歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

巨大インド市場に紅茶を売った「大英帝国流マーケティング」

 

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インド人に紅茶を売り込め!

インド料理を食べた後には、ラッシーか甘い紅茶を飲みたくなります。

砂糖とミルクがたっぷり入って、少しカルダモンの香りが効いたあれです。 

 口に残る強烈なスパイスの味をさっぱりさせてくれて、さすが長い伝統の中で育まれた味…と思うのですが、実はインドで紅茶が普及したのはそんなに古い話ではなく、たかだかここ100年のことです。

インドは今や世界有数の紅茶の消費国でもあり生産国なのですが、その背景にはイギリス人による大規模なマーケティングとセールスプロモーションがあったのでした。

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なぜロシア人はキリスト教を受け入れたのか

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Work by Moataz1997

ロシアがイスラム教を受け入れなかったのは酒が原因…?

キエフ公国のウラジミール大公がルーシにイスラム教を取り入れることを良しとせず、キリスト教(正教)を受け入れたきっかけとなる有名なお話があります。

ウラジミール大公の元にあるムスリムが現れ、多神教信仰を棄ててイスラム教に帰依するように訴えた。その教えは大変魅力的で、大公は乗り気だったが、ムスリムになったら「豚と酒が禁止される」ことを聞いてこう言った。

「ルーシは酒を飲むことが楽しみなのだ。酒なしには生きている甲斐がないのだよ…」

そうしてウラジミール大公はイスラム教ではなく、酒が許される正教の導入を決定したのだった。

実はこれ以外にもウラジミール大公と様々な宗教使者のエピソードが色々あり、どれも半ばネタじみて作り話っぽい感じで、本当かどうか分かりません。

ルーシ国家は伝統的に南のアッバース朝との中継交易で栄えていたため、イスラム教徒多くの接触があったので、ムスリム国家となっていても不思議はなかったのですが、最終的にはギリシア正教を取り入れてキリスト教国家となり現在に至っています。

その理由は、ビザンティン帝国との経済的な結びつき及び首都コンスタンティノープルの圧倒的な求心力のためでした。

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2017年に読んで面白かった本&よく読まれた記事

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2017年の歴ログの振り返り

細々と更新していますが、当ブログは何気にスタートして4年目になります。

今年は仕事でも私生活でもメチャクチャに忙しかったこともあって、更新頻度をさらに落として運営していました。

当然ながらアクセス数は下がったんですが、これくらいはしょうがないかなーくらいの下がり方なので、来年度も「長く続ける」ことを目標にやっていこうと思います。

ということで、2017年度にぼくが個人的に読んだ本で面白かったものの紹介と、あとアクセス数ランキングを今回はお送りします。

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アンクル・サムのモデルになった人物とは?

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アメリカを象徴するキャラクター、アンクル・サム

「I WANT YOU FOR U.S. ARMY」のポスターは高校の美術の教科書で見たことあると思います。

これは1917年にイラストレーターのジェームス・モンゴメリー・フラッグによって描かれたもので、第一次世界大戦の新兵募集のポスターです。絵画作品としても非常に美しく、一度見たら忘れない強烈なインパクトがあります。

この中央に描かれている人物が、アメリカを象徴する人物アンクル・サム。略してUS(Uncle Sam)で、アメリカの愛国心をキャラクター化したものです。

アンクル・サムのモデルは諸説ありますが、最も有力なのがサムウェル・ウィルソンという人物です。

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世界の「短命国家」の国歌かっこいいランキングTOP10

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 カッコイイ短命国歌の国歌を聞いてみよう

国歌が好きです。

「国の歌」ですから、その国の国民がおおよそ納得できるものに仕上がっているはずで、(基本的には)その国の歴史や文化が集約されているものであるからです。

そして、歴史も何も、成立してすぐにぶっ潰れてしまった国にも国歌はあったはずで、これからの国の発展に希望を託したにも関わらず、願い叶わなかったところに哀愁を感じます。

今回は独断と偏見で、世界の短命国家の国歌ランキングTOP10を発表したいと思います。

それではいきます。

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大日本帝国の朝鮮人移民と移民政策

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 100年前に既に起きていた日本の移民問題

日本では移民問題はかなりセンシティブな話題です。特定のイデオロギーとつながりやすく、冷静で建設的な議論にならず、皆意図的にこの話題を避けている節もあります。

今後仮に日本が移民を受け入れるにしても、

「日本の社会に積極的に馴染む努力をし、日本語が話せ、専門的な技術を有し、生活態度は真面目で勤勉な人」

であればみんな納得すると思いますが、そんな素晴らしい人達がわざわざ日本を選んでくれる道理はありません。

さて、日本は1910年の韓国併合後、朝鮮半島出身の移民を大量に受け入れることになります。日本人と朝鮮人移民のコンフリクトがあちこちで発生し、苦慮した日本政府は「朝鮮人移民の日本流入を抑制し、朝鮮・満州に向かわせる」ことによって事態の打開を図ろうとしました。

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世界史で有名な女性同士の決闘(デュエル)

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 愛のため誇りのため、一対一(サシ)で戦う女たち

 以前の記事「世界で有名な人物の「決闘(デュエル)」では、主に国同士の戦いの雌雄を決した決闘を見ていきました。

昔は決闘というのは神聖な意味を持っており、一対一で戦って勝った者は神の加護があると考えられました。法が曖昧で拘束力がなかったため、正しさの判断を神に委ねた結果、決闘をすることにより公正な正しさが分かると考えられたのだと思います。

 決闘を行ったのは男だけでなく、日本ではあまり考えられませんが、女性もかなり決闘を戦っていました。

今回はヨーロッパの有名な女性のデュエリストを紹介します。

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