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おもしろい世界史のネタをまとめています。

【2021年3月版】世界史関連の新刊50冊

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2020年12月〜2021年3月の世界史関連の新刊の紹介

 恒例の世界史関連の新刊紹介です。

今回は安価な新書と高額な専門書が多めになっています。

こちらの記事ですが、特に全部読む必要はなく、ザッと中身を見たりブックマークしたりして、気になる本をメモするためにお使いください。個人的にも、書店に行ったときにこの記事を見返して探したりします。

今回は50冊あります。それではどうぞ。

 

1. 『太平天国』

菊池 秀明 著 岩波新書 2020/12/18 税抜860円

「滅満興漢」を掲げて清朝打倒をめざし、皇帝制度を否定した太平天国。その鎮圧のために組織され、台頭する地方勢力の筆頭となった曽国藩の湘軍。血塗られた歴史をもたらした両者の戦いの詳細を丹念にたどり、中国近代化へと続く道に光をあてるとともに、皇帝支配という権威主義的統治のあり方を問い直す。

 こちらは読みました。太平天国と言えばざっくりキリスト教の服を着た中国的秘密結社が、中国南部を拠点に理想郷を作ろうとしたが、内部分裂の挙句に破綻した、という理解をしていました。概ね間違ってはないのですが、本書は中国近代史の中での太平天国の位置づけ、中国の伝統の論理とそこから排除された客家の人々の論理がどう受け継がれているか、そして太平天国が以降の中国の行動原理にどのような影響を与えてきたか、非常に分かりやすく叙述されています。とてもおススメです。

 

  

2. 『花粉症と人類』

小塩 海平 著  岩波新書 2021/2/19 税抜800円

目はかゆく、鼻水は止まらない。この世に花粉症さえなければ――。毎年憂鬱な春を迎える人も、「謎の風邪」に苦しみつつ原因究明に挑んだ一九世紀の医師たちの涙ぐましい努力や、ネアンデルタール人以来の花粉症との長い歴史を知れば、きっとその見方は変わるだろう。古今東西の記録を博捜し、花粉症を愛をもって描く初めての本。

 この季節にぴったりの本です。「花粉症を愛をもって描く初めての本」という説明がすごいです。今の季節、鼻水をすすりくしゃみをしながら読むのがよさそうです。

花粉症と人類 (岩波新書 新赤版 1869)

花粉症と人類 (岩波新書 新赤版 1869)

  • 作者:小塩 海平
  • 発売日: 2021/02/22
  • メディア: 新書
 

 

 

3. 『古代マヤ文明』

鈴木真太郎 著 中公新書 2020/12/22 税抜960円

古代マヤ文明-栄華と衰亡の3000年 (中公新書)

古代マヤ文明-栄華と衰亡の3000年 (中公新書)

 

かつて中米に栄えた古代マヤ。前一〇〇〇年頃に興り、一六世紀にスペインに征服された。密林に眠る大神殿、高度に発達した天文学や暦など、かつては神秘的なイメージが強かったが、最新の研究で「謎」の多くは明かされている。解読が進んだマヤ文字は王たちの事績を語り、出土した人骨は人びとの移動や食生活、戦争の実態まで浮き彫りにする。現地での調査に長年携わった著者が、新知見をもとに、その実像を描く。

 筆者はマヤ文明を中心とした考古人骨を研究されている方です。人骨から社会や集団を理解し時代を再構築していく試みだそうで、文献から探っていくアプローチとは異なりますが、マヤ文明の実態を探るにはこの手法が最適なのでしょう。これは買いましたが、まだ読んでいません。

 

 

4. 『ヒンドゥー教10講』

赤松 明彦 著 岩波新書 2021/2/19 税抜900円

ヒンドゥー教10講 (岩波新書 新赤版 1867)

ヒンドゥー教10講 (岩波新書 新赤版 1867)

  • 作者:赤松 明彦
  • 発売日: 2021/02/22
  • メディア: 新書
 

古代のバラモン教、さらには四千年前のインダス文明にまで遡るとされるインドの宗教思想はきわめて複雑だが、その教えは密教儀礼や帰依観念など、日本の宗教にも通ずる面をもつ。本質論に陥らず、歴史的・地域的・社会的な重層性に注意しながら、丁寧なテキスト読解によってヒンドゥー教の思考と実践をとらえる、体系的入門書。

 岩波新書の宗教10講シリーズは、気になっているもののまだどれも手にとれてません。

 非常に複雑でとっつきにくいヒンドゥー教を学ぶに、手に取りやすそうな一冊です。

   

5. 『フランクリン・ローズヴェルト』

佐藤千登勢 著 中公新書 2021/1/9 税抜880円

フランクリン・D・ローズヴェルトはアメリカ史上唯一4選された大統領である。在任中、大恐慌と第二次世界大戦という未曾有の危機に直面した。内政では大胆なニューディール政策を採用、外交ではチャーチルやスターリンと協力してドイツ・日本など枢軸国と戦い、勝利に導いた。ポリオの後遺症による不自由な身体を抱えつつ、いかにして20世紀を代表する指導者となったか。妻エレノアらとの人間模様も交え、生涯を活写する。

 アメリカの歴史系サイトみてると、いかに「FDR」が人気があるかがよく分かります。歴代の大統領でここまで人気があるのは、ワシントン、リンカーン、JFKくらいではないでしょうか。なぜここまで人気なのか、(私も含め)日本ではあまり知られてないように思います。

 

 

6. 『現代音楽史』

沼野雄司 著 中公新書 2021/1/19 税抜900円

長い歴史をもつ西洋音楽は、二十世紀に至って大きく変貌する。シェーンベルクやストラヴィンスキーに始まり、ジョン・ケージ、武満徹、バーンスタイン......。多くの作曲家が既存の音楽の解体をめざして無調、十二音技法、トーン・クラスター、偶然性の音楽などといったさまざまな技法を開発し、音の実験を繰り広げた。激動する政治や社会、思想を反映しながら時代との闘争を続ける「新しい」音楽のゆくえとは。

