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有名な画家が描いたエロティックな絵15枚

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西欧文化と切っても切れないエロティックな絵画 

学校の美術の授業で学ぶ有名な絵画にも、裸の女性がたくさん登場します。

当時は詳しい意味なんて教えてもらえませんでしたが、大人になってから改めて絵が描かれた背景や隠された意味を知ると、結構楽しいものです。

西欧の神話や物語を描く際に裸の女性が多く登場し、裸の女性を描くためにそのモチーフを採用している側面が多分にあるんですが、西欧の文化を理解する上でこのような絵画は避けては通れないと思います。

というわけで、今回はいかにもな絵から、暗喩に満ちた絵まで、エロティックな西洋絵画をピックアップしてみます。スマホだと小さいので、是非PCでご覧ください。

 

1. ジョン・エヴァレット・ミレー「イサベラ」

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ミレーは19世紀前半にラファエル前運動のリーダー的存在だったイギリスの画家です。この絵はパッと見は人々による会食の模様ですが、隠された意味があります。

左手前の男がナッツクラッカーを使ってナッツを剥いていますが、テーブルに映った影の形をご覧ください。影の上にあるこぼれた「白い塩」が象徴するものは、男性の「白いアレ」。

そして彼の右足は右手前に座るイサベラに向かっています。この足が象徴するのは、まあ、そういうことです。

それが分かると、奥に座る人物たちの表情もそれぞれ意味深いものに見えてきます。

 

 

2. ヨハネス・フェルメール「音楽の稽古」

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これもパッと見ただけでは、単に先生と少女のピアノのレッスンの絵ですが、隠されたエロティックな意味があります。

中心では先生と少女がレッスンに打ち込んでいます。ここでは先生と生徒という表面上の関係しかありませんが、上の鏡を見ると、少女が先生を凝視しています。これは女性の「男を見る視線」です。そして手前のワイン用の陶器は「媚薬=陶酔」を表し、床に置かれた楽器は巨大な男性のソレを表します。

 

 

3. ヒエロニムス・ボス「快楽の園」

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 ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」は、シュールレアリスムの走り的な存在として日本でも人気があります。

この絵は三連祭壇画になっていて、左がエデンの園を表し、右が地獄を表し、中央は地上の性的快楽を表しています。上記は中央の上部分をキャプチャしたものです。

寓話に満ちたまことに摩訶不思議な絵なのですが、気持ちよさや爽快感が表現されてるのは何となく分かるし、よく見たらコトに及んだ男女がそこら中にいます。

全体はこちらからご覧ください。

 

 

4. ジャン・オノレ・フラゴナール「ぶらんこ」

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美術の教科書にも載っているジャン・オレノ・フラゴナールの「ぶらんこ」は、若い女性がぶらんこで遊んでいる様子の絵ですが、これは「浮気」を表現した絵です。

奥のぶらんこをひっぱっている初老の男性とぶらんこの女性は夫婦または愛人関係にあります。しかし実は手前の男性と女性は浮気関係にあり、茂みに隠れながら女性のパ◯ツが見えるさまを楽しみ、女性もそのギリギリの緊迫感を楽しんでいるという、昼ドラも真っ青な展開が描かれています。 

 

 

5. サルヴァトール・ダリ「大自慰者」

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シュールレアリストのアンドレ・ブレトンは、芸術家たちに「己の無意識を解放した絵」を書くように促していました。これに応える形でダリが描いた作品がこれ。

女性の顔は男性の股の近くにあり、これからのコトを予感させます。男性の膝には生々しい切り傷があり、これはダリが幼いころの記憶で性行為と怪我や病を結びつけて連想したいたためだそうです。女性の腹部には性的不安を表現するアリがたかり、一方で繁栄を象徴する卵が配置されています。

性行為に対するダリの恐怖・不安・欲望・希望が入り混じった、ダリの無意識下の感情をむき出しにした絵になっています。

 

 

