歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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弱小国を大国に育てた「中興の祖」

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危機にあった国を建て直した国王

 偉大なる創業者が立ち上げた国家や組織は、創業時の熱狂が醒めてしばらくすると、内部にはらむ矛盾やシステム的な欠陥が表面化し、集団としての力が弱まっていきます。

 そのまま統率が取れずに内部対立が深まって空中分解してしまう集団もありますが、傑物が出現し内政の立て直しを図り、さらなる高い次元に集団を導いていく場合もあります。今回のテーマは後者です。

 弱小国を大国に育てあげた「中興の祖」をピックアップします。

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レバノン移民の歴史

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多くの人材を輩出したレバノン系移民の光と影

ヨーロッパ系の人はレバノンと聞くと以下のようなイメージを思い浮かべると言います。

地中海リゾート、移民、美女、豪華で瀟洒な建物。 

日本人に同じ質問をしたらこのような答えが返ってくるかもしれません。

内戦、ヒズブッラー、カルロス・ゴーン、爆発事故。

いずれのイメージも一面的ではありますが、間違ってなく、レバノンという国の側面を表しています。 

そうしたイメージに寄与しているのが今回扱うレバノン移民です。レバノン移民は19世紀後半から世界中に拡散し国際的な影響力を高める一方で、レバノン本国に対しても影響力を与え「魔境国家」を形成しました。

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アジア・アフリカの10の「民族統一主義運動」

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 欧州の考えを輸入したアジア・アフリカ的民族統一主義の形

 以前、ヨーロッパの民族統一主義運動についてまとめました。

過去に自民族が保有していた・または勝ち取っていた領土の回復、自民族のルーツであるが今は他国にある土地の回復、他国に住む自民族の土地の政治的統合、自らの民族に近い言語を話す民族の土地の政治的統合、といったものを目指す国粋主義的な考え方です。

 今は多くの地域で人気を失っていますが、第二次世界大戦前後は大きな影響力を持った考えで、民族主義・国粋主義・排外主義がの加速が悲劇的な戦争をもたらしてきました。

 民族統一主義はヨーロッパだけでなく、アジア・アフリカにも見られます。特にアジア・アフリカでは第二次世界大戦以降の独立後に、民族主義・愛国主義を鼓舞するために利用されました。

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イラン・イラク戦争-中東二大国の運命を変えた戦争

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Discription:firing 130 mm M-59 belong to Artillery of military of Iran during Iran-Iraq war.

湾岸戦争に繋がる中東のパワーバランスを作った泥沼の戦争

イラン・イラク戦争は1980年9月から1988年8月まで、イランとイラクとの間で起こった戦争。

膠着状態が続き決着がつかないまま被害だけが増えていき、日本では「イライラ戦争」などと揶揄されました。

この戦争は、イラン・イスラム革命後の権力闘争でホメイニ派を勝利に導き、神権国家イランが成立するきっかけを作ったと同時に、サダム・フセイン率いる軍事大国イラクの出現をもたらし、中東のパワーバランスを決定的に変えた戦争となりました。 

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古代の人々が夢中になった7つのボードゲーム

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古代から人々の暇を潰してきたボードゲーム 

ボードゲームの人気がずっと続いてますね。

ちょっと前までは、ボードゲームといえば、伝統的な将棋や碁、麻雀、チェス以外には、オセロ、ドンジャラ、人生ゲーム、モノポリーくらしかありませんでした。

今や、海外製のユニークなボードゲームがたくさん入ってきて、子ども向けの分かりやすいものから、大人が眉間にしわ寄せて考える戦略的なものまで様々あります。

 ボードゲームは古代から様々な種類があり、碁やチェス、バッグギャモンのように古代に生まれて現代まで遊ばれ続けているものもあります。

今回はあまり日本では知られていない古代のボードゲームを紹介しようと思います。

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ペルシャ湾岸諸国の領土問題

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 意外と根深くややこしい湾岸諸国の領土問題

北方領土や竹島、尖閣諸島の問題はいつでもホットイシューであります。これまで多くの努力がなされるも未だに解決の見通しは全く見えていません。領土問題があったほうが両国の為政者にとっていろいろ都合がいいのではなかろうかとすら思います。

 さて、このブログではたびたび世界の領土問題について取り上げています。他国の事例に、領土紛争解決のスタディがあるに違いないと思うからなのですが、今回はペルシャ湾岸諸国の領土問題を取り上げてみたいと思います。

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【WW2】枢軸国に入る可能性のあった中立国・準枢軸国

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もしかしたら枢軸国の一翼になっていたかもしれない国

第二次世界大戦における枢軸国の主要参加国は、ドイツ、イタリア、日本の三国です。

この他に枢軸国側で参戦した国は、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、クロアチア、フィンランド、タイが挙げられます。その他には傀儡政権がいくつか枢軸国入りしたケースもあります。例えば、ヴィシー・フランス、ギリシャ、アルバニア、ビルマ、ベトナムなどです。

連合国も活発な外交を繰り広げ自陣の国を増やしていたわけですが、枢軸国も様々な外交チャネルや陰謀を駆使して自陣を広げるべく画策していました。

その結果いくつかの国は、何らかの条件が重なれば枢軸国入りをしていた可能性がありましたが、結局中立を保つことになりました。

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【世界史】古代の有名な女性戦士とその逸話

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 古代世界で活躍した女傑たち

古代社会では、地域によって女性の社会的な役割が大きい地域が結構多くありました。

王などの国家の要職を務める場合もあれば、今回ご紹介するように将軍や現場の戦士として活躍するケースもありました。

 女性戦士という名前だけで結構ときめくものがありますが、どのような活躍をした人物なのか見ていきましょう。

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