歴ログ -世界史専門ブログ-

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【2022年12月版】世界史関連の新刊50冊

今月は歴史専門書の数が多いです

 2022年10月~12月の世界史関連新刊紹介です。

本記事はざっと流し読みをして気になる本をメモしていただくか、ブックマークして書店を訪れた際に見返すかして使っていただけるといいかと思います。今回も50冊あります。

新書・文庫・選書

安価に楽しめる新書、文庫、選書。今期はかなりバリエーション豊かなです。個人的な注目は以下です。

 

1. 『古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡』

小林 登志子 著 中公新書 2022/11/21 税込1,210円

西はナイル河、北は黒海、東はインダス河、南はアラビア海に囲まれた地域がオリエントである。この地には人類初の文明が誕生し、諸民族が行き来し、数多の王国が栄え滅びていった。シュメルやバビロンを擁したメソポタミア、象形文字や太陽神信仰など独自の文明が発達したエジプト、鉄器を生んだアナトリア、これらに興った国々が激突したシリア、そして東の大国ペルシア……。4000年に及ぶ時代を巨細に解説する。

 

2. 『孫子―「兵法の真髄」を読む』

渡邉 義浩 著 中公新書 2022/11/21 税込990円

二千年以上にわたり読み継がれてきた兵法と戦略の名著『孫子』。この古典を整理し、最も重要な注釈を付したのが三国志の英雄・曹操だ。本書は最初に、孫武と孫?のどちらが著者かという成立の謎に挑む。そして曹操の解釈を踏まえて、合理性・先進性・実践性・普遍性という四つの特徴から読み解く。『孫子』が見抜いた、戦争や組織の本質は今の時代にどう生かせるか。巻末に『孫子』全十三篇の現代語訳を収録。

 

3. 『数学史入門』

志賀 浩二 著 講談社学術文庫 2022/11/10 税込1,012円

円周率、√2、微分・積分、時間、無限……人類はこうして「問題」を解いてきた! 大家による究極の歴史ガイド。

数学がイデアの世界の産物だった古代ギリシアから、現実世界に埋め込まれたルネサンスを経、「時間」を取り込んだニュートンとライプニッツの微積分、そして「無限」を導入し両者の統合を果たした解析学へ――。数学が2000年以上にわたって切り拓いてきた歴史の道程を、「問題」と格闘する精神の軌跡として簡潔明瞭に描く、啓蒙の大家による入門書の決定版!(解説:上野健爾)

 

4.『世界の音 楽器の歴史と文化』

郡司 すみ 著 講談社学術文庫 2022/11/10 税込1,155円

「打楽器を持たない民族はいない」。古来、人は自身の体やモノを叩いて感情を伝え、動物の鳴き声や雨風などの自然音を真似、再現してきました。楽器発祥から2万年。信仰の祭礼、政治儀式、軍事の士気高揚・・・・・・あらゆる場面に浸透していった「音」と「音楽」。気候風土や時代背景に合わせ、世界各地の「音」は、どのように姿を変えてきたのか。西洋音楽と民族音楽、その対比が示す真意は? 「音」で考える、ユニークかつ雄大な文化人類学!(解説・森重行敏)

本書は『世界楽器入門 好きな音 嫌いな音』(1989年1月 朝日選書)を改題したものです。

 

5.『ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世』

菊池 良生 著 講談社現代新書 2022/11/17 1,012円

現在のドイツの源流になった神聖ローマ帝国。その初代皇帝・オットー1世の人生は戦いにまみれたものだった。身内からの反乱にイタリア遠征、そして強敵ハンガリーとの戦争。オットー1世の生涯を辿ることで、中世ヨーロッパが見えてくる。

 

6.『人口の経済学 平等の構想と統治をめぐる思想史』

野原 慎司 著 講談社選書メチエ 2022/11/10 税込2,310円

かつては「人口爆発」が、そして現代では「人口減少」が、重大な危機として社会に浮上している。人口が増えたり減ったりすることは、社会においていかなる問題として捉えられてきたのか。経済学の歴史を振り返ると、それは制度や統治という問題圏と常に重なり合いながら論じられてきた。本書はその道のりを、社会思想史の底流にある大きな流れとして描き出す挑戦である。

