な欠陥が表面化し、集団としての力が弱まっていきます。 そのまま統率が取れずに内部対立が深まって空中分解し…
多くの人材を輩出したレバノン系移民の光と影 ヨーロッパ系の人はレバノンと聞くと以下のようなイメージを思い浮かべると言います。 地中海リゾート、移民、美女、豪華で瀟洒な建物。 日本人に同じ質問をしたらこのような答えが返ってくるかもしれません。 …
欧州の考えを輸入したアジア・アフリカ的民族統一主義の形 以前、ヨーロッパの民族統一主義運動についてまとめました。 過去に自民族が保有していた・または勝ち取っていた領土の回復、自民族のルーツであるが今は他国にある土地の回復、他国に住む自民族の…
Discription:firing 130 mm M-59 belong to Artillery of military of Iran during Iran-Iraq war. 湾岸戦争に繋がる中東のパワーバランスを作った泥沼の戦争 イラン・イラク戦争は1980年9月から1988年8月まで、イランとイラクとの間で起こった戦争。 膠着状…
古代から人々の暇を潰してきたボードゲーム ボードゲームの人気がずっと続いてますね。 ちょっと前までは、ボードゲームといえば、伝統的な将棋や碁、麻雀、チェス以外には、オセロ、ドンジャラ、人生ゲーム、モノポリーくらしかありませんでした。 今や、海…
意外と根深くややこしい湾岸諸国の領土問題 北方領土や竹島、尖閣諸島の問題はいつでもホットイシューであります。これまで多くの努力がなされるも未だに解決の見通しは全く見えていません。領土問題があったほうが両国の為政者にとっていろいろ都合がいいの…
もしかしたら枢軸国の一翼になっていたかもしれない国 第二次世界大戦における枢軸国の主要参加国は、ドイツ、イタリア、日本の三国です。 この他に枢軸国側で参戦した国は、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、クロアチア、フィンランド、タ…
古代世界で活躍した女傑たち 古代社会では、地域によって女性の社会的な役割が大きい地域が結構多くありました。 王などの国家の要職を務める場合もあれば、今回ご紹介するように将軍や現場の戦士として活躍するケースもありました。 女性戦士という名前だけ…
正統イスラムからは外れているとみなされる一派 キリスト教ではかつて「公会議」や「異端審問」など、正式な教え以外の教えを「異端」であると公式に裁定し布告する仕組みがありました。 一方でイスラム教では、ある一派や学派が異端であるかを「しかるべき…
クリエイティビティ溢れる創世神話の世界 前編に引き続き、世界の民族の創世神話の概要をまとめていきます。 前編では、 アイヌ「天地開闢」 中国「天地開闢」 済州島「天地王ボンプリ」 モンゴル「ラマ僧ウダン」伝説 ハワイ「クリムポ」 アボリジニ「太陽…
宇宙に挑んだレバノンの大学教授と学生の青春物語 冷戦時代、宇宙開発と言えばアメリカとソ連の2大国が推進したものというイメージが強くありますが、中東の小国レバノンは、1960年代に独自に宇宙技術の開発に着手。 予算も経験もない中で試行錯誤を続け、…
カッコイイ短命国歌の国歌を聞いてみよう 国歌が好きです。 「国の歌」ですから、その国の国民がおおよそ納得できるものに仕上がっているはずで、(基本的には)その国の歴史や文化が集約されているものであるからです。 そして、歴史も何も、成立してすぐに…
多くの人から好かれ・憎まれた父を持った子どもたち 独裁者は、常に多くの人の注目を浴びる存在です。 自分が中心にいることが好きな人だからこそできるんでしょうが、賛辞・称賛だけでなく、憎悪・呪詛・怨恨など負のエネルギーも大量に浴びることになりま…
世界にたくさんある謎の巨石遺跡 巨石遺跡と言えば、イギリスのストーンヘンジやイースター島のモアイを思い出しますが、世界中に同じような巨石遺跡があります。 記録があまり残っておらず、よく分かってない謎だらけの遺跡も多く、その分からなさから多く…
「毅然とした態度」とはなんだろう ニュースとか見てると「毅然とした態度が求められる」とかって言いますけど、実際どんな態度が毅然とした態度ってみんな思ってんでしょうか。 確かに「強気な態度」はカッコいいし、見ていて気持ちがスッキリするものです…
