歴ログ -世界史専門ブログ-

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ロシアのシベリア征服の歴史

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ウラル山脈を越えてわずか60年でオホーツク海に達したロシア

ロシアは御存知の通り世界最大の領土をを持つ国ですが、その大半は広大なシベリアの大地です。シベリアとは具体的には、ウラル山脈以東のことを言います。

こんなところ本当に人が住んでるのかと思うような、森林や荒野、永久凍土。人間が住むには厳しい土地が続きます。しかしこんな大地をロシア人は先住民を征服しながら、わずか60年という短い期間で征服してしまいました。

 派手ではありませんし、その過程は現代の価値観からすると褒められたもんじゃありませんが、この広大な土地をわずかな期間で征服したのは、歴史上の「偉業」と言えなくはないでしょうか。今回はロシアのシベリア征服の歴史です。

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韓国政府が強力なトップダウン型の産業育成を図った理由

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Image by Lakshmix

「漢江の奇跡」を支えた韓国政府の産業育成政策

ここ10年あまりの韓国の社会と国民意識の変化には激しいものがあります。

息詰まる社会と経済の打破のために、朴槿恵政権時代から「大陸側」へ接近し南北統一を目指す文脈が醸成されていましたが、現在の文在寅政権はさらに急進的にそれを推し進め、南北統一によって「民族による自存自衛」を掲げ、広い支持を集めています。

もとより韓国では反米感情は根強くあったのですが、それよりも反北朝鮮感情のほうが強かったので西側諸国に留まっていましたが、北との和解ムードの高まりの中で「自立強国」「東アジアのバランサー」国家を目指すようになっています。

その背景には、韓国が急速な経済発展を果たし国際的なプレゼンスが高まり、アメリカや中国、日本といった周辺の大国と台頭な関係になった、という自負があるからなのですが、一方でこれまで世襲政治家や資本家が牛耳ってきた富や権力を民衆に奪い返そうという「民主化運動」があります。

現在の韓国社会で「敵対視」されがちな、かつての韓国政府の経済政策の方針について、梁義模氏の論文を元にして紹介します。

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伝説的インド人クリケット選手と「英国スゴイ神話」

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イギリス人に愛されたインド人選手、クマール・シュリ・ランジットシン

インドはクリケットの強豪国で、2019年現在、イングランドに次いで世界ランキング2位です。

インドではクリケット・ワールドカップは大変な盛り上がりで、みんなテレビにかじりつき、インド代表の試合中はあらゆる街の機能がストップするそうです。インド代表がライバルのパキスタン代表に敗れると、怒りのあまりテレビをぶっ壊す奴が全土で続出するため、試合後はテレビ需要が高まるという嘘みたいな話もあります。

さて、そんなクリケット狂インド人のクリケットの先駆者的な存在が、20世紀初頭にイングランドで活躍したクマール・シュリ・ランジットシンです。彼は初めてイングランドの代表になり、イギリス人のチームメイトのみならず、ファンからも大変愛された男です。

ランジットシンの生涯からは、当時のイギリス人のインド人観、そしてエリートインド人にとって大英帝国とはどんな存在だったかが見えてきます。

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トイレの中で死んだ歴史上の偉人たち

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安心できる場所であり危険な場所でもあるトイレ

越後の龍こと上杉謙信が春日山城の厠で倒れ、そのまま息を引き取ったことは有名な話です。トイレは部屋よりも温度が低く気温差によって発作を起こしやすいし、1人になるので発見も遅れるためか、現代でもトイレで死亡する人は多いです。まして温便座などない昔のこと。火鉢で火を起こすくらいはやったかもしれませんが、死亡者は多かったはずです。

加えて、トイレでは1人になる上にあまり身軽に動けない場所なので、暗殺するには絶好のタイミングだったはずです。

今回は「そうだったという説もある」というのも含めて、トイレで死んだとされる偉人たちを紹介します。

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近現代ラテン・アメリカの国家間戦争(後編)

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アメリカの影が濃い20世紀のラテン・アメリカの戦争 

 近現代のラテン・アメリカの国家間戦争のまとめの後編です。
19世紀の戦争は、スペインとポルトガルの植民地時代に種がまかれたものが独立後にも受け継がれ、時の有力者や党の争いと混じって先鋭化し衝突に至ったケースが目立ちます。前編はこちら
今回は主に20世紀の戦争をまとめていきます。

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近現代ラテン・アメリカの国家間戦争(前編)

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南アメリカ大陸でこれまで起こってきた戦争をまとめてみます

歴史の授業ではあまり習いませんが、ラテン・アメリカ諸国は結構国家間でドンパチやってます。

スペインとポルトガルから独立した直後もそうですが、南米諸国同士の領土争いもずっと激しかったし、20世紀は後半に入ってからも戦争がありました。特に南米を自分の裏庭とするアメリカ合衆国の軍事介入や、植民地時代の残滓の回復しようという動きから戦争が起きたりしています。

 今回は前後編で、19世紀〜20世紀のラテン・アメリカの国家間戦争をまとめてみます。

内戦を含めるともっと多いのですが、あくまで「国家間」の戦争のみに絞っています。

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ペルシャ湾岸諸国の領土問題

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 意外と根深くややこしい湾岸諸国の領土問題

北方領土や竹島、尖閣諸島の問題はいつでもホットイシューであります。これまで多くの努力がなされるも未だに解決の見通しは全く見えていません。領土問題があったほうが両国の為政者にとっていろいろ都合がいいのではなかろうかとすら思います。

 さて、このブログではたびたび世界の領土問題について取り上げています。他国の事例に、領土紛争解決のスタディがあるに違いないと思うからなのですが、今回はペルシャ湾岸諸国の領土問題を取り上げてみたいと思います。

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深夜にじっくり見たい、世界史の「海戦動画」14本

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有名な海戦の動画を見ながら酒を飲もう

以前「深夜にじっくり見たい、世界史の「戦闘経過」の動画20本」という記事を書いて、この時は主に陸上の会戦の経過を説明した動画を紹介しました。
一方で、日本人には海戦ってすごく人気があるんですよね。

日清戦争、日露戦争、太平洋戦争でも大規模な海戦が多くあって、しかも日清・日露は結構痛快な勝ち方をしてるので、関心が高い人が多いのかもしれません。

 ということで今回はYouTubeで世界史の海戦動画を集めてみました。ぜひ、深夜に酒を飲みながらじっくりとご覧ください。

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