人口というものは、とりわけ現在の日本において喫緊の問題となっているが、それはわたしたちが社会をいかなるものとして捉え、統治するかという問題と表裏一体となっている。アダム・スミス、マルサス、ミル、ケインズ――本書でたどる彼らの思想的格闘のあとは、いまわたしたちがまさに直面する危機を考えるにあたり、見逃すことのできない発見をもたらすだろう。

 

7.『中国パンダ外交史』

家永 真幸 著 講談社選書メチエ 2022/10/13 1,760円

ちょうど50年前の1972年10月、日中友好の証として、上野動物園に2頭のパンダがやってきた。しかし、中国がパンダの外交的価値に気づいたのは、1930年代にさかのぼる。戦争と革命、経済成長の激動の歴史のなかで、パンダはいかに世界を魅了し、政治利用されてきたか。パンダを主人公にこの100年あまりを読み直す、異色の中国近代外交史。

 

8.『ソ連核開発全史』

市川 浩 著 ちくま新書 2022/11/08 税込946円

史上最大の水爆実験から最悪の原発事故、原発大国ウクライナの背景まで。危険を顧みず進められた計画の実態に迫る、かつてない通史。

 

9.『ケルトの世界 ─神話と歴史のあいだ』

疋田 隆康  著 ちくま新書 2022/11/8 税込968円

日本でも人気の高いケルト文化。だが、その内実については激しい論争が展開されてきた。彼らは何者なのか? 神話と歴史学を交差させ、ケルト社会の実像に迫る。

 

10.『「笛吹き男」の正体 ─東方植民のデモーニッシュな系譜』

浜本 隆志 著 筑摩選書 2022/11/15 税込1,760円

中世ドイツ・ハーメルンの「笛吹き男」伝説。一三〇名に及ぶ子供たちが突如消えた事件である。「東方植民」の視点から真相に迫り、ドイツ史における系譜を探る。

 

12.『イギリス社会史 1580−1680 ─経済・社会秩序・文化』

キース・ライトソン 著 , 中野 忠,山本 浩司 翻訳 ちくま学芸文庫 2022/10/11 税込1,870円

イギリスの学部生必読の名著。変わらない人間関係と変わりゆく社会的・経済的格差とを軸に、近世イギリス社会の全体像を描き出す。

 

13.『教養としての能楽史』

中村 雅之 著 ちくま新書 2022/10/6 税込924円

能は退屈どころか、本当はとてつもなく面白い。さまざまな逸話から六百年以上におよぶ能の歴史を楽しく学べて、日本の伝統芸能の本質が理解できる恰好の入門書。

 

14.『社会主義前夜 ─サン=シモン、オーウェン、フーリエ』

中嶋 洋平 著 ちくま新書 2022/10/06 税込968円

格差によって分断された社会を、どのように建て直していくべきなのか。革命の焼け跡で生まれた、”空想的”でも”社会主義”でもない三者の思想と行動を描く。

 

15.『ウクライナ戦争』

小泉 悠 著 ちくま新書 2022/12/08 税込946円

2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、第二次世界大戦以降最大規模の戦争が始まった。国際世論の非難を浴びながらも、かたくなに「特別軍事作戦」を続けるプーチン、国内にとどまりNATO諸国の支援を受けて徹底抗戦を続けるゼレンシキー。そもそもこの戦争はなぜ始まり、戦場では一体何が起きているのか? 数多くのメディアに出演し、抜群の人気と信頼を誇る軍事研究者が、世界を一変させた歴史的事件の全貌を伝える待望の書き下ろし。

 

16.『増補 20世紀写真史』

伊藤 俊治 著 ちくま学術文庫 2022/12/12 税込1,430円

写真の歴史を通じて、20世紀の感受性と人間という概念の運命を浮かび上がらせた名著が、21世紀以降の新しい道筋までを書下し大幅増補して刊行。

 

17.『人類精神史 ――宗教・資本主義・Google』

山田 仁史 著 筑摩選書 2022/12/16 税込1,980円

Gott(神)、Geld(お金)、Google(情報)=3つの「カミ」と、対応する3つのリアリティから人類の精神史を考える。気鋭の宗教学者、最後の書。

 

企画本

特定のテーマにトピックを当てた企画本・選書です。リーズナブルな価格で専門的でおもしろい切り口の内容の書籍が読めます。

今回は個人的にこれらが注目です。

 

18.『人類の物語 Unstoppable Us ヒトはこうして地球の支配者になった』

ユヴァル・ノア・ハラリ, リカル・ザプラナ・ルイズ 著 西田 美緒子 訳 河出書房新書 2022/11/24 税抜1,760円

人間だけがもっているスーパーパワーってなに? 私たちはそれをどう使えばいいんだろう? 世界的ベストセラー『サピエンス全史』の著者が、未来をになう子どもたちに贈る、驚きの歴史!

