ナニソレと思う奇想天外なスポーツ
日本って全国各地に奇妙な祭りが多いですよね。
神様と相撲をとったり、大勢で袋や木の玉を奪い合ったり、木にまたがって崖から滑り降りたり。
世界にでも有数の奇抜さだと思うのですが、「スポーツ」にはあまり奇抜なものは少ない印象です。日本に「スポーツ」という概念が入ってくるのは明治以降なので、歴史の浅さもあるのかもしれません。
スポーツっていうと、ある程度ルールがしっかり決まっていて、あまり自由に改変することは許されないような印象がありますが、古代オリンピアから「スポーツ」が息づいているヨーロッパでは結構気軽にスポーツを作ってしまうようです。
ということで今回は、特にアメリカやヨーロッパのスポーツ文化の中で育まれた、とびきりクレイジーなやつを集めてみました。
1. キツネ潰し
キツネ潰しは17~18世紀にヨーロッパ、特にドイツで流行ったスポーツ。
四方を囲った競技場にキツネを放つ。そして2人組が布を互いに持ち、キツネがその上に乗ったらタイミングよく布の端をグイッと引く。
するとキツネはポーンと宙高く飛ばされ、そのまま地面に激突して死亡する。最もキツネを高く飛ばしたペアが勝利となります。
17世紀の特に宮廷では王や貴族たちはキツネ潰しに夢中になり、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世が催した大規模なキツネ潰し大会では、647頭のキツネ、533頭のノウサギ、34頭のアナグマ、21頭のヤマネコが死んだそうです。
もちろん今では行われていません。
2. うなぎ引き
うなぎ引きは19世紀にオランダで人気があったスポーツで、2つのスタイルがあります。
ひとつは「綱引き」の要領で、「生きたうなぎ」を綱代わりにして両者が引っ張り合う。うなぎはヌルヌルするから、上手に引っ張って相手からうなぎを引っ張り取ったほうが勝ち。
もう一つは、運河の両岸にロープを張りそこに生きたうなぎをぶら下げる。ボートに乗ったプレイヤーは、ジャンプをしてうなぎを取るのですが、これまたヌルヌルしてるから掴みづらく、失敗して転んだり運河に落ちたりするのを見て、ワハハと笑うわけです。
貴重な天然ウナギを、、もったいない。。。
3. 小人投げ
小人投げは、アメリカやヨーロッパで昔盛んで、現在も一部で行われているスポーツです。
その名の通り、生まれつき小人症の人を一人ないし二人で放り投げてその飛距離を競うもの。身体障碍者に対する差別的行為だとして非難の対象となっていますが、上記のビデオのように一部ではエンタメとして行われているようです。
4. 車ポロ
ポロと言えば、馬に乗ってスティックを持ちボールを相手ゴールに入れれば点数が入るスポーツで、イギリスでは紳士のスポーツとされます。
1912年、「馬ではなくて車を使ってポロをやろう」と提唱したのが英国王ジョージ5世。
片手でハンドルを握り、片手でスティックを持ちバスケットボールほどの大きさのボールを打つ。当時のジャーナリストによれば「車の操作が異常に難しい上に、ケガをする可能性が極めて高かった」そうで、実際にプレイ中にT型フォードから転落する者が相次ぎました。
5. 赤ちゃんボクシング(アメリカ)
1919年、アメリカ・メリーランド州の海軍基地に勤務していたスパイク・ウェッブ軍曹は、「軍人たちの子どもたちを手っ取り早く鍛えるには、ボクシンググローブを渡せばよい」という信念を持っており、
基地内に子供たちのためのボクシングアカデミーを設立して、5歳から11歳の子供たちにボクシングをさせました。
以下はそれを記録したニュース映画です。ボクシングと言うよりはたたき合いみたいな感じですが、女の子までやってます。
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6. 電報ボーリング
19世紀のアメリカでは、テクノロジーと既存のスポーツを組み合わせた新しいスポーツを開発しようと、様々なクリエイティブなアイデアが試されていたそうで、「電報ボーリング」もその一つ。
ボストンとブルックリン、バッファローとシカゴのような離れた場所の2チームが、それぞれ普通にボーリングをして、そのスコアを互いに電報で打ち、勝ち負けを競う。
果たして盛り上がったのかどうか分かりません。
ゲームの遠隔対戦の先祖ですね。
このアイデアは他のスポーツにも適応され、「電報リボルバーマッチ」などがその後行われたそうです。
7. 人間パズル
1959年、南アフリカの大学生がふざけて電話ボックスに何人入れるかやってみたところ、なんと25人も入ることに成功した。
これがアメリカやカナダ、イギリスでニュースになり、電話ボックスに入る若者たちが続出しました。
ルールはいたってシンプルで、ドアを開けた電話ボックスにスペースがある限り入り、何人入れたかを数える、というもの。イギリスの大学生がやってみたところ、どうやっても19人しか入らず、最初の南アフリカの25人が未だに最高記録だそうです。
8. ドワイル・フロンキング
Photo from "Dwile Flonking: council bans traditional pub sport under health and safety" The Telegraph
イギリスの酔っ払いが考えた遊びで、400年以上の歴史があるとされています。
オニが棒を持ち、ビールに浸した布を先っぽにつける。
そしてオニを囲うようにしてプレイヤーたちが手をつなぎ、グルグルと回る。オニは布を放り投げ、プレイヤーの誰かに当てる。当たった者は、ビールを一気飲みしないといけません。もし失敗したらオニがビールを一気飲みする。
YouTubeに動画がありました。これ、やったら絶対悪酔いするやつです。
マネしない方がよさそうです。
9. チェスボクシング
Photo by WCBO
その名の通り、チェスとボクシングを融合させた競技。
チェスとボクシングを交互に11ラウンド行い、ノックアウトするか、チェックメイトするかしたら勝利となります。
近年人気が急上昇しており、2003年には初の世界大会が開催されました。
どうなんでしょう、これ、ボクシングが異様に強かったら、すぐに勝負ついちゃいませんかね?
10. エクストリームアイロンかけ
Photo from "extreme-ironing-sky-dive" SRAPPED HAM
その名の通り、エクストリームな場所で「アイロンがけ」をするスポーツ。
山や崖の急斜面、スカイダイビングをしながら、水上スキーをしながら、スキーをしながらなど、様々なエクストリームな場面でアイロンをかける。
1997年にイギリスで始まった新しいスポーツですが、世界中に愛好家がいて世界大会も開かれています。
一見ギャグのようですが、エクストリームアイロンがけのプレイヤー通称「アイロニスト」たちはいたって真剣で、スリルを味わうスポーツであり、かつパフォーマンスアートであると考えているようです。
まとめ
スポーツって楽しむためにあるので、もっと気軽に新スポーツって作っていっていいんだと思います。
今までにないような新しいスポーツを考え出すのは楽しそうですしね。既存の競技や要素をミックスするだけでも色々考えられそうな気がします。
箱の中に競技とかを書いたカードを入れて2~3枚引いて、その組み合わせで新しくスポーツを試してみるとか。意外に面白い組み合わせが見つかるかもしれません。
「ビールを飲みながら」とか入れちゃうと、マジで死人が出るかもしれないのでご注意ください。
参考
"10 Extremely Unusual Sports You've Probably Never Heard of" D News
"4 Strange Sports In America's Past" the protojournalist
"Top 10 Unusual Sports in The World" WONDERLIST