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歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

売国奴と呼ばれる人たち:洪大純・洪福源・洪茶丘

第9回:洪大純(?-?)・洪福源(1206 - 1258)・洪茶丘(1244 - 1291)

洪一族は、12〜13世紀の高麗・元の軍人。

高麗人でありながら積極的にモンゴルの高麗侵攻を支援した人物。

洪一族の出自は中国で、唐の時代に高麗に移り住んだ家系だそうです。

韓国では出自は重要な問題で、「それゆえ簡単に裏切った」という発想は、韓国では論理的に正当になります。

 モンゴル軍に投降した祖父・洪大純

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祖父・洪大純は高麗北方を守る軍人でしたが、1218年にモンゴル軍が攻めて来ると投降し、家族を残し1人モンゴルに渡ります

彼はモンゴルの高麗侵入の際、道案内や調略などに携わります。

この時モンゴルは高麗を本格的に統治するつもりはなく、略奪や食料の確保などが主な活動だったようです。

モンゴル軍の先兵となった父・洪福源

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父・洪福源は、洪大純と同じく北方警備の任に就いていましたが、モンゴルの侵入の際に降伏。モンゴル軍の一部隊となり、高麗軍を攻撃し始めます。

その後高麗軍の討伐隊に敗れ、モンゴルに逃亡。

モンゴル軍の高麗侵攻の際は、一武将として従軍します。

モンゴルで育った息子・洪茶丘

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bd/Liu-Kuan-Tao-Jagd.JPG

亡命先のモンゴルで育った息子の洪茶丘は、幼い頃よりフビライに目をかけられ軍事的な英才教育を施されます

そのため、父・祖父とは比べ物にならないくらいの出世を遂げることになります。

 抵抗を続ける高麗の軍・三別抄

モンゴルの高麗侵攻が続くと、王朝は混乱状態に陥ります。

高麗の事実上の国軍である三別抄は、モンゴルに宥和的な国王を排しモンゴルに断固抵抗すべく画策します。

ところが国王である忠烈王がモンゴル軍に出兵を要請。

三別抄は首都・開城を脱出し、西南の江華島や珍島に立てこもり抵抗を続けます

三別抄を鎮圧、日本侵攻を計画

洪茶丘は三別抄鎮圧戦では、モンゴル軍の司令官の元で活躍し、その能力を認められます。 

高麗がモンゴルの支配下になった後は、 高麗軍司令官となり日本侵攻の企画立案に携わります

2回の失敗、3回目を強く切望 

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 文永の役•弘安の役は失敗に終わります。

洪茶丘は第3次の遠征を強くフビライに進言しますが、フビライの死亡により計画は中止に。

その後は帝国内の治安維持などにあたったようです。

なぜ売国奴と言われるのか

祖父の洪大純、父の洪福原は単純に、無駄な抵抗をして死ぬよりはモンゴルに恩を売った方が徳だと考えたのではないでしょうか。

息子の洪茶丘に至っては、自分のことを高麗人と意識すらしなかったのではないでしょうか。あるいは、モンゴル帝国の忠実な臣下だという意識が強かった。

第二次世界大戦中、日系アメリカ人が忠実なアメリカ国民として勇敢に戦ったように。

 

高麗人の立場に立ってみたら、亡国の憂き目にあっている時に、同じ民族が将軍となって攻めてきたら、そりゃショックでしょう。

だからといって洪茶丘を責める権利はないと思います。

ましてや現在の韓国人が洪茶丘を糾弾するなんておかしな話だと思うのですが、どうでしょうか。

 

バックナンバー

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第2回:呉三桂(中国)

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第6回:朴泳孝(朝鮮半島)

第7回:ヴィドクン・クヴィスリング(ノルウェー)

第8回:マリンチェ(メキシコ)

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