歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

【2022年3月版】世界史関連の新刊50冊

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今月は歴史専門書の数が多いです

 2022年1月~3月の世界史関連新刊紹介です。

本記事はざっと流し読みをして気になる本をメモしていただくか、ブックマークして書店を訪れた際に見返すかして使っていただけるといいかと思います。今回は50冊あります。

高校で「歴史総合」が始まるにあたって、歴史をどう見るかといった視点の本が今回は多い印象でした。

※追記 昨今のウクライナ情勢も踏まえて、やや趣旨が異なりますが、ウクライナの歴史やロシア・ウクライナ関係史の書籍も記事末にまとめておきます。

新書

今期はあまり世界史関連の新書はあまり多くありませんでした。個人的な注目はこの二冊です。

  • リヒトホーフェン―撃墜王とその一族
  • 中国思想史

1. 『リヒトホーフェン―撃墜王とその一族』

中公新書 森貴史 著 2022/1/19 税込968円

「赤い男爵」ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェンは、真紅の機体で大空を舞った、ドイツの撃墜王だ。弟とともに第一次世界大戦でエースパイロットとして活躍し、戦死後も英雄として尊敬を集めた。その遠縁である姉妹の姉エルゼはマックス・ヴェーバーらと親交を結びつつ影響を与え、妹フリーダは作家D・H・ロレンスと世界を遍歴――。この個性豊かな一族4人の軌跡を通し、戦争と思想の時代の一面を照らす。

 

2. 『中国哲学史』

中公新書 中島隆博 著 2022/2/21 税込1,155円

春秋戦国時代に現れた孔子や老子ら諸子百家に始まり、朱子学と陽明学に結実したのち、西洋近代と対峙するなかで現代の儒教復興に至る中国哲学。群雄割拠から統一帝国へ、仏教伝来、キリスト教宣教、そして革命とナショナリズム。社会変動期に紡がれた思想は中国社会の根幹を形づくった。本書は中国3000年の叡智を丹念に読み解き、西洋を含めた世界史の視座から、より深い理解へと読者をいざなう。新しい哲学史への招待。

 

3. 『時間の歴史』

ちくま学芸文庫 ジャック・アタリ 著 2022/2/9 税込1,760円

日時計、ゼンマイ、クオーツ等。計時具から見えてくる人間社会の変遷とは? J.アタリが「暦と権力」の共謀関係を大柄に描く経済思想史学の大著。

 

4. 『建築から世界史を読む方法』

河出書房新社 祝田 秀全 著 2022年2月21日 税抜960円

ギリシャ、ロマネスク、ゴシックなど建築様式の変遷と世界史は連動している。著名な建築物が「なぜそこに」「なぜその意匠で」造られたのかを追究すると、歴史の意外な事実が見えてくる!

 

5.『ハレム―女官と宦官たちの世界―』

新潮選書 小笠原弘幸 著 2022/3/24 税込1,815円

性愛と淫蕩のイメージで語られてきたイスラム世界の後宮。そこで何が行われていたのか。気鋭の研究者がオスマン帝国の最奥部に挑む。

 

6. 『中国思想史』

講談社学術文庫 武内 義雄 著 2022年3月10日 税抜1,260円

昭和11年(1936)に『支那思想史』の書名で刊行され、戦後は『中国思想史』と改題してたびたび再刊されて今世紀まで読み継がれてきた概説書の、初の文庫化。孔子・老子に代表される古代思想はもちろん、その後の儒教・仏教・道教の相互交渉、朱子学・陽明学の成立、清代の考証学の確立まで、2000年以上におよぶ中国思想の幅広い歴史を、コンパクトに通観する。
著者によれば、維新以後この種の著作は数種出ているが、いずれも学者の伝記とその著書の解題を並べたものにすぎず、思想推移の跡をたどるに不便である、という。そこで本書では、思想変遷の過程を明らかにし、異質な思想が接触し変化する歴史を描くことに多く筆を割いている。
なかでも本書の大きな特徴は、四書五経の研究を深めた学問「経学」の変遷や、儒教や宋学への仏教の影響について大胆に説き明かしていることで、一人の研究者がこれほどの広い視野で中国の思想史を捉えた書物は、その後著されていない。
学術文庫のロングセラー、『孫子』『墨子』『諸子百家』等の著者、浅野裕一氏(東北大学名誉教授)が巻末解説を執筆。〔原本:岩波書店、1936年・1957年・2005年刊〕

