歴ログ -世界史専門ブログ-

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通勤中に読んで気合いが入る歴史関連本20冊

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本を読んで戦場(会社)に向かう気合いを高めよう

皆さんは通勤電車の中で何をしてますか?

ずっとスマホをいじってゲームをしてる人が最近は多いですね。

通勤って、オフとオンのちょうど中間段階にあるので、徐々にオンモードに切り替えていくためのいい時間です。音楽を聞いて気分を上げるのもひとつありますが、気合いを高めるのに良いのが歴史関連書だと個人的に思います。 

もうすぐ4月ですし、今回は朝からやる気が満ちてくる歴史関連書をピックアップします。

 

1. 「ガリア戦記」カエサル

リーダーシップとは何かを示す不滅の名著

「ガリア戦記」は、共和政ローマの執政官カエサルが紀元前58年から52年まで、現在の西ヨーロッパのガリア人の制圧戦争を戦った時の記録。

まるで「業務日報」のような淡々とした描写が続くのですが、その情景が脳裏に思い浮かび、カエサルと一緒に奥深いガリアの森林地帯を行軍しているような気分になるのが不思議です。

そしてこの本には組織を率いるリーダーのあるべき姿が全て凝縮されていると思います。特に組織を率いる人はこの本を通勤時間に読んで、カエサルの人心掌握術をぜひ学んでください。

 

2. 「イブン=ハルドゥーン」森本公誠

国家の生成の過程を明らかにしたイスラムの大哲学者の書の解説

イブン=ハルドゥーンは14世紀の北アフリカ・チュニス生まれの哲学者。

著書「歴史序説」において、「人間が営む社会の本質と様々な表象を解明し、国家の生成発展を明らかにする」という難題に挑みました。

その科学的かつ論理的な分析は、現代でも充分通用する本質をついたものです。

この本は近視眼的になりがちな我々の脳みそをぶん殴り、客観的で俯瞰した視点で物事を見ることに役立つに違いありません。

 

3. 「韓非子―不信と打算の現実主義」冨谷至

古代中国の法家思想の真髄

韓非子は「アジアのマキャヴェリ」と言われることもありますが、古代中国の戦国時代に活躍した法家の論客です。

孔子が人に道徳を叩き込むによって国の枠組みを定めようとしたのに対し、韓非子は国のルールを徹底し人に守らせることによって国を維持しようとしました。

制度設計やサービス設計をする際に、韓非子の「性悪説」の教えは参考になると思います。

 

4. 「クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回」杉山正明

 政治家・クビライの構想立案から施策実行まで

モンゴル帝国といえば、かつては強力な騎馬軍団を率いてユーラシア大陸の街という街を灰にした侵略者、というイメージが強くありましたが、最近は既存の枠組みをぶっ壊して、ユーラシア大陸全体を有機的な経済圏に結びつけようとしたという点で評価される向きが多いです。

この本は、クビライがいかにユーラシア経済圏構築のためにプロジェクトチームを率いていったかが描かれており、政治家・戦略家・ビジネスマンとしてのクビライの顔が覗けます。会社で大きなプロジェクトに携わる人は、勇気付けられる本と思います。

 

5. 「暗号解読」サイモン・シン

技術者必見の暗号解読の戦いの歴史 

歴史上の戦いは銃や剣の戦いだけではありません。

サイモン・シンの有名な本「暗号解読」は、ロゼッタストーンの解読から、第一次世界大戦や第二次世界大戦の敵軍の暗号解読のために戦った男たちの逸話など、ハートが熱くなる「技術者の戦い」が盛りだくさんの本です

エンジニアの方はこれを出社前に読むと気合が入って、きっと仕事に熱中できること請け合いです。

 

6. 「マニ教」青木健

熱狂の輪を生み出すにはどうすればいいか 

マニ教は現在のイランで生まれた「失われた世界宗教」です。

マニ教の教えやその歴史を紐解きながら、なぜマニ教が拡大しそして滅んだのかを 解き明かしていく本です。

宗教とはつまるところ「人の熱狂の輪」だと思うのですが、ビジネス上のサービス設計をする際の「顧客の熱狂をいかに生み出すか」に大いに参考になると思います。

 

