歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

イギリス貴族が紳士であるべき理由

「僕は本当の紳士をめざしているからだ!」 これは皆様ご存知、ジョナサン・ジョースター氏の台詞ですね。 ジョジョに限らず、一般的にイギリス貴族というものは、「紳士」であるべきというのが社会通念とされ、またそうでないと社会的に認められなく、「紳…

外国人観光客が学ぶ日本の歴史とは?(西日本編)

外国人がガイドブックで読むであろう日本の歴史 前回の「東日本編」に引き続き、 旅行ガイドブック"Lonely Planet(ロンプラ)"の日本版に掲載されている、日本の歴史をピックアップしてみます。 前編をご覧になりたい方はこちらよりご覧ください。 外国人観…

外国人観光客が学ぶ日本の歴史とは?(東日本編)

海外ガイドブックに掲載されている日本の歴史 円安によって外国人観光客の来日数がうなぎのぼり。中国人観光客による爆買いで百貨店ウハウハとか、インバウンド業界からは景気のいい話がたくさん聞こえてきますね。これを機に日本の事を好きになって帰ってい…

タイの近代化と立憲革命の歩み

独立を守ったタイの近代化の歴史 ご存知の通り、19世紀末から20世紀半ばまでの帝国主義の時代、東南アジアで唯一独立を守ったのはタイ王国だけでした。 タイが独立を維持した理由としては、イギリス(ビルマ)とフランス(仏領インドシナ)という列強の緩衝…

異文化社会にすっかり馴染んでしまった異邦人の物語

スカッとする異邦人のサクセスストーリー 異邦人やマイノリティが異文化社会で活躍する話って何かいいですよね。スカッとしますよね。 今年の夏の甲子園で活躍した、関東一高のオコエ君なんてまさにそれ。 超高校級の実力の持ち主ってのもありますけど、ナイ…

失敗し続けている世界の連邦構想

かつて検討された壮大な国家統合計画 国家連合とか連邦国家とか聞くと、ちょっとワクワクしませんか? 大物感というか、壮大な取組みをやってる感というか、 地図に小さな国がバラバラとあるよりは、ダーーーンとデカい国家が1つあるほうが、何かよく分かん…

移民と自由貿易で経済発展したアルゼンチンの光と影

農牧業で経済発展した辺境の国アルゼンチン アルゼンチンと聞いて思い出すものは案外少ないんじゃないでしょうか。 "サッカー" "タンゴ" "BBQ" くらい。 "経済危機" "デフォルト" を思い出す人もいると思います。 実際、アルゼンチンは長期に渡る経済不振に…

イブン=ハルドゥーンによるイスラム思想から見る国家発展論

Photo by AksilTigre 「イスラムの輝く星」イブン=ハルドゥーン イスラムの思想と言えば、やれジハードだ、やれ拉致って殺すだ、過激なものをイメージする人も多い気がします。 コーランやイスラム教の成り立ち自体に暴力的な要素が含まれていることは事実…

失敗に終わったアメリカからの独立運動

いろいろあった連邦や州からの分離運動 アメリカ合衆国は傍目から見る限り、確固とした意思を持ち、一枚岩で動いているように見えます。 しかし過去アメリカの歴史は、連邦派(共和党)と反連邦派(民主党)の戦いの歴史であり、中央集権的な文脈を嫌がる集…

【音楽】スティールパンの歴史とのその魅力

(C)Brandon Valery 夏にぴったりのトリニダード・トバゴの民族的音楽 カリブ海の島国トリニダード・トバゴの民族楽器スティールパンをご存知でしょうか? 名前を聞いたことなくても、きっとCMとかBGMとかでその音色を聞いたことはあるはずです。 スティール…

南極に挑んだ冒険者たちの歴史

極寒の地への冒険の歴史 地球にある6大陸のうち、もっとも人間の開発が及んでいない大陸。 言わずもがな、南極です。 各国の研究機関の基地に駐在する研究員の他は、有閑観光客以外はほとんど訪れない秘境中の秘境。地球に残る最後のフロンティア。 そんな南…

歴ログの歴史

開設から1年経ちました このブログを開設したのは2014年の8月12日ですので、1周年ということになります。 おかげさまで多くの方にご覧いただくまで成長いたしました。いつもまことにありがとうございます。 歴史と言うほどでもないのですが、ここで1年間の…

日本人が知っておくべき日本・フィリピン関係史

想像以上に濃くて深い日比関係 我々が学ぶ世界史や日本近代史では、ヨーロッパ、アメリカ、中国はよく登場しますが、東南アジアはあまりよく学ばないし、馴染みがありません。 ところが東南アジア各国の歴史教科書では日本に関する記述はとても多く、特に近…

「殺人」は映画でどう描かれたか

だいたいの殺人事件の原因は、カネかオンナや! そう元新聞記者の友人が嘆いていました。 第3者から見たら本当につまらない理由で人を殺しています。本人にとっては真剣なんでしょうが。 ところがごくまれに、ドラマよりドラマのような事件が起こることがあ…

奥深き中国拳法の流派(後篇)

かなりマイナーな中国拳法の流派 今回もディープな知られざる中国拳法を見ていきましょう。 正直、ぼくもほとんど知らないものばかりでした。 もしお時間ある方は、貼付けた動画も見てみてください。 ホームビデオばかりですが、 興味深いものばかりです。 …

奥深き中国拳法の流派(前篇)

馴染みのない中国武術の奥深き世界 我々が知っている中国武術と言えば、 少林寺拳法、酔拳、太極拳くらいでしょうか。香港映画の影響がとても大きいですね。 前回の記事「中国武術の発展とその思想について」では、中国武術の概要についてざっと解説しました…

李氏朝鮮の税制改革100年の歩み

「改革の抵抗勢力」とどう戦ったか 以前、「なぜ李氏朝鮮は社会発展が停滞したか」 という記事を書きました。 これは李氏朝鮮の政策の概要を連ね、それがどのような結果になったかを書いた記事です。 この記事の最後のほうに「大同法」について言及しました…