歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

歴ログ-世界史専門ブログ-は「はてなブログ」での更新を停止しました。
引き続きnoteのほうで活動を続けて参ります。引き続きよろしくお願いします。
noteはこちら

2018年に読んで面白かった歴史関連本

f:id:titioya:20181119234659j:plain

今年読んで良かった本10冊

早いもので2018年も終わろうとしています。 

ぼくは年間で何冊の本を読んだのかいちいち数えてないのですが、100〜150くらいは読んだんじゃないかと思います。正確にはよく分かりません。ただし9割は歴史関連の本です。

年末ですし、今年1年間で面白かった歴史関連本をまとめてみます。

 年末年始にぜひどうぞ。

続きを読む

トレビゾンド帝国の歴史 - 黒海にあったビザンツの亡命帝国

f:id:titioya:20181118093733j:plain

本家崩壊後も生き延びたビザンツ帝国の亡命政権

トレビゾンド帝国は現在のトルコ共和国の一都市トラブゾンに13世紀から15世紀にあった国。 

ビザンツ帝国を追われたコムノネス王家が流れ着き、同じキリスト教国のジョージア(グルジア)の支援を受けて成立し、イスラム教国を含む周辺国と協調しながら約250年間も生きながらえました。本家ビザンツ帝国はオスマントルコに1453年に滅ぼされますが、トレビゾンド帝国はその後も数年生きながらえました。

今回はかなりマイナーなビザンツ帝国の亡命政権トレビゾンド帝国の歴史のまとめです。

お話は同じキリスト教徒がビザンツ帝国を攻めた第4回十字軍から始まります。

続きを読む

かつて存在したバチカン並みに小さかったミニ国家

f:id:titioya:20181027144341j:plain

史上星の数ほどある消滅したミニ国家たち 

ミニ国家は歴史上星の数ほど存在し、またそのだいたいが消滅しました。

現在残っているミニ国家は、バチカン、リヒテンシュタイン、サンマリノ、アンドラ、マルタ、モナコ、シンガポール、バーレーンなどごくわずかです。

 今回はあまり知られていない、成り立ちと歴史が面白いミニ国家を集めました。

続きを読む

【中国史】なぜ明朝は「海禁政策」を始めたのか

f:id:titioya:20180709075141j:plain

明朝によるグローバルシステム構築の試み

経済発展と科学技術の発展が著しい中国。

中国の政治・経済・科学についてのニュースを聞かない日はないくらい、国際舞台での中国の存在感は増しています。以前は国際秩序の構築には関心を示さなかった中国も、AIIBの創立などで中国発の政治経済交易圏を作ろうとしています。

 これは歴史的に見ると目新しいことではなく、自国と体制の安全保障を確立しながらも、あふれんばかりの旺盛な人々の欲を御しながら、国家の元で適切に対外交易と経済発展を成し遂げようとする試みは、歴代の中国の王朝が常に頭を悩ませていた問題でした。

 その一つの大きな試みが、明朝時代の「海禁政策」でありました。

続きを読む

エレベーターの歴史

f:id:titioya:20181019192104j:plain

都市の景観を一変させたエレベーター

エレベーターという装置の歴史は実は古く、古代ローマの時代に遡ります。

しかし、エレベーターが人類の歴史に大きく貢献し始めるのは20世紀に入ってから。

安全で安定したエレベーター技術の確立は、超高層ビルの建設を可能にし、ニューヨークの摩天楼の風景を作り上げました。

ただし「安全で安定した」エレベーター技術は、技術者の長年の試行錯誤によって発展してきました。

続きを読む

複数の国の「共同主権」にある地域

f:id:titioya:20181103151258j:plain

Photo by Zinneke

なぜその場所は共同地域となったのか 

数は非常に少ないですが、現在の世界でも複数の国の共同主権にある地域というのがいくつか存在します。

基本的に特定の地域は明確にどこか一つの主権によって統治されるのが一般的だし、そちらのほうが統治が容易なのですが、どのような経緯で複数の国の統治になったかを見ていきたいと思います。

続きを読む

日本軍政下でのインドネシア独立準備の過程

f:id:titioya:20140103133546j:plain

決断と行動が遅い日本、急ぐインドネシア

インドネシアは太平洋戦争の日本敗戦のわずか2日後、1945年8月17日に独立宣言を発表しました。

その後植民地再獲得を目論むオランダとの戦争、地方勢力や共産ゲリラとの内戦を経て、連邦共和国として独立を果たしたのは1948年のことです。

スカルノやハッタといった独立運動家を中心に組織的に独立戦争を戦い抜けたのは、日本軍政下で独立に向けた準備をおおよそ終えていたからなのですが、日本がこれに積極的に協力したからということではなさそうです。

インドネシア側の粘り強い交渉と努力により、腰の重い日本を動かし、時には無視する形で独立準備を進めていったのでした。

続きを読む

史上最も多くの人が犠牲になった建物崩壊事故TOP10

f:id:titioya:20180925231059j:plain

Photo by 최광모

人工構造物の崩壊に伴う大惨事のランキング

毎年どこかの国で、大規模な建物崩壊事故が発生しています。

老朽化やメンテナンス不足、設計の問題、耐久容量を超えたなど、崩壊理由は様々ですが、数十人の犠牲者が出れば大惨事と言っていいと思います。

ところが歴史上は数百人・数千人・数万人規模の建物崩壊事故も起こっています。責任者を大量殺人の罪で逮捕すべきレベルなのですが、いったいどのようなきっかけで起こったのかを見ていきたいと思います。

なお、今回は爆破テロなど「誰かが意図的に壊そうとして崩壊した」事件は含まず、人為的ミスで崩壊した事故のみのランキングとなっています。

※修正(2018/11/1 13:00)永代橋崩落事故の犠牲者の方が多いという指摘に基づき記事を修正しました

続きを読む