子どもたちの夢・サンタクロースの"骨"
南イタリア・バーリ。
アドリア海に面し、古くから交通の要衝として栄えたこの町には、子どもたちの夢、赤い衣装で皆様おなじみの、サンタクロースの骨があるのです。
これは見に行かない手はないでしょう!
サンタさんは実在した聖人がモチーフ
サンタクロースとは、3世紀頃実在した「聖ニコラオス(ミラのニコラオス)」という人物がモチーフ。
困っている人がいたら放っておけない性分で、貧しい没落商人の家にお金を投げ入れて助けたりしたらしいです。鼠小僧みたいですね。
そういう逸話に尾ひれやら広告イメージやらがひっついて、今のサンタクロースの元になったようです。
ですが、歴史上サンタさんの一番大きな功績は、ニケーア公会議でアタナシウス派の代表として出席して論議を交わし、アリウス派を追放することに成功したこと。
柔和なイメージとは違って、サンタさんは一流の論客だったのです。
サン・ニコラ教会
バーリの「サン・ニコラ教会」は、聖ニコラオスの骨を聖遺物として保管しており、その権威と聖域性が、この街をプーリア州の州都たらしめています。
もともと聖ニコラオスは、今のトルコにある「リュキアのミラ」という場所で主教を務めており、聖遺物もそこに保管されていました。しかしセルジュク朝の小アジア制圧の混乱にまぎれて、バーリの船乗りが盗み出して故郷に持ち帰ったのだそうです。
建物自体はノルマン人統治時代に作られたもので、石灰岩で出来たシンプルな作り。
入り口にはウシのレリーフが。きっと昔は木製の角でも付いていたんでしょう。
いざ、教会の中へ!
うお。。日曜のミサの真っ最中だった…
上には豪華な天井画が。
この厳かな雰囲気の中、写真をばしゃばしゃ撮るのは非常にためらわれます…
後ろからあたりを見回すが、骨らしきものは見当たりません。
どうやら大衆が容易に見れないように、サンタの骨は厳重に保管してあるようです。
2日後に再訪。今度こそ!
2日後の火曜日に再び訪れてみました。日曜とは違って教会は静寂に包まれています。
地下の階段を降りると、物々しい祭壇が。
祭壇に礼拝する女性たち。中には土下座している人も。
どうやらここにサンタの骨が納められているようです。
しかし、よーーーーく見ても骨らしきモノは見えない・・・
中央の祭壇の光があたっているところにあると思ったのですが、絵と装飾物らしきものが見えるだけ・・あ、あれ?骨は?
結局、サンタの骨は生で見ることができずに外に出てきちゃいました。
不完全燃焼ですが、しょうがない。そう簡単に見れるものじゃないですよね・・
聖ニコラオスのご尊顔。ピースしているようにも見える。