 音楽史は私はほとんどカバーできていなくて、ましてや現代音楽は無知に近いです。 

 新たな領域なのでぜひ勉強しようと思って買いました。

 

 

7. 『一冊でわかるスペイン史』

 永田 智成, 久木正雄 編著 河出書房新社 2021/3/27 税抜1,700円

スペインとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいスペインの偉人」も役に立つ。

 河出書房新社の「一冊でわかる」シリーズです。これまでイギリス、ドイツ、ロシア、中国、アメリカが出ています。今回はスペインです。実は私はこの版の執筆に協力してまして、レコンキスタ完了までの章を書いております。手に取っていただけるとうれしいです。  

   

8. 『リベラルなイスラーム』

大川 玲子 著 慶応大学出版会 2021/1/25 税抜2,000円

リベラルなイスラーム:自分らしくある宗教講義

リベラルなイスラーム:自分らしくある宗教講義

  • 作者:大川 玲子
  • 発売日: 2021/01/20
  • メディア: 単行本
 

なぜ男性が優位な社会なのか?
なぜ過激派はテロを起こすのか?
その根拠は、イスラームの聖典クルアーンにあるとされている。
しかし、新たな解釈を試み、男女平等やテロ抑制に取り組むムスリムたちも出てきている。
本書では、クルアーンという豊かなテクストを「リベラル」な解釈へと開き、変革を期す者たちに着目。
他者を認め、自分らしくあることを目指す「読み」の奥深さと、その実践を見ていく。

 イスラム教の教えは「コーランにこう書かれているからこうだ」という言説がほとんどですが、実際にはイスラム教全体やコーランに書かれていることのすべてを理解することは不可能です。コーランを理解する延長戦にこのようなリベラルな理解をしようという試みがあります。おもしろそうなテーマです。

目次とはこちら。 

 

 

9. 『共和主義者モンテスキュー』

定森 亮 著 慶応大学出版会 2021/2/27 税抜5,800円

▼自由の擁護、専制への対抗
古代ローマ史解釈をめぐるマキァヴェッリとの内的対話から、
市民とは誰か、自由とは何か、変わりゆく時代のなかで、
ありうべき共和政とはいかなるものかを問い続けた
共和主義者モンテスキューの思想の核心に迫る。

「そもそも『共和政』の理念とは何か」を問う本書。専制主義的な国やリーダーが世界中で増える中で、そもそもなぜ共和制が必要なのかを再び問い直すのは意味があると思います。目次はこちら 

  

10. 『フォン・ノイマンの哲学』

高橋 昌一郎 著 講談社現代新書 2020/10/10 税抜940円

「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことだとしてもだ」 ――理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむをえないと「人間性」を切り捨てた。「コンピュータの父」「マッド・サイエンティストの代表」と称される天才は、いかに世界を認識し、どんな奇抜な人生を送ったのか。

 コンピューターや原爆を生んだ人物としても有名なフォン・ノイマン。

 天才と呼ばれる人の認知は概して歪んでる、と言われることがありますが、この人はその典型な気がします。 

  

11. 『〈イスラーム世界〉とは何か』

羽田 正 著 講談社学術文庫 2021/2/12 税抜1,310円

ジャーナリズムで、また学問の世界でも普通に使われる用語、「イスラーム世界」とは何のことで、一体どこのことを指しているのだろうか? ムスリムが多い地域のことだろうか、それとも、支配者がムスリムである国々、あるいはイスラーム法が社会を律している地域のことだろうか。ただ単に、アラビア半島やシリア、パレスチナなどの「中東地域」のことを指しているのだろうか? 本書は、高校世界史にも出てくるこの「イスラーム世界」という単語の歴史的背景を検証し、この用語を無批判に用いて世界史を描くことの問題性を明らかにしていく。

 本書は2005年に刊行された『イスラーム世界の創造』(東京大学出版会)の文庫版です。私もイスラーム世界という言葉を比較的簡単に使ってしまうんですが、その言葉は非常な曖昧さとある種のステレオタイプがあるということです。確かにそうですね。

目次はこちら  から。

  

12. 『異端審問』

渡邊 昌美 著 講談社学術文庫 2021/2/12 税抜920円

異端審問 (講談社学術文庫)

異端審問 (講談社学術文庫)

  • 作者:渡邊昌美
  • 発売日: 2021/02/10
  • メディア: Kindle版
 

――皇帝ジギスムントが宮中伯ルートヴィッヒに向かって命令する。「囚人を受け取り、よろしく異端者として扱え」。今度はルートヴィッヒがコンスタンツの帝国代官に向かって命令する。「我ら双方によって断罪されたる者としてこの者を受け取り、よろしく異端者として焼け」。――
 1415年に異端として裁かれた宗教改革の先駆者、ボヘミアのヤン・フス処刑の克明な描写にはじまる本書は、中世のヨーロッパで異端審問がどのようにして生まれ、そして制度として定着していったのかを、具体的なエピソードを丁寧に積み重ねながら、当時の人々の息遣いもあざやかに描き出す。法も手続きも無視して「すべて殺せ」という13世紀の異端狩りの熱狂から、ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』にも登場した、世界で最も有名な異端審問官ベルナール・ギーによって組織化・マニュアル化された14世紀の冷徹無比な異端審問を経て、15世紀末スペインでの過酷な弾圧に至る、その道のりの背後には、いかなる時代精神が見いだせるのか。
 西洋中世史不朽の名著『異端カタリ派の研究』(岩波書店、1989年)の著者が、多彩な史料を駆使して知られざる中世世界への扉を開く!(原本:講談社現代新書、1996年)

