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歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

動物を愛しすぎた "海外のムツゴロウさん"伝説

アメリカ イギリス ロシア

 

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海外の "動物狂"7人

 昔、ムツゴロウさんこと畑正憲氏が出演する「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」というテレビ番組がありました。

子どもの頃ぼくはこれが大好きで、レギュラーも特番も欠かさず見ていたものです。

これ以上動物好きなオジさんがこの世にいるだろうかと思っていたのですが、今回はそのムツゴロウさんに勝るとも劣らない「動物狂」たちとその逸話を紹介します。

 なぜかイギリスにたくさんいました。

 1. ジョージ・ゴードン・バイロン 1788- 1824(イギリス)

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動物大好きだったイギリスの文豪

「チャイルド・ハロルドの巡礼」などで有名なイギリスのロマン主義作家バイロンは、様々な女性と関係を持ったプレイボーイとして有名ですが、無類の動物好きでもありました。

学生時代、バイロンは熊を飼っていました。

規則に「犬を連れてきてはいけない」とはあるけど「熊を連れてきてはいけない」とは書いてないからいいはずだと思い、学校に熊を連れて行ったところ大パニックに

熊の他にも、数えきれないほどの犬と馬、1匹のキツネ、4匹のサル、4羽のオウム、5匹のネコ、1羽のワシ、1羽のカラス、1匹のワニ、1羽のハヤブサ、5羽のクジャク、2匹のホロホロチョウ、1羽のツル、1匹のハリネズミ、3匹の雁、1羽のサギ、1匹のラーテル、1匹の足を負傷したヤギ

「自宅の室内」で飼っていたそうです。この話だけで彼が常人ではないことが分かりますね。

 

2. ウィリアム・バックランド 1784- 1856(イギリス)

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動物を"食べる"ことに情熱を注いだ男

ウィリアム・バックランドは19世紀の考古学者で、世界初の「恐竜の化石」に関する論文を書いた人物として非常に著名です。

彼の「生き物」への愛は見ることや触ることだけではなく、それを「食べる」ことによっても表現されたのでした。

バックランドは新しい生き物を見つけると、「とりあえず食べてみた」。本人いはく「興味本位ではなく、我々の社会での新しい食料資源足りうるか」の実験調査だったそうです。ある時、動物園で「豹」が死んだことを知ったバックランドは急いで駆けつけて遺骸を引き取り、やっぱり食べてしまった

またある時、イギリス・ナンハムの教会に保管されている聖遺物「フランス王の心臓」を見たバックランドは、

「いやあ、私は色々変な動物を食べてきましたが、さすがに王の心臓を食べたことはないですなあ!」

と言ってマジで味見しようとして、周囲の者に羽交い締めで止められたそうです。

 

3. ジェミー・ハースト 1738 - 1829(イギリス)

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引用:donny.co.uk

 雄牛を馬のように調教し、豚を猟犬のように調教

イギリス・ヨークシャーに住んでいたジェミー・ハーストは、若い頃から動物を調教することに異常な情熱を持っていました。

ただその対象が普通ではなく、例えば学生の頃は「ハリネズミ」と「カラス」の調教をしていました。また「ジュピター」と名前をつけた雄牛をまるで馬のように調教して乗りこなし、豚をまるで猟犬のように調教していたそうです。

この変わり者の話を聞いたイギリス国王・ジョージ3世は非常に興味を持ち、宮廷のお茶会に招かれるという名誉を得ます。ところがハーストは、

「カワウソが魚を自分で食べられるように調教中だから」

という理由で断ったのだそう。 

 

4. フランシス・ヘンリー・エゲルトン 1756 - 1829(イギリス)

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 犬をまるでヒトのようにもてなした紳士

エゲルトンはイギリスの貴族ですが、生涯のほとんどをフランスで過ごし当時のフランスの先進文化を体現したような洗練された紳士でした。 

そして異常なほどの犬好き。

パーティーがあると愛犬を連れて行くのですが、当時の最先端ファッションを特別にしつらえたものを着せ、靴もミニチュアのものをはかせていました。犬たちとお揃いの靴をはいてきたこともあったそうです。

犬たちは人間と同じ食卓に座ると、ナプキンをつけられ、最高級の銀食器で人間と同じ食事をとりました

今はこんなことをする人は特に珍しくないですけど、19世紀でやっていたとは本当に時代を先取りしていた人物だったんですね。

 

5. デイル・ガスリー 1936 -(アメリカ)

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引用:livescience.com

冷凍マンモスの肉を食ってみた男

デイル・ガスリーはアラスカ大学の動物学教授。

旧石器時代の壁画や冷凍マンモスについての著作を出版しています。

彼は著作"Frozen Fauna of the Mammoth Steppe"の中で発掘した36,000年前の凍ったマンモスの肉を食べてみたと言及し一躍有名人になりました。

気になるお味のほうは

野菜と共にスープにしたところ、肉はよく熟成され、いくばくか固かったが、強い更新世のアロマが香った

とのこと。なんだ更新世のアロマって。 

6. ジョン・ミットン 1796 - 1834(イギリス)

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引用:roguesgalleryonline.com

熊に乗ってパーティーにやってくる男

ジョン・ミットンは19世紀のイギリスの地主で大金持ち。

希代の奇人として有名な人物ですが、熱烈な動物好きでもありました。 

彼は「ネル」という名前の熊を飼っており、パーティーが催されるときにはネルの背中に乗ってやってきました

ある時、いつも通りパーティー会場でネルの背中に乗ろうとしたミットン。ネルは虫の居所が悪かったのか、 ミットンの足に思いっきり噛み付いた!しかし慌てずにネルの背中に乗ろうとするミットンの姿を見て、来客者たちの悲鳴はミットンへの賞賛の声に変わったのだとか

 また彼が「バロネー」と呼んで可愛がっていたのは「室内馬」。暖炉のそばがお気に入りだったそうです。

 

7. イリヤ・イワノビッチ・イワノフ 1870 - 1932(ソ連)

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 人間と猿の交配動物を作ろうとした男

イリヤ・イワノビッチ・イワノフはソ連(ロシア)の獣医学者で、異種間の人工授精の先駆者と言われています。

イワノフは様々な動物を交配して新種の生物を作り、食用・ペット用など実用化を真剣に研究しました。例えば、シマウマとロバ、バイソンと牛、カモシカと牛、マウスとモルモット等々

そんな彼の実験の中で最も論争になったのが「人間とサルの交配種」を作る試み。 1910年の動物学者の世界大会でイワノフは「人工授精で猿人を作れる可能性」について言及。

1926年、資金援助を得て、フランス植民地ギニアで実験を開始します。まずはヒトの精子を2匹のメスのチンパンジーに人工授精させてみますが、妊娠はしませんでした

1927年今度は、チンパンジーの精子を5人のボランティアの女性に人工受精させようとしますが、採取する前にチンパンジーが死亡。イワノフはさぞ悔しがったでしょうね。

結局その後ソ連政府による科学者の弾圧が始まり、イワノフと実験に参加した科学者はことごとく逮捕。その後カザフスタンに送られたイワノフはその地で死亡しました。

 

 

 まとめ

動物への愛の形も様々ですね。 

人間と同じように扱うだけではなくて、調教したり、交配したり、食べたり。

それにしても、19世紀のイギリスに奇人が多いのはどういうことでしょう。

当時のイギリス社会がそのようなデカダン的な雰囲気だったのでしょうか。ちょっと調べてみようと思いました。

 

 参考文献:Prehistoric Meat Up 

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