 

7.『スピノザ 人間の自由の哲学』

講談社現代新書 吉田 量彦 著 2022年2月16日 税抜1,320円

「本当に存在するのは神のみであり、人間を含め、その他のものはすべて神の〈様態〉に過ぎない」── 一見、もっとも「自由」からはほど遠いように見えるスピノザ哲学が、自由こそは人間の「本性」と考えるのはなぜなのか? 政治的閉塞に被われた現代社会に風穴を開ける、もっともラディカルな思想の魅力を平易な文体で綴る。まったく新しいスピノザ哲学の入門書。

 

8.『教養としての金融危機』

講談社現代新書 宮崎 成人 著 2022年1月19日 税抜968円

激動の世界史と時代の大転換点――。 「100年間」に起きた「9つの危機」を「ストーリー」で一気に学ぶ…! 世界的な金融危機はなぜ起きたのか? なぜ金融危機は10年に1度起こるのか? 新型コロナショックは新たな金融危機を引き起こすのか? 危機を何度も乗り越えたこの世界は、いったいどこに向かうのだろうか?

 

 

企画本

特定のテーマにトピックを当てた企画本・選書です。リーズナブルな価格で専門的でおもしろい切り口の内容の書籍が読めます。

今回は個人的にこれらが注目です。

  • 図説 中世ヨーロッパの商人
  • [ヴィジュアル版]中世ヨーロッパ城郭・築城歴史百科

 

9.『世界史年表・地図(2022年版)』

吉川弘文館 2022/02/18 税抜1,500円

永遠のベストセラー! 2021年の記事を追加して新年度版を刊行。
年表は収載事項が豊富・詳細で、政治・経済・文化等各般にわたり縦横に理解できる編集で、持って役に立つ。地図は世界史を多方面から一望できるよう独創的な編集を行い、政治史の外、経済史・文化史等の地図を配置した。

 

10.『ヴェルサイユ宮殿に暮らす[新装版]』

白水社 ウィリアム・リッチー・ニュートン 著 2022/2/25 税抜2,500円

18世紀、豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿には、王を頂点に千人以上がひしめきあって暮らしていた。雅びにみえる貴族たちの日常生活とは

 

11.『《世界史リブレット人》045. アッバース1世』

山川出版社 前田 弘毅 著 2022/1 税込880円

サファヴィー朝を滅亡寸前の状態から甦らせて、現代イラン国家の礎を築いたシャー・アッバース1世。古都イスファハーン市外に壮麗かつ緑あふれる新街区を建設し、「世界の半分」とうたわれる繁栄をもたらした。アッバースは大胆な改革者でありながら、現実的な保守主義者でもあり、内面に多くの矛盾をはらんだ複雑な人物であった。彼の生涯をたどりながら、その「国造り」を詳しくみていく。

 

12.『図説 中世ヨーロッパの商人』

河出書房新社 菊池 雄太 編著 2022年2月26日 税抜2,100円

市場や商館での取引、多彩な交易品の数々とそれらを運搬するための危険に満ちた旅路、商人の一生……様々なトピックから、中世ヨーロッパの商人の歴史と実像に迫るビジュアルガイド。

 

13.『一冊でわかるギリシャ史』

河出書房新社 長谷川 岳男, 村田 奈々子 監修 2022年2月26日 税抜1,700円

ギリシャとはどういう国か。その歴史を図やイラストを使いながらわかりやすく、ていねいに描く。コラム「そのころ、日本では?」「知れば知るほどおもしろいギリシャの偉人」も役に立つ。

 

