歴ログ -世界史専門ブログ-

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近代化に失敗したオスマン海軍 - 財政と人材の問題

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 老いた大国の近代化が失敗した構造的な問題とは

オスマン帝国はかつて、北はヨーロッパ、西は北アフリカ、南は東アフリカ、東はチグリス・ユーフラテスまでを支配する超大国でした。

地中海もかつては「トルコの海」と称され、強大なオスマン海軍はヨーロッパ各国が束になってもかなわなかったほど。

しかし17世紀ごろから徐々に国力が衰退し、19世紀には完全に軍事力はヨーロッパに劣るようになります。帝国の生き残りを図るため、スルタンや宰相は必死で軍の近代化を図るのですが、後に述べるいくつかの問題により大失敗に終わります。

なぜオスマン帝国は海軍の近代化に失敗したのかが今回のテーマです。 

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イスラム教の伝説に登場する幻獣・怪獣・悪魔たち

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あまり馴染みのないイスラム教の空想上の生き物たちの世界

イスラム教の開祖ムハンマドは一神教をアラビア半島に導入するために、ユダヤ教やキリスト教をかなり熱心に勉強していました。

そのため、コーランにはユダヤ教やキリスト教に登場する人物や生き物が多く登場するのですが、アラビア半島や周辺地域にもともとあった伝承や神話なども取り入れていったと思われ、独特のキャラクターも様々に登場します。

 今回はあまり日本人には馴染みのない、イスラム教の空想上の生き物たちをピックアップしてみます。

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【西洋史】下層階級から国王になった人物列伝

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 あまり数がないヨーロッパ史の「太閤様」

日本史の成り上がり者と言えば豊臣秀吉をすぐに連想します。

彼の出自には諸説あって、農民足軽の出身であったとも、その下の身分であったとも言われています。

日本史と同じく、中国史や中東史でも最下層身分出身の王は登場しますが、ヨーロッパでは最下層身分出身の王はあまりいない印象です。

階級社会が昔から明確なヨーロッパでは社会階級の流動は起こりづらく、ある程度は流動はありましたが、一代で王になるような人物は登場しづらい社会でした。 

そんなヨーロッパ史における「成り上がり者」をピックアップしてみます。

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「城の堀にワニを放って防御力を上げる」ことは本当にあったのか

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侵入者が腹ぺこワニに食われるというのはあったのか 

以前こんなツイートを見ました。

 実際に、防御のために堀などにワニを放つという事例はあったのでしょうか。

ハリウッド映画とかでは、古代の遺跡や城に眠る財宝を巡って主人公と悪役がバトルを繰り広げ、すったもんだあって結局悪役がワニに食われて死亡、ハッピーエンドという結末のものが結構あります。「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」とかそんなオチだった記憶があります。

侵入者を阻むため凶暴なワニを放つのは効果的な気もしますけど、本当のところどうだったのでしょう。

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世界を変えた有名な戦場カメラマン18人の写真

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人々の意識と行動を変えた名写真

今やスマホで誰もが写真を撮影し、すぐにSNSにアップして数万・数十万の人に届く。写真を撮影し公表する「特権」は失われ誰もが表現者になれる時代です。

昔はそのような「時代を切り取る」仕事は写真家の仕事でした。新聞やテレビが大きな影響力を持っていた時代、彼ら戦場カメラマンの命がけの仕事によって人々の意識と行動が変わり社会を動かしていました。その写真は今でも我々の心を大きく揺さぶります。

 今回はそのような時代を動かした伝説の名写真をピックアップします。

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【抵抗者】マリア・ボチカリョーワ - 祖国のために戦い続けた愛国烈女

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帝国ロシアを愛し、護国のために身を投げ打った女

 マリア・ボチカリョーワ(1889〜1920年)はロシア帝国の女性兵士。

愛国者であったマリアは、帝政末期のロシアで女性のみの戦闘部隊「婦人決死隊」を結成。第一次世界大戦に従軍するも、革命の勃発でアメリカ次いでイギリスに亡命。

ボリシェビキの革命ソ連から国を取り戻すべく、再びロシアに潜入しますが捕まって殺害されました。ロシアを愛し、ロシアとロシア皇帝の敵と戦い続けた人生です。

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米ソが計画した「月面基地建設計画」

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Photo from "Cold War Secret: “Project Horizon” Neatram

 大国の安全保障と意地を賭けた勝者なき戦い

東西冷戦のピークの1960年〜1970年代、アメリカとソ連はそれぞれ月面に軍事基地を建設する計画をぶち上げていました。

 互いに「敵国に月面に基地を作られ、頭上から核で狙われたら大変だ」という恐れと、あとは我が国の宇宙科学技術のほうが敵より優れているという大国の意地の張り合いから出された計画でした。

特にアメリカは本気で月面軍事基地を計画し、そのための予算も計上しますが、結局天文学的な予算と非現実的な技術により計画は頓挫しました。

 今の科学技術ですら相当難しいと思われるのですが、当時はどのような計画が立案されたのでしょうか?

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通勤中に読んで気合いが入る歴史関連本20冊

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本を読んで戦場(会社)に向かう気合いを高めよう

皆さんは通勤電車の中で何をしてますか?

ずっとスマホをいじってゲームをしてる人が最近は多いですね。

通勤って、オフとオンのちょうど中間段階にあるので、徐々にオンモードに切り替えていくためのいい時間です。音楽を聞いて気分を上げるのもひとつありますが、気合いを高めるのに良いのが歴史関連書だと個人的に思います。 

もうすぐ4月ですし、今回は朝からやる気が満ちてくる歴史関連書をピックアップします。

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