歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

【2019年7月版】世界史関連の面白そうな新刊35冊

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2019年前半に発売された面白そうな世界史関連の本

半年ぶりの新刊紹介です。

半年もたつと山のように世界史関連の新刊が発売されるんですが、全部紹介すると大変なので、ぼくが「あ、これは面白そう」「これは読みたい」と思ったもののみ紹介します。それでも35冊ありますが、どうぞお付き合いください。

紹介順はおすすめ順とかではなく「正統派→マニアック→変わり種」という順です。 

 

1. 図説 十字軍(ふくろうの本/世界の歴史)

櫻井康人著 河出書房新社(2019年2月14日発売)

図説 十字軍 (ふくろうの本/世界の歴史)

図説 十字軍 (ふくろうの本/世界の歴史)

 

 現在のキリスト教世界とイスラームとの対立にも通じる十字軍は、今、その本質が見直されている。真の目的は何だったのか?約700年間に渡る十字軍史を、多様な角度で検討した決定版。

 歴史好きな人なら分かってもらえると思うのですが、十字軍は西洋中世史の花形というか、メインディッシュというか、1番の醍醐味じゃないかと思います。

 ぼくは十字軍が大好きなので、大好きすぎて逆にほとんどこのブログで取り上げてないほどです。十字軍関連の本だけでもそれなり持っているのですが、これもコレクションに揃えておきたいです。

 

2. 図説 オランダの歴史 改訂新版

佐藤弘幸著 河出書房新社(2019年5月9日発売) 

図説 オランダの歴史 改訂新版 (ふくろうの本)

図説 オランダの歴史 改訂新版 (ふくろうの本)

 

 小国ながら世界史上に大きな存在感を放ち、日本とも関わりの深いオランダ。低地国土ゆえの水との戦い、スペインへの反乱、大航海時代の繁栄など、その多彩な歴史をグローバルに描き出す。

これも「図説 十字軍」と同じく、河出書房新社の図説シリーズです。オランダの歴史って改まって学ぶ機会もないと思うのですが、小国ながらダイナミックな歩みは面白いです。

 

3. 地中海の十字路=シチリアの歴史

藤澤房俊著 講談社選書メチエ(2019年6月12日発売) 

地中海の十字路=シチリアの歴史 (講談社選書メチエ)

地中海の十字路=シチリアの歴史 (講談社選書メチエ)

 

長靴の形をしたイタリア半島に蹴り上げられるように、地中海に浮かぶ最大の島、シチリア島。マフィアの故郷として知られ、人気の観光地でもあるこの島は、現在はイタリア共和国の一部となっているが、しかし、古くからここは「イタリア」だったわけではない。文明の先進地域・地中海とヨーロッパの歴史を常に色濃く映し出し、多様な文化と宗教に彩られてきたシチリア島。その3000年に及ぶ歴史を描き出し、シチリア島から世界史を照射する。
シチリアの覇権をめぐって最初に争ったのは、古代ギリシア人とフェニキア人だった。その後、ローマの「最初の属州」となり、ローマ帝国の穀倉となった。中世にはイスラーム勢力が柑橘類の栽培や灌漑技術を導入し、当時の先端文明と通商ネットワークをもたらしたが、北フランス出身のノルマン人たちがこれを屈服させて「シチリア王国」を建て、栄光の時代が訪れる。さらにドイツのホーエンシュタウフェン家、フランスのアンジュー家の支配が続き、ヴェルディのオペラで知られる「シチリアの晩祷事件」を境に、アラゴン・スペインによる「長く、暗い時代」に入る。フランス革命期にはイギリスの保護下に置かれるが、19世紀にはイタリアの統一運動、すなわちリソルジメントに巻き込まれ、イタリアに併合されていく。
絶え間なく侵入した「よそ者」と、宗教・文化の交錯の過程で、シチリア人の誇り高いアイデンティティは形成された。そして今、北アフリカから小さなボートで「新たなよそ者」が押し寄せているシチリアは、まさにグローバル化した世界の台風の目となっている。

シチリアの歴史はほんっとに奥深いですよ…(迫真)。

ギリシャ植民地、カルタゴ、ローマ、イスラム、ノルマン、ハプスブルク、ブルボン、そしてイタリア。全然違う文明や王朝に支配されつつ、各時代ごとに大規模な事件や出来事が起こっているのがこの地です。上記の文にもあるように、確かにいま北アフリカからの流入者が一番押し寄せているのがシチリアで、ぼくも旅行中に結構怖い思いをしたことあります。シチリアの通史は読んだことありますが、現在の出来事まで通して語る本書はかなり興味あります

 

4. 世界歴史叢書 ビザンツ帝国

井上浩一著 岩波書店(2019年5月10日発売) 

ビザンツ帝国 (岩波オンデマンドブックス 世界歴史叢書)

ビザンツ帝国 (岩波オンデマンドブックス 世界歴史叢書)

 

 世界史的視野に立ち独自の時代範囲を設定するなど,従来の研究に対する鋭い問題意識のもとに執筆された力作.