14.『[ヴィジュアル版]中世ヨーロッパ城郭・築城歴史百科』

原書房 チャールズ・フィリップス 著 2022/02/18 税抜3,600円

中世ヨーロッパの城郭を、その構造から生活の細部にわたるまで図版とともに詳細に解説、また話題となった《中世の城郭を当時の道具で当時のままの方法で一から建築》プロジェクトを案内する。城郭の全てが凝縮された一冊。

 

15.『空と宇宙の食事の歴史物語』

原書房 リチャード・フォス 著 2022/01/29 税抜2,000円

長時間の飛行機の旅では、限られた空間で調理、配膳された魅力的なごちそうが振舞われる。戦闘時や宇宙では手軽でおいしく栄養のある食事が欠かせない。絶え間ない技術開発に支えられている空での食事の変遷を追う。レシピ付。

 

16.『ブックセラーの歴史』

原書房 ジャン=イヴ・モリエ 著 2022/02/22 税抜4,200円

古代から今日に至るまで、時代・国を超えて知識と情報を獲得し、思考と記憶を深めるツールとして人々の手を伝わってきた書籍という商品について、どのように人から人へと伝わり、交換・販売されてきたのか、その歴史をたどる。

 

17.『ソーダと炭酸水の歴史』

原書房  ジュディス・レヴィン 著 2022/02/19 税抜2,200円

健康に良いとして親しまれていた炭酸水は、さまざまなフレーバーを加えた炭酸飲料となりビッグビジネスへと発展した。甘さと刺激が同居し、薬効も中毒性もあり、愛されつつ嫌われるソーダと炭酸水の驚きの歴史。レシピ付。

 

18.『ポピーの文化誌』

原書房  アンドリュー・ラック 著 2022/02/19 税抜2,400円

色あざやかな花のポピー。その美しさで人間を魅了する一方、畑を荒らす厄介者とされ、麻薬の原料ともなってきた。生態から利用法、歴史まで、ケシ科植物(特にヒナゲシとケシ)と人間の豊かな関係をつづる。カラー図版約百点。

 

19.『ベリーの文化誌』

原書房 ヴィクトリア・ディッケンソン 著 2022/02/01 税抜2,400円

森や野原、小道や生垣にひっそりとなり、『森の生活』のソローが「神々の食べ物」と呼んだベリー。さまざまな種類の特徴から、採集と利用、栽培、伝承や芸術、健康効果まで、ベリーの魅力を探訪する。カラー図版約100点。

 

 

歴史総合関連の書籍

高校の授業で「歴史総合」が始まるにあたって、改めて歴史・世界史をどう考えるかというテーマに関心が集まっています。

 

20. 『世界史の考え方』

岩波新書 小川 幸司, 成田龍一 編  2022/03/18 税込1,276円

近現代の日本史・世界史を総合し、近代化、大衆化、グローバル化の歴史像を考える高校の必須科目が始まる。シリーズ第一巻は中国史、イギリス史、アメリカ史、アフリカ史、中東史の歴史家とともに、近現代史の名著を題材に、歴史研究の最前線や歴史像の形成過程、概念に基づく比較、問いや対話による歴史総合の実践を示す。

 

21. 『世界の中の日本が見える 私たちの歴史総合』

明成社 伊藤 隆,渡辺 利夫, 小堀 桂一郎, 田中 英道 著 2022/2/24 税込2,200円

「世界の中の日本」を学ぶ高校用新歴史教科書『私たちの歴史総合』の市販本。
高校生のみならず、広く歴史を学ぶ方々の座右の書としてご活用ください。

『私たちの歴史総合』の特徴
1「日本の誇り」を次世代を担う若者へ伝える!
歴史事象や用語を無味乾燥に詰め込むのではなく、学習を通じて歴史上の人物が生き生きと浮かび上がるよう工夫。世界の大国と伍して、近代化を成し遂げるために奮闘した人物にスポットライトを当てて記述しています。
2「世界の中の日本」を描き、グローバルな視点を養う!
複雑な時代状況を1テーマ見開き2ページで簡潔に記述。日本の歴史を、世界の動きと関連付けて理解することができます。また、日本のみならず、世界史における重要人物も多数紹介。
第二次世界大戦後の世界情勢についても詳述し、現代社会を理解する手がかりを与えます。
3「読み物としての面白さ」をトコトン追求!
「コラム」「歴史View」を多数掲載し、歴史の広がりがわかるように工夫。