 異端裁判と聞くとスペインの魔女狩りをすぐに連想してしまうんですが、すぐにそういったエキセントリックな状態になったわけではなく、そこに至るまでの過程があったというわけです。おもしろそうです。目次はこちら から見れます。

  

13. 『西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る』

伊藤 友計 著  講談社選書メチエ 2021/2/12 税抜1,750円

「西洋音楽」とは何か。それはどのように形成されてきたのか。
古代ギリシア人によって気づかれた、音の高低と数学の関係、音の並び。それは音楽として中世から近代へと西洋で練り上げられていった。
音階や半音の発見、音を重ねることへの傾きと和音原理の探究、長調・短調の整序と規則の整理、また、人間的感情の美的表現から心地よさの追求へ。
西洋音楽は、一つの「世界創造」であった。本書では、その楽理の由来、実践の発展を訪ね、自然と音楽の関係、背景にある思想の展開に焦点を当てる。
西洋音楽とは普遍性を持つものなのか。自然のなかにドレミファソラシドはあるのか。

 音楽に関心がある人はこれは必読ではないでしょうか。 音楽は感覚で学ぶ人が多いと思うのですが、こうして理論や思想といった知識と併せて理解するとより音楽が生きてくるかもしれません。目次と試し読みはこちら

  

14. 『現代民主主義 思想と歴史』

権左 武志 著 講談社選書メチエ 2020/12/11 税抜1,850円

現代民主主義 思想と歴史 (講談社選書メチエ)

現代民主主義 思想と歴史 (講談社選書メチエ)

  • 作者:権左 武志
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: 単行本
 

 日本では民主主義(デモクラシー)の使徒とみなされるルソーが、欧米では全体主義の思想家とみなされるのはなぜか。なぜ、民主主義はナポレオンやヒトラーのような独裁を生み出してしまうのか。民主主義は何に敗北してきたのか。そもそも民主主義とはいったい何なのか――。
 本書は、民主主義、そして民主主義の双子ともいうべきナショナリズムをめぐる思想がどのように生まれ、変容してきたのか、原点であるフランス革命の基盤となったルソー、シィエスの思想にさかのぼり、トクヴィルやJ・S・ミルによる自由主義者からの民主主義への反論、世界大戦期ドイツのヴェーバーとカール・シュミットの思想、さらに全体主義批判を踏まえた冷戦期のアレント、ハーバーマスを経て冷戦終結後の現在に至るまで、思想家たちが生きた時代的背景とともに、一気呵成に描き出す。
 民主主義とはなにか、この根源的な問いの答えは、幾多の血を流しながら民主主義が歩んできた歴史のうちにこそ見いだされる。著者渾身の民主主義思想史!!

「民主主義の危機」が叫ばれる今、改めて民主主義を問い直してみようという機運は高まっているように思います。

目次と試し読みはこちら

 

 

15. 『ヨーロッパ冷戦史』

山本 健 著 ちくま新書 2021/2/4 税抜1,200円

ヨーロッパ冷戦史 (ちくま新書)

ヨーロッパ冷戦史 (ちくま新書)

  • 作者:山本 健
  • 発売日: 2021/02/08
  • メディア: 新書
 

ヨーロッパはいかに二つの陣営に分断され、ベルリンの壁はどう築かれたか。ベルリンの壁崩壊から、なぜ分断が一挙に統合へと向かったのか。ドイツ問題を軸に、東西間の対立と緊張緩和の過程を描き、冷戦の国際政治力学を浮き彫りにする。さらには、軍事的・経済的な対立と緊張緩和が交錯するドラマが活写される。ブレグジットで欧州統合が大きな曲がり角を迎え、世界が再び地域主義の様相を呈しているいまこそ参照すべき、最新研究に基づく現代ヨーロッパ国際政治史入門

今回はちくま新書から多く紹介をします。まずはヨーロッパ冷戦史です。

米ソの戦いと見られる冷戦も、ヨーロッパでは独自性がありそれがEUという大きな枠組みにいかに発展していったのかを改めて見直す本です。目次はこちらから。

 

 

16. 『大衆の国民化 ─ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』

ジョージ・L・モッセ 著 , 佐藤 卓己, 佐藤 八寿子 翻訳  ちくま学術文庫 2020/11/20 税抜1,600円

大衆の国民化 ――ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化 (ちくま学芸文庫)
 

フランス革命からナチズムまで、一世紀半におよぶ発展を遂げた“新しい政治”。それは合理的討論よりも神話やシンボル、儀礼や祝祭への大衆参加によって駆動する、ドラマとしての民主政治であった。本書ではナチズムをこの“新しい政治”による国民主義の極致と位置づけ、ドイツでの国民主義の展開を大衆儀礼やシンボルの政治史として捉え直す。聖火、整列行進、国民的記念碑や建築等のシンボル発展の過程を辿り、体操家や合唱団や教会、さらには労働者組織までがナチズムの政治的祭祀に統合されていく様子を赤裸々に描き出す。ナチズムを大衆操作ではなく大衆の合意形成運動として捉え、ファシズム研究の新局面を拓いた名著。

 フランス革命から第二次世界大戦前までの歴史を見ていくと、何でこんな政治的なイベントにみんな熱狂してたんだろう、と思うことがあります。それが国家が人々を国民としてまとめ統合していく過程での運動だったのだなと思うのですが、よく考えたら今でも政治的イベントっていっぱいありますよね。オリンピックとか…。

目次はこちら

  

17. 『内モンゴル紛争 ─危機の民族地政学』

楊 海英 著 ちくま新書 2021/1/6 税抜800円

内モンゴル紛争 ──危機の民族地政学 (ちくま新書)

内モンゴル紛争 ──危機の民族地政学 (ちくま新書)