 

19.『世界の宗教大図鑑』

ジョン・ボウカー 著, 黒輪 篤嗣 訳, 中村 圭志 監修 河出書房新社 2022/11/123 税込5,478円

人類の心と文化をかたちづくってきた宗教のすべてがこの一冊に!五大宗教はもちろん、古代宗教や民間信仰も含めた世界中の宗教の歴史、文化、教義を、貴重なビジュアルで解説した決定版。

 

20.『一冊でわかるタイ史』

柿崎 一郎 著 河出書房新社 2022/11/22 税抜1,870円

タイとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいタイの偉人」も役に立つ。

 

21.『図説 ポルトガルの歴史 増補改訂版』

金七 紀男 著 河出書房新社 2022/11/18 税抜2,310円

大航海時代の雄として名を馳せた海洋帝国ポルトガル。建国、スペイン併合、再独立、近代化の苦悩など、その奥深い歴史を俯瞰する。コロナ禍など現代の話題を加筆した増補改訂版。

 

22.『古代ギリシア人の24時間』

フィリップ・マティザック 著, 高畠 純夫 監訳, 安原 和見 訳 河出書房新社 2022/12/23 税込2,860円

トゥキュディデスやアリストファネスら実在の人物と、奴隷、ガレー船船長、スパルタのスパイなどが交錯し、1時間ごと24人の目を通して、約2500年前のギリシアのリアルな日常が甦る!

 

23.『ヒトラー爆殺未遂事件1939』

ヘルムート・オルトナー 著, 須藤 正美 訳 白水社 2022/11/14 3,630円

「戦争を回避したかった」と供述した男は、質朴な家具職人で、単独犯だった。ナチの犯罪性を見抜き、世界の破局を確信していた暗殺者の生涯、事件の深層に迫り、歴史的評価を示す。

 

24.『女子サッカー140年史』

古川 裕朗 著 白水社 2022/11/16 3,190円

英欧米を中心に、女性解放と権利獲得に重ね、プロ化から地位向上への歴史を気鋭のサッカー記者が叙述。「日本女子サッカー小史」収録

 

25.『[ヴィジュアル版]イギリス神話物語百科』

マイケル・ケリガン 著, 角 敦子 訳 原書房  2022/11/24 税込3,740円

中世の叙事詩『ベーオウルフ』、アーサー王伝説、ロビン・フッド、騎士物語、妖精伝説、ヒロイン、怪物や魔女、トールキンの世界など現代のファンタジー文化に大きな影響を与えたテーマやキャラクターを180点の図版で解説。

 

26.『[ヴィジュアル版]消滅危機世界遺産』

ペーテル・エークハウト 著, 金丸 啓子 訳 原書房 2022/11/26 4,950円

23の世界遺産をその成り立ちの歴史と現状の危機の原因(破壊、略奪、都市化、過度の修復、観光の大衆化、放置、気候変動)とに注目して解説。歴史と被害をタイムラインで示し、地図も備え立体的に理解できる。

 

27.『[ヴィジュアル版]ローマ神話物語百科』

マーティン・J・ドアティ 著, 龍 和子 訳 原書房 2022/11/24 税抜3,960円

2000年の時を超え、いまもなお、文芸、絵画、音楽、演劇、映画、マンガ、アニメ、ゲームをはじめとするさまざまな創作にインスピレーションを与え続けている古代ローマの神話と伝説を美しい図版とともに紹介する。

 

28.『冒険・探検・歩く旅の食事の歴史物語』

デメット・ギュゼイ 著, 浜本 隆三, 藤原 崇 訳 原書房 2022/11/24 税込2,530円

太古から人が用いてきた移動手段、徒歩。未知の世界を歩くには食べ物が必要だ。登山家や探検家は綿密な計画を練り、軍隊のためには保存食が開発される一方、都市部ではスナックが簡単に手に入る。歩き旅の食事の多様性に迫る。

