歴ログ -世界史専門ブログ-

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チェコスロバキア軍団 - 祖国へ帰るための孤独で長い戦い

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 祖国への帰還を目指してロシアで戦い続けた国なき軍団

チェコスロバキア軍団は第一次世界大戦中の1914年から1917年にかけて、連合軍の一翼として戦ったチェコスロバキア人の軍団です。

オーストリア=ハンガリー帝国軍の兵として参加したものの捕虜になりチェコスロバキア軍団に所属になった者、志願して参加した者などきっかけは様々でしたが、皆祖国の独立を願い結束力と士気が非常に高い部隊でした。

しかし1917年にロシア革命が勃発してロシア・ロマノフ王朝が崩壊。ロシアは赤化しチェコスロバキア軍団はロシア内に取り残されてしまいます。一刻も早いロシア脱出を望む兵たちでしたが、そこから長い赤軍との戦いが始まることになるのです。

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この世のどこかにあると考えられたユートピア伝説

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冒険者たちが夢見たどこかにある理想郷

かつて、この世のどこかには「金銀宝石がザクザクあるお宝の町」や「辺境にあるキリスト者や仏教徒の理想郷」があると信じられていました。

冒険野郎たちはそのような夢のようなお話を信じて船に乗って世界中に繰り出し、大航海時代へ繋がっていきました。

こういった冒険野郎たちのおかげで世界は繋がって今や意志さえあればどこでも行けるようになったのですが、こういう夢のような土地がないことを彼ら自身が証明してしまったのは皮肉なことです。 今回はかつて存在が信じられていた伝説の都市をピックアップします。

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聖母マリアはイエスの死後どこで何をしていたのか

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聖母マリアの「老後の人生」とは

聖母マリアはキリスト教の宗教絵画に頻繁に描かれます。

天使から神の子を授かったとお告げを受ける「受胎告知」、イエスが馬小屋で生まれた「キリストの降誕」、幼いイエスを抱いた「聖母子像」、磔刑で死んだイエスを抱いて嘆き悲しむ「ピエタ」あたりがメジャーどころ。そのほか、妊婦の時や食事のシーンなどさまざまなシーンが描かれています。

聖書の主要キャラクターの一人の印象すらありますが、実際のところマリアはあまり聖書には登場しません。大部分が聖書の記述を元に想像で描いたシーンです。中には「マリアの死」というモチーフの絵画もあります。ベッドに横たわりイエスの弟子たちに囲まれる姿が描かれるのが常ですが、これも想像。聖書にマリアの死は描かれていません。描かれていないのでマリアはイエスが死んだ後どういう人生を送ったか不明ですが、2つの説が存在します。

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マフディーの反乱 - 英国を動揺させたスーダンの大反乱

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現在のスーダン国家の礎となった一大蜂起事件

マフディーの反乱は現在のスーダンで1881年から1889年の間にかけて起こった反乱。

マフディー(救世主)が指導する農民主体の反乱軍は何度もイギリス・エジプト軍を退け、約18年間の間独自の統治を行いました。
 しかし相次ぐ対外戦争で国力は疲弊し、イギリス・エジプト軍の巻き返しもあり崩壊。スーダンはイギリス・エジプトの統治領となります。

 しかしこの時の反乱は現代のスーダン国家の基礎となり、当時の指導者マフディーは現在でも政治指導者として活躍するなど現在に受け継がれています。

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ネクタイの歴史

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なぜここまでネクタイは広がったのか

クールビズが結構浸透してきて、特にかしこまった場ではない普通のビジネスの場ではノーネクタイでもあまり失礼でないという風潮になってきました。やっぱ皆あまりネクタイが好きじゃなかったんだなあと思います。

息苦しいし、つけるの面倒だし、ないにこしたことないんですよね本当。

日本人のネクタイ離れはどんどん進んでいってるわけですが、なぜここまでネクタイが広まったのか、単に「みんなやってるから」以外の理由がある気がします。見た目のかっこよさもあるし、防寒という実用的な面もあるのでは?

ということで今回はネクタイの歴史です。

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ユダヤ教の救世主「メシア」を自称した人たち

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救世主メシアの下に神の国の実現を目指したユダヤ人

 聖書の「詩篇」には、神がダビデ王とその子孫が常にイスラエルを支配することを約束する、とあります。しかしイスラエルの王は紀元前586年にバビロニアによって廃位させられてしまいます。
この矛盾に対し、ユダヤ人たちは「いつか未来にメシアが到来し、神が支配する世界が成立し、神の国イスラエルが再建される」と考えました。
メシアの到来は完全な幸福の時代の幕開けを意味し、メシアは正義を再建し、全ての悪を駆逐する。イスラエル民族の十二支族はイスラエルの地に再会し再統一する。すべての民が精神的にエルサレムを拠り所にし、神に服従する。

 ご存知のようにイスラエルという国は第二次世界大戦後、多分に政治的な決断の結果誕生したのですが、当時は一部のユダヤ教保守派は「メシアが到来していない以上、イスラエルに戻ることはできない」とすら主張したそうです。

 このようにユダヤ民族はメシアの到来を歴史的に待ち望んでおり、数多くの「メシア」自称者が登場してきました。

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【WW2】枢軸国に入る可能性のあった中立国・準枢軸国

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もしかしたら枢軸国の一翼になっていたかもしれない国

第二次世界大戦における枢軸国の主要参加国は、ドイツ、イタリア、日本の三国です。

この他に枢軸国側で参戦した国は、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、クロアチア、フィンランド、タイが挙げられます。その他には傀儡政権がいくつか枢軸国入りしたケースもあります。例えば、ヴィシー・フランス、ギリシャ、アルバニア、ビルマ、ベトナムなどです。

連合国も活発な外交を繰り広げ自陣の国を増やしていたわけですが、枢軸国も様々な外交チャネルや陰謀を駆使して自陣を広げるべく画策していました。

その結果いくつかの国は、何らかの条件が重なれば枢軸国入りをしていた可能性がありましたが、結局中立を保つことになりました。

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アメリカの州旗にまつわるおもしろい話

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 様々な歴史や逸話があるアメリカの州旗

アメリカは「合衆国」なので、日本の都道府県に比べて州が持っている権限ははるかに大きいです。例えば州独自の軍を持っていたりします。

日本の都道府県旗なんて、県庁の庁舎くらいでしか見ないと思いますが、これだけ州独自の権限が強いのであれば思い入れも強いのではないかと想像してしまいます。

アメリカの州旗はそのデザイン性も独特ですし、その成立にまつわるおもしろい話をそれぞれ持っていたりします。

 
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