  • 作者:楊海英
  • 発売日: 2021/01/15
  • メディア: Kindle版
 

二〇二〇年夏、中国政府は内モンゴルの公教育からモンゴル語を排し、中国語を母語として押しつける決定を下した。なぜ中国は民族同化政策を採ろうとするのか。それを理解するにはユーラシア史の中でモンゴルを見る地政学的視点が必要だ。遊牧民の世界、チンギス・ハーンのモンゴル時代、イスラームとの関係、近代国家形成・民族自決問題、日本による植民地化、ソ連・中国による分断などのモンゴルの歴史の要所を明快に解説。そこから現在の内モンゴルにおける紛争の深層を照射する。

 内モンゴルの問題はいまホットなトピックです。内モンゴルの指導者たちは太平洋戦争後、外モンゴルに統合してもいたかったのですが、漢人が多数派を占める内モンゴルと統合し漢人にモンゴルという国が支配されるのを防ぎたかったため、外モンゴルが併合を拒否したという歴史があります。目次はこちら

  

18.『世界がわかる比較思想史入門』

中村 隆文 著 ちくま新書 2021/1/6 税抜840円

世界がわかる比較思想史入門 (ちくま新書)

世界がわかる比較思想史入門 (ちくま新書)

  • 作者:中村隆文
  • 発売日: 2021/01/15
  • メディア: Kindle版
 

これまで人類が育んできた多種多様な思想文化。それらについての知識は、グローバル化した社会を生きる私たちにとって欠かせない基礎教養であり、同時に自分や他者の物の見方や考え方を理解するための土台でもある。本書では、そうした古今東西の思想を、その成り立ちや相互作用を複眼的にとらえる比較思想史という視点から紹介。ギリシア・ローマから、日本、インド、中国の思想、さらにはポストモダンや現代正義論まで、知っておきたいそのエッセンスをやさしく説き明かす。

こちらは比較思想史の入門書です。高校生やざっと基礎知識を知りたい方にはよいと思います。目次はこちら

  

19.『アメリカ黒人史 ─奴隷制からBLMまで』

ジェームス・M・バーダマン 著 , 森本 豊富 翻訳 ちくま新書 2021/12/7 税抜940円

奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。四〇〇年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。

 黒人史はいまアメリカでは一番ホットなジャンルだと思います。アメリカ黒人の歩みの中で現在起こっているBLM運動をどのように位置づけ、どこに向かうべきかという社会的な議論が非常に盛んです。目次はこちら

  

20.『貿易の世界史 ─大航海時代から「一帯一路」まで』

福田 邦夫 著 ちくま新書 2020/12/7 税抜1,000円

貿易は互いに利益をもたらすものと思われているが、その本質は奪い合いであり、近代以前の貿易は戦争そのものだった。現代でもTPPや米中摩擦に見られるように、貿易は各国の利害が対立する“戦場”となっている。加えて今日のグローバル経済下では、国家と多国籍企業が争う場ともなった。本書では国際貿易の始まった大航海時代までさかのぼり、貿易が資本主義経済を成り立たせ、覇権を握る手段として利用されてきた歴史を描いた。貿易は単なるビジネスなどではないのだ。

 今は自由貿易が正義で保護貿易が悪のような風潮がありますが、それは第二次世界大戦前のような国家間の対立が起きる芽を摘もうというのが建前です。しかし自由貿易で利益を得る者もいれば失う者もいるし、平和につながる状況も生まれれば、逆に緊張を引き起こす場合もある。自由貿易をすれば世界が平和になる、といった単純な事柄ではないはずです。目次はこちら

  

21.『医学全史 ─西洋から東洋・日本まで』

坂井 建雄 著 ちくま新書 2020/12/7 税抜1,200円

医学全史 ――西洋から東洋・日本まで (ちくま新書)
 

現代医学はどのようにしてできあがったのか?古代より、伝統医学は経験から治療法を、推論から理論を創り出すと同時に、西洋では解剖学という人体の科学的探究を続けてきた。それが一九世紀に、病理解剖学や実験生理学の発展に伴い実践的な治療と結びつき、劇的な変貌を遂げることになる。医史学研究の第一人者が古今東西の書物を繙き、萌芽期から現代までの歴史を丁寧に辿りつつ、その飛躍的発展の背景に迫る決定版通史。

 東西医学の全史が新書で読めるってすごいですね。これはチェックです。

目次はこちら

 

 

22.『西洋美術とレイシズム』

岡田 温司 著 ちくまプリマー新書 2020/12/7 税抜1,000円

西洋美術とレイシズム (ちくまプリマー新書)

西洋美術とレイシズム (ちくまプリマー新書)

  • 作者:岡田温司
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: Kindle版
 

聖書のエピソードに登場する人物を西洋美術はどう描いてきただろう。二〇〇〇年にわたるその歴史の中で培われてきた人種差別のイメージを考える。

 これはありますね、聖書に登場する悪役を黒人やトルコ人風に描いたり、悪い女を黒髪に描き正義の女を金髪にしたりなど。美術史は興味があるので買いました。

目次はこちら。 

  

23.『インド文化入門』

辛島 昇 著 ちくま学芸文庫 2020/12/10 税抜1,100円

インド文化入門 (ちくま学芸文庫)

インド文化入門 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:昇, 辛島
  • 発売日: 2020/12/14
  • メディア: 文庫
 

遠くインダス文明にまでさかのぼり、異文化が交錯する要衝の地として繁栄してきたインド。そのため現在も多様な民族、言語、宗教が混在する。また古来よりカースト制が敷かれてきたことから、社会階層も多様に存在している。しかし、どの地方、どの民族のカレーを食べてもカレーとしてのカテゴリーに収まっているように、インド文化圏は多様な中にも統一性が保たれている。それはいったいなぜなのだろうか?映画、新聞広告、絵画、物語、遺跡、陶磁器、食べものといった身近なテーマを切り口に、インドの文化と歴史を丸ごと理解する、世界的権威によるまたとない入門書。

