歴ログ -世界史専門ブログ-

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「カンボジア暗黒時代」アンコール王朝崩壊後の歴史

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 タイとベトナムの緩衝国となったカンボジア

カンボジアの歴史と言ってすぐに思いつくのが、「アンコール王朝」と「ポル・ポト」だと思います。

前者はカンボジアの栄光の時代で、後者は悲劇の時代という点で、人々の関心を惹きつけてやみませんが、その他のカンボジアの歴史はあまり日が当らない傾向にあります。

15世紀から19世紀までのクメール王朝は、国家の基盤を農業から交易に移し、豊かな資源を背景に再度国力を広げようとしますが、内乱や分裂で国内がまとまらず、また東から迫るベトナムと西から迫るタイの間に挟まれてしまいます。

今回はカンボジアの「暗黒時代」の歴史のまとめです。

 

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なぜ海賊旗はドクロのデザインなのか

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恐怖と死の象徴「ジョリー・ロジャー」

黒字に骸骨、そして骨と言えば子どもでも「海賊の旗」だと知っています。

見るからに「危険」「近づくな」と言わんばかりのおどろおどろしいデザイン。

転じて、このデザインは「危険物輸送中」とか「付近に地雷あり」のような意味を知らせるサインになったりしています。 

日本では「海賊旗」という身も蓋もない呼び方をされますが、英語だとこのデザインは「ジョリー・ロジャー」という名前で呼ばれます。

このデザインはいつから使われ、なぜ使われ、かつなんでジョリー・ロジャーなのか、というのが今回のテーマです。

 

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後期アユタヤ王朝の歴史

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 歴代タイ王朝の中で最も発展した後期アユタヤ

 アユタヤ王朝は前期と後期に分かれます。

前期は初代ウートーン王の時代から、ビルマによって首都が陥落し傀儡政権の地位に落ちた時代までで、1351年から1593年。

後期は対ビルマ独立戦争を勝利に導いたナレースワン王の時代から、再び宿敵ビルマによって首都アユタヤが破壊されて滅びるまで、1593年から1767年までを指します(前期後期の定義は諸説あり)。

 さて、ナレースワン王から始まる後期アユタヤは、国際貿易によって首都アユタヤは大いに栄え、世界各国の人間が行き交う非常にコスモポリタンな都市でした。当時の日本が鎖国政策によって諸外国に門戸を大きく閉ざしていたのと対照的です。

 

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【クラシック】奇人と言われた作曲家のエピソードと音楽

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 天才・作曲家たちの作った音楽と奇人エピソード

歴史上の芸術家たちの変人っぷりを伝えるエピソードは事欠きません。

そういうのを耳にするたびに、ああ、やっぱりこの人たちは普通の人とは違うんだよなあ、と実感するのですが、ある種社会的通年や常識から自由でないと芸術は作れないのかもしれません。

今回は名だたる作曲家たちのとんでもないエピソードとそれにまつわる音楽を紹介します。

 

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【アル中】酒に酔いながら政治をした世界の政治家

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 政治をしながらも酒が飲めるぞ

ぼくが子どものころ、ロシアの大統領はエリツィンでした。

テレビに映る顔は赤ら顔で、それを見ながら父が「エリツィンはいつもお酒を飲んでるんだよ」と言いました。それを聞いて「酔っぱらいながら政治ができるんだ!」と子どもながらに衝撃を受けたものです。

大人になって酒を飲むようになって、あれはむしろ「酒を飲まないと政治ができなかった」のかもしれないなあと思うようになりました。

今ではすっかり見なくなりましたが、歴史上はそんな酒漬けのまま政治を行ったリーダーたちがたくさんいます。

 

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「スペイン領フィリピン」が世界史にもたらしたもの

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 世界の経済史を決定的に変えた東南アジア〜北米航路

東南アジア史はどういうわけか、日本ではあまり人気がない分野です。

日本史との接点も少なくないし、世界史に与えた影響も大きいんですが、歴史好きを公言する人でも東南アジア史の概要すらロクに知らなかったりする。それは一般的な日本人の東南アジア全般への関心の低さとも連動している気がします。

というわけで、今後歴ログでは東南アジア史を強化していこうと思っています。

今回は、いかに東南アジアが世界に与えた影響の大きさの好例として、「スペイン領フィリピン」の成立とその役割を追っていきたいと思います。

 

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歴史上の人物が改名をしたいくつかの理由

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人生いろいろ、改名いろいろ

世界史の偉人は現代人では考えられないほど、コロコロ名前を変えてます。

そんなにしょっちゅう名前が変わってたら不便でしょうがないじゃないかと思いますが、子どものときは幼名で、大人になったらちゃんとした名前をもらい、偉くなったら立派な名前をもらったり付けたりするというのじゃごく最近まで日本でもありました。

人生のステージで名乗り名を変えていくのは、新しい自分に生まれ変わる感があって、個人的にはちょっと憧れるんですが、では歴史上の偉人たちはどういう時に名前を変えていったのか、というのが今日のテーマです。

 

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画家が自殺する直前に描いた絵画10枚

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 我々は芸術家の心の機微を読み取れるか?

 芸術家という人種は、ぼくら一般人とは全く違う世界に住んでいるんじゃないかと思っています。

俗世と霊的世界のちょうど中間くらいに住んでいて、一般人には見えないものが見えて、その伝えづらい世界を音とか絵とか体とかで表現するのが芸術家という人種だと理解しています。(霊媒師とかそんなニュアンスではないです)

芸術家が自殺をする動機も、カネに困ってたとか恋愛のもつれとかありますけど、一般人からすると理解に苦しむ部分が多々あるように思います。有名な画家が死の直前に描いた作品には、おそらくその心の機微が何らか表現されているのではないでしょうか? 

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