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世界の一流詐欺師とその手口

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 人心の弱みを突きカネを稼ぐ天才詐欺師たち

 いつの時代、どこの場所にも、規模の大小問わず詐欺師の類いはいるものです。

達者な口で出資者からカネを集めてドロンしたり、美貌を活かして相手を虜にしてカネを奪ったり。オレオレ詐欺なんか時代の象徴ですね。

歴史上にもそんな詐欺師が満ちあふれていますし、時には詐欺師が歴史を動かしたこともありました。

 今回は歴史を騒がせた、近代の天才詐欺師5人を紹介します。

1. カリオストロ伯爵(イタリア)1743-1795

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 怪しげな錬金術や魔術で金持ちに取り入る

イタリアのシチリア・パレルモの貧しい家の生まれ。若い頃に修道院で薬学と科学を学びますが、悪さを繰り返して追放されてしまいます。

カリオストロはシチリアを出奔し、各地を流浪。

自らを「錬金術・医術・魔術のスペシャリスト」と称して、人々の前で様々な奇跡を演じてみせます。おそらく手品のようなものだったのでしょう。

それを奇跡と信じた人々は、カリオストロの元に集うようになります。

様々な媚薬や鎮痛剤などを処方し庶民に配布する一方、金持ちからは錬金術によって銀を金に変える、などと称してカネを騙しとっていました。

詐欺師が詐欺師に騙される

持ち前のしゃべりと世渡りのうまさで錬金術師として名を挙げたカリオストロ。

フランスの社交界にも出入りをするようになり、ストラスブールのロアン枢機卿と知り合います。

ところが、ロアン枢機卿が詐欺事件に巻き込まれ、その容疑者としてカリオストロも逮捕されてしまいます。

事件の一旦はこうです。

  • ロアン枢機卿はマリー・アントワネットに取り入ることで出世したいと思っていた
  • そこに、自らを「マリー・アントワネットと親友」と称するラ・モット伯爵夫人が、アントワネットのために高額な宝石を代理購入してくれないか、と枢機卿に持ちかける
  • 出世の好機と考えたロアン枢機卿は、購入代金をラ・モット伯爵夫人に渡す
  • しかしラ・モット伯爵夫人は、そのカネと宝石を持ってロンドンに逃亡
  • 支払いがされないことに業を煮やした宝石商がアントワネットに支払いを催促したことで事件が発覚

逮捕されたカリオストロは得意のしゃべりで無実を主張し、後にラ・モット伯爵夫人が逮捕されたこともあり釈放されますが、一連のゴシップで社会的に「詐欺師」の烙印を押され2度と復活できませんでした。

 

 2. テレザ・ハンベール(フランス)1856-1918

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架空法廷によって大金をせしめる

フランスの農民の生まれ。子どもの頃から虚言癖があったようで、友だちから失敬した宝石を身につけ自分のものかのよう振る舞ったため、周りの人たちから金持ちの子だと思われていたようです。

その後、友だちだけではなくフランス中を巻き込んだ大胆な詐欺行為に手を出します。

その詐欺の手口は以下の通り。

  • アメリカの大富豪「ヘンリー・クロフォード」という架空の人物を作り出し、彼から莫大な遺産を相続することになっている、と周囲に触れ込む
  • これも事前に仕込んでおいた、クロフォードの2人の甥という人物がテレザを訴える
  • テレザ 対 甥2人の財産争いを法廷に持ち込み、「この法廷に勝ったら莫大なカネが手に入る」として銀行から多額の融資を受ける

20年も演技を続けるも、あえなく御用

テレザはこの架空法廷を20年にも渡って演じ続け、その間も銀行から融資を得続けます。

融資には飽き足らず、テレザは保険会社を立ち上げ資金を集めますが、そのカネは運用されることなくテレザの贅沢三昧に消えていきました。 

ある時、新聞にこの保険会社の怪しい経営がリークされます。疑いを晴らすため金庫を開けるよう弁護団に詰められたテレザは、自宅に火をかけて逃亡。

しかし金庫は焼けずに残ってしまいます。警察と弁護団が開けてみると、なんと空っぽ!