 カレー学で有名な辛島先生の本。2000年に出版された『南アジアの文化を学ぶ』の新編です。文学、文字、映画、絵画、建築など多様な切り口から述べられています。おもしろそう。目次はこちらから。

 

 

24.『図説 英国貴族の令嬢 増補新装版』

村上 リコ 著 河出書房新社 2020/12/26 税抜1,900円

図説 英国貴族の令嬢 増補新装版 (ふくろうの本)

図説 英国貴族の令嬢 増補新装版 (ふくろうの本)

  • 作者:村上リコ
  • 発売日: 2020/12/25
  • メディア: 単行本
 

栄華を極めた19世紀から20世紀初頭の英国。由緒正しい貴族の家に生まれた令嬢たち。壮麗な大邸宅、贅沢なドレス、狩猟や舞踏会。華やかに見える彼女たちの日常、その裏側の現実は?

 なんと魅力的なタイトルでしょうか笑

 人によってはたまらない本だと思います。 

  

25.『カラー図解 楽器から見る吹奏楽の世界』

佐伯 茂樹 著 河出書房新社 2021/3/27 税抜2,450円

カラー図解 楽器から見る吹奏楽の世界

カラー図解 楽器から見る吹奏楽の世界

  • 作者:佐伯茂樹
  • 発売日: 2021/03/23
  • メディア: 単行本
 

 吹奏楽で使われる楽器の構造や音域、変遷、そしてブラスバンドやマーチングバンドの特徴を、多彩な図版で解説。楽器を通して吹奏楽の魅力や歴史に迫る、究極の吹奏楽ビジュアルガイド!

 今回は音楽関係の本が多いですね。こちらの本は楽器や吹奏楽の歴史です。

 趣味で楽器を演奏する人はぜひ。

  

26.『〈弱者〉の帝国 ヨーロッパ拡大の実態と新世界秩序の創造』

ジェイソン・C・シャーマン 著/矢吹啓 訳 中央公論新社 2021/1/19 税抜2,700円

近世ヨーロッパの軍事革命は東洋に対する軍事的優位をもたらさなかった!スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダの海外進出、地中海でのヨーロッパとオスマン帝国との対立の実態を分析し西洋の勃興をめぐる世界史の通説を覆す。

ヨーロッパ人の海洋帝国は現地政体への恭順と服従に依存していた!
海洋志向と陸地志向の相補的選択により、粗削りな共存が可能になった!
二一世紀の非西洋諸国の勃興は、過去の歴史的状況への回帰にすぎない!
ヨーロッパ中心主義と直線的な因果関係の物語を超克し 歴史学と社会科学を横断する学際的な視点から論証する

 面白そうなタイトルですが、これも西洋歴史学なりのグローバルヒストリーに対応しようとする試みの一つでしょうか。ヨーロッパ中心主義は一時的なものであり、もともとは非西洋諸国は西洋諸国と対等だった、という内容です。

  

 27.『南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦』

小川 寛大 著 中央公論新社 2020/12/22 税抜1,800円

南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦

南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦

  • 作者:小川寛大
  • 発売日: 2021/01/29
  • メディア: Kindle版
 

南北戦争(1861~65年)は、アメリカ史上、もっとも重要な戦争である。なぜ争いは生じ、いかなる展開を見せたのか? 政治家や軍人の動き、戦場の様子などを活写する。

 南北戦争はアメリカでは非常に関心が高いジャンルで、独立戦争、第二次世界大戦と同じくらい人気があります。私自身もそんなに詳しい方じゃないので勉強したいです。

  

28.『クルスクの戦い 1943 第二次世界大戦最大の会戦』

ローマン・テッペル 著/大木毅 訳 中央公論新社 2020/12/9 税抜3,600円 

独ソ戦の研究の最前線。第二次世界大戦の帰趨を決した戦いの一つ、クルスクの戦いをドイツ、ロシア両国の資料から精緻に分析し、著しく歪曲されてきたそのイメージを刷新する。

 『独ソ戦』の大木先生が翻訳した本書。独ソ戦研究の最前線ということで気になりますね。クルスクの戦いは、ドイツ軍は優位に戦ったものの、ヒトラーのよく分かってない命令のせいで勝機を失い、ソ連軍にズルズル敗北した、というイメージで語れるのですが、それは大きな誤りである、とのこと。

  

29.『ドイツ史 1800-1866(上)』

平川 克美著 白水社 2021/2/2 税抜6,500円

19世紀の幕開けから普墺戦争まで、ナポレオンからビスマルクまでを網羅する、泰斗による本格的な歴史書。

 東西ドイツ再統一30周年であった2020年からドイツ史の本は多くでていましたが、本書もその流れでありましょうか。目次と概要はこちら

  

30.『「移民の国アメリカ」の境界』

メイ・M・ナイ 著, 小田 悠生 訳 白水社 2021/1/22 税抜6,300円

アメリカに「国境意識」が芽生えた20世紀初頭にさかのぼり、国境・主権国家・国民国家の自明性を歴史的に問い直した画期的書。

 移民史も最近注目されている印象があります。やはりトランプ以降、当然とされていた移民国家アメリカのアイデンティティが揺るがされたことがあったのでしょうか。目次と概要はこちら

 