ビザンツ帝国の歴史って、いろんな側面がありすぎて特徴が捕らえるのが難しんですよね。万華鏡的なところがあって、時代ごとにクルクル変わって分かりづらい。それゆえ、今後の歴史で新たな面白いビザンツ史像が出てくるのが期待されているんです。

というところで本書には期待しているんですが、ちょっと情報が無さすぎやしませんか。公式サイトいってもこれしか書いてないんですよ。なんだ、「従来の研究に対する鋭い問題意識」って。読んで見たくなるじゃあないか!

 

5. ブルボン朝 フランス王朝史3

佐藤賢一著 講談社現代新書(2019年6月19日発売)

ブルボン朝 フランス王朝史3 (講談社現代新書)

ブルボン朝 フランス王朝史3 (講談社現代新書)

 

カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない!  ブルボン朝の歴史を描く「フランス王朝史」シリーズ第3弾。ついに完結。 フランス王朝史の白眉! 3つの王朝中、最も華やかな時代を描く。 長い宗教戦争の時代を克服し、ヨーロッパ最強国、そしてヨーロッパ最高の文明国となったブルボン朝フランス王国。個性豊かな王たちーー稀代の策士にして稀代の艶福家、王家の創設者アンリ4世。「踊る太陽王」ルイ14世。「愛され王」ルイ15世。革命により断頭台の露と消えたルイ16世。マントゥノン夫人、ポンパドゥール夫人など宮廷を華やかに彩った寵姫たちと、リシュリュー、マザラン、フーケ、コルベールなど政治を司った宰相、大臣たち。さらにはヴェルサイユ宮殿を造ったルノートルを始めとする芸術家たち。のみならず、大革命とナポレオンの時代を経て復活したルイ18世、シャルル10世の復古王政から、オルレアン家による7月王政の終焉まで。「ブルボンの血」による王権の始まりから終わりまで、すべてを描ききった超力作。 はじめに ブルボン朝とは何か 第1章 大王アンリ4世(1589年~1610年) 第2章 正義王ルイ13世(1610年~1643年)  第3章 太陽王ルイ14世(1653年~1715年) 第4章 最愛王ルイ15世(1715年~1774年) 第5章 ルイ16世(1774年~1893年) 第6章 最後の王たち おわりに

 小説家の佐藤賢一さんのフランス王朝史シリーズ、カペー朝、ヴァロワ朝に次ぐ第三弾ブルボン朝。これが完結編だそうです。こういう歴史シリーズものは、休暇中に新幹線とか飛行機の中とかで読みたいです。ワクワクしますよね。お盆の帰省中とかに読んでみてはいかがでしょうか?

 

6. ヘンリー五世 万人に愛された王か、冷酷な侵略者か

石原孝哉著 明石書店(2019年5月31日発売)

ヘンリー五世―万人に愛された王か、冷酷な侵略者か (世界歴史叢書)

ヘンリー五世―万人に愛された王か、冷酷な侵略者か (世界歴史叢書)

 

戦争で仏から領土を奪還した英雄として今も英国で人気の高いヘンリー五世。だが、そのイメージはシェイクスピアの作品によって作られたものではないか。中世の歴史劇がその後の英国の歴史観に与えた影響の大きさを、仏側の史料も駆使して明らかにする労作。

 ぼくもヘンリー5世というと、騎士道華やかなる時代のイングランドでフランスと戦争に散った騎士の鏡みたいなイメージがあります。百年戦争って人気があって劇や小説とかになりまくって理想化されてる部分があるので、客観的な資料から読み解いていく試みは必要ですし、興味あります。

 

7.  覇権の世界史 陸のモンゴル・海のイギリス・空のアメリカ

宮崎正勝著 河出書房新社(2019年6月20日発売)

覇権の世界史: 陸のモンゴル・海のイギリス・空のアメリカ

覇権の世界史: 陸のモンゴル・海のイギリス・空のアメリカ

 

世界の覇権は「陸」のモンゴル帝国から「海」のイギリス帝国へ、そして「空」の領域を支配するアメリカへと移っている。覇権の構造とその転換がどのように起こってきたかを明らかにする書!

 覇権の構造を明らかにする、とは結構大胆な取り組みですね。陸、海、空ときたら、そりゃサイバー空間かじゃないんでしょうか、と思うんですが、本書はそこをどのように捉えているんでしょうか。歴史的な普遍性からそこが明らかになったら画期的ですよね。 

 

8. ソグド商人の歴史

エチエンヌ・ドゥ・ラ・ヴェシエール著,影山悦子訳 岩波書店(2019年2月6日発売)

ソグド商人の歴史

ソグド商人の歴史

  • 作者: エチエンヌドゥ・ラ・ヴェシエール,´Etienne de la Vaissi`ere,影山悦子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

中央アジアを中心に活動を展開していたソグド商人.紀元前1世紀頃に始まった「シルクロード交易」の歴史的実態とは? 中国・インド方面での交易,ソグディアナ本土での市場拡大,東西ステップ地域・イスラーム圏内における活動を,最終段階の紀元後10世紀まで,史料を元に綿密にたどる.世界的研究者による基本書.