 

29.『語り継がれる 人類の「悲劇の記録」百科図鑑』

ピーター・ホーエンハウス 著, 杉田 真, 小金 輝彦 訳 原書房 2022/11/24 6,380円

人類の「負」の遺産をたどる「ダークツーリズム」の世界的権威による集大成。300か所以上のおよぶ戦跡、メモリアルから、いまなお影響を与えている災害の痕跡までを多数の写真とともに紹介。誰もが向き合うべき歴史と現実の一冊。

 

30.『バニラの歴史』

ローザ・アブレイユ=ランクル 著, 甲斐 理恵子 訳 原書房 2022/11/16 税込2,420円

独特の甘い芳香で、いまも昔も世界中の人々の心をとらえて離さないバニラ。古代メソアメリカで栽培が始まり、香料としてはもちろん媚薬としても使われてきた。バニラの植物学的特徴や、秘められた数々の物語に迫る。レシピ付。

 

31.『古代エジプトの日常生活』

ドナルド・P・ライアン 著, 田口 未和 訳 原書房 2022/11/13 税込2,620円

紀元前15世紀の古代エジプトの12か月を庶民から王族までの生活を通じて物語のように活写。人々の生活から王の死とその儀式、新王の誕生など、その場にいるようにドラマチックに専門家がわかりやすく案内。

 

32.『地図とタイムラインでわかる戦争の世界史大図鑑』

ピーター・スノウ 著, フィリップ・セイビン 監修, 辻元 よしふみ 監訳 河出書房新社 2022/10/27 税込7,700円

古代からイラク戦争まで、人類の歴史の転換点となった戦争を徹底解説。地図 150点、総図版点数約 425点とともに、 144の戦場を詳述。他に類を見ない革新的な歴史書の誕生!

 

集英社「アジア人物史」

lp.shueisha.co.jp

集英社創業95周年企画「アジア人物史」全14巻の配本が12月より始まります。

総監修は姜尚中氏。表紙はジョジョの荒木飛呂彦先生の書下ろし。編集メンバーも豪華です。12月1日に7巻と8巻が発売されます。

 

33.『アジア人物史 第7巻 近世の帝国の繁栄とヨーロッパ』

2022/12/1 税込3,960円

イスマーイール1世/スレイマン1世/
エヴリヤ・チェレビー/アクバル/ザビエル/
豊臣秀吉/光海君/李舜臣/李滉/李珥/鄭成功/
康熙帝/黄宗羲/ダライ・ラマ6世/ニャウンヤン/他。

 

34.『アジア人物史 第8巻 アジアのかたちの完成』

2022/12/1 3,960円

羽地朝秀/雨森芳洲/徳川吉宗/荻生徂徠/
李イク/乾隆帝/阮恵/阮福暎/ハイダル・アリー/
ラームモーハン・ローイ/ミドハト・パシャ/
中央アジアの知識人群像/容コウ/西太后/袁世凱/他。

 

お手頃の専門書

4,000円以内で買える専門書をこのカテゴリに入れています。

 

35.『岩波講座 世界歴史 第11巻 構造化される世界 14~19世紀』

編集委員 荒川 正晴ほか  岩波書店 2022/11/29 3,520円

ポスト・モンゴル期の始まりとなる一四世紀から一九世紀後半までを概観する「近世」グローバル・ヒストリー。宗教、奴隷貿易、感染症など多彩なテーマを軸に、大交易時代や「長期の一八世紀」を通じて世界が緊密化する一方、その構造化が進み、現在につながる多様な地域文化が創出される様子を描く。歴史教育の課題も考察。

 

36.『岩波講座 世界歴史 第18巻 アフリカ諸地域 ~20世紀』

編集委員 荒川 正晴ほか  岩波書店 2022/10/28 3,520円

現生人類誕生の地であるアフリカは、現在に至るまでの歴史をどのように歩んできたのだろうか。「歴史なき大陸」として世界史のなかで存在を否定されてきたアフリカ諸地域の豊かな歴史を見つめ、私たちの世界史像を根本的に問い直す、『岩波講座 世界歴史』初となるアフリカ巻の試み。

 

37.『中国全史 上 6000年の興亡と遺産』

マイケル・ウッド 著, 須川 綾子 訳 河出書房新社  2022/11/21 税込3,630円

いかにして中国文明は誕生したのか? 先史時代から統一国家成立、帝国の繁栄、モンゴル支配までを活写。考古学、古代の書簡、地方の一族、女性の視点などから描き出す、全く新しい通史!

