歴ログ -世界史専門ブログ-

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【インドネシア】世界遺産プランバナン寺院

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 インドネシア最大のヒンドゥー寺院

プランバナン寺院はマタラム王国サンジャヤ朝のラカイ・ピカタン王によって、9世紀終わりごろに建築が開始されました。

当時のジャワ島は仏教勢力とヒンドゥー勢力が混在しており、隣には強力な仏教国であるシャイレーンドラ王朝が存在していました。

プランバナン寺院は、仏教勢力が建立したボロブドゥールに対抗して建設されたと考えられています。

仏教勢力に負けない壮麗な神殿群を作ることで王国の権威を高め、そのことで各地の豪族や地方勢力を自派に取り込もうとしました。

結局サンジャヤ朝はシャイレーンドラ朝を駆逐し、中部ジャワを支配下に置きますが、10世紀ごろに起こった火山の噴火と疫病によって衰退し、東ジャワに逃れてその地で新たな王朝を開きます。同時にプランバナンも遺棄されました。

 

 プランバナンの行き方

ジョグジャカルタから、マリオボロ通りのトランスジョグジャ(1A)に乗り、だいたい40分くらいで到着します。

入場料13ドル。

この日は最悪のどしゃ降り。朝からずっと雨が降り続き、午後になってもやむ気配がありません。

ロロ・ジョングラン寺院

入場口を入って進むと、正面に大きな寺院と、それを囲むように4つの寺院が見えてきます。これがロロ・ジョングラン寺院です。

遠くから見ると、鉛筆の先端を切って並べたような感じ。しかもよく見るとギザギザ状になっているので、かなり痛そう。

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往時はこのように、メインの8つの寺院を取り囲むようにたくさんの小寺院が配置されていましたが、上の写真を見てもわかるようにほとんどが崩壊しています。

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下から見上げた図。見事な尖りっぷり。

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寺院の中にはヒンドゥーの神様の像が一体ポツンとあるだけ。中の部屋に飾りは一切無く殺風景。

基本的に外からの見栄えを重視した作りになっているようです。そこのところ、めちゃくちゃ政治的ですね。

首が痛くなるくらい見上げないと上まで見えません。大迫力です。

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 仏教寺院セウ寺院

プランバナンの多くはヒンドゥー寺院ですが、いくつか仏教寺院もあります。

ロロ・ジョングラン寺院から北に歩いて30分ほどにあるセウ寺院に行ってみました。

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少し離れているせいか、観光客がひとりもいませんでした。

大きくそびえた本殿を中心の周りに、小屋程度の小さな寺院が数十基も並んで壮観。

ただ、ロロ・ジョングラン寺院と同じく、ほとんどの寺院は崩れたままでした。

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 ポゴの丘

プランバナン寺院群を出て「ポゴの丘」へ。バイタクで15分ほど。

ここはプランバナンの平原からムラピ山までが見下ろせるスポットです。

この日は残念ながら、昼すぎまで降った雨雲が濃くかかって、ムラピ山は見えませんでした。

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ムラピ山は活火山で、マタラム王国サンジャヤ朝の崩壊を招いたのも、噴火によって食料危機に陥ったことが原因だそうです。

晴れた時にはこのように、富士山型の奇麗な三角形の山が見れます。

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