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歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

3/17 セントパトリックデーに警戒せよ!

アイルランド

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3月17日はセントパトリックデー

もうすぐクリスマス。

言うまでもなく、キリスト教の一大イベント。これはもう完全に日本に定着した行事です。

そういえば最近はハロウィーンがかなり定着しましたよね。ここ7〜8年で一気に普及した感があります。10月の最後の週に町を歩けば、コスプレした女の子たちをいっぱい見かけます。

次に何の「外国の習慣」が流行りだすか。

ぼくは、3/17の「セントパトリックデー」が怪しいと睨んでいます。

その理由は後述します。

まずは、セントパトリックデーが何かを説明します。

 

 聖パトリックが亡くなった日

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3/17は、アイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリックが亡くなった日です。

この日はアイルランドの国民の祝日で、人々はアイルランドのナショナルカラーである緑色の服を着て町をパレードし、ビールを浴びるほど飲みまくります。

また、この日は町中を緑に染めまくるのが毎年恒例のお遊びらしく、上の写真のように川を緑色に染めてしまったりします。

アイルランド以外にも、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、アイルランド系が多い国はセントパトリックデーがかなり普及しています。

また、上記以外の国でもセントパトリックデーは、祝日ではないにしても祝われていて、

例えばパリのディズニーランドはセントパトリックデーには、イルミネーションをグリーンに統一したり、アイルランドのナショナルシンボルであるクローバーを飾ったりするようです。

 

アイルランドにキリスト教を伝えた聖パトリック

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アイルランド人に拉致され奴隷に

セントパトリックとは、アイルランドにキリスト教を伝えた、パトリキウス(387?-461)のことです。アイルランドはもともとケルト人の国で、宗教は土着のドルイド教が信仰されていました。

パトリキウスはローマ統治時代の、現在のイギリス・ウェールズの生まれ。

父は教会で助祭を務めていましたが、若い頃はパトリキウス自身はそんなに信心深いほうではありませんでした。

ところが16歳の時にケルト人の海賊に拉致され、アイルランドに奴隷として売られてしまいます。ここでパトリキウスは6年もの間、奴隷の羊飼いとして働くことになります。

ある日パトリキウスは神のお告げを聞き、それに従って農場を逃げ出します。およそ300キロに渡って逃亡し、無事に故郷であるウェールズまでたどり着きます。

アイルランドにキリスト教を伝えるために渡愛

帰国したパトリキウスは神学を7年間学び、432年に両親の反対を押し切ってアイルランドにキリスト教を伝導する旅に出かけます。

パトリキウスは教会をいくつも建設し、また民衆に分かりやすくキリスト教を教えるなど、アイルランドへのキリスト教の普及に尽力。

パトリキウスは三位一体説を民衆に説明する際、生えていたクローバーを手に取り分かりやすく解説しました。そのため、現在ではクローバーはアイルランドのナショナルシンボルになっています。

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セントパトリックデーが流行る可能性のある理由

セントパトリックデーは日本に普及する可能性が大いにあります。

理由は以下の点です。

  1. 商業的観点
  2. 汎用性
  3. 時期

1. 商業的観点

セントパトリックデーでは、人々は大いにビールを痛飲します。「ビールを飲む日」と言い変えてもいいくらいに飲みます。

日本のビール会社がそれを大々的に宣伝して、

「セントパトリックデーではビールを飲もう!」

とやっても何らおかしくありません。

若者のビール離れが叫ばれる中、各社ともに何とかビールに親しんでもらおうと施策を打ち続けています。

ビールのように苦みのあるチューハイを作ってみたり、

アルコール・カロリーフリーのビアテイストドリンクを作ってみたり。

そこに、ビールを飲むことを季節の習慣として定着させてしまおう、とビール業界が一致団結してプロモーションを仕掛けてくることも充分あり得ます。

なぜそう言えるかというと、ぼく自身広告業界に身を置く人間だからです。

もしぼくのクライアントがビール会社だったら、間違いなく「セントパトリックデー」のプロモーションを提案してると思います。

2. 汎用性

先述の通り、セントパトリックデーには「グリーン」のものを身にまとう、というルールがあります。

この「グリーンであれば何でもOK」の汎用性は強いです。

セントパトリックデーに着たい!グリーンの愛されコーデ

冬の重ね着にキュートに映える!グリーンで女子力UP↗講座

みたいな記事をノンノあたりが組んだらもう、女子は雪崩をうってグリーンを身につけてトレンド化してしまうことでしょう。

期間限定のグリーン商品を作ることも容易です。

グリーン・コカコーラとか、マクドナルドのグリーン・バーガーとか、いくらでも作れます。

商業施設も、クローバーを飾って緑色の装飾をするだけですから簡単に盛り上げられます。

3. 時期

3/17の3日前には何があるでしょう。そうです。ホワイトデーです。

ホワイトデーというものは男にとって、全く面白くない、むしろ苦痛極まりない日です。なぜならば、

  1. 対象がバレンタインデーにプレゼントを貰った女性に限定
  2. プレゼントするものがキャンディーとかホワイトチョコ限定

全く自由がない、義務感にさいなまれた、社会の歯車にはまった日、それがホワイトデー。

もしその後にセントパトリックデーがあるなら、おそらく世の男性は飛びつくことでしょう。

義務感で満ち満ちた日の直後に「酒を飲みなさいよ」という日が来るのだから。

「なあ、今日セントパトリックデーだしよ、飲みいかねえ?」

と女の子に声をかける男が続出するに違いありません。女は女で

「セントパトリックデーだし、まあいっか」

とかよく分からん納得の仕方で、2人は夜の町へ消えていく、ということが起こるのです。

 

 

まとめ

本当に、いつセントパトリックデーが本格的に浸食し始めてもおかしくありません。

みなさんは十分注意して、もしめざましテレビで「セントパトリックデー特集」なんてやりだしたら、速攻テレビ消してください。

外国の文化や風習を知ることは大切なことですが、それにかこつけてカネを搾り取ろうとするメーカーや広告には要注意です。

 

セントパトリックデーにはビールを飲もう!と言われたらすかさずこう返そう。

余計なお世話だね、言われなくとも毎日ビールは飲んでますよ。

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