暑い夏に世界史関連本が豊作です
四半期恒例の世界史関連新刊の紹介です。
今回は2023年7月~9月の世界史関連新刊紹介です。
私のリサーチ力?も向上したのか、増えに増えて今回は60冊です。
今回は、新書、文庫、選書、学術書がとても多いです。
新書・文庫・選書・学術書
このカテゴリーだけで今回は26冊もあります。
これらは買う予定です。
ハイチ革命の世界史 奴隷たちがきりひらいた近代 (岩波新書 新赤版 1984)
オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ (中公新書 2766)
1.『ハイチ革命の世界史 奴隷たちがきりひらいた近代』
岩波新書 浜 忠雄 著 2023/08/18 税込1056円
一八世紀末、カリブ海の島で黒人たちが立ち上がり、自らの手で史上初の奴隷解放を達成した──長く忘却されてきたハイチ革命は、いまや近代史の一大画期だと認識されている。半世紀に及ぶ著者の研究をもとに、反レイシズム・反奴隷制・反植民地主義を掲げたこの革命と、苦難にみちた長いその後を、世界史的視座から叙述。
2.『トルコ 建国一〇〇年の自画像』
岩波新書 内藤 正典 著 2023/08/18 税込1100円
オスマン帝国の崩壊と過酷な独立戦争を経て、世俗主義の国家原則をイスラム信仰と整合させる困難な道を歩んできたトルコ。様々な政治的危機に直面しつつ新たな自画像を模索した波乱の過程を、トルコ研究の第一人者が繙く。
3.『アマゾン五〇〇年 植民と開発をめぐる相剋』
岩波新書 丸山 浩明 著 2023/08/18 税込1166円
新大陸「発見」以降、世界中の人や物が頻繁に往来する結節点となってきたアマゾン。そこは、「人跡未踏の静謐な秘境」ではなく、欧米各国や日本など、各時代の列強の欲望が交錯し、激しい覇権争いが繰り広げられる開発のフロンティアであり続けてきた。そのグローバルな移植民の歴史を俯瞰し、従来のイメージを大きく覆す。
4.『浄土思想 釈尊から法然、現代へ』
中公新書 岩田文昭 著 2023/8/21 税込924円
阿弥陀仏の極楽浄土に往生し、悟りをえて成仏を目指す浄土教。浄土宗、浄土真宗、時宗などの宗派が属し、日本で最も信者数が多い。なぜこれだけ多くの信仰を集めたのか――。本書は、教えの広がりを「物語の力」に着目する。衆生を救うため誓いをたて阿弥陀仏になった「法蔵説話」、家庭不和を主題とする「王舎城の悲劇」などの経典に描かれた話、法然や親鸞ら開祖の物語を読み解きながら、その思想の本質に迫る。
5.『オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ』
中公新書 三佐川亮宏 著 2023/8/21 税込1210円
カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
6.『J・S・ミル 自由を探究した思想家』
中公新書 関口正司 著 2023/6/21 税込1012円
19世紀に活躍した英国の思想家、ジョン・スチュアート・ミル(1806~73)。生涯を通じて道徳と政治のあり方を探究し、『自由論』『代議制統治論』『功利主義』をはじめとする膨大な著作で近代社会の立脚点となる理論を打ち立てた。その生涯――父ジェイムズとの確執、ベンサムへの傾倒、精神的危機、伴侶ハリエットとの出会いと別れ、晩年の議員活動――を丹念に追いながら、今なお鮮烈な思想の本質を描き出す。
7.『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』
岩波ブックレット 小野寺 拓也 著 , 田野 大輔 著 2023/07/05 税込902円