 

38.『中世の美学 トマス・アクィナスの美の思想』

ウンベルト・エーコ 著 慶応義塾大学出版会 2022/11/05 4,620円

1956年当時、ベネデット・クローチェら美学の大家らによって「中世に美学はない、一貫した美への関心はない」と言われていた。
そんななかウンベルト・エーコは研究者としてとりわけ思い入れの深い中世の思想家トマス・アクィナスの著作に向き合い、トマスのみならず中世思想の根柢には、一貫した「美の思想」が流れていることを明らかにする。

これまでの中世観を変容させ、『薔薇の名前』につながるエーコの躍進の契機となった待望の名著。

 

39.『近代中国の新疆統治 多民族統合の再編と帝国の遺産』

木下 恵二 著 慶応義塾大学出版会  2022/09/24 4,950円

「中華」という伝統的アイデンティティ、そして秩序の安定維持のための「自治的状況」の容認。
二つの「帝国の遺産」が近代的再編において新疆統治にもたらした影響を探る。

 

40.『黒人音楽史 奇想の宇宙』

後藤 護  著 中公新書 2022/10/12 税込2,750円

奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。今こそ「静かなやり方で」(M・デイヴィス)、新しい歴史を紡ごう。本書は黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、黒人音楽の精神史をひもとき、驚異と奇想の世界へと読者をいざなう。古今東西の文献を博捜した筆者がおくる、新たな黒人音楽史。

 

41.『概説 中華圏の戦後史』

中村 元哉 ほか 著 東京大学出版会 2022/10/24 税込2,970円

中国大陸、香港、マカオ、台湾という日本社会と隣接する地域が第二次世界大戦終結後、いわゆる戦後の約80年のなかでどのような歴史をあゆんできたのか。揺れ動く世界の状況のなかで大国中国の動向がますます注目される現在、その歴史を理解し、未来を展望する道筋を示す。

 

42.『九龍城寨の歴史』

魯金 著, 倉田 明子 訳 みすず書房 2022/10/17 税込4,620円

1997年の香港返還を前にして解体されたにもかかわらず、今なお伝説的巨大スラムとして語り継がれる〈九龍城〉。要塞のごときビル群が聳えていたこの地には、かつて本当に城壁を備えた砦が築かれていた。
九龍は、明代後期にはすでに倭寇防衛のための兵力が駐留し、清代以降も、遷界令解除後に辺境防衛の拠点とされた。やがて清朝政府が海賊やアヘン密輸への対処を迫られるようになると、その重要性は高まり、軍備が増強された。アヘン戦争後、香港島がイギリスに割譲され、植民地香港が誕生すると、九龍城寨の官員はその動向を偵察する役割も担うようになる。そして1898年の新界割譲の際、この城寨だけが中国領として保留されたことで、その地位はますます特殊なものとなった。
その後城寨が清朝の実質的な管理下から離れ、中英間ではしばしばその領有が争われたものの、民国期の中国国内の混乱や日中戦争の開戦の陰でこの問題は捨て置かれた。そして戦後、この領域は、植民地香港の中にありながら香港政庁もイギリス政府も中国政府も管轄できない“三不管(サンブーグアン)”の地と化していった。
香港の郷土史に精通したジャーナリストが、九龍城寨の成立から解体までを紐解く。

 

43.『親切の人類史 ヒトはいかにして利他の心を獲得したか 』

マイケル・E・マカロー 著, 的場 知之 訳 みすず書房 2022/12/16 税込4,950円

 

人はなぜ「赤の他人」に親切にするのか? 生存競争には一見不利な「利他の心」を、生物理論と個人や国家による慈善の歴史から考える。

 

44.『インドネシア独立への悲願 アミナ・M・ウスマン108歳の証言』

アミナ・マジッド・ウスマン長田周子 著 花伝社 2022/10/25 2,200円

インドネシア独立の志士マジッド・ウスマンを妻として支えた日本女性が語る、日本軍スマトラ占領計画秘史

スカルノとの捕虜交換、「義勇軍」誕生の真相、そして東条英機の仕組んだウスマン一家の日本幽閉……世紀を越えた沈黙を破り当事者が明かす、驚愕の歴史事実

ここに歴史を書き換える、数々の証言。日本軍スマトラ侵略の「本当の狙い」とは?

