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歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

Men's Adventure Magazineのレトロなイラストの世界(前篇)

アメリカ

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戦い・冒険・セクシー…男子の心をくすぐるイラスト

アメリカで1950年代〜60年に発売された雑誌「Men's Adventure Magazine」。

コンセプトは「アドベンチャー」なのですが、中身はアメリカ男子のハートをわしづかみにするテーマで盛りだくさん。

悪者とヒーローとの戦い、セクシー美女、秘境と未開部族、絶体絶命のピンチ…

雑誌はカラーのイラストが盛りだくさんなのですが、そのタッチがたまらん。

昔のアメリカの商業ポスターに見られるようなレトロなタッチで描かれる、中ニ病心をくすぐられるバカバカしいグラフィック

ずっと見てても飽きません。

Tachen社が発刊している「Men's Adventure Magazine in Poster America」より、抜粋してご紹介します。

 

 Men's Adventure Magazineとは

20世紀初頭~1950年代のアメリカでは「パルプ・マガジン」という、低品質のザラ版紙に刷られた大衆向けの安い娯楽用雑誌が発刊され人気を集めました。

多くは10~25セント程度で、 扱う内容は安っぽいフィクションがメイン。

ファンタジー・戦争もの・西部劇・SF・ギャング・ホラー・怪奇小説等々…

多くはセクシー美女や男前のヒーローが登場するイラストが多用されており、特に表紙のイラストは売上を左右したので、いかに読者の興味を引く刺激的なグラフィックにできるか、イラストレーターたちは腕を競いあったのでした。 

多くは1950年代の後半~1960年代の前半に人気がなくなり消えていったのですが、

 数多くのパルプ・マガジンの中で「レジェンド」扱いをされているのが"Men's Adventure Magazine"。

今回は「表紙のグラフィック」を中心に、そのバカバカしいながらもレトロ感なアート感を愛でていきましょう。

量が多いので、本日と明日とに2回に分けたいと思います。

前篇では、Men's Adventure Magazineのイラストの構成因子を分解

後編では、それらの因子を組み合わせた傑作の数々を見ていきたいと思います。

 

特徴1. セクシー美女

 セクシー美女と一言で言ってますが、これも2つに分解できます。

  • 「美女」であり
  • 「セクシー」な格好であるということ

最初の「美女」は言うまでもありません。

おそらく当時のアイドルや女優たちをモデルにしているのでしょう。

登場する女性は全員が美女です。

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「悪党側の美女」もたびたび登場するのですが、これもまた美女なのです。

ならず者やナチの女兵士なども、悪辣に描かれていることはまずなく、これは男の悪党が酷い描写をされているのと対照的です。

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そして重要な因子ですが「セクシー」であること。

どの女性も服がはだけて胸が見えそうになっているか、露出度が高い服を着ています。

ビキニ姿やランジェリー姿も多いです。

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いまも週刊誌の表紙はアイドルのセクシー写真ですから、まったく変わっていませんね。

 

特徴2. ヒーロー

英雄的な活躍をするヒーローが必ず登場します。

残虐な悪党どもや怪物をやっつけ捕われた女性を救出するヒーローは、マッチョな白人男性がメインで、これは当時の映画俳優をモデルにしていると思われます。

セクシー美女を救うに値する、マッチョなイケメンというわけですね。

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後に出てきますが彼らは常に活躍しているわけではなく、

絶体絶命のピンチに陥っていたり、逆に女性に助けられたりといった描写も見られます。 

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特徴3. 猛獣・危険生物

ジャングルや秘境に分け入った主人公を襲うのは、恐ろしい猛獣ども。

ライオンやチーター、アナコンダ、サメなどの他に、食人魚や昆虫に襲われているケースもあります。

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特徴4. 悪党ども

未開部族、インディアン、ナチス兵、日本兵、ソ連兵、中国兵、アラブ人、メキシコ人等々…

基本的にアメリカが敵対した国や民族を対象に悪辣に描いています。

美女をさらって拷問し、いたぶって殺すことを楽しむ悪党ども。

場所や対象が変わっても、描写は基本的には変わりません。

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特徴5. 絶体絶命

悪党どもが美女やヒーローをいたぶったり、殺そうとするその瞬間。

まさに絶体絶命です。

これには2パターンありまして、

  1. 絶体絶命の瞬間に味方が襲いかかろうとしているパターン
  2. もう救いがないゲームオーバーパターン

 1のパターンは例えば以下。

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 2のパターンは例えば以下。

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まれに「あれ、これもしかしたら大逆転あるんじゃない?」と思わせるような、どっちともとれないのもあります。

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もしかしたら手前の男が縄をほどいてギリで一撃喰らわせてくるんじゃ!?

  

特徴6. 拷問・レイプ・人体実験

悪党どもが美女を捕まえたら何をするか。

やることは決まってますよね。

そんなおどろおどろしい描写もかなり頻繁に出てきて、マジでこれエゲつねえなってのも中にはあります。ただし、

  • 女性が拷問される時は、その寸前の描写
  • 男性が拷問される時は、血がにじんでいる程度

であまりグロすぎずに、

ああっ!どうなってしまうんだろう!感を演出するようになっています。

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繋ぎ

さて、Men's Adventure Magazineのイラストのだいたいの傾向は分かっていただけたかなと思います。

ヒーローとお色気志向、そしてアメリカの敵を嫌悪しつつも、

美女にいたずらする悪党どもに若干のジェラシーを感じさせる、という欲望まみれの内容に仕上がっております。 

後編では、これらの因子がミックスされた傑作選をご紹介します。

 

画像転載元

Men's Adventure Magazines in Postwar America (Midi Series)

Men's Adventure Magazines in Postwar America (Midi Series)

 

 

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