歴ログ -世界史専門ブログ-

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世界史上の有名な10人の「傭兵隊長」

時には歴史を動かしてきた「雇われ指揮官」

昔も現代でも、戦争は正規軍のみが行うものではなく、国王や領主に雇われた傭兵が戦争で重要な役割を果たすケースが多くありました。

三十年戦争で傭兵団はピークを迎えて、その後は国民国家の正規軍が主力になっていきました。しかし現代でも民間軍事会社という名前で、アメリカの旧ブラックウォーターやロシアのワグネルなどが有名ですが、中東やアフリカで正規軍に代わって主力級の活動をする場合があります。

この記事では歴史上の有名な傭兵隊長を10名ピックアップします。

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「オーストリア継承戦争」「七年戦争」の流れを解説

戦争が比較的シンプルなものだった時代の感覚

戦争が今のように政治や経済、イデオロギーや宗教、少数民族問題や資源問題など複雑な問題を含むものになる前、18世紀の戦争はもっと戦争はシンプルなものでした。

ヨーロッパで行われる国家間戦争は、簡単に言うと領土と王権をめぐる戦いでした。自分の息のかかった、ないし影響力の強い一族や近親者を他国の国王に就かせようとするという目的と、富裕な工業地域や戦略的要衝を獲得するということをほぼ同一的に捉えており、国の発展と王族の名誉が同一視されていたような感覚です。

その典型的な戦争のサンプルとして、今回はオーストリア継承戦争と続く七年戦争を解説します。この戦争はオーストリアの王位をめぐる他国の介入に始まり、領土をめぐる因縁から泥沼の戦いに入り、それが他国の介入を招いて新たな戦争を誘発していくことになります。

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毒殺された世界史の人物と動物28名と2匹

殺し方として非常に一般的な「毒殺」

食べ物や飲み物に毒を混ぜて人を殺害する方法は、刃物で切ったり首を絞めたりする方法に比べて力もいらず、比較的容易と考えられます。ただし毒殺といっても単にメシに毒を混ぜるだけではないようです。

歴史上、毒殺された人間は数限りなくいるのですが、重要な人物と動物、28名と2匹選んでみました。

なお今回は「服毒自殺」は除外しており、「毒殺された」人物のみです。

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エスカレーターの歴史

垂直移動に革命をもたらしたエスカレーター

エスカレーターはエレベーターと並んで、都市の人々の「垂直移動」に革命をもたらした製品です。

エスカレーターの登場によってより短時間に大人数の人々を建物の上・下の階層に移動させることができるようになり、建物の構造に大きな変化がもたらされ、都市の景観も大きく変わることになりました。

過去記事「エレベーターの歴史」も併せてどうぞ

reki.hatenablog.com

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「ホロコーストの生き残り」を主張した詐欺師

自らホロコーストの生き残りと称して売り込みをした人々

第二次世界大戦の重大な戦争犯罪としてホロコーストが挙げられます。

対象となったユダヤ人が非常に身近にいるためか、欧米では現代でも非常に関心が高いテーマであり、書籍、小説、映画などになってその凄惨な経験が語り継がれ続けています。

ところがあまりに関心が高いためか、「自分は強制収容所の生き残りだ」と主張する詐欺師もたびたび現れます。

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不幸な死に方をした独裁者の妻・愛人

権力の渦中で死んだ独裁者の女たち

権力に憧れるのは男だけではありません。

豪華な宮殿や調度品に囲まれ、最高級の料理や衣服を楽しむ生活。下々の者をコマのように使える快感。常に讃えられ崇められる自己肯定感。独裁者のファーストレディであることは、何ものにも代えがたい魅力があったに違いありません。

しかし多くの国民の自由を犠牲にして得た幸せは人々の恨みも買います。幸せから一転、不幸な最期を迎えた独裁者の女は多くいます。

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ハーメルンの笛吹き男-1284年6月26日子どもたちはどこに消えたのか

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有名なグリム童話の背景にあった社会や信仰とは

ハーメルンの町にやってきた男が、不思議な笛の力でネズミを捕ってしまうも、町の人に報酬の支払いを拒否され激怒し、笛の力で町の子どもたちを連れ去ってしまう。

グリム童話の有名な「ハーメルンの笛吹き(Rattenfänger von Hameln)」です。

この話は複数の伝説や逸話がミックスされたものだと考えられていますが、全部がフィクションというわけではなさそうで、当時の記録に残っているし、何らか当時の社会を背景にしたものであることは確かです。ハーメルンの笛吹き男伝説は当時の社会史を知る興味深い事例となっています。

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テディベアの歴史

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畏敬の対象から愛玩動物へ

熊は古代ヨーロッパでは畏敬の対象でした。戦士は熊の皮を被って戦いにいきパワーを得ようとしたし、家には骨や首などを飾って魔除けとしました。

中世以降は熊は庶民ではサーカスの動物として人気者になり、王侯貴族の間では狩猟の対象として人気となりました。ですが長い間、熊をぬいぐるみやおもちゃなどにする習慣はなく、19世紀以降のことです。

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