31.『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』

呉叡人 著, 駒込 武 訳  みすず書房 2021/1/18 税抜4,500円

台湾、あるいは孤立無援の島の思想

台湾、あるいは孤立無援の島の思想

  • 作者:呉叡人
  • 発売日: 2021/01/19
  • メディア: 単行本
 

台湾は近代以降、清、日本、中華民国、アメリカという複数の帝国による連続的な支配を受け、またその複雑な民族構造のために統一的なナショナリズムや共通の歴史認識の形成を阻まれてきた。台湾の主体化を達成すべく、人々は歴史を紐解き、過去の国家暴力や不正義をただして内部的な分断を乗り越えることを通じて民主化を推し進め、生存空間を共にする者たちの同盟としての「台湾民族」と、多元・民主・平等に基づいて同盟を強化するためのイデオロギーとしての「台湾ナショナリズム」を志向した。しかしそうした内部的な努力にもかかわらず、国際社会においては、主権国家体制からの排除や、新興の中国を含む諸帝国の狭間にあるという地政学的構造に起因する現実政治の桎梏を自力で克服することはできず、その命運はいまなお強権によって掌握されている。
台湾の市民社会はそうした賤民(パーリア)的境遇を自覚的に引き受け、新たな帝国と資本主義による支配に対抗することを通じて逆説的に民主主義を深化させた。そしていまや普遍的価値を台湾社会に体現することに世界への回帰の道を見出し、行動している。

政治学者による20年におよぶ思想的格闘の集成。

目次を見ると、非常に思想的な内容です。政治的な台湾のアイデンティティの話ではなく、思想面から台湾という土地・国のありようを模索する内容のようです。目次はこちら

  

32.『ミャンマーの体制転換と農村の社会経済史』

髙橋 昭雄 著 東京大学出版会 2021/2/26 税抜6,800円

ミャンマーの体制転換と農村の社会経済史: 1986-2019年

ミャンマーの体制転換と農村の社会経済史: 1986-2019年

  • 作者:髙橋 昭雄
  • 発売日: 2021/03/04
  • メディア: 単行本
 

ビルマ式社会主義の時代から,軍事政権,そして民主化の現在まで,ミャンマーの農村と社会をミクロとマクロの視点から複眼的に捉え,社会経済史を軸としてその特質と変容を浮き彫りにする.30年以上におよぶ調査と分析をもとに政治体制の変遷と経済社会の進展を通観し,他国との比較を踏まえてミャンマーの本質に迫る.

 2021年3月時点で、もっとも国際的に注目されているのがミャンマーではないでしょうか。どうしてもヤンゴンやネピドーといった都市に注目してしまいがちですが、本書の研究テーマのようにミャンマーの本質はおそらく農村にあるのだろうと思います。目次はこちら

  

33.『日本占領下のレイテ島』

荒 哲 著 東京大学出版会 2021/2/2 税抜9,400円

戦後日本の戦記文学の代表作である『レイテ戦記』で有名な,アジア・太平洋戦争の激戦地の一つレイテ島.本書は,民衆が主体の対日協力問題に焦点を当て,エリートの対日協力と比較しながら,フィリピン史の中でどのように位置づけられてきたかを明らかにする.

 これはすごく読みたいのですが、ちょっとお高いですね…。図書館でリクエストしたいと思います目次はこちら で見れます。

  

34.『アラブ近代思想家の専制批判』

岡崎 弘樹 著 東京大学出版会 2021/2/8 税抜8,400円

アラブ・イスラームにおける専制主義をめぐってナフダ(復興)第二世代と呼ばれる思想家たちは,近代を模索するアラブ世界をいかにとらえていたのか.自由や民主主義を希求し,現在にも連なる開かれた知を求める思想の展開を明らかにする.

 先ほどコーランをリベラルに解釈するという本を紹介しましたが、こちらはアラブの思想家がいかに専制批判をしてきたかという内容で、我々が持っているアラブ諸国の政治文化のステレオタイプを改めるきっかになりそうな本です。目次はこちら

  

35.『神仏融合の東アジア史』

吉田一彦 編 名古屋大学出版会 2021/3/8 税抜7,200円

神仏融合の東アジア史

神仏融合の東アジア史

  • 発売日: 2021/03/08
  • メディア: 単行本
 

日本独自の宗教現象だと考えられてきた「神仏習合」。しかし、神信仰と仏教の融合はアジア各地域で広く見られる。インド・中国から北東・東南アジアまで多岐にわたる「神仏融合」の実態を解き明かし、一国史的な認識を超えて新たに日本の宗教文化を捉え直す。

中国、ベトナム、台湾、マレーシアにも神仏融合の考え方があり、日本の専売特許ではない、と。なぜかそれが日本の宗教の優秀性のように語られることがありますが、考えてみたら宗教の融合なんてどこでもやってるわけですよね。目次と試し読みはこちら

  

36.『歴史教育の比較史』

近藤孝弘 編 名古屋大学出版会 2020/12/17 税抜4,500円

歴史教育の比較史

歴史教育の比較史

  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: 単行本
 

「歴史認識」を語る前に ——。なぜ歴史をめぐって国どうしが争うのか。世界各地で歴史はどのように教えられてきたのか。歴史家と教育学者の共同作業により、自国史と世界史との関係を軸に、四つの地域の現在までの「歴史教育」の歴史を跡づけ、歴史とは何か、教育とは何かを問い直す、未曾有の試み。

歴史は歴史でも、歴史教育という行為を比較してみようじゃないか、という面白い試みです。目次と試し読みはこちら

  

37.『東アジアのなかの満鉄』

林 采成 著 名古屋大学出版会 2021/1/20 税抜7,800円

東アジアのなかの満鉄―鉄道帝国のフロンティア―

東アジアのなかの満鉄―鉄道帝国のフロンティア―

  • 作者:林 采成
  • 発売日: 2021/01/20
  • メディア: 単行本
 

帝国拡大の原動力となり、世界でも最高水準を誇った満鉄の鉄道技術はいかにして伝播していったのか。見過ごされてきた本業・鉄道業の姿をはじめて解明、その経済的・技術的インパクトを数量的に位置づけるとともに、東アジア鉄道システムの形成から、戦後再編の新たな全体像を描き出す。