 

22.『シリーズ歴史総合を学ぶ 1 世界史の考え方』

岩波新書 小川 幸司, 成田 龍一 編 2022年3月18日 税抜1,276円

近現代の日本史・世界史を総合し、近代化、大衆化、グローバル化の歴史像を考える高校の必須科目が始まる。シリーズ第一巻は中国史、イギリス史、アメリカ史、アフリカ史、中東史の歴史家とともに、近現代史の名著を題材に、歴史研究の最前線や歴史像の形成過程、概念に基づく比較、問いや対話による歴史総合の実践を示す。

 

23.『「小さな歴史」と「大きな歴史」のはざまで』

花伝社 岡本 充弘 著 2022/3/5 税込1,650円

歴史はなぜ存在しているのか──
「私にとっての歴史」と「私たちにとっての歴史」を考える

私たちの身の回りのいたる所にある「歴史」。
では「歴史」はなぜ、どのように作り出されているのだろうか──
歴史の構築性、歴史認識にかかわる諸問題を、歴史学から哲学、社会問題や映画、漫画など多様なテーマを手がかりに読み解く。

個人、家族、国家、地球、宇宙…それぞれの歴史がある

 

24.『歴史的世界へのアプローチ』

刀水書房 春田 直紀, 新井 由紀夫, D.Roffe 著, 編集 2022/1/20 税込7,150円

歴史学者の鶴島博和は言う。〈歴史的世界は「漆黒の無限の闇のなかで,運動する無定形の実体」だ。
それに向かって行く,アプローチして行くのが「歴史学」だ。「史料」という灯りをかざすと「ぼんやりと浮かび上がってくる蠢く」もの。さまざまな「理念型」の束を用いて,無定形なものから,それぞれが対象とする時代と地域を再構成する試み。それが歴史学だ。〉
本書は歴史研究者23名(日本14名,英米9名)が鶴島と共権力」「社会とアソシエーション」「交通と貨幣」「記憶と史料」の四理念型を設定,多様な国や地域・時代の論文をこの四つの理念型に分類して,歴史的世界を照らし出した「世界初の共著」です。
論文は各研究者母国の日本語と英語。論文頭に対応言語の要約を載せました。

 

岩波講座 世界歴史の新刊

「岩波講座 世界歴史」シリーズ、すごい勢いで刊行されていっています。

私も出次第順次購入していってますが、なかなか読むのが追いついてないです。

 

25.『岩波講座 世界歴史 第6巻 中華世界の再編とユーラシア東部 4~8世紀』

岩波書店 2022年1月7日 税抜3,520円

漢帝国の崩壊後、さまざまな民族が激しく衝突・接触・融合し、中華世界は新たな中華の型となる隋唐帝国を創り出した。これまでの東アジア世界を越え、ユーラシアサイズでこの再編の動きを捉え直すと、一体どのような姿が浮かび上がるのだろうか。ユーラシアの東部と西部が重なり合う境界地帯を視座に据え、新生中華の全貌を鮮明に描き出す。

 

26.『岩波講座 世界歴史 第14巻 南北アメリカ大陸 ~17世紀』

岩波書店 2022年2月25日 税抜3,520円

南北アメリカ大陸で独自の文化を築いてきた多様な先住民社会は、コロンブス以降の西欧諸国による植民地化にいかなる影響を与え、その過程をどう生き抜いたのか。先史時代から説き起こし、大西洋と太平洋が接続され日本も含むグローバルな諸関係が形成されるまで、変容していく世界を、先住民と他集団の主体性のせめぎ合いから捉え直す。

 