現代によみがえる古代の音楽 たしか論語だったと思うのですが、漢文の授業でこんな話があったのを覚えています。 孔子が斉の国に滞在していた時、韶の音楽の演奏を聞く機会があった。孔子は「音楽が人の心をここまで揺さぶるとは」と大変感動した。あまりに…
北欧か?と思うほどリベラルな独裁国家の政策 人ってのはワガママなもので、あまりに自由すぎると規律を求めるくせに、規律が過ぎると自由を求めるものです。 世界にいくつもある独裁国家は、例外もありますが、多くは分裂を防ぎ国家を統合するために独裁体…
ちょっと目を離したらもう無くなっていた国 日本という国は有史以来、国体の継続性を保っているということに一応なっていますが、現在の日本国政府の発足は1952年のサンフランシスコ平和条約からなので、日本国は65年間続いていることになります(2017年現在…
教科書に最初に登場する文明以前にあった文明 世界史の教科書の一番初めは、アウストラロピテクスとかクロマニヨン人とかですが、その次は黄河文明、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、クレタ文明、アッシリア、ヒッタイト等々、古代世界のメジ…
怖さも桁外れ?海の向こうの心霊スポットへようこそ このブログは基本的には世界史とその周辺のテーマを取り扱っていますが、たまーにオカルトめいたことも書いています。 何でかっていうと、個人的に好きだからです。 ぼくの実家の近くの山は県内有数の心霊…
10年前は平和で活気があったシリアの街並み 約10年前の2006年9月上旬、当時大学生だったぼくはシリアを旅行しました。 現在は様々な政治勢力により国土を分断され、祖国を捨てる人が相次ぎ、悲劇と憎悪の連鎖が続く呪われた地になってしまいましたが、 10年…
イスラエルの勝利とパレスチナ紛争の泥沼化 ぼくは学生の頃にイスラエルとパレスチナに行ったことがあります。 ユダヤ人居住区とアラブ人居住区の気味悪いほどのすみ分け、 パレスチナ自治区を囲って築かれた壁、 パレスチナ側で間違ってヘブライ語であいさ…
Photo by Al Jazeera English はい、みなさーん、こちらがカーヴァ神殿でーす 海外旅行に行くとき、ツアー旅行か個人旅行かどっちかで迷う。 ツアー旅行は食事もホテルもガイドも全部ついてるから、ただ座ってれば目的のとこに着くしとってもラク。ホテルの…
かつて検討された壮大な国家統合計画 国家連合とか連邦国家とか聞くと、ちょっとワクワクしませんか? 大物感というか、壮大な取組みをやってる感というか、 地図に小さな国がバラバラとあるよりは、ダーーーンとデカい国家が1つあるほうが、何かよく分かん…
生活臭漂う古代人の金融取引 古代の人たちの生活と言うと、何となく理想化されたイメージがあります。 会社も学校も、うるさい上司や先生もいない。ノルマや宿題もない。 朝起きて畑を耕し、日が暮れたら家に帰って家族で食卓を囲む。 食べ物は100%天然もの…
ポルトガルを駆逐しインド洋交易を独占したオマーン 海洋帝国と言えば、スペインやポルトガル、オランダ、イギリスを連想します。 しかし17世紀後半から19世紀までインド洋は、アラビア半島の王国オマーンが海上交易を牛耳っていました。 オマーンは元々アラ…
なぜそんな国にネオナチ団体が? ネオナチの本場と言えばヨーロッパ、特に昔から反ユダヤ感情が強いドイツ、それにオーストリア、チェコ、ハンガリーといった中欧諸国のイメージがあります。 ところが世界を見渡すと、なぜそんな国に?と思うような国にネオ…
馬やラクダ、象だけじゃない 古代から人間は戦争に様々な動物を用いてきました。 代表的な動物は馬でしょう。それから、アラブで用いられたラクダ。インドやペルシアで用いられた象。前のエントリーでは軍犬について紹介しました。 しかし人間は歴史上、あり…
カリスマ指導者の夢の残骸 「イスラムの統一国家の実現」 と聞くとイスラム国(ISIS)を連想しますが、 そのような大イスラム国家の建設の主張はずっと昔から変わらず存在します。 イスラム国は武力でそれをやろうとしていますが、 平和的にやろうとしたのが…
重要な飛び道具だった石 投石と言えば、学生や労働組合のデモ隊が使うイメージがあって、本気で戦っているようには見えないというか、戦闘ごっこなんじゃないの?って思ってしまう。 しかし歴史上、投石は重要な飛び道具の1つで、古代ギリシア以前から戦争…