6. ジョン・コリア「ゴディヴァ夫人」

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 チョコレートの有名ブランドの名前で有名ですが、ゴディヴァ夫人は11世紀イギリスに実在した女性です。夫マーシア伯レオフリックが領民をいたぶり、領民に同情する夫人は夫を諌めるも、夫は妻に辱めを与えるためにコヴェントリーの町を裸で馬に乗って行進させられるハメになったのでした。町の人々は夫人を不憫に思い、野次馬をせずに息を潜めていましたが、唯一トムという男だけが覗き見をしたので、英語では覗き見した人物のことを「ピーピング・トム」と言うようになりました。

ゴディヴァ夫人は実在ですが、この話自体は作り話です。

さてゴディヴァ夫人の絵といえばジョン・コリアの絵が有名です。

王が乗るような飾られた馬に乗せられた裸の女性は、あまりに無防備で不安で、見る者に哀れさを感じさせる描写です。一方で一部の男性、つまりトムの視点に立つと、たまらないシチュエーションです。

 

 

7. ディエゴ・ベラスケス「鏡のヴィーナス」

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ヴィーナスはギリシア神話に登場する「愛と美の女神」ですが、その起源は古代世界の富と豊穣を表す女神信仰にもさかのぼり、人類が古来から変わらず信仰してきた女性崇拝を象徴する存在です。

昔からヴィーナスは半裸や全裸で表現されることが多く、というのも女性の裸を描くことがタブーの時代、神話をモチーフにした題材は堂々と描くことができたからです。

この絵は真ん中にある鏡にまず目が行き、次にヴィーナスの後頭部に目が行くように設計されており、ヴィーナスが自分の顔を眺めている様子だと分かります。天使がいるのでギリギリ神話の世界の話だと分かるんですが、見ようによっては彼氏が家に来る前の女性のようにも見えます。

 

 

8. ティッツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」

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ティッツィアーノが描いたヴィーナスは、全裸でベッドに横たわり、愛を象徴する花束を持って誘惑するような目でこちらを見ています。小指の指輪や金のブレスレット、イアリング、髪にはヘアバンドを付け、金髪は首の周りにカールがかかったようにかかり艶めかしい。

足元にいる犬は「貞節」の象徴ですが眠りこけているので、これからまあ、良からぬコトが起きるのでしょう。

 

 

9. エドゥアール・マネ「オランピア」

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 「ウルビーノのヴィーナス」に影響を受けて描かれたのがマネの「オランピア」。

ベッドに横たわる女性、足元にいる動物、花束、背後にいる人物と、基本的な構図と要素はほぼ同じです。オマージュといって良いかもしれません。

ただし、ティッツァーノはあくまでヴィーナスの体裁で描きましたが、マネは当時の有名売◯婦「オランピア」を題材として描いたため、当時大バッシングを受けました。首に付けたリボン、髪につけた花、脱ぎかけのサンダルなど、隠さずもはや直球。

足元の黒猫はズバリ「売◯婦」を象徴するそうです。

 

 

10. ドミニコ・アングル「トルコ風呂」

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ドミニコ・アングルがルイ・ナポレオンに依頼を受けて描いた作品。

名前の通りオスマン・トルコの「トルコ風呂」を描いた作品です。当時のヨーロッパの人にとってトルコの宮廷は「酒池肉林の官能の楽園」といったイメージで、そんな男の欲望を描いています。

アングルは通常通り四角のキャンバスで描いて納品しますが、ルイ・ナポレオンは満足せずにやり直しを命じました。アングルは思い切って周りを切り取って丸くしてみました。すると、女風呂を覗き見してるような、何とも言えない興奮する絵に仕上がり、ルイ・ナポレオンも大変満足したそうです。

 

 

11. コレッジョ「ユピテルとイオ」

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ギリシア神話に登場するイオは、もともとゼウスの妻ヘラの部下でしたが、その美しさを見初めたゼウスが手を出してしまいます。嫉妬に狂ったヘラはゼウスに詰め寄りますが、ゼウスはイオを牡牛に変えてしまい、「牛なんかとやるわけねーだろ」と開き直ってしまう。

