19世紀に巨大化したフィリピン諸島のイスラム王国
現在のフィリピン共和国を構成する島々は、スペイン植民地統治以前は一つの権力により統治された経験はありません。首長制の小集落やそれから少し発達した小王国がいくつも散在し、人々は交易や農業、自然採集などをしながら暮らしていました。
特に海上交易に従事する人々は流動性が高く、定住せずにビジネスに有利な土地に自由に動き回っており、土着の王権のうち、権威を高めてそのような人々を引きつけて中国との交易に当たらせたものが周囲の島々への支配権を強めるという歩みを見せました。
スペインによるフィリピン諸島の植民地化が強まる中で、19世紀前半にこの地で巨大化したのがスールー王国です。
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