「ナチスは良いこともした」という言説は、国内外で定期的に議論の的になり続けている。アウトバーンを建設した、失業率を低下させた、福祉政策を行った――功績とされがちな事象をとりあげ、ナチズム研究の蓄積をもとに事実性や文脈を検証。歴史修正主義が影響力を持つなか、多角的な視点で歴史を考察することの大切さを訴える。
8.『スーフィズムとは何か イスラーム神秘主義の修行道』
集英社選書 山本 直輝 著 2023/8/17 税抜1040円
「イスラーム神秘主義」とも訳されるスーフィズム。
それは今も神学、法学とならび伝統イスラームの一角をなす哲学や修行道の総称である。
その究極目的は「イスラーム」を味わうこと。
かつて井筒俊彦はスーフィズムの哲学的、神秘主義的な側面に光をあてた。
だが、個人の精神的営みであると同時に、スーフィズムは日本の芸道や武士道、少年マンガで描かれる師弟関係にも通じる修行の世界であり、時にはオスマン帝国、トルコの政権をはじめとしたイスラーム世界を動かす政治思想運動でもある。
本書はトルコで教鞭を執る著者が、思想、修行法から、食、武術、音楽をも射程におさめ、よく生きるための「実践の道」としてのスーフィズムを解説する。
9.『商人の世界史』
河出新書 玉木 俊明 著 2023/08/29 税込979円
世界に一大ネットワークをつくるーー権力者にもできなかった、この偉業を成し遂げたのは商人たちだった!古代から現代まで、11の商人を通して俯瞰する、人類の交易と流通と覇権の歴史。
10.『バラの世界』
講談社学術文庫 大場 秀章 著 2023/06/12 税込1496円
冬のバラを好み、わざわざエジプトから取り寄せていたという皇帝ネロ。晩餐会で天井から大量のバラの雨を降らせ、客を窒息させたほどの愛好家だった暴君ヘリオガバルス。古代ローマ人は悪酔い防止にバラの花冠が効くと信じ、中世の詩人や作家、画家はこぞってバラを描いた……。ただの「花」がなぜ憧れの象徴となり、かくも人々を虜にし続けるのか。野生から改良種まで、世界の多様な品種を眺めつつ、はてなき美の世界を旅する!
11.『キリスト教入門』
講談社学術文庫 竹下 節子 著 2023/07/13 税込1221円
キリスト教抜きに世界のスタンダードは理解できない!
旧約・新約聖書を丁寧に解説、「救世主」「アダムとイヴ」「三位一体」「クリスマスツリーと十字架」「原理主義」「進歩主義とグローバリゼーション」などのキーワード/トピックから、キリスト教理解を立体的に組み上げる。信仰生活のリアル、各宗派とのかかわり方など、実践的なガイドも盛り込んだ、非キリスト教文化圏に住まう「普通の日本人」のための最良の入門書! 混迷の時代、普遍宗教が示す未来とは?
12.『弥勒』
講談社学術文庫 宮田 登 著 2023/07/13 税込1221円
世界が終わるとき、やってくる。
蘇我馬子も藤原道長も惚れ込んだ弥勒(みろく)信仰。五十六億七千万年後に降臨し人々を救う、未来仏とは何か?広隆寺の国宝として有名な、弥勒菩薩半跏思惟像。弥勒とは、五十六億七千万年後に現れて衆生を救うという、阿弥陀や釈迦と並ぶ仏のことである。古代日本に伝わると、災害や飢饉と結びつき、末法思想(メシアニズム)として全国の民衆に広がった。戦後民俗学の泰斗が、中国・朝鮮との比較を通して、日本独自の弥勒信仰の歴史と民俗を復元し、日本文化の原型を描き出す。宗教民俗学を土台にした日本文化論!
13.『アフリカ史』
講談社学術文庫 山口 昌男 著 2023/08/10 税込1980円
様々な学問分野を自由に越境し、「知ることの楽しさ」を生涯発信し続けた<知の道化師>、山口昌男。その学問の真髄とも言える「アフリカ」研究を、丸ごと1冊・通史に編纂。思いがけなくも豊かなアフリカの相貌、実験的とも言える日本との対比、自身が描いたスケッチや、貴重すぎる図版を193点も掲載! 彼の地で暮らし、深い人脈を得た泰斗だからこそ書けた本作は、参考文献すらただの文字情報に終わらない、圧巻の充実ぶり。没後10年。今こそ、目からウロコのアフリカ通史を、吟味する!