歴ログでもソグド商人は取り上げたことあるんですが、彼らが中国史と中央アジア史で果たしてきた役割は、強調しすぎてもしきれないです。いまはソグド人という人種は周辺民族に飲み込まれて姿を消してしまいましたが、アジアの中でその鼓動はずっと生き続けると思います。 

 

9. 海洋貿易とイギリス革命 新興貿易商人の宗教と自由

大西 晴樹著 法政大学出版局(2019年3月7日発売)

海洋貿易とイギリス革命: 新興貿易商人の宗教と自由

海洋貿易とイギリス革命: 新興貿易商人の宗教と自由

 

ピューリタン革命、名誉革命を通じて新興貿易商人が主張した交易の自由は、非国教徒が主張した信教の自由の論理と重なり、アイルランドや西インド諸島まで含めたブリテン帝国の形成に貢献した。パティキュラー・バプテスト派の商人ウィリアム・キッフィンの活動をつうじて、ロックの「労働に基づく所有」論にいたる17世紀イギリス思想の変遷を考察する。

 ここら辺からちらほらマニアックな書籍が入り込んできます。この本はイギリス思想史なんですが、大英帝国の成立にどのようにアウトローたちが貢献したかという観点に注目されています。いろいろ学びがありそうです。

 

10. 大戦略論

ジョン・ルイス・ギャディス著, 村井章子訳 早川書房(2018年11月20日発売)

大戦略論

大戦略論

 

イェール大学の伝説の講座から生まれた戦略論の新古典

名門イェール大学で10年以上人気を博する
「ブレイディ=ジョンソン・グランド・ストラテジー(大戦略)プログラム」。
その創設者のひとりであり、同講座を主導してきた米ソ冷戦史の泰斗が、
米海軍大学校で講じた「戦略と政策」の内容も踏まえ、
大戦略の精髄を1冊に凝縮したのが本書である。

紀元前5世紀のペルシャ戦争から第二次世界大戦までを対象に、
孫子、マキアヴェリ、クラウゼヴィッツの3大家をはじめ、
トゥキュディデスからリンカーンまで古今の戦略家・思想家を数多く取り上げ、
戦略思考の本質を浮き彫りにする。乱世の羅針盤となる必読書。

 これは歴史の本というより戦略思考の本なのですが、なんというか、ビジネスの現場が求める歴史知識や教養って、つまりこういうことなんですよね。とはいえ、冷戦史の世界的権威のジョン・ルイス・ギャディス氏の著作ということで、相当に面白そうな本ではあります。 

 

11. ヴェルサイユ宮殿 影の主役たち 世界一華麗な王宮を支えた人々

ジャック・ルヴロン著, ダコスタ吉村花子訳 河出書房新社(2019年4月11日発売)

ヴェルサイユ宮殿 影の主役たち: 世界一華麗な王宮を支えた人々

ヴェルサイユ宮殿 影の主役たち: 世界一華麗な王宮を支えた人々

 

フランスで50年を超えるロングセラー! 彼らがいたからこそ、ヴェルサイユは世界一華麗な王宮であり続けることができた。宮殿の使用人たちの眼を通して知るフランス王室絶頂期の舞台裏。

ヴェルサイユ宮殿の使用人列伝とか、面白くないわけないでしょう。

 目次がここから見れますが、個人的に見たい章はこれ。


2 国王付き筆頭主治医ダカンの目も眩むような出世と失墜
4 水の魔術師フランシーヌ一族
5 ヴォルテールの女友達リュペルモンド夫人
7 王室主馬頭ブリオンヌ夫人
10 贖罪司祭ソルディーニ神父
11 王室催事担当部長官パピヨン・ド・ラ・フェルテ
12 ヴェルサイユ宮殿の「店」
13 盗人やスリたち
14 偽ラ・モット男爵夫人
16 世にも風変わりなクエットロゴン侯爵夫婦
19 兵士バドゥーの災難とデュ・バリー夫人の宝石

 

いやー、これはほんと面白そう。

 

12. 北朝鮮を知るための55章

石坂浩一編著 明石書店(2019年4月25日発売) 

北朝鮮を知るための55章【第2版】 (エリア・スタディーズ)

北朝鮮を知るための55章【第2版】 (エリア・スタディーズ)

  • 作者: 石坂浩一,大島裕史,太田修,喜多恵美子,布袋敏博,文浩一,門間貴志,山根俊郎
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2019/05/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 米朝首脳会談後、世界が最もその動向に注目している北朝鮮とはいったいどんな国なのか。なせ朝鮮戦争の終結にこだわるのか? 北朝鮮の歴史・政治・経済・社会・文化・外交を、最新の研究と客観的な分析を踏まえ55章に分けて解説する最新の北朝鮮入門書。 

おなじみ、明石書店の55章シリーズの「あの国」の第2版が発売です。

第1版はぼくもざっと目を通したのですが、刻一刻と変わる世界情勢の中で、情報はどんどん古くなっていってるのでしょうね。

 

13. フランス人とは何か 国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス

パトリック・ヴェイユ著 明石書店(2019年6月20日発売) 

フランス人とは何か――国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス

フランス人とは何か――国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス

  • 作者: パトリックヴェイユ,Patrick Weil,宮島喬,大嶋厚,中力えり,村上一基
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: 単行本
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 ――境界をめぐるポリティクス、国籍法の近現代史

生地主義、血統主義、帰化の意味を跡づけ、
〝危機の時代〟におけるユダヤ人の国籍剝奪、
女性・植民地出身者に対する差別や不平等について緻密に検証。
膨大な史料を渉猟し、フランス革命以降の国民/外国人の境界線のゆらぎ、
平等・包摂の現代にいたる道程を実証的見地から描き出した圧巻の書。

フランソワ・フュレ賞(2002年)など受賞の栄に輝く労作!