27.『岩波講座 世界歴史 第12巻 東アジアと東南アジアの近世 15~18世紀』

岩波書店 2022年3月25日 税抜3,520円

「商業(交易)の時代」を契機に、一五?一八世紀の内陸アジア、東アジア、東南アジアからなる東ユーラシアとそれを取り巻く海域世界で、ヒト、モノ、情報の流れが活性化した。国際秩序の変化、諸国家の展開を描きつつ、都市や港市を中心とした地域社会の再編包括的に描き出す。

 

 

お手頃の専門書

4,000円以内で変える専門書をこのカテゴリに入れています。今回注目の書籍はこちらです。

  • 漢とは何か /東方選書58
  • 論点・東洋史学
  • ブラック・ライヴズ・マター運動 誕生の歴史

 

28.『迫害された移民の経済史』

河出書房新社 玉木 俊明 著 2022年3月1日 税抜2,550円

ヨーロッパに繁栄をもたらしたのは、ユダヤ人、アルメニア人など迫害され、祖国を追われた人々だった。彼らなしでは近世の発展はあり得なかったという歴史の皮肉を描く、逆転の経済史。

 

29.『古代中国の日常生活』

原書房 荘 奕傑 著 2022/02/26 税抜2,200円

前漢がついえたあとの「ある一日」を「市民目線」でたどると、いままで見えなかった「日常生活」が見えてくる。助産婦、兵士、僧侶から芸人、墓泥棒まで、名も知れぬ彼らの一日を気鋭の古代史研究家がわかりやすく案内していく話題の書。

 

30.『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』

原書房 ロバート・ベヴァン 著 2022/02/17 税抜2,700円

戦争や内乱は人命だけでなく、その土地の建築物や文化財も破壊していく。それは歴史的価値や美的価値を損なうだけでなく、民族や共同体自体を消し去る行為だった。からくも破壊を免れた廃墟が語るものとは。建築物の記憶を辿る。

 

31.『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』

白水社 新井 潤美 著 2021/12/28 税抜2,200円

複雑な称号の体系、後継ぎと他の子供それぞれの苦労など、「イギリス人にとってのアッパー・クラス」の背景事情をわかりやすく解説。

 

32.『場所からたどるアメリカと奴隷制の歴史』

原書房 クリント・スミス 著  2022/02/22 税抜2,700円

アメリカ建国の父トマス・ジェファソンのプランテーションをはじめ、アメリカの奴隷制度にゆかりの深い場所を実際に巡り、何世紀ものあいだ黒人が置かれてきた境遇や足跡をたどる、異色のアメリカ史。

 

33.『謎の海洋王国ディルムン』

中公選書 安倍雅史 著 2022/1/7 税込1,870円

ペルシア湾に浮かぶ島国バハレーンには、世界最大の古墳群が存在する。今から四〇〇〇年前、バハレーンがディルムンと呼ばれた時代に、おびただしい数の古墳が築かれた。海上交易を独占して繁栄をきわめた王国の人々は、ほぼ無人の地だったこの島にどこから移住してきたのか。なぜ紀元前一七〇〇年ごろを境に、歴史の表舞台から去ったのか。日本の発掘調査団を率いる著者が最新の考古学の成果を踏まえ、謎の王国の歴史の解明に挑む。

 

34.『漢とは何か /東方選書58』

東方書店 岡田 和一郎,永田 拓治 編 2022/3 税込2,420円

中国史上において、漢王朝がどのように規範化されていったのか――前漢から唐までを区切りとして明らかにする。
本書は、世界史的視野の中で再検討が迫られる漢王朝のイメージを、前漢から唐までの時間軸と、中国を中心とする空間軸から把握することを目的とする。
漢王朝は中国史上のモデル・規範とされた点において、ヨーロッパにおける古代ローマと並び称される存在であるが、後世における漢王朝像を解明しなければ、なぜ中国史上で漢王朝がモデルとなったのかを知ることができない。本書では、各時代における漢王朝像を検討することで、中国史上において漢王朝がどのように認識され、規範化されていったのかを明らかにしていく。

 