14.『ロシア・アヴァンギャルド ─未完の芸術革命』
ちくま学芸文庫 水野 忠夫 著 2023/06/08 税込1760円
旧体制に退場を命じる如く登場し、社会主義革命と協調、スターリン体制のなかで終焉を迎えた芸術運動。現代史を体現したその全貌を描く。解説 河村彩
15.『樺太一九四五年夏 ─樺太終戦記録』
ちくま学芸文庫 金子 俊男 著 2023/07/06 税込2090円
突然のソ連参戦により地獄と化した旧日本領・南樺太。本書はその戦闘の壮絶さを伝える貴重な記録だ。長らく入手困難だった名著を文庫化。解説 清水潔
16.『須弥山と極楽 ─仏教の宇宙観』
ちくま学芸文庫 定方 晟 著 2023/07/06 税込1100円
仏教は宇宙をどう捉えたか。五世紀インドの書『倶舎論』の須弥山説を基礎に他説も参照し、仏教的宇宙観とその変遷を簡明に説いた入門書。解説 佐々木閑
17.『社会思想史講義』
ちくま学芸文庫 城塚 登 著 2023/08/07 税込1210円
近代社会の形成から現代社会の変貌まで、各時代が抱える問題を解決しようと生みだされた社会思想。思想家達の足跡を辿る明快な入門書。解説 植村邦彦
18.『聖トマス・アクィナス』
ちくま学芸文庫 G.K.チェスタトン 著 , 生地 竹郎 翻訳 2023/08/07 税込1210円
トマス・アクィナスは何を成し遂げたのか。巧みな機知とともに描かれる人物像と思想の核心。専門家からも賞賛を得たトマス入門の古典。解説 山本芳久
19.『奴隷制の歴史』
ちくま学芸文庫 ブレンダ・E・スティーヴンソン 著 , 所 康弘 翻訳 2023/08/07 税込1540円
全世界に満遍なく存在する奴隷制。その制度のもっとも嫌悪すべき頂点となったアメリカ合衆国の奴隷制を中心に、非人間的な狂気の歴史を綴る。
20.『〈精神病〉の発明 クレペリンの光と闇』
講談社選書メチエ 渡辺 哲夫著 2023/08/10 税込1990円
臓器と違って目には見えない精神の疾患を、はじめて分類・体系化し、〈精神病〉を発明したエミール・クレペリン(1856-1926年)。無意識を発見したフロイトと偶然にも同じ年に生まれ、フロイトと並んで現代精神医学の基礎を築きながら、その名は忘却され、彼が築いた分類と体系だけが、所与であるかのように、世界中で広く使用される診断マニュアルの土台となっている。
冷酷非情である一方、純粋で情熱的な面もあわせ持つ複雑な人物の半生を辿り、葛藤と煩悶を繰り返して生み出された体系の功罪を描き出す。精神医学誕生秘史!
21.『戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む』
講談社選書メチエ 上田 信著 2023/07/13 税込1870円
16世紀半ば、戦国時代の日本をルポルタージュした中国人がいた。その後すっかり忘れ去られていた貴重な記録『日本一鑑』には、いったい何が書かれているのか。明清時代の中国を、ユーラシアの陸と海から大きな視点でとらえた著作で高く評価される著者が、日本の戦国時代を描き直す意欲作。
22.『古代中国 説話と真相』
筑摩選書 落合 淳思 著 2023/07/12 税込1980円
酒池肉林、臥薪嘗胆……よく知られる説話を実証的に検証し、当時の社会体制を詳らかにする。古代中国史を批判的に見つつも、よき「戦国時代案内」でもある一冊。
23.『十字軍国家』
筑摩選書 櫻井 康人 著 2023/08/08 税込2090円
十一世紀末から地中海地域など各地に建設され、ナポレオンのマルタ島攻撃まで七百年にもわたり存続した十字軍国家。知られざる興亡の歴史を第一人者が活写する。
24.『U1137 執事とメイドの裏表[増補版]』
白水Uブックス 新井 潤美 著 2023/08/24 税込1760円
19世紀イギリスのミリオンセラー『ビートン夫人の家政書』によると、社交界では家庭の主婦が集まれば使用人の愚痴に夢中になったという。では、それはどんな愚痴だったのか?