ゼウスは浮気な男で、妻ヘラにバレないために様々な形に化けて女性に近づくわけですが、コレッジョが描いたゼウスは雲か煙のようになってイオに近づいています。

イオの顔のあたりにかろうじて顔が浮かんでいますが、そのようにして見ると勢い良くイオを抱きしめて次の瞬間にはコトが起こることを予感させます。

 

 

12. ピーテル・パウル・ルーベンス「レダと白鳥」

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同じくギリシア神話のゼウスの浮気物語。ゼウスは白鳥に化けてスパルタ王テュンダレオスの妻レダを誘惑します。レダは卵を生み、卵から絶世の美女ヘレナが生まれます。

この物語は西洋絵画で好まれて描かれており、というのも白鳥というのは男性器を連想するもので、神話を描いたフリをしてコトをモロに描写できるのです。

 ルーベンスの描いた白鳥はレダに覆いかぶさるような体勢で、左右に拡がった羽根は、なんつーか、人間の男性のアグレッシブな動きを連想させます。

 

 

13. レオナルド・ダ・ヴィンチ「レダと白鳥」

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同じ「レダと白鳥」でも、ダ・ヴィンチが描いた白鳥はちょっと違って、どっちかというと白鳥がレダにリードされている感じです。「いいのよ?」「へへへ」みたいな吹き出しがついてそうです。レダの手つきも、何というか…。

 

 

14. ティッツィアーノ「ダナエ」

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 ゼウスの浮気物語は続きます。

アルゴスの王アクリシオスは、「娘ダナエの息子がお前を殺す」と神託を受け、驚いて地下室にダナエを閉じ込めてしまいます。ところがダナエを見初めたゼウスは、「金の雨」となってダナエと関係を持ち、神託の通り男の子が生まれてしまう。もはや何でもありですね。世界中の間男の仕業をゼウスのせいにしているとしか思えない。

ティッツァーノの描いたダナエはえらく生々しく、ここに描かれていない間男の姿が見えるようです。

この絵は枢機卿からの依頼で、その枢機卿と恋人の姿を描かせたものらしく、直接描くわけにはいかないからダナエの物語の体裁で描いたようです。

そら生々しくなりますね。

 

例えばコレッジョの描いたダナエは、宗教画っぽいというか、あまり生きた人間の感じがしません。

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一方、クリムトの描いたダナエはより劇画チックというか、マンガチックというか。二次元的にはこっちのほうがエロチックに見えるかもしれません。

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15. アレクサンデル・カパネル「ヴィーナスの誕生」

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 ヴィーナスの誕生といえば、ボッティチェリの作品が非常に有名ですが、それと比較するとアレクサンデル・カパネルのそれは、別の目的で描かれたとしか思えません。

ボッティチェリのビーナスは貝の上に立ち、不思議な表情を浮かべながらも、胸や陰部は隠し、右の人物が布で全身を羽織ろうとしています。

一方でカパネルの作品は、恍惚の表情を浮かべて寝ており、一応海の上ですが、ベッドの上にしか見えません。

 

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アレクサンデル・カパネルさんは、きっとそういう、コトが終わった女性の絵を描きたかったんでしょうね…。

 

 

まとめ

こう見てみたら、昔の人の欲望と現代人のそれも対して変わってないことが分かりますね。

「ああしたい、こうしたい」「こういうシチュエーション最高!」みたいな、歴代の殿方の妄想が画面に現れ微笑ましくさえあります。

今回の記事はあくまで男性視点で描いていますが、これを女性が見たらどう思うのか、是非意見を聞いてみたいところです。

 

 

シリーズ:歴史と絵画

  1. 西洋美術で学ぶ聖書の物語(前編)
  2. 西洋美術で学ぶ聖書の物語(中編)
  3. 西洋美術で学ぶ聖書の物語(後編)
  4. 有名な画家が描いた怖すぎる絵20枚
  5. 有名な画家が描いたエロティックな絵15枚

 

 

 

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エロティック美術館

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参考サイト

"10 Great Works Of Art With Incredible Secret Meanings" LISTVERSE

 "The 10 best works of erotic art" the guardian

" The top 10 sexiest works of art ever" the gurdian

 

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