歴ログ -世界史専門ブログ-

おもしろい世界史のネタをまとめています。

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ブラジルの近現代史(1) - 帝国ブラジルの野望

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21世紀の大国・ブラジルの近代史

ブラジルという国はGDPは世界9位(2016年度)であり、天然資源や工業部門で世界経済に占める割合は大きなものがあります。

日本人の移民の歴史も長く、3世や4世の日系人が日本で就職するケースも多く、人的な結びつきも強い国です。

にも関わらず、ブラジルの歴史というのはあまりにも馴染みがありません。

今回はブラジルがポルトガルから独立した1822年から20世紀までの歴史を、全4回に渡って追っていきたいと思います。

 

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史上最凶の大気汚染・1952年のロンドンスモッグ

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4,000人が死亡、10万人以上が健康被害を受けた最悪の公害事件

ロンドンは温暖化対策やリサイクル政策などで世界の先端を行く「エコ・シティ」です。

2012年のロンドン・オリンピックでは「環境に配慮したオリンピック」がテーマだったし、行政のエコロジー政策と民間レベルでの環境保護意識は世界のお手本となるべきものです。

現代のロンドンがこのような環境保護意識が高いのも、かつての苦い経験があってのことに違いありません。

1952年12月に発生した大規模なスモッグは、5日間の間ロンドン市を襲い、これにより少なくとも4,000人が死亡、10万人が肺や呼吸器官に異常をきたす史上最悪の大気汚染事件でした。

 

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なぜカナダ国旗は「カエデの葉」が描かれているのか?

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カエデの葉のデザインに至るカナダ国旗の歴史

 世界には様々な国旗がありますが、植物があしらわれているデザインがいくつかあります。

例えば、レバノン杉が中央に描かれたレバノン国旗や、サボテンが描かれたメキシコ国旗。オリーブや月桂樹の葉が描かれた国旗も多いです。

中でもパッと思いつくのがカエデの葉が描かれたカナダ国旗。スポーツの国際大会などですっかりおなじみですが、この旗が初めて登場したのは1965年で比較的新しいのです。

実はこの旗に決まるまでは、様々なデザインが提案され国を二分するほどの侃々諤々の議論がなされ、ようやく落ち着いた国旗なのです。

 

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本当に計画された漫画やアニメのような軍事作戦

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 お笑いのような真面目な軍事作戦

これまでこのブログでも、冗談みたいな理由で起こった戦争や、間抜けすぎる軍事作戦映画みたいな軍事作戦などなど、本当にあったとんでもない戦争の逸話をたくさん紹介してきました。

ちょっと話が盛られてるところはありそうな気もしますが。

今回も「冗談でしょ?」と思ってしまうくらいぶっ飛んだ軍事作戦をピックアップします。

 

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論争や謎が残る7つの「悲劇の沈没船」

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未だに論争を呼び人々を引きつける沈没船

 技術の発達によって昔ほど船は沈まなくなっているはずなのですが、韓国のセウォル号やイタリアのコスタ・コンコルディアのように、客船が沈没したり座礁したりする事故が未だに起きてしまいます。

いくら技術が発達してもそれを操るのが人間であるので、人間自身が進化しないと事故はなくならないよ、ということなのでしょうか。

 セウォル号など、おそらく韓国の黒歴史として語り継がれていくと思うのですが、同じようにいまだに人々の間で議論を呼び関心を呼び続ける沈没船があります。

 

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ハッピーバースデーの歌の歴史と著作権問題

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長年著作権問題があったハッピーバースデーの歌

誰かの誕生日には必ず「♪ハッピーバースデー トゥーユー」で始まる歌を歌うと思います。

これはアメリカや日本だけでなく、歌詞やメロディーが変わっても結構どこの国でも同じで、世界中に普及した非常に有名な曲です。

実はこの曲が作られたのはそんなに古い時代ではなく、現代でも一部著作権が生きています。著作者は著作料を得るのですが、その報酬はかつて年間2億円以上もありました。

そしてこのあまりに有名になりすぎた曲の著作権が認められるかは、長期間に渡って法廷で戦われていました。

 

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「カンボジア暗黒時代」アンコール王朝崩壊後の歴史

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 タイとベトナムの緩衝国となったカンボジア

カンボジアの歴史と言ってすぐに思いつくのが、「アンコール王朝」と「ポル・ポト」だと思います。

前者はカンボジアの栄光の時代で、後者は悲劇の時代という点で、人々の関心を惹きつけてやみませんが、その他のカンボジアの歴史はあまり日が当らない傾向にあります。

15世紀から19世紀までのクメール王朝は、国家の基盤を農業から交易に移し、豊かな資源を背景に再度国力を広げようとしますが、内乱や分裂で国内がまとまらず、また東から迫るベトナムと西から迫るタイの間に挟まれてしまいます。

今回はカンボジアの「暗黒時代」の歴史のまとめです。

 

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