35.『フリードリヒ2世』

平凡社 藤澤 房俊 著 2022/3 税抜2,800円

中世の頂点と凋落を具現する神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世。シチリア王国の併合をめざしてローマ教皇と幾度も対立し、2度の破門を宣告された皇帝の生涯と事績をたどる。

 

36.『論点・東洋史学』

ミネルヴァ書房 吉澤 誠一郎 監修 2022/1/10 税抜3,600円

本書は、「東洋史」を広義でとらえ、おおむねアフロ・ユーラシアの全体から西洋を除いた地域を対象に、これまでの研究者たちが重要と考えてその歴史的意味をめぐり強い関心を向け、ときに論争の焦点としてきたような概念や説明法――すなわち「論点」だけを集めたテキストです。各項目は〈背景〉〈論点〉〈探究のポイント〉の三パートから構成され、語句説明やクロスリファレンスも充実。歴史研究の面白さを体感できる待望の書!

 

37.『中国倫理思想の考え方』

山川出版社 水口 拓寿 著  2022/1 税込1,980円

孔子がつくり、孟子・荀子らが育てた儒教の倫理思想は歴代王朝の「国教」となって、中国の人間関係や社会秩序を強く規定してきた。その形成と展開について概説し、理想と現実を浮き彫りにする。

 

38.『人類と神々の4万年史 上』

河出書房新社 ニール・マクレガー 著, 高里 ひろ 訳 2022年3月1日 税抜3,800円

我々は神々とともに生きてきた。見えざるものへ畏怖が、神へ、信仰へと発展した人類4万年の歴史を、場所、建築、世界中の博物館の収蔵品などを通して、たどる壮大な心の旅。

 

39.『イギリスの歴史』

河出書房新社 君塚 直隆 著 2022年3月22日 税抜3,520円

ブリタニアの創成(太古~古代)から現在のブレグジットの道まで、全12章構成の、斯界の第一人者によるイギリス通史入門編。イギリスの成り立ちから大英帝国、EU脱退まですべて解明。

 

40.『ブラック・ライヴズ・マター運動 誕生の歴史』

彩流社 バーバラ・ランスビー 著 2022/2/18 税込3,850円 

41.『イスラエル vs. ユダヤ人』

明石書店 シルヴァン・シペル 著, 林 昌宏 訳 2022/1/25 税抜2,500円

イスラエルがパレスチナ自治区を占領してから半世紀が経過した。そのかんに、グローバリゼーションは世界各地でナショナリズムと外国人排斥を引き起こし、イスラエルで合流した。ユダヤ人ジャーナリストである著者が、人種差別、軍事産業の台頭、権威主義、宗教分裂、右傾化など、イスラエル社会の日常から法制度までを横断し、今後の中東の国際関係を見通す、警鐘の書。

 

著者のバーバラ・ランスビーは第一流の研究者であり、かつ人種闘争の最前線に立ち続けるアクティヴィストでもある。
本書は、現代アメリカを語る上で目を逸らすことなどできなくなったBLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動について、その誕生の瞬間に立ち会い、数え切れないほど多くの活動家や団体と足並みを揃えて闘い続けている著者の、研究成果の結晶である。

 

 

高額専門書

4,000円以上の専門書をこちらのカテゴリに入れています。

個人的な注目はこちらです。

  • カンボジア中世史――カンボジア・シャム・ベトナム民族関係史(1594-1720年)
  • 十字軍全史

 

42.『カンボジア中世史――カンボジア・シャム・ベトナム民族関係史(1594-1720年)』

めこん マック・プン 著 2022/1 税抜5,000円

1995年フランスの極東学院から出版されたHistoire du Cambodge de la fin du XVIe siècle au début de XVⅢe は、『カンボジア近世史』(キン・ソック著・石澤良昭訳 2019年刊)と共に、ポスト・アンコールのカンボジアとシャム・ベトナムとの関係を解き明かした書として、世界的な評価を得ており、東南アジアに関する研究書には必ず引用されている名著です。この書を、アンコールワットの研究家として名高い石澤良昭氏と佐藤恵子氏が10余年の歳月をかけて訳出しました。人名地名索引・年表・地図・王統図なども万全で、今後長く東南アジア研究の基本書として読まれるでしょう。

