歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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なぜアンコール・ワットは密林に埋もれたのか

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なぜ壮大な寺院・都城は忘れ去られたのか

アンコールワットの遺跡群は我々を魅了してやみません。

ご覧になっている方の中にも観光で訪れた人もいるでしょうし、いつかは行ってみたいとお思いの方もきっと多いでしょう。

19世紀にアンコールワットを西洋に紹介したフランス人も興奮気味にこう語っています。

西欧の最高の大聖堂と堂々と肩を並べられよう。それに雄大さにかけてはギリシア・ローマ芸術が造り上げた何物にも勝る。

(アンリ・ムオ「シャム・カンボジア・ラオスの諸王とインドシナ中央部の小さな国々」)

ではなぜこのような寺院・都城は作られ、そして密林の中に埋もれて忘れ去られてしまったのでしょうか。

 

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結成理由がメチャクチャな十字軍遠征

 

 正義のかけらもない無茶苦茶な十字軍宣言

十字軍と言えば、1096年の第1回から1272年の第9回まで、アナトリア半島からエジプトの中東地域に十字軍国家支援のためにキリスト教徒軍が展開した一連の戦いが有名です。

ですが、一般的に十字軍とは「教皇が異教徒や異端の排除を呼びかけて結成される軍勢」であるため、中東地域以外に派遣された十字軍も数多くありました。

プロイセンと中心としたバルト地域に派遣された「北方十字軍」や、南フランスの異端アルビジョワ派を滅ぼすための「アルビジョワ十字軍」が有名です。

間違った教えを撲滅することで、世界をより良くし主が喜ばれるようにする、というのが建前ですし、実際のところ十字軍関係者はそのように思っていた者が多かったんですが、中には明らかに動機が不純なものやおかしいものがあります。

 

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有名なWW1のエースパイロット10名

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航空機初期時代の空のエースたち 

エースドライバーやエースパイロットはいつの時代でもモテるものですが、

航空機が発明され始めて大規模に戦争に投入された第一次世界大戦でもそれは同じでした。戦線で活躍したパイロットたちはマスコミに取り上げられて祖国でスターになり、帰国後はセレブリティの仲間入りができました。

欧州戦線で活躍し母国のスターになった、エースパイロットを紹介します。

 

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【インドカレー屋のBGM】インドの伝説的歌手ラタ・マンゲシュカル

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多大なる影響を与えたインドの「美空ひばり」

 インドカレー屋にメシを食いにいくと、よく独特のBGMが流れてますよね。

どんな曲だったかいちいち覚えている人は少ないと思いますが、甲高くて抑揚のある女性の歌だったような印象はありませんか?

たぶん、それを歌っている人物こそ今回取り上げるラタ・マンゲシュカルです。

ラタ・マンゲシュカルは1942年から歌手のキャリアをスタートし、2022年2月に他界するまで1000以上の歌を歌い、インドで最も尊敬される歌手でした。

今回はラタ・マンゲシュカルの半生と彼女の代表作をピックアップします。

インド音楽の入門編にもちょうどよいですよ。

 

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生で見てみたい「水中に沈んだ都市遺跡」

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ロマン溢れる水中都市遺跡

「天空の城ラピュタ」に印象的なシーンがあります。

ラピュタに着いたばかりのパズーとシータが水の底を覗くと、そこにはかつての都市がまるごと水中に沈んでいた、という描写です。

あのシーンはいつ見ても本当にワクワクするんですよね。この空中島にはどれだけ凄い発見が詰まっているんだ!と視聴者の期待を抜群に高めるんです。

水中に沈んだ都市というのは、どういうわけか陸上にある遺跡よりも興味を掻き立てられるもので、宮崎監督もよくその心理を分かってるのだと思います。

実際に世界中には数多くの水中遺跡があるのですが、今回はその一部をピックアップしてみます。

 

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ブルガリアの歴史(4) - WW2枢軸国から社会主義国へ

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第二次世界大戦の敗北、そしてソ連の盟友へ

全4回でブルガリアの通史をまとめています。今回が最終回です。

 

前回までのあらすじ

reki.hatenablog.com

旧領土マケドニアの領有を目指すブルガリアですが、第二次バルカン戦争と第一次世界対戦の敗北でピリン・マケドニア以外の領土のほとんどを獲得できず、人々の間には不満が高まっていました。

この「旧領土再興」を目指し、ナチス・ドイツとファシスト・イタリアに接近していきます。

 

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ブルガリアの歴史(3) - バルカン戦争とWW1の敗北

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大国を目指すブルガリアの格闘

全4回でブルガリアの通史をまとめています。

 

前回までのあらすじ

reki.hatenablog.com

第二次ブルガリア帝国はイヴァン・アセン2世の時代に史上最大の版図を手に入れ全盛期を迎えますが、東より迫るオスマン帝国に敗れて組み込まれてしまいます。

オスマン帝国下では他のバルカン諸国よりも独立運動の兆しは遅かったのですが、民族主義運動や民族解放闘争が徐々に盛んになっていきます。

 近代以降のブルガリアの歴史は、格闘と挫折、そして絶望とその間に見る微かな希望の繰り返しであります。

 

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ブルガリアの歴史(2)- 第二次帝国の隆盛と崩壊

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 帝国の再興と亡国、そして再起の道

全4回でブルガリアの通史をまとめています。

 

前回までのあらすじ

reki.hatenablog.com

古代ブルガリアの土地にあったトラキア人の王国はマケドニアやローマとも覇権を争いました。その後遊牧民族ブルガール族が襲来し、ブルガリア帝国を建国。キリスト教を受容しビザンツ帝国と争いますが、ビザンツ皇帝ヴァシリオス2世の軍に敗れビザンツ帝国に飲み込まれてしまいます。

 

今回は第二次ブルガリア帝国による国の再興と、オスマン帝国下の支配、そしてブルガリア民族主義の高まりと独立闘争の芽生えまでです。

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