 

高額専門書

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45.『ブルキナファソの歴史』

二石 昌人 著 明石書店 2022/10/31 税抜5,800円

西アフリカの内陸国、マリ、ニジェール、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワールなどに囲まれたブルキナファソ。著者は2013~2017年の4年3か月、特命全権大使と当地に勤務した経験・見聞を生かして、特色あるブルキナファソの通史を執筆した。

 

46.『奴隷制廃止のアメリカ史』

紀平 英作 著 岩波書店 2022/12/6 5,940円

アメリカの政治・社会・法にとって、奴隷制とはどのような意味を持ってきたのか。独立革命から南北戦争を経て再建期の終わりまで、奴隷制廃止にいたる動きとその後の人種主義体制の確立を通史として叙述し、奴隷制をめぐる思想と議論の流れを丹念に読み解きながら、今もなお続く問題の淵源としての奴隷制を明らかにする。

 

47.『朝鮮出版文化の誕生』

田中 美佳 著 慶応義塾大学出版会 2022/11/05 税込5,500円

日本と朝鮮を結びつけた「出版」という知識の源泉――
朝鮮最大の知識人・崔南善の活動を中心に、近代朝鮮の思想・文化・運動を形作った「出版」の歴史を明らかにする。

 

48.『古代マケドニア王国史研究』

澤田 典子 著 東京大学出版会 2022/11/25 税込12,100円

ギリシア人やローマの文人による史料によって語られてきた古代マケドニアの歴史。近年の考古学の成果は、その研究史を大きく進展させることになった。本書は、考古学、碑文、貨幣史料を分析し、アレクサンドロス以前の王国の歴史を連続性の観点から、多角的・立体的に新たな歴史像を描きだす。

 

49.『原典朝鮮近代思想史 第4巻 植民地化と独立への希求』

編集委員 吉野 誠 ほか 岩波書店 2022/12/14 17,600円

1905年の保護条約締結から、1919年の大韓民国臨時政府の樹立までを扱う。保護国化そして「韓国併合」というかつてない状況のもと、ナショナリズムが勃興し、新聞・雑誌などメディア状況も大きく変化する。

 

50.『カーシャーニー オルジェイトゥ史』

大塚 修・赤坂恒明・髙木小苗・水上 遼・渡部良子 訳註 名古屋大学出版会 2022/11/15 税込9,900円

大モンゴル時代の世界情勢を映し出すとともに、ユーラシア各地の貴重な情報を記録した第一級の史料。詳細な解題・訳註を付した、ペルシア語史書初の日本語全訳。

 

 

まとめ

 こちらの記事はブックマークしていただき、書店を巡ったりネットで本を探すときにぜひご活用ください。

過去の新刊紹介も併せてどうぞ

【2022年9月版】世界史関連の新刊50冊

【2022年6月版】世界史関連の新刊50冊

【2022年3月版】世界史関連の新刊50冊

【2021年12月版】世界史関連の新刊45冊

【2021年9月版】世界史関連の新刊60冊

【2021年6月版】世界史関連の新刊60冊

【2020年12月版】世界史関連の新刊45冊

【2020年9月版】世界史関連の新刊50冊

【2020年6月版】世界史関連の新刊30冊

【2020年3月版】世界史関連の新刊30冊

【2019年12月版】世界史関連の新刊30冊+α

【2019年7月版】世界史関連の面白そうな新刊35冊

【2019年1月版】世界史関連の新刊35冊まとめ

【2018年9月版】世界史関連の新刊20冊まとめ

【2018年7月版】世界史関連の新刊20冊まとめ 

【2018年5月版】世界史関連の新刊21冊まとめ 

【2018年4月版】世界史関連の新刊30冊まとめ