歴ログ -世界史専門ブログ-

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【世界史】史上最も在位の短い国王TOP10

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 在位期間が歴代もっとも短い国王を発表します

2019年に明仁天皇が譲位なさりました。在位期間は31年です。先代の裕仁天皇は62年の在位期間でした。2022年9月に崩御されたイギリスのエリザベス2世の在位期間は68年でした。

何となく国王の在位期間は最低でも十数年以上は続くような感覚がありますが、歴史上は信じられないほど早く国王の椅子から転げ落ちてしまった人が多くいます。

 今回は歴代の在位期間が短い国王TOP10を紹介します。

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マーガリンを求めて - ナチス・ドイツの南極遠征

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 鯨資源を確保するためのナチス・ドイツの極秘プロジェクト

1945年4月のベルリン市街戦の際、ヒトラーは妻エヴァ・ブラウンと共に自殺しました。遺骸は関係者によって燃やされましたが、その後ソ連軍によって回収され、各所を転々とした後、墓がナチス・シンパの聖地にならないように最終的にエルベ川に遺棄されたそうです。

ですが、「実はヒトラーは自殺せずに生きのびた」という説を信じる人も一部ですが未だにいます。

それによると、Uボートに乗ってドイツから脱出して南米に逃れたとか、南極のドイツ軍秘密基地に隠れたとか、様々に言われており、南極に誰にも知られず存在するナチスの軍事基地を倒すゲームや映画とかまで存在する有様です。

 実際にナチス・ドイツが南極に拠点を作ろうとしたのは事実ですが、それは軍事基地を作るとかいう壮大なものではなく、単に「マーガリン」が欲しかったためでした。

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ウクライナのコサック軍事国家「ヘーチマン国家」の興亡

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17世紀〜18世紀に存在したウクライナの独立国家

ぼくのロシア人の友人でスミノフという男がいるんですが、彼はなぜウクライナがロシアから離れたがっているか理解できないと言っています。

 「だって俺たちは兄弟みたいな国なんだぜ?兄弟だったら一緒にやっていくのが当然だろ?」

これはロシア人の素朴で正直な本音だなと思うのですが、ウクライナ人からすると「兄弟かもしれないが一緒にやっていく義理はない」という感想が出てきそうです。

ロシア人とウクライナ人が現代において「兄弟喧嘩」をするに至った大元の理由、そしてそもそもウクライナ人という民族が作られたのも、今回取り上げる「ヘーチマン国家」にあるようです。

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世界の民族の「創世神話」(欧州・中東・アフリカ篇)

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クリエイティビティ溢れる創世神話の世界

前編に引き続き、世界の民族の創世神話の概要をまとめていきます。

前編では、

  1. アイヌ「天地開闢」
  2. 中国「天地開闢」
  3. 済州島「天地王ボンプリ」
  4. モンゴル「ラマ僧ウダン」伝説
  5. ハワイ「クリムポ」
  6. アボリジニ「太陽の母」伝説
  7. チェロキー族の創造神話
  8. ナバホ族の創造神話
  9. マヤ・キチェー人「ポポルヴフ」

をご紹介しました。前編はこちらからご覧ください。

後半は欧州・中東・アフリカ編いきます。それではどうぞ。 

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世界の民族の「創世神話」(アジア・太平洋・アメリカ篇)

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はじめ世界は混沌のみがあった…

日本の「国生み」の神話は古事記に記述があります。

高天原(たかまのはら)に住む神々は下界に国を作ることにして、イザナギノミコトとイザナミノミコトを派遣した。当時は大地はまだ水に浮いた油のように海水に漂っていた。二人は矛をさして海水をかき回し、矛を持ち上げて落ちた水滴が積もり重なり於能凝呂島(おのごろじま)という島ができあがった。

二人は島に降りたって、はじめに淡路島、つぎに四国、隠岐島、九州、壱岐島、対島、佐渡島をつぎつぎと生み、最後に本州を生んだ。

このような「創世記神話」「国づくり神話」は世界中の民族に存在します。

どのように違うのかそのあらましを比較していこう、というのが今回の記事の趣旨です。

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深夜にじっくり見たい、世界史の「戦闘経過」の動画20本

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じっくり歴代将軍の大戦術を楽しもう

 動画サイトには数多くの歴史関連のコンテンツが上がっていますが、みんな見たいに違いないのが、戦闘経過の解説動画です。

ニコ動にはそれなりにあるんですけど、今回はYouTubeから英語圏の動画を20ピックアップしました。ぜひ帰宅後、寝る前の落ち着いた時間などにドリンク片手にじっくりお楽しみください。

できれば音声付きでご覧いただきたいんですが、状況によって音声を再生できないかもしれないし、再生しても英語なので、日本語の簡単な解説も記載します。

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セパタクローの歴史 - 「セパタクローの発祥国はどこか」の論争

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Photo by Lihat di bawah.

 いま世界的に注目度の高いスポーツを巡る国際論争

 いまセパタクローの注目度が上がっています。

BBCNow Thisなどの国際的なネットニュースで「知られざる東南アジア発の国際スポーツ」のような文脈で取り上げられており、オリンピックの公式種目への取り組みのニュースも報じられています。

日本でもそんなにメジャーなスポーツではありませんが、過去にアジア大会で8度の銅メダルを獲得するなど実はレベルが高いです。「Let’s kick! 」 というセパクローの漫画で知った方もいるかもしれません。

強豪国はやはり東南アジア勢で、タイ、マレーシア、ミャンマー、ベトナムが強いです。一方でこれらの国では「セパクローの本家はどこか」という論争も存在します。

今回は注目の競技セパタクローの歴史です。

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菜食主義の宗教史

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様々な文脈で語られるベジタリアンという生き方

 ここ数年で、ベジタリアンがかなり一般的になってきたように思います。

昔の日本では菜食主義と言えばお坊さんがするものと決まっていましたが、最近では女性を中心にベジタリアンを実践する人がかなり増えています。ぼくの知り合いにも何人かいます。

歴史的にもベジタリアンは数多く存在していましたが、ベジタリアンという生き方を選ぶ理由は様々。健康的に生きるため、動物の命を奪いたくないため、宗教的理由など。

今回は特に、宗教的文脈からいかに菜食主義が語られてきたかという点を見ていきたいと思います。

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