 「フランス人とは何か」。またこれは重たいテーマですね。

まずフランスとは何か、というところから答えが絶対でないのに、さらにフランス人とは誰か、という問いに答えようとするのは気が遠くなる作業です。それがゆえ求められているのでしょうが。今の時代、本書がフランスでとても読まれるのは理解できます。

 

14. トルコ共和国 国民の創成とその変容

小笠原弘幸編 九州大学出版(2019年3月19日発売)

トルコ共和国 国民の創成とその変容 ── アタテュルクとエルドアンのはざまで ──

トルコ共和国 国民の創成とその変容 ── アタテュルクとエルドアンのはざまで ──

  • 作者: 小笠原弘幸,穐山祐子,今井宏平,上野愛実,沖祐太郎,柿?正樹,川本智史,田中英資,濱崎友絵,山尾大
  • 出版社/メーカー: 九州大学出版会
  • 発売日: 2019/03/19
  • メディア: 単行本
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第一次世界大戦の敗北によって多民族・多宗教国家であるオスマン帝国が崩壊したのち、建国の父アタテュルク(1880/1~1938年)を指導者とする独立運動を経て、1923年にトルコ共和国は誕生した。トルコ民族主義と世俗主義を国是として出発したこの国は、まもなく建国100周年を迎えようとしている。国父アタテュルクによって、新しく生まれたこの国の「かたち」は、いかに形作られたのか。そして、親イスラム政策をとる現大統領エルドアンによって、それはどのように変わろうとしているのか。

本書は、国民史や言語改革を通じた国民の創成プロセス、上からの国民形成に対するトルコの民衆の抵抗やネゴシエーション、国民国家を形作る国境の成り立ちとその揺らぎなどに焦点を当て、トルコ共和国が歩んできた一世紀を実証的に描き出す試みである。歴史的背景から最新のトルコ情勢まで視野に入れた、気鋭の若手研究者による論集。

 オスマン帝国からトルコ共和国への移行プロセスも、関連記事含めて歴ログで何回か取り上げましたが、そう簡単じゃなく、血で血を洗う戦いを経ています。アタチュルクが命に変えて作り上げたトルコ国家とトルコ人も極めて危ういコンテクストの上に乗っており、歴史的なイランやクルドとの関係も相まって、気をぬくと今のエルドアン政権のようなイスラム回帰の流れに簡単に向かってしまいます。この地域はいつまでたっても目を外せません。


15. 都市から学ぶアジア経済史

古田 和子 編著 慶應義塾大学出版会(2019年5月30日発売)

都市から学ぶアジア経済史 (東アジア研究所講座)

都市から学ぶアジア経済史 (東アジア研究所講座)

 

 慶應義塾大学で行われたオムニバス講義の書籍化。アジア各地の都市を切り口に、16~21世紀にかけてのアジア経済の歴史を描き出す。香港、シンガポール、深圳といった中心的な都市だけでなく、プネー、台南といった一見周縁とみられる都市にも注目し、その都市がその時代に経済史的にどのような意味を持つ存在だったかを明らかにすることで、アジア経済の重要な一断面が学べる仕掛けとなっている。

 経済観点から眺める都市の歴史は、論文ではそれなりに見るんですけど、まとまった書籍になっているのはあまり数が多くない印象です。16世紀だから、海禁政策終了後以降からの歴史ってことですかね。たのしみです。

 

16. 帝国後のインド 近世的発展のなかの植民地化

小川道大著 名古屋大学出版会(2019年2月28日発売)

帝国後のインド―近世的発展のなかの植民地化―

帝国後のインド―近世的発展のなかの植民地化―

 

インドはなぜ英領となったのか。ムガル帝国の衰退と後継国家の群雄割拠のもと生じた在地の大変動をとらえ、中間層権力をめぐる状況の変遷から植民地化の起源を解明、イギリス統治政策の浸透過程を丹念にたどるとともに、近代インドを近世史の発展との連続性のなかに位置づける。

イギリスのインド植民地のプロセスって結構ざっくりしか理解してない感じです。ムガル帝国とヒンドゥー諸侯、南インド諸王国の歩みの過程の中でのイギリスの進出と政策、その結果としての植民地化、というプロセスはやはり押さえておきたいです。

こちらから目次が見れます。

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17. キリスト教と寛容  中近世の日本とヨーロッパ

浅見 雅一編,野々瀬浩司編 慶應大学出版会(2019年2月28日発売)

キリスト教と寛容:中近世の日本とヨーロッパ

キリスト教と寛容:中近世の日本とヨーロッパ

 

 宗教改革時代、日本とヨーロッパでキリスト教が異端・異教徒・宗教的マイノリティとどのように共存/排斥したか、歴史的に考察。

宗教改革の時代、キリスト教がいかに他宗教や異文化を認識し、ときに宗教的マイノリティを排斥しつつも、融和を図っていったのかを考察する。第一部は「日本における寛容」、第二部は「ヨーロッパにおける寛容」。

