歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

歴ログ-世界史専門ブログ-は「はてなブログ」での更新を停止しました。
引き続きnoteのほうで活動を続けて参ります。引き続きよろしくお願いします。
noteはこちら

2021年度世界史関連ベストブック10

f:id:titioya:20211201184916j:plain

今年読んだ本のベスト10を発表します

ぼくは自分の読書本数を数えたことがないので、今年何冊読んだかよく分からないのですが、多分120~130冊くらいになると思います。

その中で「これは面白かったなあ」と印象に残っている作品をランキングにしました。

「世界史関連」と銘打っていますが、世界史以外の本、紀行文や政治学、社会学の本もあります。

6冊は2021年度に発刊になった本ですが、4冊は今年以前の本です。中には古典的な作品もあります。2021年に発売された本のトップ10ではありませんので、ご容赦ください。それではいきます。

続きを読む

弱小国を大国に育てた「中興の祖」

f:id:titioya:20210811214030p:plain

危機にあった国を建て直した国王

 偉大なる創業者が立ち上げた国家や組織は、創業時の熱狂が醒めてしばらくすると、内部にはらむ矛盾やシステム的な欠陥が表面化し、集団としての力が弱まっていきます。

 そのまま統率が取れずに内部対立が深まって空中分解してしまう集団もありますが、傑物が出現し内政の立て直しを図り、さらなる高い次元に集団を導いていく場合もあります。今回のテーマは後者です。

 弱小国を大国に育てあげた「中興の祖」をピックアップします。

続きを読む

ウォッカのロシア史

f:id:titioya:20210912152304p:plain

ロシアの国と人を支えてきたウォッカの今昔

ロシア人といえば、大酒飲みで特にウォッカが大好きというステレオタイプなイメージがあります。

90年代のテレビニュースに映った赤ら顔のエリツィン大統領や、ハリウッド映画で描かれる飲んだくれロシア人のイメージが強いかもしれません。

ただ、これが間違っているイメージかというと、半分くらいは合ってるのが悲しいところです。いかに健康を害しようとも、ロシア人はウォッカをこよなく愛してきました。ロシアの歴史はウォッカと共にあったと言っても過言ではありません。

続きを読む

肥料の歴史−農業の始まりから化学肥料まで−

f:id:titioya:20210802215336j:plain

農業と切っても切れない存在・肥料

農業の歴史は肥料の歴史でもあります。

人類はより多く、より美味しく、より栄養のある食物を育てるために肥料を使い、研究して新たな肥料を開発してきました。

詳しく書けば本が一冊書けるくらいの膨大な歴史がある分野ですが、6000字程度に簡単にまとめていきます。

続きを読む

ハーメルンの笛吹き男-1284年6月26日子どもたちはどこに消えたのか

f:id:titioya:20211012000755j:plain

有名なグリム童話の背景にあった社会や信仰とは

ハーメルンの町にやってきた男が、不思議な笛の力でネズミを捕ってしまうも、町の人に報酬の支払いを拒否され激怒し、笛の力で町の子どもたちを連れ去ってしまう。

グリム童話の有名な「ハーメルンの笛吹き(Rattenfänger von Hameln)」です。

この話は複数の伝説や逸話がミックスされたものだと考えられていますが、全部がフィクションというわけではなさそうで、当時の記録に残っているし、何らか当時の社会を背景にしたものであることは確かです。ハーメルンの笛吹き男伝説は当時の社会史を知る興味深い事例となっています。

続きを読む

歴史に残る都市大火災

f:id:titioya:20210809011143j:plain

都市の歴史の転換点となってきた大火災

都市というものが発生して以来、火事は人類の歴史にはつきものです。

大都市になると火災も大規模になったため、消化水の設置や消防団の組織、延焼を防ぐ区画など、都市は火災から命や財産を守るための機能を備えてきたのですが、それでも大火災が起こってしまい、歴史の転換点となる場合がありました。

 これまで起こった歴史的な大火災を見ていきましょう。

続きを読む

社会をダマした稀代の「なりすまし詐欺師」列伝

f:id:titioya:20210508000932p:plain

世間を驚かせた稀代の詐欺師

世の中には、他人の名前を詐称したり、真偽不明な謎の肩書や権威を名乗って詐欺を働く悪党がいるものです。

たいていは数百万のカネを詐欺する小悪党なのですが、なかには組織や国、はては社会までも騙してしまう「なりすまし詐欺師」がいました。

個人的に「なりすまし詐欺師」というものに興味があって、このブログでも多く紹介しています。この記事ではこれまで紹介できていなかった詐欺師をピックアップしています。過去記事は記事の末尾にリンクを張っているので、そちらもぜひどうぞ。

続きを読む

かつて存在した7つの「国際管理地域・自由地域」

f:id:titioya:20210814201810p:plain

 列強のエゴが交錯する戦争と平和の象徴

21世紀の現在はさほど多くありませんが、19世紀~20世紀前半には複数の国の管理下にある「国際管理地域」と、複数の国の影響下にありつつも独自の主権が認められる「自由地域」がいくつもありました。

これらの地域は戦略的要地にあったり、重要な貿易港だったりしていたため常に大国から狙われ、戦争発生の原因になるため国際的な合意のもとで厳重に管理されました。それでも二つの大戦で列強の取り合いになった地域もあるので、いかに重要な場所だったか分かります。

世界史に登場する代表的な国際管理地域・自由地域をピックアップします。

続きを読む