本書では、伝統的な使用人がどのように文学作品に表われているかを考察しつつ、使用人についての記録やハンドブックなどを参照して、イギリス文化と文学における使用人のイメージとその実態(と、愚痴の生まれる社会的背景)を比較分析する。
下男の章で、ディケンズ『荒涼館』に登場する刑事が、屋敷の下男に対する聞き込みの際に、「下男にとって理想的な出世コース」をたどった父親の話をして親近感を抱かせる話が紹介されるが、Uブックス化にあたって新たに追加された「『使用人』ではない被雇用者たち」の章では、オースティン『自負と偏見』で、ウィカムがリジーに対して父親のまさに同じような話をして取り入るくだりが解説され、興味深い。
25.『Q1060 フランスの宗教戦争』
文庫クセジュ ニコラ・ル・ルー 著, 久保田 剛史 訳 2023/08/30 税込1320円
1562年から1598年のあいだ、8回にわたって繰り広げられたフランスの宗教戦争。本書はその全貌を描き出す。
26.『《世界史リブレット人》013.光武帝 「漢委奴国王」印を授けた漢王朝の復興者』
山川出版 小嶋 茂稔 著 2023/07 税込880円
後漢の建武中元2年(西暦57年)の正月、後漢の都が置かれた洛陽の北宮において、時の皇帝が、遠く日本列島から訪れた倭の奴国の使者と謁見していた。そこで、皇帝と使者との間にどのようなやり取りがあったかは、詳らかには分からない。史書の伝えるところでは、この時、使者を介して、奴国の君主は「漢委奴国王」に冊封され、その文字を刻した金印と、恐らくは紫色の綬(印を首からさげる組みひも)とを下賜されている。現在、福岡市立博物館に所蔵されている、志賀島から発見された金印が、この時奴国の使者に授与されたものである可能性が極めて高いといわれている。中国諸王朝の皇帝の中で、日本列島に居住していた人物と謁見した人物はそう多くはないであろうが、確かな記録に依拠する限り、その第1号こそ、本書の主人公光武帝である。
本書では、その光武帝の中国再統一に至る経緯や政策ならびに政治理念を紹介することを通して、光武帝その人がどのような人物であったか、さらには光武帝が事実上建設した後漢という王朝をどのように理解すれば良いのかを論じる。
企画本
特定のテーマにトピックを当てた企画本・選書です。リーズナブルな価格で専門的でおもしろい切り口の内容の書籍が読めます。
一冊でわかるオーストリア史 (世界と日本がわかる国ぐにの歴史)
こちらの本は、私が第一章と第二章を書いています。
27.『《歴史の転換期》5.1348年 気候不順と生存危機』
山川出版 千葉 敏之 編 2023/7 税込3850円
1348年前後はユーラシア大陸全域が寒冷化した。こうした気候不順は自然災害(洪水など)を引き起こし、各地の生産活動(とくに農業)に打撃を与えた。さらに、栄養不足が疫病の蔓延を助長し、生活に困窮する農民の暴動や反乱を招いた。これら災害・飢饉・戦争・人口減少は、人々を生存危機へと追いやり、既存の体制の土台を掘り崩した。本巻では、気候不順に由来する生存危機を人々がどのように認識し、いかなる克服の試みを重ねていったかという点に着目し、渦中の人々による危機打開の模索の現場を、その成否を含めて論じる。また同時に、「体制(システム)の転換」という点で、とくに中央ユーラシアにまたがるモンゴル帝国の崩壊局面に光を当て、「崩壊」という歴史の転換の現場をビビッドに描く。
28. 『《YAMAKAWA Selection》トルコ史』
山川出版 永田 雄三編 2023/08 税込1650円
『新版世界各国史9 西アジア史Ⅱ』をもとに、トルコに関する部分を再構成。オスマン帝国成立以前のアナトリアや、近代・現代の動向について大幅に加筆修正を加えてハンディ版としてリニューアルした。
