世界史と英語を両方勉強できるYouTubeチャンネル
以前の記事「世界史好きならチェックすべき海外の世界史サイト」でも書きましたが、海外は様々なメディアが林立しており、エンタメとしての歴史コンテンツがえらく発達しております。
テキストコンテンツも人気ありますが、やっぱり今はYouTubeチャンネルが人気があり、100万再生を叩きだす動画もあったりします。
よく作られている動画は本当に面白いし、歴史と英語の両方の勉強にもなるので一石二鳥です。
今回はぼくがよく見る歴史系のYouTubeチャンネルをご紹介します。
1. Epic Rap Battle
ERBはいま流行りの「ラップバトル」を歴史上の人物同士の対決でやっている人気チャンネル。ご存知の方も多いでしょう。
結構当たり外れ激しいんですが、良いものは曲もカッコいいし内容も面白いし、知ってる人はニヤリとする細かいネタを要所に散りばめていたりして、リピート再生必至であります。
歴史好き・ラップ好きの方は必見です。
個人的おススメ
東洋哲学者(老子&孫子&孔子) vs 西洋哲学者(ニーチェ&ソクラテス&ヴォルテール)
要所要所で各々の哲学が披露されてどんどん仲間内で分裂していく様が笑えます。
シャカ・ズールー vs カエサル
ズールー族の「牛の角陣形」とローマ軍の「テストゥド」がぶつかり合うエンドがあり、芸が細かい。個人的なお気に入りです。
ラスプーチン vs スターリンもすごい好き。
途中からロシア現代史の登場人物たちが次々に参入してきます。ゴルバチョフかわいい。
2. It's History
「海賊の歴史」「産業革命の歴史」など、シーズンごとにテーマが絞られています。
1動画あたりだいたい10分ぐらいで、 結構細かーいところまで説明してくれます。
個人的オススメ
最新シーズンはHISTORY OF S*X。
その中でも一番興味深かったのが「大人のおもちゃの歴史」。
19世紀に電動式が発明されてくるところがめっちゃ面白いです。
これは義和団事件の概略です。
当時の清王朝の脆弱っぷりが分かると当時に、いまの中国の拡張主義から見ると隔世の感があります。中国人からしたら、感情的に当時の列強に仕返ししてやりたいという気持ちも分からなくはない。
3. Geography Now
地理マニア必見のYouTubeチャンネルがこれ。 各国の領土の成り立ちや国旗の概要から、政治システム、経済、地理のこまかいトリビアや興味深い話をわずか10分程度に盛り込んでいます。
そういう面白い話があるのはやっぱり日本人にも馴染みにがない国々で、アンティアグダ・バーブーダ、ボツワナ、アゼルバイジャンなど、知らない人は多分知らない国々も入ってます。
個人的オススメ
バングラディシュの回、これめちゃ面白いです。
インドとバングラディシュの間で「畑単位」で死ぬほど飛び地が散在しているらしく、飛び地マニアにはたまらない回です。
チリの回もお気に入り。南北に長いだけじゃないチリの多様な側面をいくつも見せてくれます。
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4. The Great War
名前の通り、「Great War」つまり第一次世界大戦の専門チャンネルです。
日本ではイマイチ第一次大戦は人気がありませんが、海外では熱烈な人気があるジャンルです。
戦線の行方ももちろん、「第一次大戦のクルド人部隊」や「メキシコにおける第一次大戦」などローカルなテーマもあるし、後の独裁者ベニート・ムッソリーニや、オーストラリア軍のエーススナイパー、ビリー・シンなど、人にトピックを当てたものもあります。英字幕をつけての試聴をオススメします。
個人的オススメ
弱い弱いとからかわれるイタリア軍大勝利の回。
しかしその勝利も多大なる犠牲を払っての勝利でありました。
オーストリア=ハンガリー帝国の「ピストル」の回。