この一件でテレザは逮捕されますが、禁固5年という軽い実刑だったそうです。

 

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3. ヴィクトール・ルースティヒ(チェコ)1890-1947

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エッフェル塔を売った男

1925年、新聞で「エッフェル塔が老朽化し、政府が対応に苦慮している」というニュースが流れます。

そのニュースを見たチェコ人・ルースティヒはある計画を思いつきます。 

彼は政府関係者を装って、スクラップ会社5社を呼んで打ち合わせをし、 こう言います。

  • パリ市当局はエッフェル塔の解体を既に内々で決定した
  • ついてはスクラップを引き取ってくれる業者を探している
  • しかしこの計画が市民に漏れたら、大規模な反発が起こることは明白である
  • そのため計画を実施するまでこの話は決して漏らさないでほしい

 ルースティヒは、この怪しげな話に食いついてきたポアソンという男をターゲットに話を進め、落札するにあたっての賄賂を要求。

ポアソンは落札のために賄賂を渡しますが、すぐにルースティヒはフランスから逃亡。

騙されたと分かっても、ポアソンは賄賂を渡した手前、警察に届け出ることができずに泣き寝入りをしたのでした。

 

4. アルヴェス・レイス(ポルトガル)1896〜1955

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公式印刷所で偽札作りをやってのけた男 

アルヴェル・レイスは大学を中退し、経歴を詐称してポルトガルの植民地だった、アフリカのアンゴラに渡ります。

そこで、中古の機械を修理して新品と称して売りさばく悪どい商売でひと財産を築き、その後アンゴラの大企業を買収すべく小切手詐欺を働きますが逮捕。

これに懲りず獄中でさらなる計画を練ります。

出獄後、「アンゴラ救済のための紙幣増刷計画」

と偽りの計画をぶちあげ、そのための架空の政府直属機関を立ち上げます。

レイスは、アンゴラ総督、大蔵大臣、政府担当者などとの偽の契約書を作り、それを元に協力者を探します。

ヘニース、マラン、ホセら3人の実業家がこの計画に騙され、各署との交渉に当たりました。マランは、公式の紙幣印刷所であるロンドンの「ウォーターロー商会」との交渉を担当。

ウォーターロー商会は、「なぜポルトガル政府の中央銀行担当が来ないのか」と怪しみますが、レイスは銀行総裁を装った依頼文書までも偽造。

また、紙幣に振られる固有番号すら偽造し、それを元にウォーターロー商会に20万枚の紙幣を刷らせることに成功。

これは現在の日本円に換算すると、5000億円にも及びます。

 しかし固有番号の組み合わせの誤りに気づいた地方銀行員の告発から犯行が発覚し、レイスら4人は逮捕されました。

 

5. フランク・アバグネイル(アメリカ)1949〜

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 映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のモデル

フランク・アバグネイルは2014年現在も存命の天才詐欺師。

16歳で家出したフランク少年は、パイロット・医師・検事補・証券ブローカーなど社会的身分が高い職業の小切手は信用が高いことを知ります。

そこから21歳までの5年間で、8名の偽名を用いて「ねつ造小切手」を世界各地の銀行で換金。250万ドル(約3億円)もの大金を手に入れます。

パイロットに扮して飛行機に無賃搭乗し、世界中を飛び回っては各地の銀行に出没。

また、検事補に扮する際は、独学で司法試験を受験し合格。しかも10代で。まさに天才。

21歳の時に逮捕されますが、服役後にFBIからの依頼で詐欺や偽造文書を見分ける講師になります。

現在はコンサルティング会社「アバグネイル・アンド・アソシエイト」を経営しています。

 

 

まとめ

おかしなことはコソコソしようとするからバレるのであって、

堂々としていたら逆にバレない、というのを地で行ってる人たち。本当に面白いですね。

頭脳はもちろんですが、よほどの肝っ玉がないと無理ですね。ぼくは小心者だから絶対できないです。

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