多民族・多宗教・多文化の共生を実現させた大帝国を歴史にもち、東洋と西洋にまたがる位置にある「親日の国」トルコは、多様性と分断の時代となった現代において、改めてその存在感を増している国のひとつである。
中央アジアからアナトリアへ移動したテュルク系遊牧民に始まり、ルーム・セルジューク朝、オスマン帝国を経て、現在のトルコ共和国へと至った歴史を通観する。
29.『現代バスクを知るための60章【第2版】』
明石書店 萩尾 生 編著,吉田 浩美 編著 2023/06/15 税別2200円
スペインとフランスにまたがるバスク地方。独特の言語や文化が注目されてきたが、独立を求めた武装組織の解散もあり、飲食(ガストロノミー)、観光、イノベーションなど多方面でのグローバルな存在感を近年急速に高めている。初版以後の重要事象を増補し、情報更新を図った改訂版。
30.『一冊でわかるオランダ史』
河出書房新社 水島 治郎 監修 2023/08/14 税込1870円
オランダとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいオランダの偉人」も役に立つ。
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31.『一冊でわかるオーストリア史』
河出書房新社 古田 善文 監修 2023/08/14 税込1870円
オーストリアとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいオーストリアの偉人」も役に立つ。
32.『超絶リアル!! タイムトラベル歴史大図鑑』
河出書房新社 DK社 編, 小林 玲子 訳 2023/06/20 税込3190円
CGで過去の出来事を再現し、生き生きと蘇らせる! 現在の遺跡や遺物と並べて掲載することで、リアルに歴史が感じられ、ワクワクがとまらない! 専門家がチェック済の迫力ある描写に釘付け。
33.『[図説]中世ヨーロッパ 武器・防具・戦術百科 普及版 (普及版)』
原書房 マーティン・J・ドハティ 著, 日暮 雅通 訳 2023/8/22 税込4180円
中世ヨーロッパの戦いのすべてを図解したロングセラー、待望の普及版! 武器・防具の詳細から騎士の装備・戦術、そして攻城戦の大型兵器・投射機までを、歴史的戦闘と照らし合わせながら紹介する。
34.『世界史を変えた女性指導者たち 上』
原書房 アンヌ・フュルダ 編 2023/08/21 税込2420円
20人の女性リーダーがくりひろげる驚くべき絵巻。クレオパトラ、マリー・アントワネットからアウン・サン・スー・チー、メルケルまで、古代から現代の女王、女帝、首相、大統領となった女性の生涯を各分野の専門家がたどる。
35.『[ヴィジュアル版]北欧神話物語百科』
原書房 マーティン・J・ドハティ 著, 角 敦子 訳 2023/07/13 税込3520円
現代のRPG、SF、『指輪物語』や映画『ホビット』三部作、人気のサバイバルゲームなどには北欧神話に由来するコンセプトや定番キャラクターがふんだんに使用されている。これらの世界観をより深く楽しむための必須ガイド。
36.『[ヴィジュアル版]ダンスの歴史』
原書房 ロバート・ヒルトン 著, 高尾 菜つこ 訳 2023/06/26 税込3740円
宮廷、酒場、ダンスホール、ディスコ、クラブ、公園。世界のあらゆる場所で人々は踊ってきた。ワルツ、タンゴ、ルンバ、チャールストン、スウィング、ジャイブ。大衆の体を揺らし続けるダンスの歴史に豊富なカラー図版で迫る。
37.『[図説]食材と調理からたどる中世ヨーロッパの食生活』
原書房 ハンネレ・クレメッティラー 著, 龍 和子 訳 2023/06/20 税込3960円
貴族の晩餐から庶民の食事まで、中世ヨーロッパの食文化を当時の写本から徹底的に読み解き、食材と献立、調理から案内する。そこには意外なほど豊かな中世が垣間見える。当時を再現する60あまりのレシピ集とともに、ご賞味あれ。
