歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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白旗の歴史

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戦場で掲げられる「白旗」の意味とは

戦場で「白旗」を掲げた歴史は、古くは古代ローマ時代の書物に記述があります。また、漢の時代の中国でも白旗が使われたという記述もあります。

 近代からは国際ルールとして「白旗」の使用が定められました。

今回はもっともシンプルな意匠である白旗のシンボル的な意味を中心にまとめていきます。

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「反穀物の人類史」書評 - やっぱ国家ってロクなもんじゃねえな

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世界史を見る視点が大きく変わる壮大な文明論

「反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー」ジェームズ・C・スコット著(みすず書房)を読みました。

紀元前4000年から紀元前2000年の時期に、我々の祖先が作り上げた「国家」という仕組みがどのように成立したか、その中で穀物がどのような役割を果たしたかを、考古学・人類学のファクトを元にし壮大で大胆な仮説が提示されています。

 その中で国家が民を支配していく中で、税が課され、兵役や労役が課され、疫病が流行り、ロクなもんは食えず、人間が自分たちをどんどん不幸な方向に追い込んでいく様が描かれます。

賛否はあると思いますが、「何だ、やっぱ国家ってロクなもんじゃねえな」という感想を持つ人もいるかもしれません。

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古代の人々が夢中になった7つのボードゲーム

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古代から人々の暇を潰してきたボードゲーム 

ボードゲームの人気がずっと続いてますね。

ちょっと前までは、ボードゲームといえば、伝統的な将棋や碁、麻雀、チェス以外には、オセロ、ドンジャラ、人生ゲーム、モノポリーくらしかありませんでした。

今や、海外製のユニークなボードゲームがたくさん入ってきて、子ども向けの分かりやすいものから、大人が眉間にしわ寄せて考える戦略的なものまで様々あります。

 ボードゲームは古代から様々な種類があり、碁やチェス、バッグギャモンのように古代に生まれて現代まで遊ばれ続けているものもあります。

今回はあまり日本では知られていない古代のボードゲームを紹介しようと思います。

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1840年フォルツァスのいたずら事件

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「この世に二冊とないレア本」をめぐる事件の顛末

「フォルツァスのいたずら(The Fortsas Hoax)」は、1840年にベルギーで起こったいたずら事件。

亡くなったフォルツァス伯爵が残したという超レア本がオークションにかけられることになり、鼻息の荒い収集家たちが現地にかけつけるも…。

その後の顛末も含めて「物の価値って何だろう」と考えさせられる事件です。

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チェコスロバキアの国民形成と体操集団ソコル

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Credit: Sokol excercises in Tábor, 1924 Author: Šechtl and Voseček

民族の発揚を促す、集団体操という「自由」 

長年日本の教育現場では、男子の団結心や克己心を育むとして組体操が尊ばれてきました。最近では危険性が問題視され始めており、原則禁止される日もそう遠くないと思われます。

中学や高校では集団行動や集団体操はまだ盛んですが、「集団の拘束」「自由の束縛」といったイメージを抱く人も多いと思います。北朝鮮のマスゲームなんかを見ると特にそう思います。

しかし19世紀末では、このような集団体操や集団行動は「異なる身分や階級出身者が同じ服を来て同じ行動をとる」ことが民主主義を感じさせるものとされていました。

 特に中欧のチェコスロバキアでは集団体操が盛んで、体操組織ソコルが国民と民族意識の高揚に大きな役割を果たしました。

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バーチャルツアーが楽しめる世界の美術館・博物館

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海外旅行できないのでバーチャル美術館・博物館巡りをしよう

新型コロナのせいで、4月に予定していたタイ行きが中止になりました。GWにはロシア行きを予定してるんですが、この調子だとたぶん無理でしょう。

世の中には海外旅行依存症のような人がいて、定期的に外国に行かないと身体がどうかしてしまうと伝え聞きます。贅沢病の極みですが、とはいえ、ストレスは溜まることでしょう。数年に一回の旅行がバッチリ今回に被ってしまった人も多いと思います。

そんな人たちのために、今回はバーチャルツアーができる世界の美術館をご紹介します。本当にレベルの高い、選りすぐりのバーチャルツアーを紹介しますので期待してください。

さて皆さま、時間を潰すご準備はできていますでしょうか?では参ります。

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生前は評価されず死後に評価された人物

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何がきっかけで死後に評価されるに至ったか

芸術家や学者の中には、大きな仕事を成し遂げるも生前はまったく評価をされず、当人が死亡した後にその業績の大きさが評価される場合があります。

特に画家など芸術家は、二束三文で売られた当時の作品が今は何億円という価格で取引されるようになるわけです。可哀想としかいいようがないですが、死後も全く知られずに忘れられた人の方が圧倒的に多いわけで、それに比べれば幸運と言えるかもしれません。

 本記事では著名な「死後に有名になった人」を集めてみます。

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「反お笑い」の哲学史(後編)

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近代哲学の中の「反お笑い」

古代から近代までの哲学の中における「反お笑い論」をまとめています。

前編では古代の反お笑いの創始者プラトンからプロテスタントの反お笑い論までまとめています。まだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。

 後編は近代哲学編です。

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