 満鉄ってなんかこう、ロマンがあるんですよね。日本帝国主義の先兵となっていたかという事実はありつつも。当時の日本人のエネルギーやイノベーションが惜しみなくつぎ込まれ、熱い思いの結晶が満鉄という形に表れているというか。ファンがすごく多いのは当時の人々の想いに共感する部分があるからだと思います。目次と試し読みはこちら

  

38.『図説 英国王室の食卓史』

スーザン・グルーム 著, 矢沢聖子 訳, ヘストン・ブルメンタール 序文 原書房 2021/2/22 税抜3,800円

図説 英国王室の食卓史

図説 英国王室の食卓史

 

リチャード2世から現在のエリザベス2世まで、歴代英国王の食卓を通して食文化の変遷を解説。嗜好を凝らした料理や食材、テーブルマナーの発祥や厨房の発展史、王侯貴族の食事が庶民に与えた影響まで。貴重図版多数!

  食文化に関心がある者として、これはめっちゃ手元にほしい本です。イギリス料理ってバカにされますけど、王室の料理は本場フランスにも劣らない素晴らしいものだったのですよ。

  

39.『図説 世界地下名所百科』

クリス・フィッチ 著, 上京恵 訳 原書房 2021/2/18 税抜3,200円

カッパドキアの人々が戦乱をさけてつくりあげたトンネル都市、メキシコとアメリカの間にある麻薬密輸のトンネル、「地下神殿」こと首都圏外郭放水路など、世界中の地下の魅力的な名所のなりたちを、写真、地図を添え解説。

 これは超見たい。地下都市や地下トンネルって、どうしてこんなにワクワクするんでしょうね。秘密基地感があるというか、どういうわけか男の子の心を揺さぶるのです。

  

40.『[図説] 人魚の文化史』

ヴォーン・スクリブナー 著 原書房 2021/2/19 税抜3,200円

アマビエの流行を受けて、海の幻獣に対する関心が高まっている。リンネによる人魚の解剖記録とは? 興行師バーナムの「偽人魚」と日本の関係は? 美術、建築、科学、見世物、映画などさまざまな点からマーメイドの秘密に迫る。

 アマビエの流行をうけて海の幻獣の関心が高まっている、のですかね?

 ちょっとそれはよく分かりませんが、テーマ本としてはとても興味深い内容です。

  

41.『ヴィクトリア朝 病が変えた美と歴史』

キャロリン・A・デイ 著, 桐谷 知未 訳 原書房 2021/2/16 税抜3,200円

19 世紀に大流行した疫病――肺結核はいかに都合よく解釈され、ファッションや美の観念まで変えたのか。詩人キーツやブロンテ姉妹など若者を襲った病の歴史とファッションとの深い関係、美と健康の矛盾を図版とともに解説。

 いまや世界的にマスクの着用が当たり前になったように、かつてイギリスでも肺結核が要因となってファッションの変容が起きた、という内容。ファッション・美容の歴史に関心がある方はぜひ。 

  

42.『図説 狙撃手百科』

ジョン・ウォルター 著, 角 敦子 訳 原書房 2021/1/20 税抜3,800円

図説 狙撃手百科

図説 狙撃手百科

 

狙撃の本質をふまえたテクニックと戦術の発達史。「狙撃の世界」の装備、戦術、スナイパーに関する詳細な歴史と分析。探求するのは命中精度から監視・測距のための最新型の電子補助装置まで幅広く収録。

 またマニアックな軍事本ですねー。これは図書館にあったら借りようかなと思います。

  

43.『歴史を変えた自然災害』

ルーシー・ジョーンズ 著, 大槻 敦子 訳 原書房 2021/3/2 税抜2,800円

歴史を変えるほどの大自然災害に、人々はどう向き合って克服してきたのか。なにを教訓として後世に伝えてきたのか。古代から「東日本大震災」までを地震学・地球物理学者がわかりやすくひもといていく。

 見過ごされる時がありますが、火山の噴火や大地震、気候変動によりかなり歴史は影響を受けてきています。自然災害が歴史に与えた影響、おもしろそうです。 

  

44.『赤毛の文化史』

ジャッキー・コリス・ハーヴィー 著, 北田 絵里子 訳 原書房 2021/3/3 税抜3,800円

『赤毛のアン』や「赤毛連盟」でみられるように、赤毛はたんなる髪の毛の色以上の意味を与えられてきた。時代、地域、性別によっても変化し、赤毛をもつ人々の実生活にも影響を及ぼしてきたイメージを解き明かす。カラー口絵付。

 映画や絵本、物語の影響が強いと思うのですが、赤毛の女性ってなんか不思議な魔力や特別な力が備わっているような印象があります。なんででしょうね。すごく気になります。

  

45.『儒教社会に挑んだ北朝鮮の女性たち』

三浦 洋子 著 明石書店 2020/12/21 税抜2,800円

「商売なんか男のやる仕事ではない」とされる北朝鮮、その背景には儒教の「重農抑商」と「男尊女卑」思想がある。1990年代後半の食料不足の中で、卑しいとされる女性たちは蔑まれる商業への挑戦を開始した。その経緯と影響を、豊富な文献をもとに紐解く。

 ジェンダーに関する本も盛んに出されていて、韓国では「82年生まれ、キム・ジヨン」が話題になったりしましたが、こちらは北朝鮮の女性の労働と儒教を中心としたジェンダー意識についての著作です。目次はこちらから。

 

 