38.『[図説]真珠の文化誌』
原書房 フィオナ・リンゼイ・シェン 著, 甲斐 理恵子 訳 2023/06/21 税込3960円
数千年におよぶ真珠と人間のドラマを100点あまりの図版とともに描く。カキの生態、御木本幸吉による養殖真珠の成功と西洋に与えた衝撃、ジュエリーとしての美しさ、人々を夢中にさせた魅力など真珠にまつわる歴史を繙く。
39.『白の服飾史 人はなぜ「白」を着るのか』
原書房 ニーナ・エドワーズ 著, 高里 ひろ 訳 2023/08/28 税込3960円
清浄で純粋だと重宝されながら、非実用的だと避けられてきた白。医師や料理人の制服となり、聖職者が着ることで権力と結びつき、喪服として死を司り、産着として生を祝うなど、白い服がまとう特別な意味を図版とともにたどる。
40.『中世ヨーロッパ 「勇者」の日常生活』
原書房 ケイト・スティーヴンソン 著, 大槻 敦子 訳 2023/09/19 税込2750円
選ばれし「勇者」はあなた! リアルな中世を冒険するのに何が起こって何が必要なのか。宿に泊まり、姫を助け、魔術師を仲間にし、そしてドラゴンを退治する!「実例」とともに歴史家が案内するユーモアあふれる異色の歴史物語。
41.『[図説]世界の外食文化とレストランの歴史』
原書房 ウィリアム・シットウェル 著, 矢沢 聖子 訳 2023/09/11 税込4180円
古代ローマから、フランスでの「レストラン」誕生、トルティーヤ・プレスの発明、ミシュランの格付け、回転ずし、ニューロガストロミーまで。人間ドラマに満ちた世界の外食文化の発展とその歴史を豊富なヴィジュアルで解説。
お手頃の専門書
4,000円以内で買える専門書をこのカテゴリに入れています。
42.『現代台湾クロニクル 2014-2023』
白水社 近藤 伸二 著 2023/08/30 税込2750円
政権運営、対中関係、外交、内政、経済、社会の6つのテーマで、直近10年間の変貌ぶりが手に取るようにわかる入門書。
43.『岩波講座 世界歴史 第16巻 国民国家と帝国 19世紀』
岩波書店 荒川 正晴 編集委員ほか 2023/09/26 税込3520円
グローバルヒストリー、フェミニズム、環境史などの成果をふまえつつ、太平洋地域やアフリカ大陸に加え、「歴史総合」に対応して日本史とも接続させた、新しい世界史像。「接合」と「分断」が同時に進む世界で、時間と空間を超えた人びとのつながりをとらえなおす、四半世紀ぶりの第三期刊行。学界の総力を結集してお届けします。
44.『岩波講座 世界歴史 第22巻 冷戦と脱植民地化Ⅰ 20世紀後半』
岩波書店 荒川 正晴 編集委員ほか 2023/07/28 税込3520円
二三巻と併せて二〇世紀後半を扱う。本巻は国際関係・政治に焦点をあてる。体制選択を迫る冷戦と結びついた暴力は、脱植民地化を遂げた国々で熱戦や内戦を引き起こした。一方、グローバルな連帯を体現する国連システムが成立し、反戦運動、人権や環境への意識も広がった。第三世界・周辺の視点から冷戦期の光と闇を描く。
45.『岩波講座 世界歴史 第23巻 冷戦と脱植民地化Ⅱ 20世紀後半』
岩波書店 荒川 正晴 編集委員ほか 2023/06/29 税込3520円
二二巻と併せて、冷戦期を中心に二〇世紀末までを扱う。本巻では社会、経済、文化のダイナミズムが、政治と絡み合いながら世界史の動因となった過程を概観する。環境問題、新自由主義の台頭、高度経済成長の下、人々の生活はどう変わったのか。社会主義諸国家の模索、マイノリティ運動、福祉国家とジェンダー観の変容など。
46.『アジア人物史 第3巻ユーラシア東西ふたつの帝国』
集英社 姜尚中 総監修 2023/8/25 税込4400円