 

43.『十字軍全史』

河出書房新社 ダン・ジョーンズ 著,ダコスタ 吉村花子 訳 2022年3月28日 税抜5,100円

教皇、皇帝、王たち、詩人、捕虜、商人ーーあの聖戦を、血で染まった戦場を、神の奇跡をこの目で見た者たちによって綴られる、新たな十字軍史。歴史に生々しい息吹が吹き込まれる。

 

44.『近世東地中海の形成』

名古屋大学出版会 堀井 優 著 2022/1/27 税込5,940円

古くから東西交易の要衝として栄えた「レヴァント」。中世から近世への転換のなか、イスラーム国家とヨーロッパ商人の「共生」を支えてきた秩序の行方は? オスマン条約体制や海港都市アレクサンドリアのありようから、異文化接触の実像を明らかにするとともに、東アジアに及ぶ「治外法権」の淵源をも示した力作。

 

45.『アジアの脱植民地化と体制変動』

白水社 粕谷 祐子 編 2022/02/28 税抜3,800円

なぜ、アジアには民主制と独裁が混在しているのか? 17カ国の脱植民地化・脱占領の過程に着目し、解明した記念碑的著作

 

46.『ヒトラーと海外メディア』

白水社 ダニエル・シュネーデルマン 著 2021/12/28 税抜4,800円

1933年、欧米民主国のベルリン駐在記者たちは、ナチ台頭とユダヤ人迫害をいかに報道したのか?仏のジャーナリストによる警鐘の書

 

47.『一九三九年 誰も望まなかった戦争』

白水社 フレデリック・テイラー 著 2022/03/25 税抜5,800円

第二次世界大戦開戦の前夜の一年間、英独の「普通の人びと」の日常生活と心情、その変化を活写する。英国の歴史家による示唆に富む書

 

48.『イギリス産業革命期の子どもと労働』

法政大学出版局 ジェーン・ハンフリーズ 著 2022/2 税込6,600円

イギリス産業革命の推進力には、貧困状態にある多くの子どもたちの労働が含まれていた。研究史上これまで見過ごされてきた、617人にも及ぶ労働者たち自身による膨大な自伝資料・回想録を初めて徹底的に統計調査することで、過酷な重労働に従事した労働者階級の人々の個人的な物語と、その家族生活、親族関係、職業継承、徒弟制度、学校教育をめぐる歴史的な事実を明るみに出した画期的研究。

 

49.『ヒトラーとスターリン【新装合本】』

みすず書房 アンソニー・リード, デーヴィッド・フィッシャー 著 2022/3/10 税抜8,000円

第二次世界大戦中のヨーロッパ。1941年6月22日早暁、東ヨーロッパで史上最大の軍事作戦が始まった。ドイツ軍300万がソ連に侵攻した、いわゆる〈バルバロッサ作戦〉だ。その日からドイツの敗退まで4年、そしてその間にソ連の2000万の命が失われた。
スターリンはなぜ、この急襲にそれほど無防備だったのか。あらゆる情報網を通して十分な情報を得ていながら、なぜすべての忠告を無視したのか。なぜ最後の瞬間まで、ヒトラーに石油、穀物、軍事物資を供給しつづけたのか。理由は、1939年8月23日に2人の独裁者が電撃的に結んだ独ソ不可侵条約にあった。

この〈悪魔の契約〉に賭けた両者の思惑は何だったのか。本書は、BBCのドキュメンタリー制作者2人の手になる迫真のドキュメントであり、膨大な資料をもとにその背景を探り、全容の解明にはじめて挑んだ第一級の歴史読み物。
「条約締結からの22か月間を、多くの国家を駒に見立てて2人の独裁者が指した恐ろしいチェスの試合にたとえるならば、この戦争はそれぞれの軍隊を武器として戦った2人の男の死闘だった」(本書、エピローグ)

 

