歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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誰もが予想しなかった奇妙な製品リコール事件

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「まさかそんなところから問題になるとは」と企業が驚くリコール事件

メーカーは製品を製造してお金を頂戴する以上、リコールとは無縁でいられません。

製品自体の不備もありますが、想定されない使われ方に対する対策もちゃんとせなばならず、どうしてもカバーしきれない部分は取り扱い説明書でカバーします。

有名な「猫オーブン」の話は都市伝説のようですが、でもまあ、ああいうことです。

 海外サイトで紹介されていた、過去のリコールの中のちょっと信じられないようなケースを翻訳してまとめました。

※大人として恥ずかしい誤字がいっぱいあったので修正しました。ご指摘多謝です…。

 

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【WW2】ハンガリーが枢軸国側で参戦した経緯

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大ハンガリーの領土回復への夢と絶望

第二次世界大戦の枢軸国の主要参戦国は、日本、ドイツ、イタリアばかりがクローズアップされますが、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド、クロアチア、タイなども枢軸国側に立って参戦しています。 

ハンガリーも枢軸国の一員になった国で、ソ連とアメリカに宣戦布告し主に東部戦線でドイツ軍と共に戦いました。

ハンガリーも他の枢軸国側と同じく親独・親伊一辺倒だったわけではなく、ハト派や保守派が何とか国を中立に維持させようと努力しますが、結局強力なドイツの外圧と国内急進派によって国を牛耳られていきました。

今回はハンガリーが枢軸国の一員になって破滅的な戦争に向かっていった経緯をまとめていきます。

話はオーストリア=ハンガリー帝国時代に遡ります。

 

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13日の金曜日はなぜ不吉なのか

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"何か悪いことが起こる"13日の金曜日

映画「13日の金曜日」は、奇怪な仮面を被った殺人鬼ジェイソンがキャンプ場に来た男女を次々と殺害していく、血ブシャーなスプラッター映画です。

この映画の影響力は強烈で、このせいで「13日の金曜日は恐怖の日」だと多くの日本人は理解したし、

夜になるとジェイソンが襲ってくると恐怖に怯えた子供たちも多かったことでしょう。

我々労働者にとっては仕事が襲ってくる週明け月曜日のほうがよっぽど恐怖なんですが、なんで13日の金曜日が恐怖の日になったのでしょうか。

 

 

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奇妙で怪しげなキリスト教聖人の「聖遺物」

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血、腕、生首そしてアソコ

偉大な宗教家で人々から尊敬された人が亡くなった時、その亡骸や愛用品を人々はこぞって求めました。聖遺物というやつです。

その人の功績や徳を忘れまいとする愛情表現や敬愛・尊敬の気持ちもあったでしょうが、人々が求めたのは聖遺物の「効能」でありました。

聖人の逸話にも依りますが、聖遺物がある街は厄災が降りかからないとか、触れると不治の病が治るとか言われました。

昔からヨーロッパの人々は超自然的な効能を求めて聖遺物を拝みに行ったし、街や教会は「箔をつけるために」なんとかして聖遺物を手に入れようとしました。

ヨーロッパの教会に行けば、結構いろんな街で聖遺物を見ることができます。中には出自怪しげな物も多いのですが。

今回はそんな聖遺物の中でもとびきりの珍品を集めてみました。

 

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スコットランドとウェールズの独立運動とナショナリズム

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スコットランドとウェールズのナショナリズムはいつから火を吹いたか  

ご存知の通り、イギリスとは正式名称「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」で、グレートブリテンとは「イングランド王国(ウェールズ含む)とスコットランド王国」の連合王国です。

ウェールズは13世紀末に早くもイングランド王国の支配下に入り、スコットランドは17世にイングランドと同君連合王国となっています。

両国はまごうことなき「イギリス」ですが、サッカーは主要3カ国と北アイルランドが独自にチームを立てていますし、それぞれ同時に議会も持っており、緩い独自性を保有し続けています。

ですが、2014年に行われたスコットランドが分離独立の可否を問う投票が行われるなど、イギリスの分解の動きが加速し始めていますのはご存知の通り。

今回は独自性を志向するウェールズとスコットランドのナショナリズムの歴史をまとめていきます。

 

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インド大反乱と民衆コミュニケーション

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Photo by Executioner

「チャパティを5枚焼いて、先の村々に配れ」

1857年2月の早朝、デリー県インドラプートの村番が1枚のチャパティ(未精製の小麦粉で焼いたパン)を持ってパハルガンジの警察署長を訪ねてきました。

そうしてこう言って去っていった。

「同じようなチャパティを5枚焼いて、近くの5村に配れ。その際、今私が言ったことと同じ口上を述べよ」

署長は不思議に思っていたところ、同じ日に「5枚のチャパティ配布」がデリー県の各地で発生していることが発覚しました。

チャパティの配布リレーはその後、恐ろしい勢いでインド各地に伝達されましたが、誰が、いったい何にために行っているか一切不明。

イギリス植民地当局は気味悪がり、チャパティの配布を禁止しました。

するとまもなく 、インド大反乱(セポイの乱)が勃発。

反乱はチャパティの配布が行われた道筋をたどるように発生していったのでした。

「チャパティを配る」行為は、イギリス人には分からないがインド人には分かる暗黙のメッセージを含んでいました。

 

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ワインの王様・ボルドーワインの歴史

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Photo by Alex Brown

ワインと言えばフランス。フランスワインと言えばボルドー。

15年くらい前から、日本でも日常的にワインを飲む人が多くなってきました。 

チリ産やオーストラリア産など手頃な価格のワインが手に入りやすくなったことが大きいと思います。消費者にとっては選択の幅が広がるのは大変嬉しいことです。

一昔前のワインは安くても3000円〜4000円程度はしたようで、日常的に飲むにはちょっと手が届きにくいものでした。そして昔の日本でワインと言えばフランス産のことを意味したし、フランスワインと言えばボルドーワインを連想する人が多かったようです。

ワイン=フランス=ボルドー=高級品

の図式がはっきりしていたわけですね。

今でもボルドーワインは揺るぎないブランド力があるし、後に触れますが等級の高いボトルは大変高級品で金銀宝石のごとく取り扱われます。

世界にワインの名産地は数多くあれど、なぜボルドーワインが他を寄せ付けないブランド力を持つに至ったかが今回のテーマです。 

 

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アメリカ大統領に贈られた迷惑な贈呈品

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本気でいらない、ありがた迷惑な贈呈品の数々

贈り物をいただくと大変うれしいし、ありがたく頂戴するものですが、たまーにマジでいらない時あります。

海外旅行のお土産には地雷が多めです。モチーフが不明な木製の置物とか、絶対着ない民族衣装とか、どうやって食うか分からない調味料とか。

あと、手作りのものとか本当困ります。

趣味の日曜大工で作ったテーブルとかもらった日にはたまりません。捨てようにも捨てられないし、使うには怖いし。

我々庶民ですらそんなですから、偉い立場にある人はさぞかし要らないモノをたくさんもらっていることでしょう。

今回は歴代のアメリカ大統領がもらったことのある、「迷惑な贈呈品」を紹介します。

 

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