シチリアの世界遺産"ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ"
シチリアのピアッツァ・アルメリーナにある世界遺産「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ」は、4世紀頃に建てられたと考えられているローマ貴族の別荘です。
当時の上流階級の貴族(元老院議員クラス)が、地元の有力者をもてなすために主に使われたようです。
別荘は今で言うと「加賀屋」みたいな、一流の温泉宿みたいに施設が整っています。
寝室、大食堂、大浴場、来客間、教会、噴水付きの中庭、彫刻で飾られた外庭など、お客さまをおもてなしするために充分な施設が揃っています。
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレの行き方
カターニア駅を出て前方に3分ほど歩いたところに長距離バスのターミナルがあります。
バスターミナルの近くのチケットオフィスで、ETNA社運行のピアッツァ・アルメリーナ行きのチケットを購入する。所要1時間40分ほど。
ピアッツァ・アルメリーナのバス停からヴィッラまでは約5キロほどの距離があります。夏期は定期バスが出ているらしいが、冬期は出てない。
バス停近辺にはタクシーのおっちゃんがいるから、彼らと交渉して足を確保すれば良いです。
噴水付きの中庭を中心とした建物の構造
ヴィッラの構造は、噴水付きの中庭を囲むように各施設が配置されています。
写真左下の青いところが玄関で、お客さま達は噴水(中央の白い余白)の周りの回廊を通って、奥にある「お客さまお迎えの間」で主人と挨拶をする、という段取りになっていたようです。
入り口から噴水を通って客間へ
ヴィッラの中心となっている噴水。この向かいが客間です。
噴水脇の回廊にはモザイクがびっしり。
イノシシ、ウマ、ウシ、トラ、クマ、シカなど動物がモチーフ。たぶん、お客さまをおもてなしするために、狩猟の催しが行われていたんでしょう。
客前の前の大回廊の床には、船をテーマとしたモザイクがびっしり。
鹿さんが船に積み込まれている様子。
今度は象さん、ラクダさん。
これは客間。保存状態はよくないが、かなり広い。
歓迎の儀式みたいなセレモニーでもしていたのかもしれないですね。
お客さまのお部屋も豪華
お客さまがくつろぐ寝室スペースも、床にモザイクが丁寧に施されており美しい。
寝室は幾何学文様が多かった。こっちのほうがリラックスできるのでしょうか。
古代ローマのビキニの娘
ここは10人の娘の広場という間。何のためのスペースかよくわかっていませんが、このビキニのモザイクはなかなか興味深いです。
ローマ人は体を鍛えるのが好きだったようですが、女性たちもボール遊びしていたり、左上の女性なんかダンベルみたいなの持ってたり、男性顔負けでトレーニングに励んでいたのかもしれません。
体育館で汗を流しましょう
ペリステイルムという楕円形のスペース。
力強いウマや雄牛、ギリシア神話のヘラクレスが描かれているから、ここでレスリングなどのスポーツでもやってたのかもしれません。
ストイックな方のためにジムも完備
この細長い部屋は「Palestra」。辞書で調べたら「アスリートがレスリングとかのトレーニングをするところ」と出たので、ジムのような施設だったと思われます。
手洗い場?足洗い場?
この奥に食堂のスペースがあるので、ここで手や足を洗って入場したのだろうと思います。
ごちそうを召し上がれ!
ここは床に花とかフルーツが描かれてるので、おそらく食堂だと思います。
こじんまりしているので、お客さま用のものではなかったのかも?
お風呂でごゆっくりおくつろぎください
お風呂は温度によって3種類の浴槽をご用意。
下の写真は浴場跡。手前にせり出しているのがボイラー跡で、3つ釜が見えるが、
これは冷水、ぬる湯、熱湯の温度に分けられていたらしい。いいなぁ!
贅沢なローマ貴族の気分を味わってみてください
昔の響宴は一晩で終わらず、様々なイベントを挟みながら何日も続いたそうなので、連日連夜大騒ぎが続いたのでしょう。
昔のことだから、全員が同じ日にぴったり揃うこともできないでしょうし、途中で来たり帰ったりして、メンバーが入れ替わり立ち代わり続いたのでしょうね。
少し辺鄙なところですが、こんなに状態がよくローマ貴族の別荘が残っている箇所は世界のどこにもありません。
ローマ貴族の気分を味わいたい方は、是非行ってみてください!