Photo by Hoffmann, Heinrich
稀代の独裁者のヘンテコな逸話
20世紀の大悪党を問われると、多くの人はヒトラーと答えるでしょう。
史上最悪の戦争を起こし、公然と人種差別を正当化しユダヤ人大虐殺を指導した。
世界中の人から蛇蝎の如く嫌われていますが、同時に、そのパーソナルな側面への興味が尽きない人物でもあります。
あんな悪行をやらかした魔王のような男は、いったいどんな人物だったのかと。
普通の人だったら何てことはない逸話も、ヒトラーの逸話だったらそのイメージとのギャップに興味をそそられてしまうのです。
今回はlistverse.comに紹介されていた、独裁者ヒトラーのおもしろいエピソードを紹介します。
1. 女の子みたいな字を書いた
実はヒトラーはホモセクシャルだったという疑惑があります。
ヒトラーがまだ若くナチ党も立ち上げ間もない頃、他のホモセクシャルのメンバーと快楽にふけっていたという噂すらあります。本当かわかりません。ゴシップ好き曰く、後にゲシュタポが全て証拠を隠滅してしまった、らしい。
ただヒトラーがひどく女性的だったという証言はたくさんあり、
アメリカ人ジャーナリストのウィリアム・シラーによるとヒトラーの歩き方は「きゃしゃな女の子のよう」だったそうだし、
心理学者のカール・ユンによると、彼の書く字は「典型的な女の子文字」だったそうです。
2. お菓子が大好きだった
ヒトラーは健康オタクで、菜食主義で肉は食わず、アルコールも口にしませんでしたが、ケーキやチョコレートとなると眼の色が変わったようです。
甘いもの好きは昔からで、ヒトラーは若い頃は低賃金の肉体労働者で、日々パンとミルクをかじる貧しい生活をしていました。
そんな中でも小銭をやりくりしては、ポピーシード・ケーキやナッツ・ケーキを買い求めたり、たまにミルクで炊いたライスの上に、砂糖とチョコレートをかけたものを自炊したりなど、甘いものを楽しんでいたようです。
独裁者になってからもそれは変わらず、ヒトラー専属のピアニスト曰く
「彼は高価な赤ワインに砂糖を入れて飲んでいた」
とのこと。筋金入りですね。
3. 歯医者が大嫌いだった
歯医者が怖いのは何となく分かります。
子どもうちならわかるけど、大人になったら、放置して酷くなるほうがマズイと理解するはずです。
ヒトラーは異常なほど、それこそ子どものように歯医者を怖がったらしく、虫歯を抜きに行きたくないと駄々をこねて、痛いのに8日間も行くのを渋ったそうです。
その後も歯医者を避け続けた結果、ひどい口臭、口内炎、歯周病を併発してしまいました。
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4. 初恋はユダヤ人の女の子だった
16歳の青年時代、ヒトラーも我々と同じように恋をしました。
その相手はユダヤ人のステファニー・イサク。
内気なヒトラー少年はイサクに話しかけることができず悶々としており、
彼女への思いが募りに募ったあげく、イサクを拉致して一緒にドナウ川に飛び込んで心中しようとすら思っていたそうです(ヒトラーの親友アウグスト・クビゼック談)。
当然そんなこと実行できるはずもなかった。
イサクはヒトラーが自分のことを好きだったことや、もちろん拉致をしようとしていたことなど全く気が付かなかった、と後年語っています。
5. 朝が弱かった
ヒトラーは朝が弱かった。
毎朝起きてくる時間は、早くても11時だったそうです。
ロングスリーパーというわけではなく、不眠症を患っており、
何度も何度も寝返りをうって、ようやく寝付くことができるのが夜が明け始めた朝の4時頃でした。
また彼は睡眠中に目が痙攣していおり、これは初期のパーキンソン病の症状なのだそうです。
6. コカイン中毒だった
ヒトラーの主治医だったテオドール・モレルは、1944年頃から肉体・精神的に苦しむヒトラーにコカインを処方しており、何と飲むだけでなく目薬にまで使用していました。
当時は精神安定のために効果があると考えれていましたが、現代ではコカインを日常的に服用すると、脳が麻痺を起こし、怒りっぽくなり、判断が鈍くなるそうです。
7. 雄牛のアソコから作った精力増強剤を注射していた
ヒトラーには子がおらず、早く帝国を継がせる後継者を作らなければと真剣に悩んでいたそうです。
ところがヒトラーも年がいっており性能力が衰え始めていた。
そこで主治医のモレルは、若い雄牛の前立腺と睾丸のエキスを「精力増強剤」としてヒトラーに注射していました。
そんなもの本当に効くのだろうか…。
ただ結局愛人のエヴァ・ブラウンとの間に子は生まれなかったから、効かなかったんでしょうねきっと。
8. ディズニーオタクだった
2008年ノルウェーの戦争博物館が、「ヒトラー直筆によるディズニーキャラクターの画」を発見したと発表し大ニュースになりました。
7人の小人とピノキオが描かれており、「A. Hitler」のサインが入っています。
こちらのリンク先でその画が見れます。けっこう上手いです。
実際にヒトラーはディズニー映画が好きでコレクションを保有しており、特に「白雪姫」がお気に入り。全てのフィルムには「A.H」とサインが入れてあるのだそうです。
まとめ
なぜ我々はここまでヒトラーに魅せられるのでしょう。
好きとか共感するということでなく、人間としてのヒトラーを知りたいと思う気持ち。
上記のエピソードからも伺い知れるように、
大量の人間を虐殺する狂気の面を持ちつつ、神経質で繊細な一面も合わせ持つ。
そのギャップ、虚勢を張った男の虚しさ、そして独裁者の孤独に妙な人間臭さを感じるからでしょうか。
参考文献