歴ログ -世界史専門ブログ-

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菜食主義の宗教史

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様々な文脈で語られるベジタリアンという生き方

 ここ数年で、ベジタリアンがかなり一般的になってきたように思います。

昔の日本では菜食主義と言えばお坊さんがするものと決まっていましたが、最近では女性を中心にベジタリアンを実践する人がかなり増えています。ぼくの知り合いにも何人かいます。

歴史的にもベジタリアンは数多く存在していましたが、ベジタリアンという生き方を選ぶ理由は様々。健康的に生きるため、動物の命を奪いたくないため、宗教的理由など。

今回は特に、宗教的文脈からいかに菜食主義が語られてきたかという点を見ていきたいと思います。

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【大航海時代】新大陸メキシコに渡った日本人の記録

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様々な形で太平洋を渡った名もなき日本人たち

1639年に徳川家光が鎖国体制を完成させるまでの16世紀から17世紀前半までは、史上類を見ないほど日本人の海外進出が盛んな時期でした。

ベトナムのホイアンやフィリピンのマニラなど東南アジア各地に日本人町を作って商業活動を行う者もいれば、アユタヤの山田長政のように政治・軍事にまで介入する者、また末端では傭兵や奴隷としてポルトガル人やスペイン人の下で働く事例も数多くありました。

中には太平洋を超えて新大陸に渡ったり、大西洋を超えてヨーロッパに渡った事例もあります。

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幽霊が出る噂のある世界史の古戦場跡

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成仏できない兵士の魂が今も彷徨う噂のある古戦場跡

壇ノ浦、桶狭間、長久手、関ヶ原、城山といった日本の歴史に名を刻む古戦場跡は、心霊スポットとしても名が高いそうです。

戦で死んだ人の魂が今も彷徨う、というのがお話として面白いというのもあるかもしれませんが、かつて激戦が起こった古戦場には「人の思い」が強くあり、それが幽霊を見たという伝聞に繋がっているのではないかと思います。

ということで、今回は世界史の戦史に名を刻む古戦場で、今や心霊スポットとしても名高い地をピックアップします。

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中東初のロケット開発「レバノン・ロケット協会」の青春物語

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 宇宙に挑んだレバノンの大学教授と学生の青春物語

 冷戦時代、宇宙開発と言えばアメリカとソ連の2大国が推進したものというイメージが強くありますが、中東の小国レバノンは、1960年代に独自に宇宙技術の開発に着手。

予算も経験もない中で試行錯誤を続け、なんと中東初の大気圏に届くロケットの打ち上げに成功しました。これは隣国イスラエルよりも早いもので、経済規模から考えると驚異的な偉業でした。

 この事実はしばらく忘れられてしまいますが、2013年にドキュメンタリー映画「レバノンロケット協会」が公開され、再び日の目を浴びることになりました。

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【閲覧注意】世界の反社会的音楽のジャンルと代表曲

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Photo by themockstar

ヤバいテーマを歌う世界の音楽ジャンル

今や日本の音楽シーンは、アイドル全盛であります。

アイドルブームの背景にあるのは「共感」が高い価値を持つという考え方で、歌詞を読んで聞いてみんなで納得しあい、同じ共感コミュニティの中に各々所属意識を持つことで、個人の魂が救われるという構図があるように思います。

また音楽には「人の思いをたぎらせ、行動に駆り立てる」というのがあります。そういう点で、実際に行動に移されたら反社会的行為となりうる、結構ヤバめな歌詞を歌い上げる音楽のジャンルも存在します。

今回の記事では、実際の歌詞の訳も掲載していますが、見る人が見たらかなり不快なものなので、お気を付けになってご覧ください。なお、この記事によって特定のイデオロギーを普及させる意図はありません。

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【下克上】奴隷が反乱を起こして打ち立てた「奴隷国家」

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現役の奴隷の蜂起によって成立した「奴隷の天下の国」

世界史の授業の中で「奴隷王朝」という名の王朝を知って興味をかきたてられた人は多いと思います。

マムルーク朝なんかもそうですが、イスラム圏では奴隷身分出身の軍人が力を蓄えて王朝をひっくり返して支配層に君臨することがあります。あくまで奴隷出身ということであって、現役の奴隷というわけではありません。

では、現役の奴隷が蜂起して自分たちの国を作ってしまったことはあったのでしょうか。

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ビール愛好者が作った世界の6つのビール政党

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Photo by Halicki

ビール好きが徒党を組んで選挙に出たらこうなる 

個人的な話ですが、ぼくはビールが好きです。

 コアなビールファンの結束力って凄くあって、「お酒何を飲みますか?」「ビールだけでずっといけますね」と返されたら、その人とはもう数年来の付き合いのような親近感を覚えます。

ビール好きの結束力は昔からあったに違いなく、実際にビール好きが集まって政党を作り、国政に打って出た事例が世界に数多くあります。

ということで、今回は「世界のビール好き政党」のまとめです。

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伝統料理を近代化させた世界の有名シェフ10人

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ローカル料理を近代的な料理に発展させたシェフ 

今や日本では世界中の料理を食べることができるし、世界中の都市で日本の料理を食べることができます。そして現在進行形で料理のフュージョンが発生しており、料理の発展が凄まじい進歩で進んでいます。

そこは情報社会とグローバル化の恩恵ではあるのですが、次に起きるのはおそらくローカル料理の消失で、きっと世界の料理の均質化が起きていくんだろうと思います。

それはもう必然であると思うのですが、一方でオリジナリティに価値が生じてくるに違いなく、いかに伝統とその正当性を維持し続けるかが重要な気がします。

 そこで一つ記憶しておくべきは、料理の発展に重要な役割を果たした人物とその背景であります。ということで、各国料理の発展の歴史中で重要な人物をピックアップしてみます。

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