50.『異民族ファラオたちの古代エジプト』

ミネルヴァ書房 大城 道則 著 2022/2/28 税抜7,000円

本書は従来、古代エジプト史の中で社会的混乱期とされてきた新王国時代後の中間期、特に第三中間期の位置づけについて検討する。第二一王朝から第二七王朝期にナイル世界に成立した異民族の古代エジプト王による統治を、個々のテーマを掲げ議論することで、多様性あふれる時代がいかに創造されたかを明らかにする。日本における古代エジプト史研究の空白を埋めるべく考察を深めた本格的研究。

 

ウクライナ戦争関連

 

『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』

中公新書 黒川 祐次 著 2002/8/25 税込946円

ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぐヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。

 

『ウクライナ・ファンブック』

パブリブ 平野 高志 著 2020/2/10

現在重版中

旧ソ連・共産主義体制
チェルノブイリ・クリミア占領
う、暗いな…

▼▼▼

素敵カフェ・お洒落レストラン
カラフルな街並み・美男美女
明るいな!

写真家としても活躍するウクライナ国営通信の日本人編集者がその魅力を余すこと無く伝えるフルカラー教養ガイドブック!!

 

『ウクライナを知るための65章』

明石書店 服部 倫卓 , 原田 義也 著, 編集 2018/11/2 

現在重版中

2014年ウクライナのクリミアをロシアが併合したことは全世界を驚かせた。そもそもウクライナとはどういう国なのか。本書は、ウクライナを自然環境、歴史、民族、言語、宗教など様々な面から、ウクライナに長らくかかわってきた執筆者によって紹介する。

 

『ルポ プーチンの戦争 ──「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか』

筑摩選書 真野 森作 著 2019/3/15 税込1,023円(Kindle版)

 

『現代ロシアの軍事戦略』

ちくま新書 小泉 悠 著 2021/5/8 税込1,034円

冷戦後、軍事的にも経済的にも超大国の座から滑り落ちたロシアは、なぜ世界的な大国であり続けられるのか。NATO、旧ソ連諸国、中国、米国を向こうに回し、宇宙、ドローン、サイバー攻撃などの最新の戦略を駆使するロシア。劣勢下の旧超大国は、戦争と平和の隙間を衝くハイブリッドな戦争観を磨き上げて返り咲いた。メディアでも活躍する異能の研究者が、ウクライナ、中東での紛争から極東での軍事演習まで、ロシアの「新しい戦争」を読み解き、未来の世界情勢を占う。

 

『「帝国」ロシアの地政学 (「勢力圏」で読むユーラシア戦略) 』

東京堂出版 小泉 悠 著 2019/6/26 税込1,980円(Kindle版)

ロシアの対外政策を、その特殊な主権観を分析しながら読み解く。
今やロシアの勢力圏は旧ソ連諸国、中東、東アジア、そして北極圏へと張り巡らされているが、
その狙いはどこにあるのか。北方領土問題のゆくえは。蜜月を迎える中露関係をどう読むか。
ウクライナ、ジョージア、バルト三国など、旧ソ連諸国との戦略的関係は。中東政策にみるロシアの野望とは。 ロシアの秩序観を知り、国際社会の新たな構図を理解するのに最適の書。北方領土の軍事的価値にも言及。
第41回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞作品。

 

『国境を超えたウクライナ人』

群像社 オリガ・ホメンコ 著 2022/2/3 税込1,650円

18世紀から20世紀にかけてのウクライナに生まれ、波乱の時代に負けることなく、美術、航空技術、医学、外交などの分野で異郷の地で活躍し大きな実績を残した9人の人物とウクライナ人に同化してソ連政権に殺された一人の男。東西から国境を侵されてきた歴史をもつウクライナ人ならではの柔軟性、コミュニケーション力、許容力を発揮した人びとの物語。

 

まとめ

 こちらの記事はブックマークしていただき、書店を巡ったりネットで本を探すときにぜひご活用ください。

また、ロシアやウクライナに関する書籍もぜひ手に取ってみてください。

 

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