歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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【抵抗者】マリア・ボチカリョーワ - 祖国のために戦い続けた愛国烈女

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帝国ロシアを愛し、護国のために身を投げ打った女

 マリア・ボチカリョーワ(1889〜1920年)はロシア帝国の女性兵士。

愛国者であったマリアは、帝政末期のロシアで女性のみの戦闘部隊「婦人決死隊」を結成。第一次世界大戦に従軍するも、革命の勃発でアメリカ次いでイギリスに亡命。

ボリシェビキの革命ソ連から国を取り戻すべく、再びロシアに潜入しますが捕まって殺害されました。ロシアを愛し、ロシアとロシア皇帝の敵と戦い続けた人生です。

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米ソが計画した「月面基地建設計画」

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Photo from "Cold War Secret: “Project Horizon” Neatram

 大国の安全保障と意地を賭けた勝者なき戦い

東西冷戦のピークの1960年〜1970年代、アメリカとソ連はそれぞれ月面に軍事基地を建設する計画をぶち上げていました。

 互いに「敵国に月面に基地を作られ、頭上から核で狙われたら大変だ」という恐れと、あとは我が国の宇宙科学技術のほうが敵より優れているという大国の意地の張り合いから出された計画でした。

特にアメリカは本気で月面軍事基地を計画し、そのための予算も計上しますが、結局天文学的な予算と非現実的な技術により計画は頓挫しました。

 今の科学技術ですら相当難しいと思われるのですが、当時はどのような計画が立案されたのでしょうか?

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通勤中に読んで気合いが入る歴史関連本20冊

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本を読んで戦場(会社)に向かう気合いを高めよう

皆さんは通勤電車の中で何をしてますか?

ずっとスマホをいじってゲームをしてる人が最近は多いですね。

通勤って、オフとオンのちょうど中間段階にあるので、徐々にオンモードに切り替えていくためのいい時間です。音楽を聞いて気分を上げるのもひとつありますが、気合いを高めるのに良いのが歴史関連書だと個人的に思います。 

もうすぐ4月ですし、今回は朝からやる気が満ちてくる歴史関連書をピックアップします。

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ローマ帝国に抵抗したケルト族の指導者たち

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 ローマによる侵略からケルトを守るための戦い

現在の「ヨーロッパ」という地域概念の母体は、ご存知の通りローマ帝国にあります。

共和制ローマそして帝政ローマは、ケルト人が住む地域を制圧し、そこに文化的・経済的・社会的な統合をもたらしました。

後に様々に解体され国境は書き換えられ独自の文化が構築されていくものの、かつて統合された過去があるために、ヨーロッパという曖昧だけど何となく輪郭が見える地域として認識されるに至っているのですが、征服される側の先住民ケルト人の抵抗は凄まじいものがありました。

 自分たちの社会が他国に制圧され、システムの一部に組み込まれ、文化や宗教のみならず、連綿と受け継がれた血統が絶やされていくのは我慢がならなかったでしょう。

今回はそんなローマの侵略に抵抗した伝説的なケルトの族長たちをピックアップします。

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魔女裁判で裁かれた男たちの末路

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男もまた魔女の疑いで裁かれることもあった

史上悪名高い魔女裁判では、密告などで数万人の女性が裁かれた挙句殺害されたと考えられています。

「魔女」と言う通り、悪魔に通じる者は女性が多いと考えられていましたが、男性でも逮捕され殺害されることがありました。 

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日本軍による占領がフィリピン社会に与えた根深い問題

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悪い意味で何も変えなかった日本軍のフィリピン占領

太平洋戦争とその影響が語られる時、日本の社会や政治体制、人々の心の面がどう変わったか、あるいは変わっていないか、という面にフォーカスが当たる傾向が多いように思います。

それはそれで大事なのですが、日本がおっぱじめた戦争が、他の国々にどれくらい大きな影響を与えたかという視点で語られることはあまり無いように思います。

 あっても、「アジア解放に多大な貢献した」とか「住民を殺したり強姦しまくった」みたいな物事を単純化した見方ばかりです。

さて、日本軍のフィリピン占領は、実際のところフィリピン社会の土台を揺るがすような変化を何も起こすことはありませんでした。一方で戦後フィリピンの国の選択肢を狭め、国の有り様を決定づける結果になりました。

 

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老いてなお戦場に立った伝説の老将軍(後編)

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老いるまで戦場に生きた生粋の軍人たち

歴史にその名を刻んだ老将軍をまとめています。

前回は古代中国を中心に、以下の人物をピックアップしました。

  • 廉頗(戦国・趙国)
  • 王翦(戦国・秦国)
  • 蒙恬(戦国・秦国)
  • クィントゥス・ファビウス・マクシムス(共和制ローマ)
  • 黄忠(三国・蜀国)
  • アンドレア・ドーリア(ジェノヴァ共和国)
  • クロード・ルイ・エクトル・ド・ヴィラール(フランス)

ご覧になってない方はこちらよりどうぞ。

今回はヨーロッパ史を中心にまとめます。それではどうぞ。 

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老いてなお戦場に立った伝説の老将軍(前編)

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老兵は死なず只消え去るのみ

若き頃から戦場に生き、戦場をまるで我が家のごとく過ごし、老いてもなお第一線に立つ。「老兵」ってすごくカッコよく感じませんか? 

どっしりと腰を構えて軍議を聞く老将軍の姿もカッコイイし、馬に跨がって敵に立ち向かっていく老兵士もカッコイイ。

「老兵は死なず只消え去るのみ」と言ったのはマッカーサーですが、仲間の死を犠牲にして生き残り、戦場ではなく「引退」という形で消えていくという、戦いに生きた無骨な人間の生き様に胸が熱くなります。

今回は前後編で、超有名な世界史の「老将軍」をピックアップしてみたいと思います。 

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