歴ログ -世界史専門ブログ-

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2018-01-01から1年間の記事一覧

伝統料理を近代化させた世界の有名シェフ10人

ローカル料理を近代的な料理に発展させたシェフ 今や日本では世界中の料理を食べることができるし、世界中の都市で日本の料理を食べることができます。そして現在進行形で料理のフュージョンが発生しており、料理の発展が凄まじい進歩で進んでいます。 そこ…

【メキシコ史】貧しい先住民のために戦った匪賊マヌエル・ロサダ

「メキシコのロビン・フッド」と称される匪賊のリーダー マヌエル・ロサダ(1829-1873)は、メキシコ・ハリスコ州(現ナヤリ州)の東部山岳地帯アリカを拠点に共和国政府に対して反乱を起こした匪賊のリーダー。 大土地所有者によって土地を奪われた先住民や…

ある日突然消息不明となった人物の未解決事件

行方が分からず遺体も発見されていない著名人たち 近年、失踪者・行方不明者が注目を集めています。 2016年の日本の行方不明者は84,850人で、家出などが多いのですが、大半が警察の捜査などで発見されます。しかし発見されずに失踪者扱いされるのが985人もい…

2010年代に独立を宣言したミクロネーション(自称国家)

どんどん新しく生まれるミクロネーション 国際的には全く認められていないものの、ある特定の地域が勝手に独立宣言をする場合があります。ミクロネーションという名前で呼ばれ、日本語では「自称国家」と言われます。 こういう地域は毎年のように新しく出来…

実は存在しなかったと考えられる世界史の人物(後編)

存在しなかった可能性が高い有名人 前編に引き続き、「実は存在しなかったと考えられる世界史の人物」をピックアップします。 前編は以下の人たちをピックアップしました。 李巌(りがん) ヨハネス20世 アルビダ アルベルト・ダ・ジュッサーノ メネリク1世 …

実は存在しなかったと考えられる世界史の人物(前編)

創作の人物の疑いが強い世界史で登場する人物たち 子どもの頃にかつて歴史で学んだ人物が、大人になって実は存在しないことが分かってショックを受ける、ということがあります。 例えば、武蔵坊弁慶や紀伊国屋文左衛門、少しマイナーなところだと後醍醐天皇…

「海賊の国」スールー王国の歴史

19世紀に巨大化したフィリピン諸島のイスラム王国 現在のフィリピン共和国を構成する島々は、スペイン植民地統治以前は一つの権力により統治された経験はありません。首長制の小集落やそれから少し発達した小王国がいくつも散在し、人々は交易や農業、自然採…

まったく普及しなかった自動車の「未来技術」

常に新しいテクノロジーが導入される自動車 自動車の技術は日進月歩で発達を続けています。 電気自動車、 自動運転、機械学習、飛行自動車など、より人や環境に優しく、効率的に輸送ができるモビリティに急速に舵が切られています。 現代の自動車に到るまで…

歴史の舞台裏で暗躍したキングメーカー13人(後編)

古代から現代まで政局を左右してきた影の実力者たち 歴史を影で動かした 「キングメーカー」の後編です。 前回ご紹介した人物は以下のとおりです。 カウティリヤ (グプタ朝) アトッサ(ペルシャ帝国) プラエトリアニ(ローマ帝国) フラビウス・リキメル…

歴史の舞台裏で暗躍したキングメーカー13人(前編)

歴史を支えた影の実力者「キングメーカー」 「キングメーカー」という言葉を辞書で引くと (総理大臣などの)要職の人選を左右する実力者。 とありました。政権のトップではないものの、トップに比する力を持ち、政局を変える力を持つ影の実力者を指します。…

近代化に失敗したオスマン海軍 - 財政と人材の問題

老いた大国の近代化が失敗した構造的な問題とは オスマン帝国はかつて、北はヨーロッパ、西は北アフリカ、南は東アフリカ、東はチグリス・ユーフラテスまでを支配する超大国でした。 地中海もかつては「トルコの海」と称され、強大なオスマン海軍はヨーロッ…

イスラム教の伝説に登場する幻獣・怪獣・悪魔たち

あまり馴染みのないイスラム教の空想上の生き物たちの世界 イスラム教の開祖ムハンマドは一神教をアラビア半島に導入するために、ユダヤ教やキリスト教をかなり熱心に勉強していました。 そのため、コーランにはユダヤ教やキリスト教に登場する人物や生き物…

【西洋史】下層階級から国王になった人物列伝

あまり数がないヨーロッパ史の「太閤様」 日本史の成り上がり者と言えば豊臣秀吉をすぐに連想します。 彼の出自には諸説あって、農民足軽の出身であったとも、その下の身分であったとも言われています。 日本史と同じく、中国史や中東史でも最下層身分出身の…

「城の堀にワニを放って防御力を上げる」ことは本当にあったのか

侵入者が腹ぺこワニに食われるというのはあったのか 以前こんなツイートを見ました。 インドの人と一緒に名古屋城行った時、堀を指差して「これはなんだ?」って聞かれたので「防御のための施設だ。昔は水が張ってあった」って答えたら「あーわかるわかる、…

世界を変えた有名な戦場カメラマン18人の写真

人々の意識と行動を変えた名写真 今やスマホで誰もが写真を撮影し、すぐにSNSにアップして数万・数十万の人に届く。写真を撮影し公表する「特権」は失われ誰もが表現者になれる時代です。 昔はそのような「時代を切り取る」仕事は写真家の仕事でした。新聞や…