7. 「東南アジア紀行」梅棹忠夫

勝手の分からない海外進出を度胸と行動力で乗り切れ

大阪の国立民族博物館初代館長・梅棹忠夫氏が、1950年代にタイ・カンボジア・ラオスの学術フィールドワークを行なった際の紀行文です。

日本人が海外で活動すること自体が珍しかった時代、限られた資金と時間の中で学術調査を成功させるべく、手続きや段取りに駆けずり回る男たちにシンパシーを覚えること必至です。まったく勝手の違う部署に飛ばされたり、海外転勤になったりした時に読むと、かなり勇気づけられると思います。

 

8. 「人物アメリカ史」R. ナッシュ, G. グレイヴズ

創成期のアメリカを形成した主人公たちの物語 

ジョン・ウィンスロップ、トマス・ジェファーソンなど、アメリカ合衆国の建設に関わった人物から、テカムセやリー将軍などアメリカに刃向かった人物も含め、アメリカ合衆国を形成して来た「顔」となる人物をピックアップした本です。

生き方は様々ですが、どの人物も生きる指針や姿勢がまっすぐで、そのような人物が作って来たアメリカという国の偉大さを感じることができます。

ビジネスマンの「自己啓発本」としても役に立つと思います。

 

9. 「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」塩野七生

インテリで行動力があり度胸も備えた理想のリーダー

塩野七生氏の本を読んでると彼女の好きな男性のタイプがはっきりわかります。そして歴史上の人物にモロ彼女のフェティズムが反映されてるフシがあるのですが、この本はお話として相当に面白く、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世がいかに時代を先取りした聡明な君主だったかが良く分かります。

 語学に堪能で学識もあり、教皇と戦う度胸もあり、常に帝国中を動き回り国の発展に尽くした君主。その完璧超人ぶりは読む人を嘆息させ、1000分の1でも彼に近づきたいという思いを抱かせると思います。

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10. 「十字軍物語」塩野七生

十字軍という青春ロマン物語に熱くなる

 これも塩野七生氏の著作です。

第1回から第9回までの十字軍の戦いを描いた本で、これまた塩野氏のフェティズムが炸裂してる本なのですが、読んでいくと心が熱くなって走り出したくなる本はこれだと思います。熱闘甲子園とかプロジェクトXのような展開です。

特に1巻の第1回十字軍は、最初は仲違いばかりしていた登場人物たちが次第に団結しエルサレムを陥とすに至ります。仲間の死、若者の成長、そして大人たちの引退など、繰り広げられる人間ドラマは落涙モノです。

 

11. 「世界史のなかの戦国日本」村井章介

世界と結びついてた日本の辺境

この本は、戦国時代の日本の辺境(蝦夷、東北、琉球、薩摩)がいかに外国と結びつき、かつ商圏争いのために領主や商人たちが必死の戦いを繰り広げていた歴史が描かれています。

日本の歴史って、結構内側に閉じているように思われがちですが、地方史を見るといかに日本人が海外に進出し、グローバルな土壌で戦っていたか知ることができます。

現代の日本人もご先祖様に負けてられません。 

 

12. 「田中角栄 昭和の光と闇」服部龍二

絵に描いたような昭和の日本企業の社長

田中角栄は、そのリーダーシップや面倒見の良さのエピソードが数多く語られ、現代でも多くの人を魅了します。一方で、地方のハコモノ経済や援助金漬けの体質も生み、ある種戦後日本の光と陰を象徴するような人物です。

この本は、そのような魅力的な人間としての田中角栄を描きつつ、その政治姿勢や政策を批判的に論じており、ビジネスマンにとっても大いに勉強になる本です。

 

13. 「物語ヴェトナムの歴史」小倉貞男

不屈の精神を持つ国ベトナムの通史

 タイトル通りベトナムの通史の本です。

ベトナムは古代から中国の侵略を数多く受け、中世にはモンゴル、近代にはフランス、日本、そしてアメリカと外敵と戦い続け不屈の精神で勝利を納めて来た歴史を持ちます。一方で、南のチャンパーや西のクメールを圧迫し、外国に抵抗を続けながら、自分たちは侵略戦争を行うという歩みを見せました。

ベトナムに進出する企業の方は必見ですが、そうでない方もその諦めない不屈の精神は学ぶところが多くあるはずです。

 

