歴ログ -世界史専門ブログ-

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羽地朝秀・琉球王国を大改革した男

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琉球王国の政治改革を成し遂げた傑出した政治家

羽地朝秀(はねじ ちょうしゅう 1617-1675)は琉球王国の政治家・歴史家。

1666年から7年間、国王を補佐する最高位である摂政に就き、琉球王国の行き詰った構造を打破し変革を成し遂げた人物です。

羽地が摂政に就く半世紀前、琉球王国は薩摩藩の支配下に置かれ、経済的に困窮すると共に、人心は乱れ勤労意欲は薄れ、どこもかしこも問題だらけの社会でした。

羽地は薩摩藩の支配下に置かれた現実を直視した上で、琉球王国の政治・財政・法制度の改革を行い、中世以来の琉球を脱し近代化に着手をしたのでした。

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独裁者を父に持った子どもたちの生涯

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多くの人から好かれ・憎まれた父を持った子どもたち

 独裁者は、常に多くの人の注目を浴びる存在です。

自分が中心にいることが好きな人だからこそできるんでしょうが、賛辞・称賛だけでなく、憎悪・呪詛・怨恨など負のエネルギーも大量に浴びることになります。

そして後継と目される独裁者の子が受ける賛辞・賞賛、そして負のエネルギーも親父に負けず劣らず強いものがあったはずです。

独裁者の子供たちはどのような人生を歩んだのでしょうか。

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コンゴの近現代史(4)- 「アフリカ大戦」地獄のコンゴ戦争

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 アフリカ中を巻き込んだ第一次・第二次コンゴ戦争

コンゴの近現代史のまとめの最後になります。

国内の安定を最優先に掲げた軍人モブツは、反対勢力や政敵を徹底的に弾圧。行政・立法・司法組織を党の一部門にし、また国民全員を党のメンバーとして自らをトップに据える独裁体制を構築しました。

 一方で国外に逃れた反体制勢力は、近隣諸国の政府などと結びつき、戦いの構図が芋づる式に拡大。アフリカ諸国を巻き込んでいくことになります。

 1996年に発生したコンゴ戦争は、560万人以上の死者を出した、最悪の戦争となりました。

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コンゴの近現代史(3)- コンゴ流文化大革命・モブツのザイール化政策

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モブツが進めるザイール化政策の末路

コンゴの近代史のまとめの第3回です。

ベルギーから独立したコンゴは、中央政府の主導権争いと部族間抗争が内戦に発展。

東部が分裂しカタンガ共和国を名乗るなど、国家分裂の危機を迎えました。

国連を始めとした国際社会の介入でなんとか内戦は終結しますが、相変わらず不安定な状態が続きます。前回の記事はこちらをご覧ください。

今回は、再度の国家分裂の危機を迎えたコンゴを救うべくクーデターを起こした軍人モブツが、独裁者となって独自の改革を進めていく様を見ていきます。

再度の分列の危機は、抗争に敗れたルムンバ派残党がゲリラとなって革命を目指した「シンバの反乱」が引き金となります。

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コンゴの近現代史(2)- なぜコンゴ動乱が起こったのか

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 準備不足の独立によってもたらされたコンゴ動乱

コンゴの近代史の第2回です。

前回はコンゴ王国が奴隷貿易によって国力を落とした後にベルギー王レオポルド2世の私領「コンゴ自由国」となり、非道な収奪で多くの犠牲者が出たことをまとめました。

まだご覧になっていない方はこちらよりどうぞ。

ベルギー領となったコンゴではナショナリズムの高揚が始まるものの、ベルギーは暫くの間コンゴを手放す気はまったくありませんでした。しかし国際的な時流はアフリカの民族自決に傾いていき、その流れはコンゴにも押し寄せてきます。

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コンゴの近現代史(1)- コンゴ自由国の悲劇

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 近代以降悲劇の歴史が続く大国コンゴ

コンゴと聞いて何を思い浮かべますか?

ザイールという名称のほうがまだ馴染みがあるかもしれません。それでも内戦が続く危ない国、という程度の印象があるくらいでしょう。

コンゴという名称の付く国は二つあり、旧フランス領の「コンゴ共和国(コンゴ・ブラザヴィル)」と、旧ベルギー領の「コンゴ民主共和国(コンゴ・キンシャサ)」です。

今回追っていくのは後者のコンゴ民主共和国のほうですが、この国は2100年には人口が世界第5位になると予想されており(インド、中国、ナイジェリア、アメリカに次ぐ)、21世紀の大国としての経済発展が予想されます。

 未だに紛争の火種は途絶えませんが、コンゴはいくつもの悲劇を乗り越えて経済発展の軌道に乗ろうと苦闘しています。今回はそんなコンゴの歴史をまとめていきます。

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「福祉国家スウェーデン」はどのように成立したか

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「理想的福祉国家」スウェーデン 

ちょっと前まではスウェーデンやデンマークなど北欧の国々の手厚い福祉政策が「理想的」と喧伝されていました。

今でも教育や人権、福祉、労働条件の問題を語る時に、北欧の国々の取り組みは引き合いに出されることは多いです。何というか北欧諸国は理想郷とお思いの方も多いに違いありません。

確かに北欧諸国の取り組みは先進的で、我々が学ぶべきことも数多くあるのですが、一朝一夕に実現するものではなく、長い歴史的努力を経てこのような社会システムが出来上がっているのです。

 今回はスウェーデンの福祉国家成立の経緯を見ていきたいと思います。

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【古代文明】未だに謎が多い世界の巨石遺跡

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世界にたくさんある謎の巨石遺跡

巨石遺跡と言えば、イギリスのストーンヘンジやイースター島のモアイを思い出しますが、世界中に同じような巨石遺跡があります。

記録があまり残っておらず、よく分かってない謎だらけの遺跡も多く、その分からなさから多くの人々を惹きつけています。

 

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