歴ログ -世界史専門ブログ-

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沈没船が高く売れる!核兵器登場以前の鋼鉄が再利用される理由とは

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核兵器の登場によって決定的に変わった鉄鋼産業

1945年7月16日、アメリカ・ニューメキシコ州で初めて原子爆弾の実験が行われました。

核兵器の登場が政治・軍事面に与えた影響は桁外れに大きなものがありますが、もう一つ、科学面でも地球に「2度と取り返しがつかない」影響を与えました。それまで自然界に存在しなかった数十種類の放射性同位元素が大気中に放出され、それが自然界のみならず工業の分野においても影響を及ぼしたのです。

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サウナの文化史

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人類と蒸し風呂の長い歴史

現代はサウナが大ブームとなっています。

各地にサウナをメインとした温泉施設が作られ人気になっている他、野外サウナやサウナイベントが催されるなど、「かっこいい」文化として認識されているようです。

サウナー(サウナ愛好家のこと)が言うには、サウナの高温と水風呂の低温を繰り返すと、体が「ととのう」という状態になるらしいです(私はよく理解できないのですが)。サウナ通と呼ばれる人が出てきてメディアを賑わせるなど、ブーム真っ盛りといったところです。

現在一般に言う「サウナ」のルーツは北欧にあるのですが、「蒸し風呂」という文化は世界各地に存在し愛されてきました。一国だけでも一冊の本になるテーマですが、世界各地の蒸し風呂文化をざっくりまとめてみたいと思います。

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【マッチョ】19世紀~20世紀初頭に活躍したストロングマン

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19世紀のスーパースターとなったマッチョたち

現在はボディビルがスポーツの一種で人気がある競技となっています。一般人の中にもプロほどではないものの日々体を鍛える人が増えています。

19世紀の時代もマッチョな体を追い求める人々がそこそこいたらしく、そのマッチョぶりでスーパースターとなった男も数多くいます。

今回は19世紀ヨーロッパのストロングマンをリストアップします。

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近代ロシア海軍の誕生−ピョートル一世の軍事戦略−

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ピョートル一世が推進した海洋大国ロシア

大北方戦争とは、バルト海沿岸地域を支配する大国スウェーデンと、反スウェーデンの軍事同盟諸国との戦争です。

反スウェーデン連盟の主力はロシア、デンマーク、ポーランドで、これらの国々はバルト海沿岸のスウェーデン領土の獲得や軍事的脅威の排除を目指して戦いました。

この戦争に敗れたスウェーデンは地域大国の地位から後退します。代わりに、大帝と称されるロシアのピョートル一世が帝国ロシアの礎を固め、北方の大国として君臨する契機となりました。

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自動ドアの歴史

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進化を続ける自動ドアの歴史

よほど古い建物や歴史的建造物でない限り、商業施設や公的施設、法人事務所の入り口には自動ドアが設置されていると思います。

実は自動ドアの歴史は古く、古代ギリシアにまでさかのぼります。何気に利用している自動ドアですが、「扉が自動で開いてほしい」という人間の欲求は古く深いものがあったのです。

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2021年度世界史関連ベストブック10

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今年読んだ本のベスト10を発表します

ぼくは自分の読書本数を数えたことがないので、今年何冊読んだかよく分からないのですが、多分120~130冊くらいになると思います。

その中で「これは面白かったなあ」と印象に残っている作品をランキングにしました。

「世界史関連」と銘打っていますが、世界史以外の本、紀行文や政治学、社会学の本もあります。

6冊は2021年度に発刊になった本ですが、4冊は今年以前の本です。中には古典的な作品もあります。2021年に発売された本のトップ10ではありませんので、ご容赦ください。それではいきます。

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弱小国を大国に育てた「中興の祖」

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危機にあった国を建て直した国王

 偉大なる創業者が立ち上げた国家や組織は、創業時の熱狂が醒めてしばらくすると、内部にはらむ矛盾やシステム的な欠陥が表面化し、集団としての力が弱まっていきます。

 そのまま統率が取れずに内部対立が深まって空中分解してしまう集団もありますが、傑物が出現し内政の立て直しを図り、さらなる高い次元に集団を導いていく場合もあります。今回のテーマは後者です。

 弱小国を大国に育てあげた「中興の祖」をピックアップします。

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ウォッカのロシア史

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ロシアの国と人を支えてきたウォッカの今昔

ロシア人といえば、大酒飲みで特にウォッカが大好きというステレオタイプなイメージがあります。

90年代のテレビニュースに映った赤ら顔のエリツィン大統領や、ハリウッド映画で描かれる飲んだくれロシア人のイメージが強いかもしれません。

ただ、これが間違っているイメージかというと、半分くらいは合ってるのが悲しいところです。いかに健康を害しようとも、ロシア人はウォッカをこよなく愛してきました。ロシアの歴史はウォッカと共にあったと言っても過言ではありません。

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