46. 『先住民 vs.帝国 興亡のアメリカ史』

アラン・テイラー 著, 橋川 健竜 訳 ミネルヴァ書房 2020/12/20 税抜2,800円

 合衆国が生まれる以前の北アメリカ大陸。そこでは先住民たちとヨーロッパの諸帝国による、さまざまなドラマが繰り広げられていた——。本書は初期アメリカ史研究の第一人者による、コンパクトな近世北米大陸史。先住民がときに植民者を脅かし、打ち負かし、また交易相手や戦争時の同盟相手として大きな力を持っていたことが、深い学識に裏打ちされた明快な叙述から鮮やかに浮かび上がる。(原著 Alan Taylor, Colonial America: A Very Short Introduction. New York: Oxford University Press, 2013)

従来の歴史だと、ヨーロッパ人植民者に一方的に打ち負かされ滅んでいくように描かれる先住民が、いかに強大な力を持っていてヨーロッパ人に対抗していたかが描かれます。目次はこちら

 

47. 『地中海世界の中世史』

小林 功 編著, 馬場 多聞 編著 ミネルヴァ書房 2021/3/23 税抜2,500円

地中海世界の中世史

地中海世界の中世史

  • 発売日: 2021/03/23
  • メディア: 単行本
 

 本書は、中世の地中海世界の歴史について、キリスト教世界とイスラーム世界の対立よりも、両者の緊密な関係を意識して説明する入門書です。複眼的な視野でわかりやすく解説しているので、中世の地中海世界の歴史を味わうためのよきガイドブックとなるでしょう。

6世紀から15世紀までの中仲介世界の歴史です。ここら辺は個人的にものすごく興味があるので、おそらく買います。目次はこちら

 

48.『ものがつなぐ世界史』

桃木 至朗 責任編集, 中島 秀人 編集協力 ミネルヴァ書房 2021/3/22 税抜5,500円

ものがつなぐ世界史 (MINERVA世界史叢書 5)

ものがつなぐ世界史 (MINERVA世界史叢書 5)

  • 発売日: 2021/03/22
  • メディア: 単行本
 

 現代の歴史学において、人・もの・カネ・情報・技術などの動きや交流を切り口として世界史をみるという視点が、もはや主流になりつつあるといっても過言ではない。本書は、「馬」に始まり「ウラニウム」に至るまで、古代から現代にわたって世界史を動かした17の「もの」を取り上げ、それらがいかに世界を結び、どのような影響を及ぼしたかを考察することで、重層的な世界史像を描き出す。

スヴェン・ベッカート的な、モノからグローバルヒストリーを考察する著作は増えていますね。ちょっと高いですが、気になる本です。目次はこちら

 

49.『記憶と慣行の西洋古代史』

中井 義明 編著, 堀井 優 編著 ミネルヴァ書房 2021/3/10 税抜5,500円

記憶と慣行の西洋古代史:エジプトからローマまで

記憶と慣行の西洋古代史:エジプトからローマまで

  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: 単行本
 

 歴史と記憶の関係を問うことは、心性の次元から歴史上の多様な現象を理解することにつながる。なぜなら、ある時点における過去の「記憶」は、同時代の状況を反映しつつ人々の意識と行動に影響を与え、またある時点に社会的規範として定着した「慣行」は、変容を伴いつつ長期的に持続し、このいずれもが歴史を展開させる原動力になりえたからである。本書は、紀元前一四世紀〜後三世紀の西アジア・地中海地域における「記憶」と「慣行」にかかわる諸問題を検討し、様々な「過去と現在」の連関を提示する試み。

ギリシア、ヘレニズム、エジプトの地域における「記憶と慣行」をテーマにした11章からなる論文集です。目次はこちら

 

50.『現代中国の秘密結社』

安田峰敏 著 中公新書ラクレ 2021/2/9  税抜920円

 天安門事件、新型コロナ流行、香港デモ、薄熙来事件、アリババ台頭、孔子学院、千人計画――。激動する国家にうごめく「秘密結社」を知らないで、どうやって現代中国がわかるのか?清朝に起源を持ちいまなお各国に存在するチャイニーズ・フリーメーソン「洪門」、中国共産党の対外工作を担う「中国致公党」、カルト認定され最大の反共組織と化す「法輪功」。大宅壮一ノンフィクション賞作家が、「中国の壊し方」と「天下の取り方」に迫り、かれらの奇怪な興亡史を鮮やかに描き出す。

最近精力的に本を出されている安田峰敏さんの新刊です。

まだ読めてないのですが、パワーワード満載の目次にも関わらず、中身はかなりしっかり取材と考察をされた骨太なものになっている印象です。

  

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まとめ

今回もお疲れ様でございました。

見るだけで疲れると思います。こちらはブックマークするか、気になる本をメモっておいて、あとで本屋に行ったときのチェックにお使いください。

ちなみにぼくの今回の個人的リストは以下の通りです。

買った

太平天国――皇帝なき中国の挫折 (岩波新書 新赤版 1862)

古代マヤ文明-栄華と衰亡の3000年 (中公新書)

現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ (中公新書, 2630)

西洋美術とレイシズム (ちくまプリマー新書)

 

買う予定

 図説 英国王室の食卓史

先住民 vs.帝国 興亡のアメリカ史:北米大陸をめぐるグローバル・ヒストリー

地中海世界の中世史

 

過去の新刊紹介も併せてどうぞ

【2020年12月版】世界史関連の新刊45冊

【2020年9月版】世界史関連の新刊50冊

【2020年6月版】世界史関連の新刊30冊

【2020年3月版】世界史関連の新刊30冊

【2019年12月版】世界史関連の新刊30冊+α

【2019年7月版】世界史関連の面白そうな新刊35冊

【2019年1月版】世界史関連の新刊35冊まとめ

【2018年9月版】世界史関連の新刊20冊まとめ

【2018年7月版】世界史関連の新刊20冊まとめ 

【2018年5月版】世界史関連の新刊21冊まとめ 

【2018年4月版】世界史関連の新刊30冊まとめ