 宗教と寛容、というテーマは斬新ですね。普通はいかに権力がマイノリティを追い詰めていって、弾圧される側がどうやって抵抗したか、教えを守り抜いたか、という観点で語られることが多いので。この本で語れる「融和」という言葉も様々な解釈ができるし事情も千差万別な気がしますが、今まで見落としがちだった「気持ち」とか「雰囲気」とかを盛り込んでいたら画期的と思います。

 

18. 世界ディアスポラ列伝1 脱出者・逃亡犯・難民で知るマジャール人の歴史

木村香織(著/文) パブリブ(2019年4月10日発売) 

1848年革命・二重君主国解体とトリアノン条約による領土割譲
世界2番目のソヴィエト政権・日独伊三国同盟加盟・1956年革命
に「破れ」続け、時代の節目ごとに多くの偉大な亡命者を輩出した
61人の亡命者の軌跡で辿る激動のハンガリー史

相変わらず、パブリブさんは絶妙なツボを押す書籍を出版してくださいます。 

 そうなんですよね、19世紀〜20世紀のハンガリーって、めちゃくちゃ亡命者多いんですよ。ポーランドとかチェコとかもそうですけど、ハンガリーの近現代史は本当に可哀想。いっつも貧乏くじ引いているというか…。

この本は書店で立ち読みをしましたが(買ってません、すいません…)、近現代ハンガリー史はもちろん世界史全体の流れに沿って分かるようになっていました。

 

19. 中国戦線従軍記 歴史家の体験した戦場

藤原彰  岩波書店(7月17日発売)

中国戦線従軍記: 歴史家の体験した戦場 (岩波現代文庫)

中国戦線従軍記: 歴史家の体験した戦場 (岩波現代文庫)

 

 弱冠一九歳で陸軍少尉に任官し,敗戦までの四年間,小隊長,中隊長として最前線で指揮をとった経験をベースに戦後の戦争史研究を牽引した著者が,その人生を閉じる直前にまとめた「従軍記」.歴史家の透徹した目を通して日本軍のありさまと兵士・将官たちの日常を描き出した本書は,優れた兵士論・戦場論でもある.解説=吉田裕.

藤原彰氏は、過去に南京大虐殺とか日本軍毒ガス事件使用の証言でけっこう議論を起こされた方なので、 少し気をつけてみないといけないのかもしれませんが、これは経験に基づいた従軍記で、一般の方の証言をまとめたものは数多くありますが、実際に従軍した歴史家が記した従軍記なので、とても期待できます。

 

20. 満鉄経営史 株式会社としての覚醒

平山勉著 名古屋大学出版会(2019年4月15日発売)

満鉄経営史―株式会社としての覚醒―

満鉄経営史―株式会社としての覚醒―

 

 満州経営の全方位的担い手とみなされた巨大植民地企業が、国策会社化の挫折と満州国成立後の解体的再編をへて、鉄道を主軸とした市場志向の企業として覚醒する姿を、株式市場への対応からとらえ、終戦まで異例の高収益企業であり続けたメカニズムを解明、日本帝国主義の先兵とする満鉄理解を大きく書き換える。

満州鉄道の経営史ですか!これは超おもしろそう。

市場志向の企業といっても今の企業とは全然違って企業自体がひとつの市や町のような時代。いまの経営のヒントというか、戦前日本の問題点と戦後日本の諸問題の伏線を見つけるという感覚でみたほうがいいかもしれません。

こちらから目次が見れます。

  

21. 原典 中世ヨーロッパ東方記

高田英樹編訳 名古屋大学出版会(2019年2月8日発売)

原典 中世ヨーロッパ東方記

原典 中世ヨーロッパ東方記

 

モンゴル帝国の侵攻はヨーロッパを震撼させ、その世界像に転換を迫った。当時、東方に派遣された修道士や商人たちは何を見、どのように記録したのか。ルブルクやマルコ・ポーロ、ハイトンらの旅行記から、書簡、教会壁画、世界地図まで全15編を原典から翻訳集成し、ヨーロッパによるアジア認識の展開をたどる。

ヨーロッパ人がモンゴル人をどう見ていたか、そのイメージの変遷って面白いんです。以前歴ログに書きましたが、モンゴルの宮廷にはネストリウス派キリスト教徒の司祭がいたので、この話を聞いたフランス王ルイ9世は歓喜して、大ハーンにカトリックに帰依するよう求める書簡を出しますが、モンゴル側が意図を全く理解できなかった、という逸話もあります。こちらから目次が見れます。

 

22. スターリン時代 元ソヴィエト諜報機関長の記録

ウォルター・G・クリヴィツキー著, 根岸隆夫訳 みすず出版(2019年5月16日)

スターリン時代【第2版・新装版】――元ソヴィエト諜報機関長の記録

スターリン時代【第2版・新装版】――元ソヴィエト諜報機関長の記録

 

1941年2月、クリヴィツキーはワシントンのホテルで謎の死を遂げた。1930年代に西ヨーロッパ各地で活動していたソ連の多数のスパイを束ねる諜報機関の長だった。彼が遺した一冊の本がこの回想録である。
ここにはヒトラーのドイツや、内戦のスペインに対してスターリンがとった政策と権謀術数が、ソヴィエト体制内部の現場から証言されている。また稀有な規模に拡大した粛清とその裁判の実態、そこで犠牲となった古参ボリシェヴィキ、赤軍の将軍たちの最期が戦慄をもって描かれている。
1939年の刊行後、本書は一時その信憑性を疑われ、著者の実在も否定されていた。しかし今では、スターリンに対する最初の告発書のひとつとして、また現代史の第一級のドキュメントとして評価が定まり、1991年には遂にロシア語版が日の目を見た。半世紀をかけて、クリヴィツキーを欧米各地に追い求めてきた訳者による解説がその経緯を物語るだろう。