武則天/玄奘/元暁/道慈/ソンツェン・ガムポ/トニュクク/
安禄山/杜甫/黄巣/サンジャヤ/シャイレーンドラ/
ジャヤヴァルマン2世/マアムーン/耶律阿保機/王建/他。
47.『リスボン大地震 世界を変えた巨大災害』
白水社 ニコラス・シュラディ 著, 山田 和子 訳 2023/08/28 税込4180円
1755年、リスボンを襲った大地震は欧州最大の交易都市を壊滅させた。世界に衝撃を与えた自然災害の全容と首都復興の道筋をたどる
48.『スターリンの図書室』
白水社 ジェフリー・ロバーツ 著, 松島 芳彦 訳 2023/07/28 税込4950円
血まみれの暴君は「本の虫」でもあった。膨大な蔵書と頁上の書き込みを精査し、思想と政治に及ぼした影響から人格の内奥にまで肉薄。
49.『現代中国の精神史的考察 繁栄のなかの危機』
白水社 栄 剣 著, 石井 知章 監訳 2023/08/30 税込3300円
ハンナ・アーレント、ハイデガーの思索を導きに、あるいはロナルド・コースの経済学を頼りに、現代中国を俯瞰する、精神史的考察
50.『君主制諸国』
ミネルヴァ書房 中村 覚 監修・編著 2023/6/30 税込4950円
日本における中東政治研究の最新の知見をあつめたシリーズの第5巻。政治学と地域研究を組み合わせ、中東地域の構造的変動を解明することを目指す本シリーズは、今後の中東地域内力学および国際関係を見通す視座も提供する。本巻では、サウディアラビア、ヨルダンなど、世界のなかでも中東に特徴的な絶対君主制の国々を取り上げ、「アラブの春」を経てもなお揺らがないこの政治体制の強靭さが何に由来するのか、多面的に照射する。
51.『映画史の論点 映画の〈内〉と〈外〉をめぐって』
ミネルヴァ書房 加藤 幹郎 監修,杉野 健太郎 編著 2023/7/1 税込4950円
本書では5つの部を設けて、映画の〈内〉と〈外〉をめぐる論点を探究する。第Ⅰ部から第Ⅲ部では、映画に内在する「構造」と「語り」の問題をはじめ、「ジャンル」という映画を横断するテーマを探り、また「サスペンス」と「音」をめぐる論点を掘り下げる。また、第Ⅳ部と第Ⅴ部では隣接領域としての歴史や文学との邂逅のほか、産業としての映画の足跡を追う。終章では、映画史記述という映画史の根源的問題を取り扱う。
52.『ヒゲの文化史 男性性/男らしさのシンボルはいかにして生まれたか』
ミネルヴァ書房 クリストファー・オールドストーン=ムーア 著, 渡邊 昭子 訳, 小野 綾香 訳 2023/7/30 税込4950円
男性のヒゲは時代とともに様々な変化を遂げてきた。男性性の象徴ともいえるヒゲの変化は、単なるファッションの一部にすぎないのだろうか? 長い歴史のなかでヒゲは男らしさの指標であり、社会的および政治的権威とも無関係でなかった。本書は紀元前から現代に至るまでの西洋社会において、男性がこぞってヒゲを伸ばした四つの時代を明らかにし、ヒゲの興隆期とヒゲ剃りの時代を対比することでヒゲの歴史の全体像に迫る。
高額専門書
5,000円以上で買える専門書をこのカテゴリに入れています。
53.『ヨーロッパ中世のジェンダー問題』
明石書店 赤阪 俊一 著 2023/08/10 税込5500円
西洋中世世界のジェンダー構造について、とりわけキリスト教における性の観念に注目し、男装と女装、レイプ・売春、マスキュリニティ(男性性)といった観点から、一般読者にもわかりやすい語り口で詳述する。現代のジェンダー問題への示唆にも富む一冊。
54.『黒人の歴史 30万年の物語』
河出書房新社 ネマータ・ブライデン 著, 沢田 博 訳 2023/07/27 税込5940円
人類の誕生から、Black Lives Matterまで。アフリカ大陸から始まる、黒人たちの遥かなる誇りと抵抗と闘いの歴史を、地図や図版を駆使して描いた、初めての一冊!
