歴ログ -世界史専門ブログ-

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外国人バックパッカーは東京のどこに行くか

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CouchSurfingで外国人バックパッカーを家に泊めてみた

今回はちょっと歴史から離れて、ぼくが趣味でやっているCouchSurfing(カウチサーフィン)について書いてみようと思います。

CouchSurfingとは簡単に言うとSNSサービスの一つで、

旅行者が旅先で、家に泊めてくれる人を探せるサービスです。

旅行者は、現地の生活を体験できたり、ガイドブックには載っていない情報を手に入れられたり、何より宿泊代を浮かせることができるメリットがあります。

泊める人のメリットは特にないんですが、強いて言うなら英語の勉強になるくらいです。 70%の善意、30%はリア充欲求から成り立っていると、ぼくは思っています。

 

 

 20人はどこにいったか

ニート時代に集中的にホストして、

1ヶ月ちょっとの間に結構な数が泊まりに来ました。 

  • 4人・・・ドイツ
  • 3人・・・ベルギー、スペイン
  • 2人・・・香港、フランス、イタリア、アメリカ
  • 1人・・・台湾、コロンビア

合計:20人

今回は彼らが東京のどこに、何をしにいったかをまとめてみました。

データとしては少ない数字なので、参考にもならないのですが、外国人ツーリストが東京で何を見たがっているのかの生きた情報ではあると思います。

あとこれはあくまで口頭で聞いただけなので、本人の勘違いとか本当はもっと行っている場所があるのかも知れませんが、そこはご了承ください。

 

1位:渋谷(20/20)

意外だったのですが、みんな渋谷に行ったと言ってました。

何をしにいくかというと、スクランブル交差点を見にいってるんです。

  • 横断歩道が何重にも重なっている珍しい場所(アメリカ人)
  • 信号が青になったら解き放たれたように横断歩道を渡る光景が、ザ・ニッポンという感じ(スペイン人)

スクランブル交差点の中で撮った写真をFacebookに上げると、「いいね!」がいっぱい付くそうです。

 

2位:浅草(19/20)

浅草寺、仲見世通り商店街、かっぱ橋道具街など、ステレオタイプな「ニッポン」を感じるには丁度いい場所だと思い、初めて日本に来た人たちに勧めていたんですが、

  • 友人や同僚へのお土産を買うには最高の場所(フランス人)
  • いかにも観光スポットといった感じで、あんまり長居はしたくない場所(スペイン人)

と、意見が2つに別れました。

特にヨーロッパからのツーリストはいわゆる「観光地」を好まない傾向にあります。

 

3位:秋葉原(18/20)

絶対行った方がいいよ!と勧めていました。

ぼくが勧めるまでもなく、食い気味に「当たり前だ!!」と言ったのはオタクのアメリカ人。

  • メイドさんやコスプレの人たちがいっぱいいてめちゃくちゃ面白かった(ベルギー人)
  • エッチなコミックの看板やセックスショップがいっぱいあって目のやり場に困った(フランス人)

年配のイタリア人カップルは、「全く興味がない」と言っておりました。

 

3位:皇居(18/20)

とりあえず東京に来たからには行っとけ的な扱いの場所です。

エジプトに行ったらピラミッドに行く、くらいな感じ。ただし、

  • 奇麗な場所だったけど特に何もなかった(コロンビア人)
  • 少し散歩してすぐに去った(香港人)

みたいな感想しか聞けず、結構なガッカリ観光地に区分されているような印象。

 

3位:お台場(18/20)

東京のベイエリアも、とりあえず行っとけ系の扱いのようです。

特に目的なく行く人は、ぶらっと散歩して自由の女神とかガンダムの像を見て写真とって帰ってきます。

  • 自由の女神があった
  • でっかいガンダムがあった
  • モノレールに乗った(上記全部ドイツ人)

と、事象のみを簡潔に言ってくれました。

アニメ好きの台湾人は、ガンダムフロント東京を満喫してきたようです。

 

6位:築地市場(16/20)

絶対行った方がいいよ!とお勧めしていたんですが、

だいたいみんな朝起きられずに9時くらいに行って、ほとんど終わった朝市を見回って、築地の寿司の値段の高さに驚いて帰ってきてました。

  • 初めて寿司食べたけど、もう最高だった!(ベルギー人)
  • 寿司食べたかったけど、観光地価格なのかな、ちょっと高すぎて手が出せなかったよ(スペイン人)