14. 「物語 スイスの歴史 知恵ある孤高の小国」森田安一

大国に挟まれた都市連合国家の独自の生き方

永世中立国家という言葉が先行して平和国家みたいな言われ方をするスイスですが、中世の都市同盟からスタートし、周辺をフランス・ドイツ・オーストリア・イタリアという大国に挟まれた山岳国家は、国として生き残る術を考えた結果「永世中立」という道を選びました。

媚びない、おもねらない、という生き方にシンパシーを覚えるビジネスマンは多いのではないでしょうか。

 

15. 「金融の世界史」板谷敏彦

金融ビジネスをする上で必須の知識

金融というのは通貨が生まれるずっと以前、古代メソポタミアの時代から行われていた、という歴史から物語がスタートします。その後、保険、信用手形、通貨などなど様々な金融取引の形態が生まれ発達していきます。

金融ビジネスをする人、また株取引をしている人はこれ絶対に見た方がいいと思います。金融取引における本質が描かれているからです。

 

16. 「メキシコ革命(世界史リブレット)」国本伊代

カオスから制度へ至るメキシコ革命の全体像

ここからいくつか、山川出版の世界史リブレットを紹介します。このシリーズぼくは大好きなんですが、パンフレットみたいに薄いんだけど内容がずっしり描かれていて値段もお手頃。結構マニアックなラインアップが揃っています。

さて、まず紹介したいのは「メキシコ革命」。

ぼくがこのブログで何度もメキシコ革命はプッシュしているのですが、独裁者ディアスの専制政治への反発から革命が起こり、軍閥や地方名望家、農民、山賊まで入り混じったカオスな内戦が続き、最後はメキシコ人は革命を「制度」として取り入れる革新的な政体を構築します。

とにかく面白いので、ハイテンションで職場に行きたい方におすすめです。

 

17. 「徽州商人と明清中国 (世界史リブレット)」中島楽章

明・清時代に活躍した根っからの商売人の歴史

 次に紹介したいのは、明・清時代に国内・国外貿易を牛耳った「徽州商人」の活躍の歴史です。交易を行うに絶好の位置にあった徽州は、テクノロジーの発展と領土の拡大に併せて交易販路を拡大していき、清の経済発展の時代には国内外貿易の大半を支配しました。

 とにかく夢がある話で、Make Big Moneyを目指す野郎はこれを見て気合を入れてください。

 

18. 「スワヒリ都市の盛衰 (世界史リブレット)」富永智津子

アフリカ東部を支配したアラブの武装商人

未開拓の地に赴いてマーケットを支配するのは、商売人の憧れで血が騒ぐものですが、オマーン出身のアラブ人商人は、インド洋を渡ってザンジバル島に本拠地を起き、軍事力を伴った武装商人のような形で、現在のタンザニア〜コンゴ東部に商圏を築きました。そのフットワークの軽さと、ポルトガルやイギリスといった西欧列強と対等に戦う度胸と根性は読んで胸が熱くなります。

 

19. 「チャイナタウン、ゲイバー、レザーサブカルチャー、ビート、そして街は観光の聖地となった: 「本物」が息づくサンフランシスコ近隣地区」畢滔滔

マイノリティが作った街・サンフランシスコ

サンフランシスコがいかにして観光都市となったのか、その要因を中国人移民や同性愛者、サブカルチャーなどある種の「マイノリティ」の人々に求めて論じた変わった本がこれです。

地域活性化やマーケティングを生業にしている方は必見です。

 

20. 「図説「最悪」の仕事の歴史」トニー・ロビンソン

こんなひどいところで働いてなくてよかった 

現代日本の労働環境が劣悪なのはその通りなのですが、この本を読んだらどんな職場・職種もまだまともに感じてしまうに違いありません。 

汚物の回収、鉱山労働、火薬の取り扱いなど、イギリス史に深くその汚名を残す、悪名高き「ひどい仕事」について読むと、きっと「…仕事がんばろう」と思えます。

 

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まとめ

電車の通勤時間が長いと毎日ゲンナリしている方も多いかもしれませんが、見方を変えれば毎日2〜3時間も読書の時間があるわけです。これを利用しない手はありません。

スマホゲームでお金を使うくらいなら、本を買って教養を身につけて、仕事に対するモチベーションをあげて気持ちよく仕事しませんか?

深く広い歴史の世界がみなさまをお待ちしています。