歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

歴ログ-世界史専門ブログ-は「はてなブログ」での更新を停止しました。
引き続きnoteのほうで活動を続けて参ります。引き続きよろしくお願いします。
noteはこちら

他国の領土にある「民族の精神的故郷」

f:id:titioya:20210926105820j:plain

外国にある「我々の土地」

特にユーラシア大陸の、時期によって主要民族が大きく移り変わった場所では、過去の主要居住地と現在の主要居住地が大きく異なっていることは珍しくありません。

日本だと、例えば天孫降臨神話がある高天原、古都の奈良や京都といった地は、そこに例え馴染みがなくても、自分たちのルーツがある土地として、精神的な故郷と感じることができます。

幸運なことに日本人の精神的故郷は国内にありますが、そうでない国もいくつもあります。仮に京都や奈良が中国大陸や朝鮮半島にあると考えたら、その感情を少しは理解できるかもしれません。

過去の民族の神話や歴史が整理し近代国家を形成する過程で、場合によってはそれを取り戻そうとする動きも高まり、戦争にまで発展したケースもあります。

続きを読む

サウナの文化史

f:id:titioya:20220119110404j:plain

人類と蒸し風呂の長い歴史

現代はサウナが大ブームとなっています。

各地にサウナをメインとした温泉施設が作られ人気になっている他、野外サウナやサウナイベントが催されるなど、「かっこいい」文化として認識されているようです。

サウナー(サウナ愛好家のこと)が言うには、サウナの高温と水風呂の低温を繰り返すと、体が「ととのう」という状態になるらしいです(私はよく理解できないのですが)。サウナ通と呼ばれる人が出てきてメディアを賑わせるなど、ブーム真っ盛りといったところです。

現在一般に言う「サウナ」のルーツは北欧にあるのですが、「蒸し風呂」という文化は世界各地に存在し愛されてきました。一国だけでも一冊の本になるテーマですが、世界各地の蒸し風呂文化をざっくりまとめてみたいと思います。

続きを読む

弱小国を大国に育てた「中興の祖」

f:id:titioya:20210811214030p:plain

危機にあった国を建て直した国王

 偉大なる創業者が立ち上げた国家や組織は、創業時の熱狂が醒めてしばらくすると、内部にはらむ矛盾やシステム的な欠陥が表面化し、集団としての力が弱まっていきます。

 そのまま統率が取れずに内部対立が深まって空中分解してしまう集団もありますが、傑物が出現し内政の立て直しを図り、さらなる高い次元に集団を導いていく場合もあります。今回のテーマは後者です。

 弱小国を大国に育てあげた「中興の祖」をピックアップします。

続きを読む

深夜にじっくり見たい、世界史の「海戦動画」14本

f:id:titioya:20190612192931j:plain

有名な海戦の動画を見ながら酒を飲もう

以前「深夜にじっくり見たい、世界史の「戦闘経過」の動画20本」という記事を書いて、この時は主に陸上の会戦の経過を説明した動画を紹介しました。
一方で、日本人には海戦ってすごく人気があるんですよね。

日清戦争、日露戦争、太平洋戦争でも大規模な海戦が多くあって、しかも日清・日露は結構痛快な勝ち方をしてるので、関心が高い人が多いのかもしれません。

 ということで今回はYouTubeで世界史の海戦動画を集めてみました。ぜひ、深夜に酒を飲みながらじっくりとご覧ください。

続きを読む

世界の「言語純化運動」の5つの事例

f:id:titioya:20181201185534j:plain

「我が国固有の言語」に戻すための取り組み

確か「はだしのゲン」だったと思うのですが、戦争中は「敵性語」は禁止されていたため、ストライクは「いい球ひとつ」、ボールは「悪い球ひとつ」と審判が言って、主人公が「何でわざわざ言い換えるのか」とポカーンとするいう描写があったのを覚えています。実際当時どれだけの人が守ったか定かじゃありません。

これら戦前戦中の「日本語の純化」が無意味なものだと皆わかったので、現在はこういう「伝統的日本語への回帰」というものの社会的な関心度は高くありません。

ただし一概に「言語純化は無意味」は言い切れない側面もあり、たしかにナショナリズム的な側面も強い一方で、文化や言語の保護・育成といった側面もあります。

言語純化の取り組みは世界中にあり、いくつかの国では現在でも進行中のものもあったりします。

続きを読む

【イスラム教】多数派から非正統と見なされるイスラム教少数派

f:id:titioya:20180505153733p:plain

 正統イスラムからは外れているとみなされる一派

 キリスト教ではかつて「公会議」や「異端審問」など、正式な教え以外の教えを「異端」であると公式に裁定し布告する仕組みがありました。

一方でイスラム教では、ある一派や学派が異端であるかを「しかるべき人」が協議し正式に認定することはなかったので、何が異端であって何が異端でないかの判断は人によって分かれます。ただし、スンニ派やシーア派(十二イマーム派)など多数派の一派から見たときに「非正統」であるとみなされる一派は数多く存在します。

続きを読む

【アル中】酒に酔いながら政治をした世界の政治家

20170502102816

 政治をしながらも酒が飲めるぞ

ぼくが子どものころ、ロシアの大統領はエリツィンでした。

テレビに映る顔は赤ら顔で、それを見ながら父が「エリツィンはいつもお酒を飲んでるんだよ」と言いました。それを聞いて「酔っぱらいながら政治ができるんだ!」と子どもながらに衝撃を受けたものです。

大人になって酒を飲むようになって、あれはむしろ「酒を飲まないと政治ができなかった」のかもしれないなあと思うようになりました。

今ではすっかり見なくなりましたが、歴史上はそんな酒漬けのまま政治を行ったリーダーたちがたくさんいます。

 

続きを読む

【拷問・暴力】恐れられた実在の海賊7人の逸話

f:id:titioya:20161113195807j:plain

 泣く子も黙る恐ろしい海賊どもの逸話

映画とか漫画のネタによくなってカッコいいイメージを持たれがちな海賊ですが、

歴史の中の海賊はそんなフィクションの世界とは違って、乱暴狼藉を働く無法者であり、まともな神経の者であれば絶対に近づかない方がいい連中でありました。

 フランシス・ドレークとか、ヘンリー・モーガンとか、黒ひげとか、著名な海賊はたくさんいますが、今回は当時ガチで恐れられた海賊たちをピックアップします。

 

続きを読む