「ヒトラーのドイツや、内戦のスペインに対してスターリンがとった政策と権謀術数が、ソヴィエト体制内部の現場から証言されている」ってこれ気になりすぎます。

作者のクリヴィツキーはソ連の西ヨーロッパの諜報活動を束ねる人物でしたがフランス、次いでアメリカに亡命し、そこで不審死しました。スターリンの手によって暗殺された可能性があります。

 

23. 全ロック史

西崎憲著 人文書院(2019年2月28日発売)

全ロック史

全ロック史

 

ロックミュージックはいかなる手段で、誰に抗い、何を訴えつづけてきたのか。一体なんのために。スコッツーアイリッシュのアパラチア山脈への移住からはじまる巨大なるサーガ、ついに誕生。

 説明はめちゃシンプルですが、こちらの目次を見たら相当中身は濃そうです。

サーガ、とある通り、ロックという目に見えない一つの巨大な塊がどう進化してきたか。その根底にあるものと変わらないもの、変わっていくもの、受け継がれていくものとは?そんな壮大なスケールの物語で、作者のアツさが伝わってきます。

 

24. 朝鮮文化史 歴史の幕あけから現代まで

キース・プラット著,宋恵媛訳 人文書院(2018年12月31日発売)

朝鮮文化史: 歴史の幕あけから現代まで

朝鮮文化史: 歴史の幕あけから現代まで

 

朝鮮半島の文化を通史で辿る、英語圏で初めての試みとなる本書。その伝統のナショナルな特性を、英国の泰斗が歴史的出来事との関わりを軸に詳しく紹介。公正性を目ざす冷徹さと異文化の尊重を基底とする温かさを備えた筆致でとらえる、独自なる文化の全体像。

「本書の目的は、進歩しゆく一国の歴史において、文化が政治、経済、社会制度とどのように結びついているかを示すことである。朝鮮におけるこの相互作用は、早くも国家形成の最初期である紀元前一〇〇〇年代後半にすでに確認できる。それは、中華帝国の文化圏内での曖昧な地位に甘んじた長い期間を通して、朝鮮人、とりわけ支配階級の人々に多大な影響を与えた。二〇世紀の日本の植民地時代における生存闘争においては、朝鮮人らしさを守り、形成することは不可欠だった。」

朝鮮の文化史の本ということですが、政治・経済・社会の歴史、ひいては周辺各国との外交や経済関係にも「文化」は関わってくるので、かなり広いフィールドで朝鮮史を語る本であるようです。作者のダラット・キース氏は東アジアの文化・芸術分野においてイギリスで有名な研究者だそうです。帯の「朝鮮性(コリアンネス)とはなにか」ってのが興味をそそられます。こちらから目次が見れます。

 

25. 彩色写真で見る世界の歴史

ダン・ジョーンズ,マリナ・アマラル著,堤理華訳 原書房(2019年4月23日)

彩色写真で見る世界の歴史

彩色写真で見る世界の歴史

 

1839年に発明された写真は最初の100年間は白黒だった。記録として足らなかった白黒写真の「色」を、地道な研究調査と現代の技術で蘇らせる。歴史的瞬間や日常生活がカラーになることで、過去が生き生きとたちのぼってくる。

 この本は普段は本棚の中にしまっておいて、土曜の深夜2時くらいに取り出して、ウィスキーとか飲みながらパラパラみたいです。なんというか、精神に余裕がある時に読みたい。サンプルがこちらから見れます。

 

26. マリー・アントワネットは何を食べていたのか ヴェルサイユの食卓と生活

ピエール=イヴ・ボルペール著, ダコスタ吉村花子 訳 原書房(2019年6月11日)

マリー・アントワネットは何を食べていたのか

マリー・アントワネットは何を食べていたのか

 

ヴェルサイユに輿入れしたマリー=アントワネットが、宮殿の食にカルチャーショックを受けた若き日から、幽閉生活の食事情まで。18世紀後半のフランス宮廷の食にまつわる文化を広く知ることができる歴史書。図版入り。

 なんでみんなマリー・アントワネットがそんなに好きなんでしょうね?

 個人的には、この女性の内面を深く研究してもさほど面白い事象が発見できないんじゃないかと思ってしまいます。ハリウッド女優や女優さんのようなセレブリティのような感じで、人間的な悩みや苦悩、愛、悲しみを見つけて共感するには格好の人物なのかもしれません。マリー・アントワネットが何を食っていたかはぼくは全く興味ないんですが、18世紀後半の円熟しきったフランス宮廷の食文化はかなり興味があります。

 

27. 図説 世界史を変えた数学 発見とブレイクスルーの歴史

ロバート・スネデン著, 上原ゆうこ訳 原書房(2019年5月28日発売)

図説 世界史を変えた数学:発見とブレイクスルーの歴史

図説 世界史を変えた数学:発見とブレイクスルーの歴史

 