【抵抗者】マリア・ボチカリョーワ - 祖国のために戦い続けた愛国烈女

帝国ロシアを愛し、護国のために身を投げ打った女 マリア・ボチカリョーワ(1889〜1920年)はロシア帝国の女性兵士。 愛国者であったマリアは、帝政末期のロシアで女性のみの戦闘部隊「婦人決死隊」を結成。第一次世界大戦に従軍するも、革命の勃発でアメリ…

米ソが計画した「月面基地建設計画」

Photo from "Cold War Secret: “Project Horizon” Neatram 大国の安全保障と意地を賭けた勝者なき戦い 東西冷戦のピークの1960年〜1970年代、アメリカとソ連はそれぞれ月面に軍事基地を建設する計画をぶち上げていました。 互いに「敵国に月面に基地を作られ…

通勤中に読んで気合いが入る歴史関連本20冊

本を読んで戦場(会社)に向かう気合いを高めよう 皆さんは通勤電車の中で何をしてますか? ずっとスマホをいじってゲームをしてる人が最近は多いですね。 通勤って、オフとオンのちょうど中間段階にあるので、徐々にオンモードに切り替えていくためのいい時…

ローマ帝国に抵抗したケルト族の指導者たち

ローマによる侵略からケルトを守るための戦い 現在の「ヨーロッパ」という地域概念の母体は、ご存知の通りローマ帝国にあります。 共和制ローマそして帝政ローマは、ケルト人が住む地域を制圧し、そこに文化的・経済的・社会的な統合をもたらしました。 後に…

魔女裁判で裁かれた男たちの末路

男もまた魔女の疑いで裁かれることもあった 史上悪名高い魔女裁判では、密告などで数万人の女性が裁かれた挙句殺害されたと考えられています。 「魔女」と言う通り、悪魔に通じる者は女性が多いと考えられていましたが、男性でも逮捕され殺害されることがあ…

日本軍による占領がフィリピン社会に与えた根深い問題

悪い意味で何も変えなかった日本軍のフィリピン占領 太平洋戦争とその影響が語られる時、日本の社会や政治体制、人々の心の面がどう変わったか、あるいは変わっていないか、という面にフォーカスが当たる傾向が多いように思います。 それはそれで大事なので…

老いてなお戦場に立った伝説の老将軍(後編)

老いるまで戦場に生きた生粋の軍人たち 歴史にその名を刻んだ老将軍をまとめています。 前回は古代中国を中心に、以下の人物をピックアップしました。 廉頗(戦国・趙国) 王翦(戦国・秦国) 蒙恬(戦国・秦国) クィントゥス・ファビウス・マクシムス(共…

老いてなお戦場に立った伝説の老将軍(前編)

老兵は死なず只消え去るのみ 若き頃から戦場に生き、戦場をまるで我が家のごとく過ごし、老いてもなお第一線に立つ。「老兵」ってすごくカッコよく感じませんか? どっしりと腰を構えて軍議を聞く老将軍の姿もカッコイイし、馬に跨がって敵に立ち向かってい…

ベトナムの名将ヴォー・グエン・ザップの軍事戦略論

米仏を打ち破った伝説的な戦略・戦術家 ベトナムは現在は新興国の一翼として経済発展が著しい国ですが、かつては信じがたいほどの長い間の戦争を経験しました。 フランスへの抵抗運動、抗日闘争、インドシナ戦争、そしてベトナム戦争。 長く続く戦乱の中で、…

1920年・アントワープオリンピック五輪旗紛失事件

迷宮入りだった事件は、後年以外な展開へ… オリンピックで使われる聖火は、歴代のオリンピックイベントで代々受け継がれていますが、オリンピックの旗も同じように代々受け継がれています。 現在は夏用と冬用のそれぞれ2つオリジナルの旗があり、冬用は1952…

中世東南アジアの大国・マジャパヒト王国の歴史

Work by Gunawan Kartapranata 東南アジア島嶼部分の多くを支配した大帝国 現在のインドネシアは様々な民族や宗教が混在する多民族国家で、ジャワ人・ムスリムが主導する政府に対する反発や独立運動も少なからず存在します。 インドネシアの国土はオランダが…

有名な10枚の「未完の絵」とエピソード

完成した作品よりも心惹かれる未完の絵の数々 当たり前の話ですが、絵は完成して初めて世に出て、売られて、飾られるものです。 ですがどういうわけか、未完の絵にも関わらず、世に出て評価され、高値で売られているものもあります。 今回はなぜこれらの絵は…

歴史に名が残る超有名シェフ(後編)

「世界を変えた」料理人たち 歴史に名が残るほどの偉業を成し遂げた有名シェフをピックアップしています。 今回は後編。前編では アントナン・カレーム(フランス) オーギュスト・エスコフィエ(フランス) 忽思慧(元朝) 刘娘子(南宋) ジュリア・チャイ…

歴史に名が残る超有名シェフ(前編)

Photo by Lynn Gilbert 料理の歴史にその名を刻んだ有名な料理人たち 料理の歴史というのは体系化するのが本当に難しいと思います。 常に進化し続けているので、いつ・どこで・誰が・何をして・どうなったかの記録などほとんど残っちゃいない。 そこいらのお…

インドネシア共和国からの独立を図った国々(後編)

複雑にからむ民族と宗教、大国の利害… インドネシアから独立しようとした国々の後編です。 前編では、主にインドネシア独立戦争の時に、オランダが共和国を封じ込めるべくジャワ島やその周辺に作った傀儡国家群を紹介しました。 西スマトラ国 南スマトラ国 …