築地に興味のない4人は、「マンガ・アニメ・ポップカルチャーを味わう!」ことに全力を上げていた人たちです。

 

7位:原宿(14/20)

東京のティーンのエキセントリックなファッションを見れる場所、という感じで、

ゴスロリファッションの女の子と一緒に写真を撮ったり、バービーショップに行ったり、パンクファッションの服を買ったり、結構みんな楽しんでいました。

  • こんなカオスな場所は生まれて初めてだ!(ベルギー人)
  • お金がいくらあっても足りない!(アメリカ人)

 

圏外

新宿 (10/20)

世界最大のターミナル駅を味わいにいったり、都庁やモード学園などのビル群を眺めに行っているようです。

上野公園・アメ横 (10/20)

特に何をしにいくというわけではなく、ぶらぶらと散歩に行った人が多かったです。

銀座・有楽町 (8/20)

ソニービルを見にいった帰りに、銀座をぶらぶらしていたみたい。

銀座や新宿のデパートは団体の中国人客で潤ってるみたいだけど、個人旅行客にはあんまり用はないようです。

浜松町(ポケモンセンター)( 6/20)

特に20代前半の若い子はポケモンセンターに行ってました。

メシとか宿代とかは倹約して、ポケモングッズに大枚をはたいていました。

富士山 (6/20)

東京から結構遠いからか、あんまり富士山まで足を伸ばす人はいなかったです。

ただ行くなら本気で、富士登頂していた人は6人中4人です。

六本木 (4/20)

どっかナイトスポットはないの?と聞かれたときは六本木行っとけ、と言ってました。

いまダンスクラブの規制が厳しくなってきて夜通し遊べるところがなくなっているみたいで、最終電車で4人とも帰ってきました。

池袋 (2/20)

美味しいラーメンを食いたい、と言った香港人に池袋のラーメン店を3つ教えたところ、コンプリートして帰ってきました。すげえ胃袋だ。

東京ドーム(1/20)

野球大好きな台湾人は、チケットないから雰囲気だけでもと思って毎日東京ドーム周辺をウロウロしていたらしい。

 

まとめ

20人の個人旅行者を泊めて何となく分かったこと。

1. 東京に何か目的があって来ている人は少ない

マンガやポップカルチャーを味わい尽くしたい、という人意外は、何となく歩きながらニッポンの雰囲気を味わいたい、という旅の仕方をしているように見受けられます。

 

 

2. あれこれ買い物はしないが、好きなものにはとことん散財する

ファッションやポップカルチャー、アニメ、マンガが好きな人は、信じられないくらいの買い物をしていました。

逆に、何となく買いをしている人はほとんどいませんでした

 

 

3. 観光地は嫌いと言いつつ、ちゃんと行ってる

浅草、築地市場、皇居といった観光地は、観光地だと分かりつつ、やっぱ行かないと損した気分になるのかしっかり行って「やっぱ観光地はダメね」とか言ってます。

 

 

4. 日本人の普段の生活を味わいたいのではなく、おもてなし体験を味わいたい

特にヨーロッパの個人旅行者は「団体旅行では味わえない、普段の日本人の生活を味わいたい」と言う人が多いです。

ただ、彼らに「どういうところが印象に残ったか」を聞いたことろ、

  • 親切な人に家に招待してもらって夕飯をごちそうになった
  • 焼き鳥屋で酔っぱらいの爺さんに酒をおごってもらった
  • メイド喫茶でいっぱい特別サービスしてもらった
  • 電車の中で落とした財布が戻ってきた

イチ日本人(ぼく)の普段の生活の体験ではなく、

道中に受けたホスピタリティを挙げる人が多かったのです。

彼らの言う「日本人の普段の生活」ってのは「ぼくのかんがえるすごいニッポンのたいけん」であって例えば、

  • 家族パーティーに招いてもらったり
  • 観光客が行かないような地元のお祭りに参加したり
  • 地元の人しか行かないような居酒屋に連れて行ってもらったり

日本らしさのあるおもてなし体験」を味わいたいということなのだろうと思います。 

訪日外国人の目標数は2020年までに2000万人にするという観光庁の目標があるようですが、僕たちができることと言えばまずは、

ハローとかあいさつをするとか、道に迷っている外国人に道を教えてあげるとか、そういうところからではないのかなと思いました。