 「ゼロ」、「確率」、「無限大」、「ゲーム理論」、「カオス理論」など全20章で、数学の根幹をなす理論から、われわれの暮らしに関わりの深いテーマまで、画期的な理論や大発見を関連図版とともにわかりやすく説明する。

これは歴史<<数学の本なのですが、この発明によってどう生活や技術が変わったか、が書かれています。文系・理系の両方とも楽しめる本で、いいですね。

数学が苦手なぼくはぜひ読んでおきたいです。 

 

28. とてつもない失敗の世界史

トム・フィリップス著,禰宜田亜希訳 河出書房新社(2019年6月19日発売) 

とてつもない失敗の世界史

とてつもない失敗の世界史

 

 あなたは失敗でくよくよ悩んでいないか? 本書は人類の草創期に木から落ちた猿人から始まり、国ごと滅ぼし、環境を壊滅、生物を弄んだ、数々のメガトン級の失敗を紹介する歴史本。 

この本のタイトル、なんか歴ログっぽいです。同じにおいがします。

内容も面白そうですが、訳者のあとがきに

とにかく面白い本である。心理学、歴史学、人類学、考古学、科学など、多岐にわたる分野の学術的な流行や思考方法をなにげなく絶妙に混ぜ込んだ内容もさることながら、本書の最大の魅力は、できる限り正確に本書を記そうとする生真面目さに、ときおり皮肉とナンセンスと風変わりなユーモアを交える著者の書きっぷりである。

こうあって、知的好奇心を満足させつつ、素直にエンタメ本として楽しめそうです。 

 

29. 大英帝国は大食らい イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界各地の食事をつくりあげたか 

リジー・コリンガム著,松本裕訳 河出書房新社(2019年3月26日)

大英帝国は大食らい: イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界各地の食事をつくりあげたか

大英帝国は大食らい: イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界各地の食事をつくりあげたか

 

16世紀から徐々に力を蓄え、パックス・ブリタニカを築いたイギリス帝国、そのグローバルな活動の全貌を《料理》から読み解く!地形を変え、農業システムを変え、旧世界と新世界との間で穀物の交換ができるようにし、その過程で自分たちだけでなく他の人々の試行をも変えてしまう。

こうした発展によって編まれた食料の網は人間が住む五大陸すべてをつなぐ真にグローバルなシステムをつくりあげ、地球上の最も孤立した最果ての地さえも引き入れていく――。

本書では、帝国の複雑に入り組んだ相互依存の仕組みと、近代世界の食習慣をかたちづくるうえで帝国が果たした役割を明らかにしていく。

ああ、これは。この本は絶対欲しいです。イギリスはメシマズ、と言われてますけど、世界各地の料理を取り入れることには貪欲な国民性ですし、イギリスの料理は世界各地の食文化にも大きな影響を与えています。日本でいうと、カレーが日本に根付いたのはイギリスの影響です。これは大英帝国が政治的・経済的・軍事的に覇権を握るそのシステムの副産物でもあり、かつ原動力でもあったわけです。

 

30. ヨーロッパワイン文化史 銘醸地フランスの歴史を中心に

野村啓介著 東北大学出版会(2019年3月31日発売) 

ヨーロッパワイン文化史: 銘醸地フランスの歴史を中心に

ヨーロッパワイン文化史: 銘醸地フランスの歴史を中心に

 

「ワインという飲料を切り口に、ヨーロッパ文化の諸相を歴史学的に考察し、またそのような作業をつうじて歴史的考察力を養うことが可能になるのではないか」(「はじめに」より)。この観点から、本書は古代から現代にいたる欧州史をワインを軸に駆けめぐり、歴史的背景をおさえながらヨーロッパ文化の真髄ともいえるワイン文化のダイナミックな展開に迫るユニークな歴史の書である。初学者の理解に資する工夫が凝らされつつも、最新の研究成果に裏づけられた解説も要所に散りばめられる。ワイン愛好家のみならず、欧州史学徒にとっても必読の書である。

これ、ぼくが歴ログでやろうと思って半分諦めていたやつです。そうなんですよ、ワインの生産からは政治史が関連しますし、流通からは経済史が関連しますし、ちょっとした逸話やエピソードからあまり表面には出てこない当時の人の思いとか息づかいのようなのが見えたりするんです。これを書かれた野村先生、ワインお好きなんでしょうね。自分が好きな事柄を追求して仕事にしてしまうのは素敵です。

 

31. 食の図書館 テキーラの歴史

イアン・ウィリアムズ著, 伊藤はるみ訳 原書房(2019年6月20日発売)

テキーラの歴史 (「食」の図書館)

テキーラの歴史 (「食」の図書館)

 

メキシコの蒸留酒として知られるテキーラは、いつ頃どんな人々によって生みだされ、どのように発展してきたのか。神話、伝説の時代からスペイン植民地時代を経て現代にいたるまでの興味深い歴史。カクテル他のレシピ付。

テキーラの歴史なんて全然知らないです。リュウゼツランから作られてて、アステカ時代から飲まれてきていた、ということくらいしか知らないです。

今や世界中のバーに置いてありますが、どういう経緯で広まったかとても気になります。

 

32. 飲食朝鮮 帝国の中の「食」経済史

林采成著 名古屋大学出版会(2019年2月8日)

飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史―

飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史―

 

