なにこれ、ホントに拷問?
拷問といえば懲罰や自白を促すために、
ムチで叩いたり、火炙りにしたり、針やナイフで体を刺したり、
ただじゃすまない重症を負うのが普通だと思います。
ところが歴史上は、それホントに効果あんの?と思うような拷問がいくつか存在します。
効果あったのだから何回も実行されて、しかも記録に残ったのだと思われますが、にわかに信じがたいものです。
1. くすぐられる拷問(スペイン)
対象者をくすぐるだけの拷問が存在しました。
「スペイン式くすぐり器」という名で知られ、猫の尻尾や馬の尻尾の毛を切り取って器具にしたもので、対象者を器具で固定しひたすらくすぐり続ける。
何てことはないように思えますが、これを休むことなく長時間やられ続けると精神に異常をきたし発狂状態になるそうです。
2.ブタの仮面を被せられる拷問(西ヨーロッパ)
これは舌禍の女性を戒めるための「さらし刑」の器具で「がみがみ女のくつわ」と言います。
あることないことを言いふらす女にこの器具を被せ、町の広場につながれました。
仮面のデザインは、当時下賤の生き物と考えられていた「ブタ」をモチーフとしており、それを被らせることで侮辱を与える意味がありました。
器具の内側の口の部分には突起がせり出しており、これを被っているときはうめき声しか出ないようになっています。
中には内側の目の部分にトゲがついたものがあり、解放後もしばらくはアザが付きそれとわかるようになっていました。
当時は周りのみんなが顔見知りのような社会でしたから、この刑を受けた後はロクに近所付き合いも、買い物すらまともにできなかったでしょう。
なかなか残酷な刑です。
3. 樽をかぶせられる拷問(西ヨーロッパ)
これも「がみがみ女のくつわ」と同じさらし刑の器具で「飲んだくれのマント」と言います。その名の通り飲んだくれを戒めるための刑罰として使われました。
頭からすっぽり樽を被せられた上で、市中引き回しにされます。
ただでさえ重い樽で、しかも両手が塞がれているから喉がかわいても水さえ飲めない。
さらし者を助けるような人がそう多くいたようには思えませんから、質素倹約を身をもって分からせるための器具として使われたようです。
4. 唐辛子の煙を顔に浴びせる拷問(日本)
日本の遊廓でかつて用いられた刑で、唐辛子を燃やした煙を顔に吹きかけるというもの。
昔の遊廓では、客と駆け落ちした遊女は厳しいペナルティを課せられました。
遊廓の経営者は遊女を罰する権利を持っていましたが、大事な「製品」にそう酷いこともできないということで考えだされたのがこれ。
対象者は手を後ろに縛られ、唐辛子がいぶされた煙を直に顔に受けます。
辛味成分が目や器官に入って涙が溢れて咳き込み、たまらない苦しみを味わうことになります。
刑が終わってしばらくすればなんてことはないし、外傷に残ることもないため極めて優れた刑罰の方法ではありました。
5. ヤギに足の裏を舐められる拷問(西ヨーロッパ)
中世の西ヨーロッパでみられた拷問で、
対象者の足を器具で固定し、足の裏にヤギの大好物・塩をたっぷり含ませた水を塗りこむ。
ヤギを連れてくると一心不乱にベロベロと舐め回すのですが、
ヤギの舌はザラザラしていて固く、ずっと舐め回されると皮が剥がれて血が滲んできます。
血にも塩分が含まれているから、ヤギは容赦なく舐め続けその痛みに苦しみつづける、というワケです。
これを徹底的にやり続けると骨が見えるまで肉が削れるらしく、中にはあまりの痛さに発狂した例もあるそうです。
まとめ
ただひたすら残酷な刑も歴史上には腐るほどありますが、 なるほどよく考えたなあという刑もあるのですね。
特にいぶし責めなんて、めちゃくちゃ苦しいのに外傷に残らないなんて、経営者が遊女を罰することの可否は置いといて、極めて優れた刑罰だと思います。
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