細かいスペックが説明されるのはもちろんですが、実際に試射する映像も入ってます。ミリオタは必見ですよ。「ライフル」の回もあるのでお見逃しなく。
5. Hip Huges History
Hip Huges Historyはアメリカの歴史が多く、過去の大統領選とか、パール・ハーバーなどの歴史的事件の解説が多いですが、その他に思想や哲学、文明の説明もあります。
キースさんがひたすらしゃべる感じなので、字幕をつけといたほうがいいです。
個人的オススメ
ファシズムの基本的な概要と、代表的なファシストのムッソリーニとヒトラーがいかに政権を取得してどのような国家運営を行ったかを説明しています。
6. C.G.P. Grey
このチャンネルも有名なので知ってる人多いと思います。
超スーパー早口の英語で様々な「仕組み」を説明してくれます。
個人的オススメ
「UKとグレートブリテンとイングランドはどう違うのか」という動画。
わかったような、わからなくなったような。「イギリス」という国の複雑怪奇さが詰まった動画は必見です。
同じような感じの「EU」の回では、EU加盟国と加盟国の中での違い、そして準EUと言っていいEEAや、またEUの「海外領土」の国民の扱いなど、こんな細かく違いがあるのかと驚きます。
7. Tom Richey.net
歴史教師のトム・リッチーのYouTubeチャンネル。
ヨーロッパ史の解説が多いですが、現代アメリカ政治とかちょっとした小ネタも入ってます。近代ヨーロッパ史は多分専門なんでしょうね。ガチです。
個人的オススメ
スペイン内戦が起こった経緯となぜフランコが独裁者となったか、そして内戦と独裁がスペインに与えた影響について、ニューメキシコ大学のエンリケ教授と語る回。30分近くあってめっちゃ長いのですが、本をじっくり見るより理解が早いです。
三十年戦争の経過を説明する回です。初めが宗教戦争でのちに凄惨な殲滅戦になっていったこともあり、あんまり日本人には馴染みがないというか人気がない気がしますが、中央集権的な近代国家成立と帝国主義に至る重要な戦争です。
8. Crash Course
すいません、Crash Courseは前回も紹介したんですが、世界史YouTubeチャンネルで最高峰はたぶんコレだと思うんですね。なので再紹介させていただきます。
Crash Courseは歴史だけじゃなくって、心理学、天文学、哲学など様々な学問をカジュアルに、でも結構専門的に解説してくれます。
World Historyシリーズはいずれも傑作ぞろいで、チョイスが本当にアカデミックだから結構驚きます。世界史好きは本当に見て欲しいよ。
個人的オススメ
帝国主義に対する「アジア諸国の反応」という興味深すぎるテーマ。
アジアの中に、イスラム圏もインドも東アジアも入ってるのがちょっと残念なのですが。独自性を追求し西欧に対抗しようと国もあれば、制度から西欧を模倣し同等に強くなろうとする国、政体は維持しつつ形だけ西欧式を取り入れた国など様々。
アジアからは帝国主義システムは金儲け主義であり人道の破壊だという批判が起こりますが、これは西欧の人々の耳にも届き批判が高まっていくことになります。
七年戦争は主にプロシアと オーストリア、ロシア、フランスが戦いましたが、この戦争は単にヨーロッパだけの戦争でなくて「初めての世界大戦」であったという観点から説明されます。北アメリカ、インド、アフリカでイギリス・スペインとフランスの植民地争奪戦が繰り広げられました。
まとめ
リスニングが苦手だとちょっときついかもしれませんが、ご安心ください、ぼくも100%理解しているわけではないです。特に歴史なんて専門用語が難解ですからね。でも何回か見ていくうちに、だんだん理解できるようになっていきます。継続は力なりです。 大好きな歴史で英語のスキルアップをしてみませんか。
もちろん、英語がペラペラな方は、純粋にエンターテイメントとして楽しめるものばっかりだと思います。
みなさんもっともっと、学問としてじゃなくて、エンタメとして世界史を楽しみましょう。