牛肉、明太子、ビールなど、帝国による「食」の再編は日韓の食文化を大きく変えた。収奪論をこえて、帝国のフードシステムの歴史的意義をはじめてトータルに解明、生産・流通から植民地住民の身体に与えた影響まで、帝国の統治にはたした「食」の決定的な役割を浮かび上がらせる。

日本帝国支配下の朝鮮の食の歴史ということです。これまた興味深そうです。

パッと思いつくものだと、明太子、冷麺、焼肉など朝鮮半島から日本に渡った料理もあるし、いなり寿司、海苔巻きなど日本から伝わったものもあります。帝国のシステムからどう食が普及し文化として普及していったかという観点は興味深いです。こちらから目次が見れます。

 

33. 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

桑木野幸司著, 講談社選書メチエ(2018年12月12日発売) 

記憶術全史 ムネモシュネの饗宴 (講談社選書メチエ)

記憶術全史 ムネモシュネの饗宴 (講談社選書メチエ)

 

スマホをアップデートしたら、画面がガラッと変わって、お目当てのアプリや写真がどこにあるのか分からなくなった……そんな経験を思い出せば、「記憶」は「場所」と結びついていることが分かる。この特性を利用して膨大な記憶を整理・利用できるようにする技法が、かつてヨーロッパに存在した。古代ギリシアで生まれ、中世を経て、ルネサンスで隆盛を極めた記憶術の歴史を一望する書。最先端で活躍する気鋭の著者による決定版!

 記憶術の歴史とか、超絶マニアックですね。いまやスマホやクラウドの普及で、脳みその一部を電子化しているようなものなので、記憶術が今後どれほど有効かってのはありますが。ちょっと前までは、どこの会社にもどの棚にどんな資料があるかというのを事細かに記憶してる社員がいて、その人が棚の場所を記憶して全部整理していたものです。これこそまさに記憶術ですよね。

 

34. 黒の服飾史

徳井淑子著 河出書房新社(2019年5月22日発売)

黒の服飾史

黒の服飾史

 

 最もお洒落で、最も無難かつ万能。誰もが一度は着たことがある「黒い色の服」が秘めた長い歴史と豊潤なイメージを、僧服からココ・シャネルまで、ヨーロッパ精神史の変容とともに描き出す。

 これまたヤバ面白そうです。確かにヨーロッパの王族・貴族の肖像画見てたら黒の服来てる人が多いですが、どういう意味かなんてことまでは考えたことなかったです。

 時代によって、着る人の立場や職種によって、いつ着るかによって意味が変わってきそうです。

 

35. 20世紀ロシア文化全史 政治と芸術の十字路で

ソロモン・ヴォルコフ著,今村朗訳 河出書房新社(2019年4月26日発売)

20世紀ロシア文化全史: 政治と芸術の十字路で

20世紀ロシア文化全史: 政治と芸術の十字路で

 

トルストイからソルジェニーツィンまで、文学、音楽、美術、演劇、映画、バレエの綺羅星のようなスター芸術家の肖像を、時の権力者との関係をふまえて物語性豊かに描いた初の通史。

戦争、革命、テロル、雪解け、崩壊……政治と芸術の相互関係を描く波瀾万丈の真実の物語!!!
トルストイ、チェーホフ、ゴーリキー、ブルガーコフ、マヤコフスキー、ショスタコーヴィチ、ソルジェニーツィン……。20世紀ロシア芸術のオールスターが登場する絢爛豪華な逸話の数々。

驚くべき芸術的感性と膨大な情報量に織り上げられた〈ロシア悲劇〉のタペストリー。21世紀の〈心ある知性=グローバル教養人〉に贈る最高の書。すばらしいの一言に尽きる
──亀山郁夫

本書では、血なまぐさい惨事に満ち、恐怖に侵された歴史を陰鬱な背景として、20世紀ロシア芸術のオールスターが勢ぞろいし、豪華絢爛な舞台を繰り広げる。作家、詩人、画家、音楽家、演劇人、映画監督から、バレエ・ダンサーにいたるまでが、これでもか、これでもかと次々に登場する様は、まさに壮観というしかない。──沼野充義(本書「解説」より)

 なんかすごい解説文ですね。淀川長治さんの映画の前解説を聞いてるみたい。

20世紀ロシア芸術オールスター勢揃いだそうで、読むだけで圧倒されそうです。

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まとめ

暑くなって体の調節も大変でくたびれがちな季節ですが、夏休みに読む本をボチボチ探してみるのはいかがでしょうか。

読む時間ないわって人も、思いついた時に買っといて積ん読しとくのもいいです。買っとかないと忘れますから。忘れたら貴重な教養を得る機会を失うわけなので、もったいないです。ぼくも積ん読本は常に50冊くらいはあります。

電子書籍もいいですしぼくもかなり電子書籍買いますけど、物理的に置いておくと「いつか読まないと」という気になるのでいいですよ。積ん読やりましょう。そして本を読みましょう。

 

過去の新刊まとめはこちら。

【2019年1月版】世界史関連の新刊35冊まとめ

【2018年9月版】世界史関連の新刊20冊まとめ

【2018年7月版】世界史関連の新刊20冊まとめ 

【2018年5月版】世界史関連の新刊21冊まとめ 

【2018年4月版】世界史関連の新刊30冊まとめ