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歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

【第二次大戦】ディズニー製の反日映画「空軍力の勝利」

アメリカ 日本 ドイツ

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ウォルト・ディズニーの戦争プロパガンダ映画

ディズニー映画といえば、ミッキーやドナルドダッグが登場する可愛くて楽しい映画というイメージがあります。

ところが、かつてウォルト・ディズニーは、第2次世界大戦のアメリカ軍プロパガンダ映画を作ったことがあります。

1943年公開の"Victory Through Air Power"。邦題は「空軍力の勝利」です。

ロシア出身の軍事アナリストの著作がベース

そもそも制作のきっかけは、ウォルトがロシア出身の軍事アナリストのアレクサンドル・セヴェルスキーの著作"Victory Through Air Power"を読み感銘を受け、アニメの制作を打診したことに始まります。

テーマは「いかに空軍力が戦場を支配するか」

映画はアニメがメインですが、実写でセヴェルスキーが登場して、いかにして連合軍が枢軸国軍を空軍力で打倒していくかを力説してくれます。

冷静で論理的な空軍力展開論

映画は約70分。

飛行機の発展から空軍力が戦場で優越性を持つまでの歴史と、1943年現在の第二次世界大戦の状況、そしていかに連合国軍が枢軸国軍を倒すか、という2本立てで構成されています。

政治的なことになると、まあいろいろ言いたいことはあるんですが、単純に映画として面白いです。

ライト兄弟が飛行機を発明してから真珠湾攻撃までの歴史を振返る前半は、歴史ドキュメンタリーとしても面白いのですが、特にスゴいのは後半。

  • 現状、枢軸国側がどのような点においてアドバンテージがあるか
  • そんな中、どんな戦略でアメリカ軍はドイツ、日本を締め上げていくか
  • そのためになぜ空軍力が有効なのか

冷静な現状分析と、論理的な軍事展開論。

それがデフォルメされたアニメ映像になっているので、めちゃくちゃ分かりやすい。

一番恐ろしいのが、こんなすごい映画が1943年に大衆向けに公開されていたこと

いや、もう勝てっこねえわ。 


Victory Through Air Power (1943) Walt Disney Productions .AVC X264-1 cartoons - YouTube

 ライト兄弟から真珠湾攻撃まで

ライト兄弟の最初の飛行実験。120フィート(約360メートル)の飛行に成功。

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技術は目覚ましく進歩。第一次大戦では、航空機同士の戦いや航空機爆撃という新しい戦い方が誕生。

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第二次世界大戦が勃発。

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フランスは国境地帯に要塞を設置して対抗。

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 しかし飛行機の戦略爆撃の前になす術がなかった。

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 バルト海のシーパワーも航空機よる爆撃で完全に失う。

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そして今は、バルカン半島を経由して、地中海の要衝クレタ島もドイツの手に落ちた。

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1941年12月7日 ハワイ真珠湾

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日本軍航空隊の奇襲によってアメリカ軍太平洋艦隊は壊滅状態に。

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 さらにマレー沖で、イギリス軍のプリンス・オブ・ウェールズとレパルスが、日本軍航空隊の魚雷を何本も受け沈没。

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現状、日本は東南アジアの島々に勢力圏を保持しているところである。

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アメリカはどうやって枢軸国を倒すべきか

もう一度現状を振返ってみよう。現在ドイツは東部戦線でロシア、地中海でアメリカ、イギリスとつばぜり合いをしている。

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一方日本は、ドイツよりはるかに広い領域、アリューシャン、中国大陸、ビルマ、ニューギニアに戦線をはっている。 

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アメリカが連中に勝るものは何か。ズバリそれは工業生産力である!

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見よ!戦車、火砲、飛行機ともに急ピッチで増産中である!

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巨大なアメリカの工場から、世界の各戦線に大量に武器弾薬をピストン輸送するのである。

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シーパワーの確保は重要である。なぜなら、危険な海域を避けようとするとその分遠回りをしなければならず、燃料のロスになるし運べる量も少なくなるからである。 

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ドイツは国土全体が巨大な工場である。国土全体から放射状に武器弾薬などの物資を戦地に送り込んでいる。 

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我々は力を分散するのではなく、力を一点に絞り集中的に攻撃するのだ。

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包囲網を狭めたところで、航空機による集中的な爆撃によってドイツ本土を焦土とするのだ。

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太平洋戦線はすこしやっかいである。

なぜなら戦線が広いため、効率的に日本本土を爆撃するための戦略基地を確保する必要があるのだ。現状だと爆撃機が日本まで届かないのだ。

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日本は占領地にある資源を活用し、日本本土と船で結ぶことで生命線を保っている。

シーパワーの確保と資源の奪還のため、域内の島を奪還していく必要がある。

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もっとも有効な基地は中国である。アメリカはインド経由で飛行機を使って中国に物資をピストン輸送する。 

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航空戦は日本に有利である。

なぜなら、日本は既に域内に多くの飛行基地を建設しており、そこに多くの航空機を保管している。

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アメリカ軍は航空基地が少ないから、空母に頼ることになる。

しかし航空基地と空母のとスケールを比較すると、空母の面積はたったこれだけ。

航空機の動員量という点から、我々は不利な状態にある。

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 じゃあ我々は、航空基地の面積に匹敵するだけの空母を大量生産する!

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そうして日本軍占領区域を狭めていき、戦略爆撃が可能な距離に基地を設けることができれば、あとは日本を焦土にするだけである。

そのための長距離爆撃機も現在開発中である。

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アメリカはアラスカからの爆撃も可能である。

そのため現在、アメリカ本土から列車でアラスカに物資を運ぶ鉄道網を計画中である。

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日本本土へ集中的な爆撃を行うことが勝利への最短コースだ。

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そうすると邪悪なタコ(日本)はその触手を引っ込め、アジアは解放されるであろう。

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 U・S・A!U・S・A!

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