55.『[完訳版]第二次世界大戦 1 湧き起こる戦雲』
みすず書房 ウィンストン・チャーチル 著, 伏見 威蕃 訳 2023/8/10 税込6050円
史上最大の大戦下、英国を率いた元首相がみずから語る全記録。ノーベル文学賞を著者にもたらした6巻の原著(1948-54年)を全面新訳でおくる。第1巻は1919年の第一次世界大戦の講和会議から説き起こし、戦間期の20年をへて新たな大戦が勃発、1940年5月10日に65歳で首相となるまでを収める。自身のほか主要人物による演説と書簡、各種地図や表を配し、英国王ジョージ6世からリッベントロップまで、じかに接した人びとの素顔も点描される。序説は軍事史家ジョン・キーガン。
56.『ニュルンベルク裁判1945-46(上)』
白水社 ジョウ・J・ハイデッカー 著, ヨハネス・レープ 著 2023/08/28 税込6380円
捜索、逮捕、尋問から裁判、判決、処刑まで、「平和に対する罪」、「戦争犯罪」、「人道に対する罪」に鉄槌を下す。写真多数収録。
57.『イギリスの戦後ヨーロッパ構想とフランスの再興 大陸と大西洋のはざまで』
慶應大学出版会 中村 優介 著 2023/7/25 税込5500円
1940年6月、フランスはドイツとイタリアとの間に休戦協定を結び大国としての地位を失ったが、イギリスは巧みな外交手腕を使い米ソにフランスの再興を認めさせてゆく。ド・ゴール率いる自由フランス支持へと舵を切るまでのイギリス外務省内の合意形成、またアメリカを説得するまでの外交交渉の過程を分析し、戦後ヨーロッパの力の真空を埋めるという構想のもとに発揮した外交力を検証する。
58.『スターリンの極東戦略 1941-1950 インテリジェンスと安全保障認識』
慶應大学出版会 河西 陽平 著 2023/8/25 税込5500円
スターリン率いるソ連は、極東情勢の変容をどのように認識し、いかなる軍事・外交戦略を採用するに至ったのか。
独ソ戦開戦時から冷戦開始後、朝鮮戦争とのかかわりまでを、ゾルゲたち諜報員によるインテリジェンスの役割を含め、豊富な一次史料から読みとく試み。
59.『フランク史Ⅲ カロリング朝の達成』
名古屋大学出版会 佐藤彰一 著 2023/8/10 税込7920
西洋史上の画期をなすピピンの即位とカールの皇帝戴冠。彼らの血を引く王たちの覇権争いの下、中世世界は本格的に姿を現す。「自由なる民」の興亡をたどる初の通史の最終巻。本巻では、王権の動向を軸に、経済的・軍事的変革やキリスト教規範の浸透、新勢力の台頭を世界史的視座から見届ける。
60.『盧溝橋事件から日中戦争へ』
東京大学出版会 岩谷 將 著 2023/09/01 税込5280円
8年にも及ぶ異例の長期戦となった日中戦争、その端緒となった盧溝橋事件、上海、南京での戦いまでを、中国側、日本側の史料をもとに、両国軍の動向、両政府の動静、第三国の動向などを渉猟し、あの戦争の本質に迫る。
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まとめ
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